地理的分野

https://w3id.org/jp-cos/LowerSecondary/2017/社会/地理的分野

詳細情報

学習指導要領(一部改正情報)
中学校学習指導要領 2017年3月 告示
学習指導要領掲載順
1
学校種別
中学校
科目名
Geographical Field
ちりてきぶんや
地理的分野
学習指導要領コード4桁目
1
学習指導要領コード4桁目に対応するFコード
A1
科目コード
8321
F科目コード
A8A3A2A1
Type
科目等

被参照情報

'科目がある'としての参照元:
中学校学習指導要領 2017年3月 告示
社会
'分野・科目・分類'としての参照元:
〔地理的分野〕
1 目標 社会的事象の地理的な見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりする活動を通して,広い視野に立ち,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。
(1) 我が国の国土及び世界の諸地域に関して,地域の諸事象や地域的特色を理解するとともに,調査や諸資料から地理に関する様々な情報を効果的に調べまとめる技能を身に付けるようにする。
(2) 地理に関わる事象の意味や意義,特色や相互の関連を,位置や分布,場所,人間と自然環境との相互依存関係,空間的相互依存作用,地域などに着目して,多面的・多角的に考察したり,地理的な課題の解決に向けて公正に選択・判断したりする力,思考・判断したことを説明したり,それらを基に議論し...
(3) 日本や世界の地域に関わる諸事象について,よりよい社会の実現を視野にそこで見られる課題を主体的に追究,解決しようとする態度を養うとともに,多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵《かん》養される我が国の国土に対する愛情,世界の諸地域の多様な生活文化を尊重しようとすることの大切...
2 内容
A 世界と日本の地域構成
(1) 地域構成 次の①と②の地域構成を取り上げ,位置や分布などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,以下のア及びイの事項を身に付けることができるよう指導する。
① 世界の地域構成
② 日本の地域構成
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 緯度と経度,大陸と海洋の分布,主な国々の名称と位置などを基に,世界の地域構成を大観し理解すること。
(イ) 我が国の国土の位置,世界各地との時差,領域の範囲や変化とその特色などを基に,日本の地域構成を大観し理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 世界の地域構成の特色を,大陸と海洋の分布や主な国の位置,緯度や経度などに着目して多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 日本の地域構成の特色を,周辺の海洋の広がりや国土を構成する島々の位置などに着目して多面的・多角的に考察し,表現すること。
B 世界の様々な地域
(1) 世界各地の人々の生活と環境 場所や人間と自然環境との相互依存関係などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 人々の生活は,その生活が営まれる場所の自然及び社会的条件から影響を受けたり,その場所の自然及び社会的条件に影響を与えたりすることを理解すること。
(イ) 世界各地における人々の生活やその変容を基に,世界の人々の生活や環境の多様性を理解すること。その際,世界の主な宗教の分布についても理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 世界各地における人々の生活の特色やその変容の理由を,その生活が営まれる場所の自然及び社会的条件などに着目して多面的・多角的に考察し,表現すること。
(2) 世界の諸地域 次の①から⑥までの各州を取り上げ,空間的相互依存作用や地域などに着目して,主題を設けて課題を追究したり解決したりする活動を通して,以下のア及びイの事項を身に付けることができるよう指導する。
① アジア
② ヨーロッパ
③ アフリカ
④ 北アメリカ
⑤ 南アメリカ
⑥ オセアニア
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 世界各地で顕在化している地球的課題は,それが見られる地域の地域的特色の影響を受けて,現れ方が異なることを理解すること。
(イ) ①から⑥までの世界の各州に暮らす人々の生活を基に,各州の地域的特色を大観し理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) ①から⑥までの世界の各州において,地域で見られる地球的課題の要因や影響を,州という地域の広がりや地域内の結び付きなどに着目して,それらの地域的特色と関連付けて多面的・多角的に考察し,表現すること。
C 日本の様々な地域
(1) 地域調査の手法 場所などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 観察や野外調査,文献調査を行う際の視点や方法,地理的なまとめ方の基礎を理解すること。
(イ) 地形図や主題図の読図,目的や用途に適した地図の作成などの地理的な技能を身に付けること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 地域調査において,対象となる場所の特徴などに着目して,適切な主題や調査,まとめとなるように,調査の手法やその結果を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(2) 日本の地域的特色と地域区分 次の①から④までの項目を取り上げ,分布や地域などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,以下のア及びイの事項を身に付けることができるよう指導する。
① 自然環境
② 人口
③ 資源・エネルギーと産業
④ 交通・通信
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 日本の地形や気候の特色,海洋に囲まれた日本の国土の特色,自然災害と防災への取組などを基に,日本の自然環境に関する特色を理解すること。
(イ) 少子高齢化の課題,国内の人口分布や過疎・過密問題などを基に,日本の人口に関する特色を理解すること。
(ウ) 日本の資源・エネルギー利用の現状,国内の産業の動向,環境やエネルギーに関する課題などを基に,日本の資源・エネルギーと産業に関する特色を理解すること。
(エ) 国内や日本と世界との交通・通信網の整備状況,これを活用した陸上,海上輸送などの物流や人の往来などを基に,国内各地の結び付きや日本と世界との結び付きの特色を理解すること。
(オ) ①から④までの項目に基づく地域区分を踏まえ,我が国の国土の特色を大観し理解すること。
(カ) 日本や国内地域に関する各種の主題図や資料を基に,地域区分をする技能を身に付けること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) ①から④までの項目について,それぞれの地域区分を,地域の共通点や差異,分布などに着目して,多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 日本の地域的特色を,①から④までの項目に基づく地域区分などに着目して,それらを関連付けて多面的・多角的に考察し,表現すること。
(3) 日本の諸地域 次の①から⑤までの考察の仕方を基にして,空間的相互依存作用や地域などに着目して,主題を設けて課題を追究したり解決したりする活動を通して,以下のア及びイの事項を身に付けることができるよう指導する。
① 自然環境を中核とした考察の仕方
② 人口や都市・村落を中核とした考察の仕方
③ 産業を中核とした考察の仕方
④ 交通や通信を中核とした考察の仕方
⑤ その他の事象を中核とした考察の仕方
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 幾つかに区分した日本のそれぞれの地域について,その地域的特色や地域の課題を理解すること。
(イ) ①から⑤までの考察の仕方で取り上げた特色ある事象と,それに関連する他の事象や,そこで生ずる課題を理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 日本の諸地域において,それぞれ①から⑤までで扱う中核となる事象の成立条件を,地域の広がりや地域内の結び付き,人々の対応などに着目して,他の事象やそこで生ずる課題と有機的に関連付けて多面的・多角的に考察し,表現すること。
(4) 地域の在り方 空間的相互依存作用や地域などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 地域の実態や課題解決のための取組を理解すること。
(イ) 地域的な課題の解決に向けて考察,構想したことを適切に説明,議論しまとめる手法について理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 地域の在り方を,地域の結び付きや地域の変容,持続可能性などに着目し,そこで見られる地理的な課題について多面的・多角的に考察,構想し,表現すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容のA,B及びCについては,この順序で取り扱うものとし,既習の学習成果を生かすこと。
(2) 内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 世界や日本の場所や地域の特色には,一般的共通性と地方的特殊性があり,また,地域に見られる諸事象は,その地域の規模の違いによって現れ方が異なることに留意すること。
イ 地図の読図や作図,景観写真の読み取り,地域に関する情報の収集や処理などの地理的技能を身に付けるに当たっては,系統性に留意して計画的に指導すること。その際,教科用図書「地図」を十分に活用すること。
ウ 学習で取り上げる地域や国については,各項目間の調整を図り,一部の地域に偏ることのないようにすること。
エ 地域の特色や変化を捉えるに当たっては,歴史的分野との連携を踏まえ,歴史的背景に留意して地域的特色を追究するよう工夫するとともに,公民的分野との関連にも配慮すること。
オ 地域的特色を追究する過程で生物や地学的な事象などを取り上げる際には,地域的特色を捉える上で必要な範囲にとどめること。
(3) 内容のAについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,次のとおり取り扱うものとする。
(ア) 日本の地域構成を扱う際には,都道府県の名称と位置のほかに都道府県庁所在地名も取り上げること。
(イ) 「領域の範囲や変化とその特色」については,我が国の海洋国家としての特色を取り上げるとともに,竹島や北方領土が我が国の固有の領土であることなど,我が国の領域をめぐる問題も取り上げるようにすること。その際,尖閣諸島については我が国の固有の領土であり,領土問題は存在しないことも扱...
(ウ) 地球儀や地図を積極的に活用し,学習全体を通して,大まかに世界地図や日本地図を描けるようにすること。
(4) 内容のBについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,世界各地の人々の生活の特色やその変容の理由と,その生活が営まれる場所の自然及び社会的条件との関係を考察するに当たって,衣食住の特色や,生活と宗教との関わりなどを取り上げるようにすること。
イ (2)については,次のとおり取り扱うものとする。
(ア) 州ごとに設ける主題については,各州に暮らす人々の生活の様子を的確に把握できる事象を取り上げるとともに,そこで特徴的に見られる地球的課題と関連付けて取り上げること。
(イ) 取り上げる地球的課題については,地域間の共通性に気付き,我が国の国土の認識を深め,持続可能な社会づくりを考える上で効果的であるという観点から設定すること。また,州ごとに異なるものとなるようにすること。
(5) 内容のCについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,次のとおり取り扱うものとする。
(ア) 地域調査に当たっては,対象地域は学校周辺とし,主題は学校所在地の事情を踏まえて,防災,人口の偏在,産業の変容,交通の発達などの事象から適切に設定し,観察や調査を指導計画に位置付けて実施すること。なお,学習の効果を高めることができる場合には,内容のCの(3)の中の学校所在地を...
(イ) 様々な資料を的確に読み取ったり,地図を有効に活用して事象を説明したりするなどの作業的な学習活動を取り入れること。また,課題の追究に当たり,例えば,防災に関わり危険を予測したり,人口の偏在に関わり人口動態を推測したりする際には,縮尺の大きな地図や統計その他の資料を含む地理空間...
イ (2)については,次のとおり取り扱うものとする。
(ア) ①から④までで示した日本の地域的特色については,系統的に理解を深めるための基本的な事柄で構成すること。
(イ) 地域区分に際しては,日本の地域的特色を見いだしやすくなるようにそれぞれ適切な数で区分すること。
ウ (3)については,次のとおり取り扱うものとする。
(ア) 日本の諸地域については,国内を幾つかの地域に区分して取り上げることとし,その地域区分は,指導の観点や学校所在地の事情などを考慮して適切に決めること。
(イ) 学習する地域ごとに①から⑤までの考察の仕方を一つ選択することとし,①から④までの考察の仕方は,少なくとも一度は取り扱うこと。また,⑤の考察の仕方は,様々な事象や事柄の中から,取り上げる地域に応じた適切なものを適宜設定すること。
(ウ) 地域の考察に当たっては,そこに暮らす人々の生活・文化,地域の伝統や歴史的な背景,地域の持続可能な社会づくりを踏まえた視点に留意すること。
エ (4)については,次のとおり取り扱うものとする。
(ア) 取り上げる地域や課題については,各学校において具体的に地域の在り方を考察できるような,適切な規模の地域や適切な課題を取り上げること。
(イ) 学習の効果を高めることができる場合には,内容のCの(1)の学習や,Cの(3)の中の学校所在地を含む地域の学習と結び付けて扱うことができること。
(ウ) 考察,構想,表現する際には,学習対象の地域と類似の課題が見られる他の地域と比較したり,関連付けたりするなど,具体的に学習を進めること。
(エ) 観察や調査の結果をまとめる際には,地図や諸資料を有効に活用して事象を説明したり,自分の解釈を加えて論述したり,意見交換したりするなどの学習活動を充実させること。