世界史B

https://w3id.org/jp-cos/UpperSecondary/2009/地理歴史/世界史B

詳細情報

学習指導要領(一部改正情報)
高等学校学習指導要領 2009年3月 告示
学習指導要領掲載順
8
学校種別
高等学校
科目名
World History B
せかいしB
世界史B
英語表記出典
英語表記出典の名称
Upper Secondary School Curriculum Guideline English Version (Tentative Translation) (2009-03)
Upper Secondary School Curriculum Guideline English Version (Tentative Translation) (2009-03)
高等学校学習指導要領英訳版(仮訳)(平成21年3月)
高等学校学習指導要領英訳版(仮訳)(平成21年3月)
対応学習指導要領
高等学校学習指導要領 2009年3月 告示
高等学校学習指導要領 2009年3月 告示
関連リンク
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/eiyaku/1298353.htm
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/eiyaku/1298353.htm
Type
英語表記の出典
英語表記の出典
学習指導要領コード4桁目
2
学習指導要領コード4桁目に対応するFコード
A2
科目コード
7432
F科目コード
A7A4A3A2
Type
科目等

被参照情報

'科目がある'としての参照元:
高等学校学習指導要領 2009年3月 告示
地理歴史
'分野・科目・分類'としての参照元:
第2 世界史B
1 目標  世界の歴史の大きな枠組みと展開を諸資料に基づき地理的条件や日本の歴史と関連付けながら理解させ,文化の多様性・複合性と現代世界の特質を広い視野から考察させることによって,歴史的思考力を培い,国際社会に主体的に生きる日本国民としての自覚と資質を養う。
2 内容
(1) 世界史への扉  自然環境と人類のかかわり,日本の歴史と世界の歴史のつながり,日常生活にみる世界の歴史にかかわる適切な主題を設定し考察する活動を通して,地理と歴史への関心を高め,世界史学習の意義に気付かせる。
ア 自然環境と人類のかかわり  自然環境と人類のかかわりについて,生業や暮らし,交通手段,資源,災害などから適切な歴史的事例を取り上げて考察させ,世界史学習における地理的視点の重要性に気付かせる。
イ 日本の歴史と世界の歴史のつながり  日本と世界の諸地域の接触・交流について,人,もの,技術,文化,宗教,生活などから適切な歴史的事例を取り上げて考察させ,日本の歴史と世界の歴史のつながりに気付かせる。
ウ 日常生活にみる世界の歴史  日常生活にみる世界の歴史について,衣食住,家族,余暇,スポーツなどから適切な事例を取り上げて,その変遷を考察させ,日常生活からも世界の歴史がとらえられることに気付かせる。
(2) 諸地域世界の形成  人類は各地の自然環境に適応しながら農耕や牧畜を基礎とする諸文明を築き上げ,やがてそれらを基により大きな地域世界を形成したことを把握させる。
ア 西アジア世界・地中海世界  西アジアと地中海一帯の地理的特質,オリエント文明,イラン人の活動,ギリシア・ローマ文明に触れ,西アジア世界と地中海世界の形成過程を把握させる。
イ 南アジア世界・東南アジア世界  南アジアと東南アジアの地理的特質,インダス文明,アーリヤ人の進入以後の南アジアの文化,社会,国家の発展,東南アジアの国家形成に触れ,南アジア世界と東南アジア世界の形成過程を把握させる。
ウ 東アジア世界・内陸アジア世界  東アジアと内陸アジアの地理的特質,中華文明の起源と秦《しん》・漢帝国,遊牧国家の動向,唐帝国と東アジア諸民族の活動に触れ,日本を含む東アジア世界と内陸アジア世界の形成過程を把握させる。
エ 時間軸からみる諸地域世界  主題を設定し,それに関連する事項を年代順に並べたり,因果関係で結び付けたり,地域世界ごとに比較したりするなどの活動を通して,世界史を時間的なつながりに着目して整理し,表現する技能を習得させる。
(3) 諸地域世界の交流と再編  ユーラシアの海域及び内陸のネットワークを背景に,諸地域世界の交流が一段と活発化し,新たな地域世界の形成や再編を促したことを把握させる。
ア イスラーム世界の形成と拡大   アラブ人とイスラーム帝国の発展,トルコ系民族の活動,アフリカ・南アジアのイスラーム化に触れ,イスラーム世界の形成と拡大の過程を把握させる。
イ ヨーロッパ世界の形成と展開   ビザンツ帝国と東ヨーロッパの動向,西ヨーロッパの封建社会の成立と変動に触れ,キリスト教とヨーロッパ世界の形成と展開の過程を把握させる。
ウ 内陸アジアの動向と諸地域世界   内陸アジア諸民族と宋《そう》の抗争,モンゴル帝国の興亡とユーラシアの諸地域世界や日本の変動に触れ,内陸アジア諸民族が諸地域世界の交流と再編に果たした役割を把握させる。
エ 空間軸からみる諸地域世界   同時代性に着目して主題を設定し,諸地域世界の接触や交流などを地図上に表したり,世紀ごとに比較したりするなどの活動を通して,世界史を空間的なつながりに着目して整理し,表現する技能を習得させる。
(4) 諸地域世界の結合と変容  アジアの繁栄とヨーロッパの拡大を背景に,諸地域世界の結合が一層進展したこととともに,主権国家体制を整え工業化を達成したヨーロッパの進出により,世界の構造化が進み,社会の変容が促されたことを理解させる。
ア アジア諸地域の繁栄と日本  西アジア・南アジアのイスラーム諸帝国や東南アジア海域の動向,明《みん》・清《しん》帝国と日本や朝鮮などとの関係を扱い,16世紀から18世紀までのアジア諸地域の特質とその中での日本の位置付けを理解させる。
イ ヨーロッパの拡大と大西洋世界  ルネサンス,宗教改革,主権国家体制の成立,世界各地への進出と大西洋世界の形成を扱い,16世紀から18世紀までのヨーロッパ世界の特質とアメリカ・アフリカとの関係を理解させる。
ウ 産業社会と国民国家の形成  産業革命,フランス革命,アメリカ諸国の独立など,18世紀後半から19世紀までのヨーロッパ・アメリカの経済的,政治的変革を扱い,産業社会と国民国家の形成を理解させる。
エ 世界市場の形成と日本  世界市場の形成,ヨーロッパ諸国のアジア進出,オスマン,ムガル,清《しん》帝国及び日本などアジア諸国の動揺と改革を扱い,19世紀のアジアの特質とその中での日本の位置付けを理解させる。
オ 資料からよみとく歴史の世界  主題を設定し,その時代の資料を選択して,資料の内容をまとめたり,その意図やねらいを推測したり,資料への疑問を提起したりするなどの活動を通して,資料を多面的・多角的に考察し,よみとく技能を習得させる。
(5) 地球世界の到来  科学技術の発達や生産力の著しい発展を背景に,世界は地球規模で一体化し,二度の世界大戦や冷戦を経て相互依存を一層強めたことを理解させる。また,今日の人類が直面する課題を歴史的観点から考察させ,21世紀の世界について展望させる。
ア 帝国主義と社会の変容  科学技術の発達,企業・国家の巨大化,国民統合の進展,帝国主義諸国の抗争とアジア・アフリカの対応,国際的な移民の増加などを理解させ,19世紀後期から20世紀初期までの世界の動向と社会の特質について考察させる。
イ 二つの世界大戦と大衆社会の出現  総力戦としての二つの世界大戦,ロシア革命とソヴィエト連邦の成立,大衆社会の出現とファシズム,世界恐慌と資本主義の変容,アジア・アフリカの民族運動などを理解させ,20世紀前半の世界の動向と社会の特質について考察させる。
ウ 米ソ冷戦と第三世界  米ソ両陣営による冷戦の展開,戦後の復興と経済発展,アジア・アフリカ諸国の独立とその後の課題,平和共存の模索などを理解させ,第二次世界大戦後から1960年代までの世界の動向について考察させる。
エ グローバル化した世界と日本  市場経済のグローバル化とアジア経済の成長,冷戦の終結とソヴィエト連邦の解体,地域統合の進展,知識基盤社会への移行,地域紛争の頻発,環境や資源・エネルギーをめぐる問題などを理解させ,1970年代以降の世界と日本の動向及び社会の特質について考察させる。...
オ 資料を活用して探究する地球世界の課題  地球世界の課題に関する適切な主題を設定させ,歴史的観点から資料を活用して探究し,その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して,資料を活用し表現する技能を習得させるとともに,これからの世界と日本の在り方や世界の人々が協調し共存できる...
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成するとともに,各時代における世界と日本を関連付けて扱うこと。また,地理的条件とも関連付けるようにすること。
イ 年表,地図その他の資料を積極的に活用したり,文化遺産,博物館や資料館の調査・見学を取り入れたりするなどして,具体的に学ばせるように工夫すること。
(2) 各項目については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,各地域世界の人々の生活,宗教,意識などを具体的に把握できるようにし,政治史のみの学習にならないようにすること。
イ 内容の(5)については,単に知識を与えるだけでなく,地球世界の課題について考察させること。その際,核兵器などの脅威に着目させ,戦争を防止し,平和で民主的な世界を実現させることが重要な課題であることを認識させること。
(3) 主題を設定して行う学習については,次の事項に配慮するものとする。
ア 学習の実施に当たっては,適切な時間を確保し,年間指導計画の中に位置付けて段階的・継続的に指導すること。また,主題の設定や資料の選択に際しては,生徒の興味・関心や学校,地域の実態等に十分配慮して行うこと。
イ 内容の(1)については,中学校社会科の内容との連続性に配慮して,主題を設定すること。その際,アについては,この科目の導入として位置付けること。イ及びウについては,適切な時期に実施するようにすること。
ウ 内容の(2)のエ,(3)のエ及び(4)のオについては,次の事項に留意すること。
(ア) それぞれの項目の内容に示された事項を参考にして主題を設定し,生徒の主体的な追究を通して,歴史的思考力を培うようにすること。
(イ) 内容の(2)のエ及び(3)のエについては,年表や地図その他の資料を活用して説明するなどの活動を取り入れること。
(ウ) 内容の(4)のオについては,文字資料に加えて,絵画,風刺画,写真などの図像資料を取り入れるよう工夫すること。
エ 内容の(5)のオについては,内容の(5)のアからエまでに示された事項を参考にして主題を設定させること。
(4) 近現代史の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 客観的かつ公正な資料に基づいて歴史の事実に関する理解を得させるようにすること。
イ 各国史別の扱いにならないよう,広い視野から世界の動きをとらえさせるようにすること。
ウ 政治,経済,社会,文化,宗教,生活など様々な観点から歴史的事象を取り上げ,近現代世界に対する多角的で柔軟な見方を養うこと。
エ 日本と関連する諸国の歴史については,当該国の歴史から見た日本などにも着目させ,世界の歴史における日本の位置付けを明確にすること。