中学校

https://w3id.org/jp-cos/school/LowerSecondary

詳細情報

コード割り当て表掲載順
3
同一リソース
http://ja.dbpedia.org/resource/中学校
名称
Lower Secondary School
ちゅうがっこう
中学校
Type
学校種別

被参照情報

'Example'としての参照元:
no title
Property
Example
1
Datatype
http://www.w3.org/2001/XMLSchema#integer
Description
This is used in the order of the listings.
表示順を決める場合などで利用
Maxcount
1
Mincount
1
Name
Listing order of the course of study
学習指導要領掲載順
Order
2
Path
http://purl.org/linked-data/cube#order
Example
  • "外国語"@ja
  • "がいこくご"@ja-Hira
  • "Foreign Languages"@en
Datatype
http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#langString
Description
Using language tags, Japanese name, transcription of the name, and English name are shown. The meanings of language tags are as follows:
@ja
Japanese name (Kanji)
@ja-Hira
Japanese name (Hiragana). The name of the subject area is transcribed in Hiragana.
@en
English name of the subject area
Note that English names are unfficial one. Translation is done by the maintainers of this dataset. While we could not find the official English translations for the subject area, we refer to the tentative translations in the curriculum guidelines, and the English guide entitled "Education in Japan" published by the MEXT.
言語コードを用いて、教科名に加え、そのよみ、英語名称を示します。言語コードとその意味は以下の通りです。
@ja
日本語名称(漢字表記)
@ja-Hira
日本語名称(ひらがな表記)。教科名のよみをひらがな表記で示します。
@en
教科名の英語名称
注意:英訳名称は、文部科学省の正式なものではありません。翻訳の責任は、江草、高久にあります。 理由:大半の教科については、文部科学省が発表している正式な英語訳を見つけられませんでした(教育図書館へのレファレンス調査も実施済み)。 なお、学習指導要領の英訳(仮訳) (小学校、 中学校、 高等学校) に記載されている教科はそれらに由来するものです。 また、小学校、中学校の教科については、文部科学省が出している英語ガイド(Education In JAPAN, 13版)67ページの記載も参考にしました。 いずれにも記載のない教科名は、江草・高久によって一から英訳したものです。
Languagein
First
ja
Rest
First
ja-Hira
Rest
First
en
Rest
http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#nil
Maxcount
3
Mincount
1
Name
Name
教科名
Order
5
Path
http://schema.org/name
Uniquelang
true
Example
1
Datatype
http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string
Maxcount
1
Mincount
1
Name
3th Digit Code of Course of Study Item
学習指導要領コード3桁目
Order
7
Path
学習指導要領コード3桁目
Example
821
Datatype
http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string
Description
The first through third digits of the course of study code
学習指導要領コードの1桁目から3桁目。
Maxcount
1
Mincount
1
Name
Code of Subject Area
教科コード
Order
9
Path
教科コード
Example
中学校学習指導要領 2017年3月 告示
Class
学習指導要領の別バージョン
Description
Repeatable. It corresponds to the revisions of the course of study.
複数の改正がある場合、改正の件数分、繰り返される。
Mincount
1
Name
Course Of Study Revision
学習指導要領(一部改正情報)
Order
1
Path
学習指導要領(一部改正情報)
Example
知的
Class
障害分類
Description
It corresponds to the second digit of the course of study code.
学習指導要領コードの2桁目に対応
Name
Disability Category
障害分類
Order
3
Path
障害分類
Example
A1
Datatype
http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string
Description
It is assigned "A" for numbers, L for lowercase letters, and U for uppercase letters to make the 3th digit code of course of study item easier to handle in Excel filters and pivot tables.
学習指導要領コードの3桁目をExcelのフィルタやピボットテーブルで扱いやすいように、数字であればAを、小文字であればLを、大文字であればUを付与したコード。
Maxcount
1
Mincount
1
Name
Fcode Correspond to 3th Digit Code of Course of Study Item
学習指導要領コード3桁目に対応するFコード
Order
8
Path
学習指導要領コード3桁目に対応するFコード
Example
A8A2A1
Datatype
http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string
Description
It is assigned "A" for numbers, L for lowercase letters, and U for uppercase letters to make from the first digit code to the 3th one of course of study item easier to handle in Excel filters and pivot tables.
学習指導要領コードの1桁目から3桁目をExcelのフィルタやピボットテーブルで扱いやすいように、数字であればAを、小文字であればLを、大文字であればUを付与したコード。
Maxcount
1
Mincount
1
Name
Fcode of Subject Area
F教科コード
Order
10
Path
F教科コード
Example
英語
Class
科目等
Name
has a subject
科目がある
Order
11
Path
科目がある
Example
中学校
Class
学校種別
Description
It corresponds to the second digit of the course of study code.
学習指導要領コードの2桁目に対応
Maxcount
2
Mincount
1
Name
Type of School
学校種別
Order
4
Path
学校種別
Description
schema:name, cs:curriculum, rdfs:seeAlsoの3つのプロパティを持つ。
This has a blank node which consists of three properties: schema:name, cs:curriculum and rdfs:seeAlso.
Maxcount
1
Name
Source for the English name
英語表記出典
Node
no title
Nodekind
http://www.w3.org/ns/shacl#BlankNode
Order
6
Path
英語表記出典
no title
Property
Example
10
Datatype
http://www.w3.org/2001/XMLSchema#integer
Description
This is used in the order of the listings.
表示順を決める場合などで利用
Maxcount
1
Mincount
1
Name
Listing order of the course of study
学習指導要領掲載順
Order
2
Path
http://purl.org/linked-data/cube#order
Example
  • "英語"@ja
  • "えいご"@ja-Hira
  • "English"@en
Datatype
http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#langString
Description
Using language tags, Japanese name, transcription of the name, and English name are shown. The meanings of language tags are as follows:
@ja
Japanese name (Kanji)
@ja-Hira
Japanese name (Hiragana). The name of the subject area is transcribed in Hiragana.
@en
English name of the subject area
Note that English names are unfficial one. Translation is done by the maintainers of this dataset. While we could not find the official English translations for the subject area, we refer to the tentative translations in the curriculum guidelines, and the English guide entitled "Education in Japan" published by the MEXT.
言語コードを用いて、教科名に加え、そのよみ、英語名称を示します。言語コードとその意味は以下の通りです。
@ja
日本語名称(漢字表記)
@ja-Hira
日本語名称(ひらがな表記)。教科名のよみをひらがな表記で示します。
@en
教科名の英語名称
注意:英訳名称は、文部科学省の正式なものではありません。翻訳の責任は、江草、高久にあります。 理由:大半の教科については、文部科学省が発表している正式な英語訳を見つけられませんでした(教育図書館へのレファレンス調査も実施済み)。 なお、学習指導要領の英訳(仮訳) (小学校、 中学校、 高等学校) に記載されている教科はそれらに由来するものです。 また、小学校、中学校の教科については、文部科学省が出している英語ガイド(Education In JAPAN, 13版)67ページの記載も参考にしました。 いずれにも記載のない教科名は、江草・高久によって一から英訳したものです。
Languagein
First
ja
Rest
First
ja-Hira
Rest
First
en
Rest
http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#nil
Maxcount
3
Mincount
1
Name
Subject Name
科目名
Order
5
Path
http://schema.org/name
Uniquelang
true
Example
1
Datatype
http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string
Maxcount
1
Mincount
1
Name
4th Digit Code of Course of Study Item
学習指導要領コード4桁目
Order
7
Path
学習指導要領コード4桁目
Example
83H1
Datatype
http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string
Description
The first through 4th digits of the course of study code
学習指導要領コードの1桁目から4桁目。
Maxcount
1
Mincount
1
Name
Code of Subject
科目コード
Order
9
Path
教科コード
Example
中学校学習指導要領 2017年3月 告示
Class
学習指導要領の別バージョン
Description
Repeatable. It corresponds to the revisions of the course of study.
複数の改正がある場合、改正の件数分、繰り返される。
Mincount
1
Name
Course Of Study Revision
学習指導要領(一部改正情報)
Order
1
Path
学習指導要領(一部改正情報)
Example
https://w3id.org/jp-cos/Intellectual
Class
障害分類
Description
It corresponds to the second digit of the course of study code.
学習指導要領コードの2桁目に対応
Name
Disability Category
障害分類
Order
3
Path
障害分類
Example
A1
Datatype
http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string
Description
It is assigned "A" for numbers, L for lowercase letters, and U for uppercase letters to make the 4th digit code of course of study item easier to handle in Excel filters and pivot tables.
学習指導要領コードの4桁目をExcelのフィルタやピボットテーブルで扱いやすいように、数字であればAを、小文字であればLを、大文字であればUを付与したコード。
Maxcount
1
Mincount
1
Name
Fcode Correspond to 4th Digit Code of Course of Study Item
学習指導要領コード4桁目に対応するFコード
Order
8
Path
学習指導要領コード4桁目に対応するFコード
Example
A8A3UHA1
Datatype
http://www.w3.org/2001/XMLSchema#string
Description
It is assigned "A" for numbers, L for lowercase letters, and U for uppercase letters to make from the first digit code to the 4th one of course of study item easier to handle in Excel filters and pivot tables.
学習指導要領コードの1桁目から4桁目をExcelのフィルタやピボットテーブルで扱いやすいように、数字であればAを、小文字であればLを、大文字であればUを付与したコード。
Maxcount
1
Mincount
1
Name
Fcode of Subject
F科目コード
Order
10
Path
F教科コード
Example
中学校
Class
学校種別
Description
It corresponds to the second digit of the course of study code.
学習指導要領コードの2桁目に対応
Maxcount
2
Mincount
1
Name
Type of School
学校種別
Order
4
Path
学校種別
Description
schema:name, cs:curriculum, rdfs:seeAlsoの3つのプロパティを持つ。
This has a blank node which consists of three properties: schema:name, cs:curriculum and rdfs:seeAlso.
Maxcount
1
Name
Source for the English name
英語表記出典
Node
no title
Nodekind
http://www.w3.org/ns/shacl#BlankNode
Order
6
Path
英語表記出典
'学校種別'としての参照元:
第1章 総則
第1 中学校教育の基本と教育課程の役割
1 各学校においては,教育基本法及び学校教育法その他の法令並びにこの章以下に示すところに従い,生徒の人間として調和のとれた育成を目指し,生徒の心身の発達の段階や特性及び学校や地域の実態を十分考慮して,適切な教育課程を編成するものとし,これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うものと...
2 学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,第3の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して,創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で,次の(1)から(3)までに掲げる事項の実現を図り,生徒に生きる力を育むことを目指すものとする。
(1) 基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力等を育むとともに,主体的に学習に取り組む態度を養い,個性を生かし多様な人々との協働を促す教育の充実に努めること。その際,生徒の発達の段階を考慮して,生徒の言語活動な...
(2) 道徳教育や体験活動,多様な表現や鑑賞の活動等を通して,豊かな心や創造性の涵《かん》養を目指した教育の充実に努めること。  学校における道徳教育は,特別の教科である道徳(以下「道徳科」という。)を要として学校の教育活動全体を通じて行うものであり,道徳科はもとより,各教科,総合...
(3) 学校における体育・健康に関する指導を,生徒の発達の段階を考慮して,学校の教育活動全体を通じて適切に行うことにより,健康で安全な生活と豊かなスポーツライフの実現を目指した教育の充実に努めること。特に,学校における食育の推進並びに体力の向上に関する指導,安全に関する指導及び心身...
3 2の(1)から(3)までに掲げる事項の実現を図り,豊かな創造性を備え持続可能な社会の創り手となることが期待される生徒に,生きる力を育むことを目指すに当たっては,学校教育全体並びに各教科,道徳科,総合的な学習の時間及び特別活動(以下「各教科等」という。ただし,第2の3の(2)のア...
(1) 知識及び技能が習得されるようにすること。
(2) 思考力,判断力,表現力等を育成すること。
(3) 学びに向かう力,人間性等を涵養すること。
4 各学校においては,生徒や学校,地域の実態を適切に把握し,教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと,教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと,教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことな...
第2 教育課程の編成
1 各学校の教育目標と教育課程の編成  教育課程の編成に当たっては,学校教育全体や各教科等における指導を通して育成を目指す資質・能力を踏まえつつ,各学校の教育目標を明確にするとともに,教育課程の編成についての基本的な方針が家庭や地域とも共有されるよう努めるものとする。その際,第4章...
2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成
(1) 各学校においては,生徒の発達の段階を考慮し,言語能力,情報活用能力(情報モラルを含む。),問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成していくことができるよう,各教科等の特質を生かし,教科等横断的な視点から教育課程の編成を図るものとする。
(2) 各学校においては,生徒や学校,地域の実態及び生徒の発達の段階を考慮し,豊かな人生の実現や災害等を乗り越えて次代の社会を形成することに向けた現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力を,教科等横断的な視点で育成していくことができるよう,各学校の特色を生かした教育課程の編成を...
3 教育課程の編成における共通的事項
(1) 内容等の取扱い
ア 第2章以下に示す各教科,道徳科及び特別活動の内容に関する事項は,特に示す場合を除き,いずれの学校においても取り扱わなければならない。
イ 学校において特に必要がある場合には,第2章以下に示していない内容を加えて指導することができる。また,第2章以下に示す内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,全ての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において特に必要がある場合には,こ...
ウ 第2章以下に示す各教科,道徳科及び特別活動の内容に掲げる事項の順序は,特に示す場合を除き,指導の順序を示すものではないので,学校においては,その取扱いについて適切な工夫を加えるものとする。
エ 学校において2以上の学年の生徒で編制する学級について特に必要がある場合には,各教科の目標の達成に支障のない範囲内で,各教科の目標及び内容について学年別の順序によらないことができる。
オ 各学校においては,生徒や学校,地域の実態を考慮して,生徒の特性等に応じた多様な学習活動が行えるよう,第2章に示す各教科や,特に必要な教科を,選択教科として開設し生徒に履修させることができる。その場合にあっては,全ての生徒に指導すべき内容との関連を図りつつ,選択教科の授業時数及び...
カ 道徳科を要として学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の内容は,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容とし,その実施に当たっては,第6に示す道徳教育に関する配慮事項を踏まえるものとする。
(2) 授業時数等の取扱い
ア 各教科等の授業は,年間35週以上にわたって行うよう計画し,週当たりの授業時数が生徒の負担過重にならないようにするものとする。ただし,各教科等や学習活動の特質に応じ効果的な場合には,夏季,冬季,学年末等の休業日の期間に授業日を設定する場合を含め,これらの授業を特定の期間に行うこと...
イ 特別活動の授業のうち,生徒会活動及び学校行事については,それらの内容に応じ,年間,学期ごと,月ごとなどに適切な授業時数を充てるものとする。
ウ 各学校の時間割については,次の事項を踏まえ適切に編成するものとする。
(ア) 各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教科等の年間授業時数を確保しつつ,生徒の発達の段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮して適切に定めること。
(イ) 各教科等の特質に応じ,10分から15分程度の短い時間を活用して特定の教科等の指導を行う場合において,当該教科等を担当する教師が,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通した中で,その指導内容の決定や指導の成果の把握と活用等を責任を持って行う体制が整備されているときは,その時...
(ウ) 給食,休憩などの時間については,各学校において工夫を加え,適切に定めること。
(エ) 各学校において,生徒や学校,地域の実態,各教科等や学習活動の特質等に応じて,創意工夫を生かした時間割を弾力的に編成できること。
エ 総合的な学習の時間における学習活動により,特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては,総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる。
(3) 指導計画の作成等に当たっての配慮事項  各学校においては,次の事項に配慮しながら,学校の創意工夫を生かし,全体として,調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。
ア 各教科等の指導内容については,(1)のアを踏まえつつ,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら,そのまとめ方や重点の置き方に適切な工夫を加え,第3の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して資質・能力を育む効果的な指導ができるようにすること。
イ 各教科等及び各学年相互間の関連を図り,系統的,発展的な指導ができるようにすること。
4 学校段階間の接続  教育課程の編成に当たっては,次の事項に配慮しながら,学校段階間の接続を図るものとする。
(1) 小学校学習指導要領を踏まえ,小学校教育までの学習の成果が中学校教育に円滑に接続され,義務教育段階の終わりまでに育成することを目指す資質・能力を,生徒が確実に身に付けることができるよう工夫すること。特に,義務教育学校,小学校連携型中学校及び小学校併設型中学校においては,義務教...
(2) 高等学校学習指導要領を踏まえ,高等学校教育及びその後の教育との円滑な接続が可能となるよう工夫すること。特に,中等教育学校,連携型中学校及び併設型中学校においては,中等教育6年間を見通した計画的かつ継続的な教育課程を編成すること。
第3 教育課程の実施と学習評価
1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善  各教科等の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第1の3の(1)から(3)までに示すことが偏りなく実現されるよう,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと。  特に,各教科等において身に付けた知識及び技能を活用したり,思考力,判断力,表現力等や学びに...
(2) 第2の2の(1)に示す言語能力の育成を図るため,各学校において必要な言語環境を整えるとともに,国語科を要としつつ各教科等の特質に応じて,生徒の言語活動を充実すること。あわせて,(7)に示すとおり読書活動を充実すること。
(3) 第2の2の(1)に示す情報活用能力の育成を図るため,各学校において,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え,これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること。また,各種の統計資料や新聞,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用...
(4) 生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を,計画的に取り入れるように工夫すること。
(5) 生徒が生命の有限性や自然の大切さ,主体的に挑戦してみることや多様な他者と協働することの重要性などを実感しながら理解することができるよう,各教科等の特質に応じた体験活動を重視し,家庭や地域社会と連携しつつ体系的・継続的に実施できるよう工夫すること。
(6) 生徒が自ら学習課題や学習活動を選択する機会を設けるなど,生徒の興味・関心を生かした自主的,自発的な学習が促されるよう工夫すること。
(7) 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすとともに,生徒の自主的,自発的な学習活動や読書活動を充実すること。また,地域の図書館や博物館,美術館,劇場,音楽堂等の施設の活用を積極的に図り,資料を活用した情報の収...
2 学習評価の充実  学習評価の実施に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し,学習したことの意義や価値を実感できるようにすること。また,各教科等の目標の実現に向けた学習状況を把握する観点から,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫して,学習の過程や成果を評価し,指導の改善や...
(2) 創意工夫の中で学習評価の妥当性や信頼性が高められるよう,組織的かつ計画的な取組を推進するとともに,学年や学校段階を越えて生徒の学習の成果が円滑に接続されるように工夫すること。
第4 生徒の発達の支援
1 生徒の発達を支える指導の充実  教育課程の編成及び実施に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 学習や生活の基盤として,教師と生徒との信頼関係及び生徒相互のよりよい人間関係を育てるため,日頃から学級経営の充実を図ること。また,主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと,個々の生徒の多様な実態を踏まえ,一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリング...
(2) 生徒が,自己の存在感を実感しながら,よりよい人間関係を形成し,有意義で充実した学校生活を送る中で,現在及び将来における自己実現を図っていくことができるよう,生徒理解を深め,学習指導と関連付けながら,生徒指導の充実を図ること。
(3) 生徒が,学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら,社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう,特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて,キャリア教育の充実を図ること。その中で,生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択するこ...
(4) 生徒が,基礎的・基本的な知識及び技能の習得も含め,学習内容を確実に身に付けることができるよう,生徒や学校の実態に応じ,個別学習やグループ別学習,繰り返し学習,学習内容の習熟の程度に応じた学習,生徒の興味・関心等に応じた課題学習,補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り...
2 特別な配慮を必要とする生徒への指導
(1) 障害のある生徒などへの指導
ア 障害のある生徒などについては,特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ,個々の生徒の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。
イ 特別支援学級において実施する特別の教育課程については,次のとおり編成するものとする。
(ア) 障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るため,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動を取り入れること。
(イ) 生徒の障害の程度や学級の実態等を考慮の上,各教科の目標や内容を下学年の教科の目標や内容に替えたり,各教科を,知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の各教科に替えたりするなどして,実態に応じた教育課程を編成すること。
ウ 障害のある生徒に対して,通級による指導を行い,特別の教育課程を編成する場合には,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動の内容を参考とし,具体的な目標や内容を定め,指導を行うものとする。その際,効果的な指導が行われるよう,各教科等と通級による指導との関連を図る...
エ 障害のある生徒などについては,家庭,地域及び医療や福祉,保健,労働等の業務を行う関係機関との連携を図り,長期的な視点で生徒への教育的支援を行うために,個別の教育支援計画を作成し活用することに努めるとともに,各教科等の指導に当たって,個々の生徒の実態を的確に把握し,個別の指導計画...
(2) 海外から帰国した生徒などの学校生活への適応や,日本語の習得に困難のある生徒に対する日本語指導
ア 海外から帰国した生徒などについては,学校生活への適応を図るとともに,外国における生活経験を生かすなどの適切な指導を行うものとする。
イ 日本語の習得に困難のある生徒については,個々の生徒の実態に応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。特に,通級による日本語指導については,教師間の連携に努め,指導についての計画を個別に作成することなどにより,効果的な指導に努めるものとする。
(3) 不登校生徒への配慮
ア 不登校生徒については,保護者や関係機関と連携を図り,心理や福祉の専門家の助言又は援助を得ながら,社会的自立を目指す観点から,個々の生徒の実態に応じた情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。
イ 相当の期間中学校を欠席し引き続き欠席すると認められる生徒を対象として,文部科学大臣が認める特別の教育課程を編成する場合には,生徒の実態に配慮した教育課程を編成するとともに,個別学習やグループ別学習など指導方法や指導体制の工夫改善に努めるものとする。
(4) 学齢を経過した者への配慮
ア 夜間その他の特別の時間に授業を行う課程において学齢を経過した者を対象として特別の教育課程を編成する場合には,学齢を経過した者の年齢,経験又は勤労状況その他の実情を踏まえ,中学校教育の目的及び目標並びに第2章以下に示す各教科等の目標に照らして,中学校教育を通じて育成を目指す資質・...
イ 学齢を経過した者を教育する場合には,個別学習やグループ別学習など指導方法や指導体制の工夫改善に努めるものとする。
第5 学校運営上の留意事項
1 教育課程の改善と学校評価,教育課程外の活動との連携等
ア 各学校においては,校長の方針の下に,校務分掌に基づき教職員が適切に役割を分担しつつ,相互に連携しながら,各学校の特色を生かしたカリキュラム・マネジメントを行うよう努めるものとする。また,各学校が行う学校評価については,教育課程の編成,実施,改善が教育活動や学校運営の中核となるこ...
イ 教育課程の編成及び実施に当たっては,学校保健計画,学校安全計画,食に関する指導の全体計画,いじめの防止等のための対策に関する基本的な方針など,各分野における学校の全体計画等と関連付けながら,効果的な指導が行われるように留意するものとする。
ウ 教育課程外の学校教育活動と教育課程の関連が図られるように留意するものとする。特に,生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツや文化,科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等,学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものであり,学校教育の一...
2 家庭や地域社会との連携及び協働と学校間の連携  教育課程の編成及び実施に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 学校がその目的を達成するため,学校や地域の実態等に応じ,教育活動の実施に必要な人的又は物的な体制を家庭や地域の人々の協力を得ながら整えるなど,家庭や地域社会との連携及び協働を深めること。また,高齢者や異年齢の子供など,地域における世代を越えた交流の機会を設けること。
イ 他の中学校や,幼稚園,認定こども園,保育所,小学校,高等学校,特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を設け,共に尊重し合いながら協働して生活していく態度を育むよう努めること。
第6 道徳教育に関する配慮事項  道徳教育を進めるに当たっては,道徳教育の特質を踏まえ,前項までに示す事項に加え,次の事項に配慮するものとする。
1 各学校においては,第1の2の(2)に示す道徳教育の目標を踏まえ,道徳教育の全体計画を作成し,校長の方針の下に,道徳教育の推進を主に担当する教師(以下「道徳教育推進教師」という。)を中心に,全教師が協力して道徳教育を展開すること。なお,道徳教育の全体計画の作成に当たっては,生徒や...
2 各学校においては,生徒の発達の段階や特性等を踏まえ,指導内容の重点化を図ること。その際,小学校における道徳教育の指導内容を更に発展させ,自立心や自律性を高め,規律ある生活をすること,生命を尊重する心や自らの弱さを克服して気高く生きようとする心を育てること,法やきまりの意義に関す...
3 学校や学級内の人間関係や環境を整えるとともに,職場体験活動やボランティア活動,自然体験活動,地域の行事への参加などの豊かな体験を充実すること。また,道徳教育の指導内容が,生徒の日常生活に生かされるようにすること。その際,いじめの防止や安全の確保等にも資することとなるよう留意する...
4 学校の道徳教育の全体計画や道徳教育に関する諸活動などの情報を積極的に公表したり,道徳教育の充実のために家庭や地域の人々の積極的な参加や協力を得たりするなど,家庭や地域社会との共通理解を深め,相互の連携を図ること。
第2章 各教科
第1節 国語
第1 目標 言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 社会生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。
(2) 社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う。
(3) 言葉がもつ価値を認識するとともに,言語感覚を豊かにし,我が国の言語文化に関わり,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年〕
1 目標
(1) 社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに,我が国の言語文化に親しんだり理解したりすることができるようにする。
(2) 筋道立てて考える力や豊かに感じたり想像したりする力を養い,日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分の思いや考えを確かなものにすることができるようにする。
(3) 言葉がもつ価値に気付くとともに,進んで読書をし,我が国の言語文化を大切にして,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。
2 内容
〔知識及び技能〕
(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 音声の働きや仕組みについて,理解を深めること。 
イ 小学校学習指導要領第2章第1節国語の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)に示されている漢字に加え,その他の常用漢字のうち300字程度から400字程度までの漢字を読むこと。また,学年別漢字配当表の漢字のうち900字程度の漢字を書き,文や文章の中で使うこと。
ウ 事象や行為,心情を表す語句の量を増すとともに,語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意して話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。
エ 単語の類別について理解するとともに,指示する語句と接続する語句の役割について理解を深めること。
オ 比喩,反復,倒置,体言止めなどの表現の技法を理解し使うこと。
(2) 話や文章に含まれている情報の扱い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 原因と結果,意見と根拠など情報と情報との関係について理解すること。
イ 比較や分類,関係付けなどの情報の整理の仕方,引用の仕方や出典の示し方について理解を深め,それらを使うこと。
(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 音読に必要な文語のきまりや訓読の仕方を知り,古文や漢文を音読し,古典特有のリズムを通して,古典の世界に親しむこと。
イ 古典には様々な種類の作品があることを知ること。
ウ 共通語と方言の果たす役割について理解すること。
エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。
(ア) 字形を整え,文字の大きさ,配列などについて理解して,楷書で書くこと。
(イ) 漢字の行書の基礎的な書き方を理解して,身近な文字を行書で書くこと。
オ 読書が,知識や情報を得たり,自分の考えを広げたりすることに役立つことを理解すること。
〔思考力,判断力,表現力等〕
A 話すこと・聞くこと
(1) 話すこと・聞くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 目的や場面に応じて,日常生活の中から話題を決め,集めた材料を整理し,伝え合う内容を検討すること。
イ 自分の考えや根拠が明確になるように,話の中心的な部分と付加的な部分,事実と意見との関係などに注意して,話の構成を考えること。
ウ 相手の反応を踏まえながら,自分の考えが分かりやすく伝わるように表現を工夫すること。
エ 必要に応じて記録したり質問したりしながら話の内容を捉え,共通点や相違点などを踏まえて,自分の考えをまとめること。
オ 話題や展開を捉えながら話し合い,互いの発言を結び付けて考えをまとめること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 紹介や報告など伝えたいことを話したり,それらを聞いて質問したり意見などを述べたりする活動。
イ 互いの考えを伝えるなどして,少人数で話し合う活動。 
B 書くこと
(1) 書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 目的や意図に応じて,日常生活の中から題材を決め,集めた材料を整理し,伝えたいことを明確にすること。
イ 書く内容の中心が明確になるように,段落の役割などを意識して文章の構成や展開を考えること。
ウ 根拠を明確にしながら,自分の考えが伝わる文章になるように工夫すること。
エ 読み手の立場に立って,表記や語句の用法,叙述の仕方などを確かめて,文章を整えること。
オ 根拠の明確さなどについて,読み手からの助言などを踏まえ,自分の文章のよい点や改善点を見いだすこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 本や資料から文章や図表などを引用して説明したり記録したりするなど,事実やそれを基に考えたことを書く活動。
イ 行事の案内や報告の文章を書くなど,伝えるべきことを整理して書く活動。
ウ 詩を創作したり随筆を書いたりするなど,感じたことや考えたことを書く活動。
C 読むこと
(1) 読むことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 文章の中心的な部分と付加的な部分,事実と意見との関係などについて叙述を基に捉え,要旨を把握すること。
イ 場面の展開や登場人物の相互関係,心情の変化などについて,描写を基に捉えること。
ウ 目的に応じて必要な情報に着目して要約したり,場面と場面,場面と描写などを結び付けたりして,内容を解釈すること。
エ 文章の構成や展開,表現の効果について,根拠を明確にして考えること。
オ 文章を読んで理解したことに基づいて,自分の考えを確かなものにすること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 説明や記録などの文章を読み,理解したことや考えたことを報告したり文章にまとめたりする活動。
イ 小説や随筆などを読み,考えたことなどを記録したり伝え合ったりする活動。
ウ 学校図書館などを利用し,多様な情報を得て,考えたことなどを報告したり資料にまとめたりする活動。
〔第2学年〕
1 目標
(1) 社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに,我が国の言語文化に親しんだり理解したりすることができるようにする。
(2) 論理的に考える力や共感したり想像したりする力を養い,社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分の思いや考えを広げたり深めたりすることができるようにする。
(3) 言葉がもつ価値を認識するとともに,読書を生活に役立て,我が国の言語文化を大切にして,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。
2 内容
〔知識及び技能〕
(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 言葉には,相手の行動を促す働きがあることに気付くこと。
イ 話し言葉と書き言葉の特徴について理解すること。
ウ 第1学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字のうち350字程度から450字程度までの漢字を読むこと。また,学年別漢字配当表に示されている漢字を書き,文や文章の中で使うこと。
エ 抽象的な概念を表す語句の量を増すとともに,類義語と対義語,同音異義語や多義的な意味を表す語句などについて理解し,話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。
オ 単語の活用,助詞や助動詞などの働き,文の成分の順序や照応など文の構成について理解するとともに,話や文章の構成や展開について理解を深めること。 
カ 敬語の働きについて理解し,話や文章の中で使うこと。
(2) 話や文章に含まれている情報の扱い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 意見と根拠,具体と抽象など情報と情報との関係について理解すること。
イ 情報と情報との関係の様々な表し方を理解し使うこと。 
(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 作品の特徴を生かして朗読するなどして,古典の世界に親しむこと。
イ 現代語訳や語注などを手掛かりに作品を読むことを通して,古典に表れたものの見方や考え方を知ること。
ウ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。
(ア) 漢字の行書とそれに調和した仮名の書き方を理解して,読みやすく速く書くこと。
(イ) 目的や必要に応じて,楷書又は行書を選んで書くこと。
エ 本や文章などには,様々な立場や考え方が書かれていることを知り,自分の考えを広げたり深めたりする読書に生かすこと。
〔思考力,判断力,表現力等〕
A 話すこと・聞くこと
(1) 話すこと・聞くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 目的や場面に応じて,社会生活の中から話題を決め,異なる立場や考えを想定しながら集めた材料を整理し,伝え合う内容を検討すること。
イ 自分の立場や考えが明確になるように,根拠の適切さや論理の展開などに注意して,話の構成を工夫すること。
ウ 資料や機器を用いるなどして,自分の考えが分かりやすく伝わるように表現を工夫すること。
エ 論理の展開などに注意して聞き,話し手の考えと比較しながら,自分の考えをまとめること。
オ 互いの立場や考えを尊重しながら話し合い,結論を導くために考えをまとめること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 説明や提案など伝えたいことを話したり,それらを聞いて質問や助言などをしたりする活動。
イ それぞれの立場から考えを伝えるなどして,議論や討論をする活動。
B 書くこと
(1) 書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 目的や意図に応じて,社会生活の中から題材を決め,多様な方法で集めた材料を整理し,伝えたいことを明確にすること。
イ 伝えたいことが分かりやすく伝わるように,段落相互の関係などを明確にし,文章の構成や展開を工夫すること。
ウ 根拠の適切さを考えて説明や具体例を加えたり,表現の効果を考えて描写したりするなど,自分の考えが伝わる文章になるように工夫すること。
エ 読み手の立場に立って,表現の効果などを確かめて,文章を整えること。
オ 表現の工夫とその効果などについて,読み手からの助言などを踏まえ,自分の文章のよい点や改善点を見いだすこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 多様な考えができる事柄について意見を述べるなど,自分の考えを書く活動。
イ 社会生活に必要な手紙や電子メールを書くなど,伝えたいことを相手や媒体を考慮して書く活動。
ウ 短歌や俳句,物語を創作するなど,感じたことや想像したことを書く活動。
C 読むこと
(1) 読むことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 文章全体と部分との関係に注意しながら,主張と例示との関係や登場人物の設定の仕方などを捉えること。
イ 目的に応じて複数の情報を整理しながら適切な情報を得たり,登場人物の言動の意味などについて考えたりして,内容を解釈すること。
ウ 文章と図表などを結び付け,その関係を踏まえて内容を解釈すること。
エ 観点を明確にして文章を比較するなどし,文章の構成や論理の展開,表現の効果について考えること。
オ 文章を読んで理解したことや考えたことを知識や経験と結び付け,自分の考えを広げたり深めたりすること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 報告や解説などの文章を読み,理解したことや考えたことを説明したり文章にまとめたりする活動。
イ 詩歌や小説などを読み,引用して解説したり,考えたことなどを伝え合ったりする活動。
ウ 本や新聞,インターネットなどから集めた情報を活用し,出典を明らかにしながら,考えたことなどを説明したり提案したりする活動。
〔第3学年〕
1 目標
(1) 社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに,我が国の言語文化に親しんだり理解したりすることができるようにする。
(2) 論理的に考える力や深く共感したり豊かに想像したりする力を養い,社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分の思いや考えを広げたり深めたりすることができるようにする。
(3) 言葉がもつ価値を認識するとともに,読書を通して自己を向上させ,我が国の言語文化に関わり,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。
2 内容
〔知識及び技能〕
(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 第2学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字の大体を読むこと。また,学年別漢字配当表に示されている漢字について,文や文章の中で使い慣れること。
イ 理解したり表現したりするために必要な語句の量を増し,慣用句や四字熟語などについて理解を深め,話や文章の中で使うとともに,和語,漢語,外来語などを使い分けることを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。
ウ 話や文章の種類とその特徴について理解を深めること。
エ 敬語などの相手や場に応じた言葉遣いを理解し,適切に使うこと。
(2) 話や文章に含まれている情報の扱い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 具体と抽象など情報と情報との関係について理解を深めること。
イ 情報の信頼性の確かめ方を理解し使うこと。
(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 歴史的背景などに注意して古典を読むことを通して,その世界に親しむこと。
イ 長く親しまれている言葉や古典の一節を引用するなどして使うこと。
ウ 時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いについて理解すること。
エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。
(ア) 身の回りの多様な表現を通して文字文化の豊かさに触れ,効果的に文字を書くこと。
オ 自分の生き方や社会との関わり方を支える読書の意義と効用について理解すること。
〔思考力,判断力,表現力等〕
A 話すこと・聞くこと
(1) 話すこと・聞くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 目的や場面に応じて,社会生活の中から話題を決め,多様な考えを想定しながら材料を整理し,伝え合う内容を検討すること。
イ 自分の立場や考えを明確にし,相手を説得できるように論理の展開などを考えて,話の構成を工夫すること。
ウ 場の状況に応じて言葉を選ぶなど,自分の考えが分かりやすく伝わるように表現を工夫すること。
エ 話の展開を予測しながら聞き,聞き取った内容や表現の仕方を評価して,自分の考えを広げたり深めたりすること。
オ 進行の仕方を工夫したり互いの発言を生かしたりしながら話し合い,合意形成に向けて考えを広げたり深めたりすること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 提案や主張など自分の考えを話したり,それらを聞いて質問したり評価などを述べたりする活動。
イ 互いの考えを生かしながら議論や討論をする活動。
B 書くこと
(1) 書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 目的や意図に応じて,社会生活の中から題材を決め,集めた材料の客観性や信頼性を確認し,伝えたいことを明確にすること。
イ 文章の種類を選択し,多様な読み手を説得できるように論理の展開などを考えて,文章の構成を工夫すること。
ウ 表現の仕方を考えたり資料を適切に引用したりするなど,自分の考えが分かりやすく伝わる文章になるように工夫すること。
エ 目的や意図に応じた表現になっているかなどを確かめて,文章全体を整えること。
オ 論理の展開などについて,読み手からの助言などを踏まえ,自分の文章のよい点や改善点を見いだすこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 関心のある事柄について批評するなど,自分の考えを書く活動。
イ 情報を編集して文章にまとめるなど,伝えたいことを整理して書く活動。
C 読むこと
(1) 読むことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 文章の種類を踏まえて,論理や物語の展開の仕方などを捉えること。
イ 文章を批判的に読みながら,文章に表れているものの見方や考え方について考えること。
ウ 文章の構成や論理の展開,表現の仕方について評価すること。
エ 文章を読んで考えを広げたり深めたりして,人間,社会,自然などについて,自分の意見をもつこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 論説や報道などの文章を比較するなどして読み,理解したことや考えたことについて討論したり文章にまとめたりする活動。
イ 詩歌や小説などを読み,批評したり,考えたことなどを伝え合ったりする活動。
ウ 実用的な文章を読み,実生活への生かし方を考える活動。 
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,言葉の特徴や使い方などを理解し自分の思いや考えを深める学習の充実を図ること。
(2) 第2の各学年の内容の指導については,必要に応じて当該学年の前後の学年で取り上げることもできること。
(3) 第2の各学年の内容の〔知識及び技能〕に示す事項については,〔思考力,判断力,表現力等〕に示す事項の指導を通して指導することを基本とし,必要に応じて,特定の事項だけを取り上げて指導したり,それらをまとめて指導したりするなど,指導の効果を高めるよう工夫すること。
(4) 第2の各学年の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「A話すこと・聞くこと」に関する指導については,第1学年及び第2学年では年間15~25単位時間程度,第3学年では年間10~20単位時間程度を配当すること。その際,音声言語のための教材を積極的に活用するなどして,指導の効果を高...
(5) 第2の各学年の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「B書くこと」に関する指導については,第1学年及び第2学年では年間30~40単位時間程度,第3学年では年間20~30単位時間程度を配当すること。その際,実際に文章を書く活動を重視すること。
(6) 第2の第1学年及び第3学年の内容の〔知識及び技能〕の(3)のオ,第2学年の内容の〔知識及び技能〕の(3)のエ,各学年の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「C読むこと」に関する指導については,様々な文章を読んで,自分の表現に役立てられるようにするとともに,他教科等における読...
(7) 言語能力の向上を図る観点から,外国語科など他教科等との関連を積極的に図り,指導の効果を高めるようにすること。
(8) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
(9) 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,国語科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 〔知識及び技能〕に示す事項については,次のとおり取り扱うこと。
ア 日常の言語活動を振り返ることなどを通して,生徒が,実際に話したり聞いたり書いたり読んだりする場面を意識できるよう指導を工夫すること。
イ 漢字の指導については,第2の内容に定めるほか,次のとおり取り扱うこと。
(ア) 他教科等の学習において必要となる漢字については,当該教科等と関連付けて指導するなど,その確実な定着が図られるよう工夫すること。
ウ 書写の指導については,第2の内容に定めるほか,次のとおり取り扱うこと。
(ア) 文字を正しく整えて速く書くことができるようにするとともに,書写の能力を学習や生活に役立てる態度を育てるよう配慮すること。
(イ) 硬筆を使用する書写の指導は各学年で行うこと。
(ウ) 毛筆を使用する書写の指導は各学年で行い,硬筆による書写の能力の基礎を養うよう指導すること。
(エ) 書写の指導に配当する授業時数は,第1学年及び第2学年では年間20単位時間程度,第3学年では年間10単位時間程度とすること。
(2) 第2の内容の指導に当たっては,生徒がコンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活用する機会を設けるなどして,指導の効果を高めるよう工夫すること。
(3) 第2の内容の指導に当たっては,学校図書館などを目的をもって計画的に利用しその機能の活用を図るようにすること。
3 教材については,次の事項に留意するものとする。
(1) 教材は,第2の各学年の目標及び内容に示す資質・能力を偏りなく養うことや読書に親しむ態度を育成することをねらいとし,生徒の発達の段階に即して適切な話題や題材を精選して調和的に取り上げること。また,第2の各学年の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の 「A話すこと・聞くこと」,「...
(2) 教材は,次のような観点に配慮して取り上げること。
ア 国語に対する認識を深め,国語を尊重する態度を育てるのに役立つこと。
イ 伝え合う力,思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにするのに役立つこと。 
ウ 公正かつ適切に判断する能力や創造的精神を養うのに役立つこと。
エ 科学的,論理的に物事を捉え考察し,視野を広げるのに役立つこと。
オ 人生について考えを深め,豊かな人間性を養い,たくましく生きる意志を育てるのに役立つこと。
カ 人間,社会,自然などについての考えを深めるのに役立つこと。
キ 我が国の伝統と文化に対する関心や理解を深め,それらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。
ク 広い視野から国際理解を深め,日本人としての自覚をもち,国際協調の精神を養うのに役立つこと。
(3) 第2の各学年の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「C読むこと」の教材については,各学年で説明的な文章や文学的な文章などの文章形態を調和的に取り扱うこと。また,説明的な文章については,適宜,図表や写真などを含むものを取り上げること。
(4) 我が国の言語文化に親しむことができるよう,近代以降の代表的な作家の作品を,いずれかの学年で取り上げること。
(5) 古典に関する教材については,古典の原文に加え,古典の現代語訳,古典について解説した文章などを取り上げること。
第2節 社会
第1 目標 社会的な見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりする活動を通して,広い視野に立ち,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。
(1) 我が国の国土と歴史,現代の政治,経済,国際関係等に関して理解するとともに,調査や諸資料から様々な情報を効果的に調べまとめる技能を身に付けるようにする。
(2) 社会的事象の意味や意義,特色や相互の関連を多面的・多角的に考察したり,社会に見られる課題の解決に向けて選択・判断したりする力,思考・判断したことを説明したり,それらを基に議論したりする力を養う。
(3) 社会的事象について,よりよい社会の実現を視野に課題を主体的に解決しようとする態度を養うとともに,多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵《かん》養される我が国の国土や歴史に対する愛情,国民主権を担う公民として,自国を愛し,その平和と繁栄を図ることや,他国や他国の文化を尊重す...
第2 各分野の目標及び内容
〔地理的分野〕
1 目標 社会的事象の地理的な見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりする活動を通して,広い視野に立ち,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。
(1) 我が国の国土及び世界の諸地域に関して,地域の諸事象や地域的特色を理解するとともに,調査や諸資料から地理に関する様々な情報を効果的に調べまとめる技能を身に付けるようにする。
(2) 地理に関わる事象の意味や意義,特色や相互の関連を,位置や分布,場所,人間と自然環境との相互依存関係,空間的相互依存作用,地域などに着目して,多面的・多角的に考察したり,地理的な課題の解決に向けて公正に選択・判断したりする力,思考・判断したことを説明したり,それらを基に議論し...
(3) 日本や世界の地域に関わる諸事象について,よりよい社会の実現を視野にそこで見られる課題を主体的に追究,解決しようとする態度を養うとともに,多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵《かん》養される我が国の国土に対する愛情,世界の諸地域の多様な生活文化を尊重しようとすることの大切...
2 内容
A 世界と日本の地域構成
(1) 地域構成 次の①と②の地域構成を取り上げ,位置や分布などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,以下のア及びイの事項を身に付けることができるよう指導する。
① 世界の地域構成
② 日本の地域構成
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 緯度と経度,大陸と海洋の分布,主な国々の名称と位置などを基に,世界の地域構成を大観し理解すること。
(イ) 我が国の国土の位置,世界各地との時差,領域の範囲や変化とその特色などを基に,日本の地域構成を大観し理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 世界の地域構成の特色を,大陸と海洋の分布や主な国の位置,緯度や経度などに着目して多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 日本の地域構成の特色を,周辺の海洋の広がりや国土を構成する島々の位置などに着目して多面的・多角的に考察し,表現すること。
B 世界の様々な地域
(1) 世界各地の人々の生活と環境 場所や人間と自然環境との相互依存関係などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 人々の生活は,その生活が営まれる場所の自然及び社会的条件から影響を受けたり,その場所の自然及び社会的条件に影響を与えたりすることを理解すること。
(イ) 世界各地における人々の生活やその変容を基に,世界の人々の生活や環境の多様性を理解すること。その際,世界の主な宗教の分布についても理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 世界各地における人々の生活の特色やその変容の理由を,その生活が営まれる場所の自然及び社会的条件などに着目して多面的・多角的に考察し,表現すること。
(2) 世界の諸地域 次の①から⑥までの各州を取り上げ,空間的相互依存作用や地域などに着目して,主題を設けて課題を追究したり解決したりする活動を通して,以下のア及びイの事項を身に付けることができるよう指導する。
① アジア
② ヨーロッパ
③ アフリカ
④ 北アメリカ
⑤ 南アメリカ
⑥ オセアニア
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 世界各地で顕在化している地球的課題は,それが見られる地域の地域的特色の影響を受けて,現れ方が異なることを理解すること。
(イ) ①から⑥までの世界の各州に暮らす人々の生活を基に,各州の地域的特色を大観し理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) ①から⑥までの世界の各州において,地域で見られる地球的課題の要因や影響を,州という地域の広がりや地域内の結び付きなどに着目して,それらの地域的特色と関連付けて多面的・多角的に考察し,表現すること。
C 日本の様々な地域
(1) 地域調査の手法 場所などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 観察や野外調査,文献調査を行う際の視点や方法,地理的なまとめ方の基礎を理解すること。
(イ) 地形図や主題図の読図,目的や用途に適した地図の作成などの地理的な技能を身に付けること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 地域調査において,対象となる場所の特徴などに着目して,適切な主題や調査,まとめとなるように,調査の手法やその結果を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(2) 日本の地域的特色と地域区分 次の①から④までの項目を取り上げ,分布や地域などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,以下のア及びイの事項を身に付けることができるよう指導する。
① 自然環境
② 人口
③ 資源・エネルギーと産業
④ 交通・通信
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 日本の地形や気候の特色,海洋に囲まれた日本の国土の特色,自然災害と防災への取組などを基に,日本の自然環境に関する特色を理解すること。
(イ) 少子高齢化の課題,国内の人口分布や過疎・過密問題などを基に,日本の人口に関する特色を理解すること。
(ウ) 日本の資源・エネルギー利用の現状,国内の産業の動向,環境やエネルギーに関する課題などを基に,日本の資源・エネルギーと産業に関する特色を理解すること。
(エ) 国内や日本と世界との交通・通信網の整備状況,これを活用した陸上,海上輸送などの物流や人の往来などを基に,国内各地の結び付きや日本と世界との結び付きの特色を理解すること。
(オ) ①から④までの項目に基づく地域区分を踏まえ,我が国の国土の特色を大観し理解すること。
(カ) 日本や国内地域に関する各種の主題図や資料を基に,地域区分をする技能を身に付けること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) ①から④までの項目について,それぞれの地域区分を,地域の共通点や差異,分布などに着目して,多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 日本の地域的特色を,①から④までの項目に基づく地域区分などに着目して,それらを関連付けて多面的・多角的に考察し,表現すること。
(3) 日本の諸地域 次の①から⑤までの考察の仕方を基にして,空間的相互依存作用や地域などに着目して,主題を設けて課題を追究したり解決したりする活動を通して,以下のア及びイの事項を身に付けることができるよう指導する。
① 自然環境を中核とした考察の仕方
② 人口や都市・村落を中核とした考察の仕方
③ 産業を中核とした考察の仕方
④ 交通や通信を中核とした考察の仕方
⑤ その他の事象を中核とした考察の仕方
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 幾つかに区分した日本のそれぞれの地域について,その地域的特色や地域の課題を理解すること。
(イ) ①から⑤までの考察の仕方で取り上げた特色ある事象と,それに関連する他の事象や,そこで生ずる課題を理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 日本の諸地域において,それぞれ①から⑤までで扱う中核となる事象の成立条件を,地域の広がりや地域内の結び付き,人々の対応などに着目して,他の事象やそこで生ずる課題と有機的に関連付けて多面的・多角的に考察し,表現すること。
(4) 地域の在り方 空間的相互依存作用や地域などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 地域の実態や課題解決のための取組を理解すること。
(イ) 地域的な課題の解決に向けて考察,構想したことを適切に説明,議論しまとめる手法について理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 地域の在り方を,地域の結び付きや地域の変容,持続可能性などに着目し,そこで見られる地理的な課題について多面的・多角的に考察,構想し,表現すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容のA,B及びCについては,この順序で取り扱うものとし,既習の学習成果を生かすこと。
(2) 内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 世界や日本の場所や地域の特色には,一般的共通性と地方的特殊性があり,また,地域に見られる諸事象は,その地域の規模の違いによって現れ方が異なることに留意すること。
イ 地図の読図や作図,景観写真の読み取り,地域に関する情報の収集や処理などの地理的技能を身に付けるに当たっては,系統性に留意して計画的に指導すること。その際,教科用図書「地図」を十分に活用すること。
ウ 学習で取り上げる地域や国については,各項目間の調整を図り,一部の地域に偏ることのないようにすること。
エ 地域の特色や変化を捉えるに当たっては,歴史的分野との連携を踏まえ,歴史的背景に留意して地域的特色を追究するよう工夫するとともに,公民的分野との関連にも配慮すること。
オ 地域的特色を追究する過程で生物や地学的な事象などを取り上げる際には,地域的特色を捉える上で必要な範囲にとどめること。
(3) 内容のAについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,次のとおり取り扱うものとする。
(ア) 日本の地域構成を扱う際には,都道府県の名称と位置のほかに都道府県庁所在地名も取り上げること。
(イ) 「領域の範囲や変化とその特色」については,我が国の海洋国家としての特色を取り上げるとともに,竹島や北方領土が我が国の固有の領土であることなど,我が国の領域をめぐる問題も取り上げるようにすること。その際,尖閣諸島については我が国の固有の領土であり,領土問題は存在しないことも扱...
(ウ) 地球儀や地図を積極的に活用し,学習全体を通して,大まかに世界地図や日本地図を描けるようにすること。
(4) 内容のBについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,世界各地の人々の生活の特色やその変容の理由と,その生活が営まれる場所の自然及び社会的条件との関係を考察するに当たって,衣食住の特色や,生活と宗教との関わりなどを取り上げるようにすること。
イ (2)については,次のとおり取り扱うものとする。
(ア) 州ごとに設ける主題については,各州に暮らす人々の生活の様子を的確に把握できる事象を取り上げるとともに,そこで特徴的に見られる地球的課題と関連付けて取り上げること。
(イ) 取り上げる地球的課題については,地域間の共通性に気付き,我が国の国土の認識を深め,持続可能な社会づくりを考える上で効果的であるという観点から設定すること。また,州ごとに異なるものとなるようにすること。
(5) 内容のCについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,次のとおり取り扱うものとする。
(ア) 地域調査に当たっては,対象地域は学校周辺とし,主題は学校所在地の事情を踏まえて,防災,人口の偏在,産業の変容,交通の発達などの事象から適切に設定し,観察や調査を指導計画に位置付けて実施すること。なお,学習の効果を高めることができる場合には,内容のCの(3)の中の学校所在地を...
(イ) 様々な資料を的確に読み取ったり,地図を有効に活用して事象を説明したりするなどの作業的な学習活動を取り入れること。また,課題の追究に当たり,例えば,防災に関わり危険を予測したり,人口の偏在に関わり人口動態を推測したりする際には,縮尺の大きな地図や統計その他の資料を含む地理空間...
イ (2)については,次のとおり取り扱うものとする。
(ア) ①から④までで示した日本の地域的特色については,系統的に理解を深めるための基本的な事柄で構成すること。
(イ) 地域区分に際しては,日本の地域的特色を見いだしやすくなるようにそれぞれ適切な数で区分すること。
ウ (3)については,次のとおり取り扱うものとする。
(ア) 日本の諸地域については,国内を幾つかの地域に区分して取り上げることとし,その地域区分は,指導の観点や学校所在地の事情などを考慮して適切に決めること。
(イ) 学習する地域ごとに①から⑤までの考察の仕方を一つ選択することとし,①から④までの考察の仕方は,少なくとも一度は取り扱うこと。また,⑤の考察の仕方は,様々な事象や事柄の中から,取り上げる地域に応じた適切なものを適宜設定すること。
(ウ) 地域の考察に当たっては,そこに暮らす人々の生活・文化,地域の伝統や歴史的な背景,地域の持続可能な社会づくりを踏まえた視点に留意すること。
エ (4)については,次のとおり取り扱うものとする。
(ア) 取り上げる地域や課題については,各学校において具体的に地域の在り方を考察できるような,適切な規模の地域や適切な課題を取り上げること。
(イ) 学習の効果を高めることができる場合には,内容のCの(1)の学習や,Cの(3)の中の学校所在地を含む地域の学習と結び付けて扱うことができること。
(ウ) 考察,構想,表現する際には,学習対象の地域と類似の課題が見られる他の地域と比較したり,関連付けたりするなど,具体的に学習を進めること。
(エ) 観察や調査の結果をまとめる際には,地図や諸資料を有効に活用して事象を説明したり,自分の解釈を加えて論述したり,意見交換したりするなどの学習活動を充実させること。
〔歴史的分野〕
1 目標 社会的事象の歴史的な見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりする活動を通して,広い視野に立ち,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。
(1) 我が国の歴史の大きな流れを,世界の歴史を背景に,各時代の特色を踏まえて理解するとともに,諸資料から歴史に関する様々な情報を効果的に調べまとめる技能を身に付けるようにする。
(2) 歴史に関わる事象の意味や意義,伝統と文化の特色などを,時期や年代,推移,比較,相互の関連や現在とのつながりなどに着目して多面的・多角的に考察したり,歴史に見られる課題を把握し複数の立場や意見を踏まえて公正に選択・判断したりする力,思考・判断したことを説明したり,それらを基に...
(3) 歴史に関わる諸事象について,よりよい社会の実現を視野にそこで見られる課題を主体的に追究,解決しようとする態度を養うとともに,多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵《かん》養される我が国の歴史に対する愛情,国民としての自覚,国家及び社会並びに文化の発展や人々の生活の向上に尽...
2 内容
A 歴史との対話
(1) 私たちと歴史 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 年代の表し方や時代区分の意味や意義についての基本的な内容を理解すること。
(イ) 資料から歴史に関わる情報を読み取ったり,年表などにまとめたりするなどの技能を身に付けること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 時期や年代,推移,現在の私たちとのつながりなどに着目して,小学校での学習を踏まえて歴史上の人物や文化財,出来事などから適切なものを取り上げ,時代区分との関わりなどについて考察し表現すること。
(2) 身近な地域の歴史 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 自らが生活する地域や受け継がれてきた伝統や文化への関心をもって,具体的な事柄との関わりの中で,地域の歴史について調べたり,収集した情報を年表などにまとめたりするなどの技能を身に付けること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 比較や関連,時代的な背景や地域的な環境,歴史と私たちとのつながりなどに着目して,地域に残る文化財や諸資料を活用して,身近な地域の歴史的な特徴を多面的・多角的に考察し,表現すること。
B 近世までの日本とアジア
(1) 古代までの日本 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 世界の古代文明や宗教のおこり 世界の古代文明や宗教のおこりを基に,世界の各地で文明が築かれたことを理解すること。
(イ) 日本列島における国家形成 日本列島における農耕の広まりと生活の変化や当時の人々の信仰,大和朝廷(大和政権)による統一の様子と東アジアとの関わりなどを基に,東アジアの文明の影響を受けながら我が国で国家が形成されていったことを理解すること。
(ウ) 律令《りつりょう》国家の形成 律令《りつりょう》国家の確立に至るまでの過程,摂関政治などを基に,東アジアの文物や制度を積極的に取り入れながら国家の仕組みが整えられ,その後,天皇や貴族による政治が展開したことを理解すること。
(エ) 古代の文化と東アジアとの関わり 仏教の伝来とその影響,仮名文字の成立などを基に,国際的な要素をもった文化が栄え,それらを基礎としながら文化の国風化が進んだことを理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 古代文明や宗教が起こった場所や環境,農耕の広まりや生産技術の発展,東アジアとの接触や交流と政治や文化の変化などに着目して,事象を相互に関連付けるなどして,アの(ア)から(エ)までについて古代の社会の変化の様子を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 古代までの日本を大観して,時代の特色を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(2) 中世の日本 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 武家政治の成立とユーラシアの交流 鎌倉幕府の成立,元寇《げんこう》(モンゴル帝国の襲来)などを基に,武士が台頭して主従の結び付きや武力を背景とした武家政権が成立し,その支配が広まったこと,モンゴルの襲来(元寇《げんこう》)がユーラシアの変化の中で起こったことを理解すること。...
(イ) 武家政治の展開と東アジアの動き 南北朝の争乱と室町幕府,日明《にちみん》貿易,琉球《りゅうきゅう》の国際的な役割などを基に,武家政治の展開とともに,東アジア世界との密接な関わりが見られたことを理解すること。
(ウ) 民衆の成長と新たな文化の形成 農業など諸産業の発達,畿内を中心とした都市や農村における自治的な仕組みの成立,武士や民衆などの多様な文化の形成,応仁《おうにん》の乱後の社会的な変動などを基に,民衆の成長を背景とした社会や文化が生まれたことを理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 武士の政治への進出と展開,東アジアにおける交流,農業や商工業の発達などに着目して,事象を相互に関連付けるなどして,アの(ア)から(ウ)までについて中世の社会の変化の様子を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 中世の日本を大観して,時代の特色を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(3) 近世の日本 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 世界の動きと統一事業 ヨーロッパ人来航の背景とその影響,織田《おだ》・豊臣《とよとみ》による統一事業とその当時の対外関係,武将や豪商などの生活文化の展開などを基に,近世社会の基礎がつくられたことを理解すること。
(イ) 江戸幕府の成立と対外関係 江戸幕府の成立と大名統制,身分制と農村の様子,鎖国などの幕府の対外政策と対外関係などを基に,幕府と藩による支配が確立したことを理解すること。
(ウ) 産業の発達と町人文化 産業や交通の発達,教育の普及と文化の広がりなどを基に,町人文化が都市を中心に形成されたことや,各地方の生活文化が生まれたことを理解すること。
(エ) 幕府の政治の展開 社会の変動や欧米諸国の接近,幕府の政治改革,新しい学問・思想の動きなどを基に,幕府の政治が次第に行き詰まりをみせたことを理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 交易の広がりとその影響,統一政権の諸政策の目的,産業の発達と文化の担い手の変化,社会の変化と幕府の政策の変化などに着目して,事象を相互に関連付けるなどして,アの(ア)から(エ)までについて近世の社会の変化の様子を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 近世の日本を大観して,時代の特色を多面的・多角的に考察し,表現すること。
C 近現代の日本と世界
(1) 近代の日本と世界 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 欧米における近代社会の成立とアジア諸国の動き 欧米諸国における産業革命や市民革命,アジア諸国の動きなどを基に,欧米諸国が近代社会を成立させてアジアへ進出したことを理解すること。
(イ) 明治維新と近代国家の形成 開国とその影響,富国強兵・殖産興業政策,文明開化の風潮などを基に,明治維新によって近代国家の基礎が整えられて,人々の生活が大きく変化したことを理解すること。
(ウ) 議会政治の始まりと国際社会との関わり 自由民権運動,大日本帝国憲法の制定,日清《にっしん》・日露戦争,条約改正などを基に,立憲制の国家が成立して議会政治が始まるとともに,我が国の国際的な地位が向上したことを理解すること。
(エ) 近代産業の発展と近代文化の形成 我が国の産業革命,この時期の国民生活の変化,学問・教育・科学・芸術の発展などを基に,我が国で近代産業が発展し,近代文化が形成されたことを理解すること。
(オ) 第一次世界大戦前後の国際情勢と大衆の出現 第一次世界大戦の背景とその影響,民族運動の高まりと国際協調の動き,我が国の国民の政治的自覚の高まりと文化の大衆化などを基に,第一次世界大戦前後の国際情勢及び我が国の動きと,大戦後に国際平和への努力がなされたことを理解すること。
(カ) 第二次世界大戦と人類への惨禍 経済の世界的な混乱と社会問題の発生,昭和初期から第二次世界大戦の終結までの我が国の政治・外交の動き,中国などアジア諸国との関係,欧米諸国の動き,戦時下の国民の生活などを基に,軍部の台頭から戦争までの経過と,大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理...
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 工業化の進展と政治や社会の変化,明治政府の諸改革の目的,議会政治や外交の展開,近代化がもたらした文化への影響,経済の変化の政治への影響,戦争に向かう時期の社会や生活の変化,世界の動きと我が国との関連などに着目して,事象を相互に関連付けるなどして,アの(ア)から(カ)までにつ...
(イ) 近代の日本と世界を大観して,時代の特色を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(2) 現代の日本と世界 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導すること。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 日本の民主化と冷戦下の国際社会 冷戦,我が国の民主化と再建の過程,国際社会への復帰などを基に,第二次世界大戦後の諸改革の特色や世界の動きの中で新しい日本の建設が進められたことを理解すること。
(イ) 日本の経済の発展とグローバル化する世界 高度経済成長,国際社会との関わり,冷戦の終結などを基に,我が国の経済や科学技術の発展によって国民の生活が向上し,国際社会において我が国の役割が大きくなってきたことを理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 諸改革の展開と国際社会の変化,政治の展開と国民生活の変化などに着目して,事象を相互に関連付けるなどして,アの(ア)及び(イ)について現代の社会の変化の様子を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 現代の日本と世界を大観して,時代の特色を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(ウ) これまでの学習を踏まえ,歴史と私たちとのつながり,現在と未来の日本や世界の在り方について,課題意識をもって多面的・多角的に考察,構想し,表現すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 生徒の発達の段階を考慮して,各時代の特色や時代の転換に関係する基礎的・基本的な歴史に関わる事象を重点的に選んで指導内容を構成すること。
イ 調査や諸資料から歴史に関わる事象についての様々な情報を効果的に収集し,読み取り,まとめる技能を身に付ける学習を重視すること。その際,年表を活用した読み取りやまとめ,文献,図版などの多様な資料,地図などの活用を十分に行うこと。
ウ 歴史に関わる事象の意味・意義や特色,事象間の関連を説明したり,課題を設けて追究したり,意見交換したりするなどの学習を重視して,思考力,判断力,表現力等を養うとともに,学習内容の確かな理解と定着を図ること。
エ 各時代の文化については,代表的な事例を取り上げてその特色を考察させるようにすること。
オ 歴史に見られる国際関係や文化交流のあらましを理解させ,我が国と諸外国の歴史や文化が相互に深く関わっていることを考察させるようにすること。その際,歴史に見られる文化や生活の多様性に気付かせること。
カ 国家及び社会並びに文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産について,生徒の興味・関心を育てる指導に努めるとともに,それらの時代的背景や地域性などと関連付けて考察させるようにすること。その際,身近な地域の歴史上の人物と文化遺産を取り上げることにも留...
キ 歴史に関わる事象の指導に当たっては,地理的分野との連携を踏まえ,地理的条件にも着目して取り扱うよう工夫するとともに,公民的分野との関連にも配慮すること。
ク 日本人の生活や生活に根ざした文化については,政治の動き,社会の動き,各地域の地理的条件,身近な地域の歴史とも関連付けて指導したり,民俗学や考古学などの成果の活用や博物館,郷土資料館などの施設を見学・調査したりするなど具体的に学ぶことを通して理解させるように工夫すること。
(2) 内容のAについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,中学校の歴史学習の導入として実施することを原則とすること。小学校での学習を踏まえ,扱う内容や活動を工夫すること。「課題を追究したり解決したりする活動」については,内容のB以下の学習と関わらせて,歴史を追究するために,課題意識をもって学ぶことを促す適切な学習活動...
イ (2)については,内容のB以下の学習と関わらせて計画的に実施し,地域の特性に応じた時代を取り上げるようにするとともに,人々の生活や生活に根ざした伝統や文化に着目した取扱いを工夫すること。その際,博物館,郷土資料館などの地域の施設の活用や地域の人々の協力も考慮すること。
(3) 内容のBについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)のアの(ア)の「世界の古代文明」については,人類の出現にも触れ,中国の文明をはじめとして諸文明の特徴を取り扱い,生活技術の発達,文字の使用,国家のおこりと発展などの共通する特徴に気付かせるようにすること。また,ギリシャ・ローマの文明について,政治制度など民主政治の来歴の観...
イ (2)のアの(ア)の「ユーラシアの変化」については,モンゴル帝国の拡大によるユーラシアの結び付きについて気付かせること。(2)のアの(イ)の「琉球《りゅうきゅう》の国際的な役割」については,琉球《りゅうきゅう》の文化についても触れること。(2)のアの(ウ)の「武士や民衆などの多...
ウ (3)のアの(ア)の「ヨーロッパ人来航の背景」については,新航路の開拓を中心に取り扱い,その背景となるアジアの交易の状況やムスリム商人などの役割と世界の結び付きに気付かせること。また,宗教改革についても触れること。「織田《おだ》・豊臣《とよとみ》による統一事業」については,検地...
(4) 内容のCについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)のアの(ア)の「市民革命」については,政治体制の変化や人権思想の発達や広がり,現代の政治とのつながりなどと関連付けて,アメリカの独立,フランス革命などを扱うこと。「アジア諸国の動き」については,欧米諸国の進出に対するアジア諸国の対応と変容という観点から,代表的な事例を取り...
イ (2)のアの(ア)の「我が国の民主化と再建の過程」については,国民が苦難を乗り越えて新しい日本の建設に努力したことに気付かせるようにすること。その際,男女普通選挙の確立,日本国憲法の制定などを取り扱うこと。(2)のアの(イ)については,沖縄返還,日中国交正常化,石油危機などの節...
〔公民的分野〕
1 目標 現代社会の見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりする活動を通して,広い視野に立ち,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。
(1) 個人の尊厳と人権の尊重の意義,特に自由・権利と責任・義務との関係を広い視野から正しく認識し,民主主義,民主政治の意義,国民の生活の向上と経済活動との関わり,現代の社会生活及び国際関係などについて,個人と社会との関わりを中心に理解を深めるとともに,諸資料から現代の社会的事象に...
(2) 社会的事象の意味や意義,特色や相互の関連を現代の社会生活と関連付けて多面的・多角的に考察したり,現代社会に見られる課題について公正に判断したりする力,思考・判断したことを説明したり,それらを基に議論したりする力を養う。
(3) 現代の社会的事象について,現代社会に見られる課題の解決を視野に主体的に社会に関わろうとする態度を養うとともに,多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵《かん》養される,国民主権を担う公民として,自国を愛し,その平和と繁栄を図ることや,各国が相互に主権を尊重し,各国民が協力し...
2 内容
A 私たちと現代社会
(1) 私たちが生きる現代社会と文化の特色 位置や空間的な広がり,推移や変化などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 現代日本の特色として少子高齢化,情報化,グローバル化などが見られることについて理解すること。
(イ) 現代社会における文化の意義や影響について理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 少子高齢化,情報化,グローバル化などが現在と将来の政治,経済,国際関係に与える影響について多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 文化の継承と創造の意義について多面的・多角的に考察し,表現すること。
(2) 現代社会を捉える枠組み 対立と合意,効率と公正などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 現代社会の見方・考え方の基礎となる枠組みとして,対立と合意,効率と公正などについて理解すること。
(イ) 人間は本来社会的存在であることを基に,個人の尊厳と両性の本質的平等,契約の重要性やそれを守ることの意義及び個人の責任について理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 社会生活における物事の決定の仕方,契約を通した個人と社会との関係,きまりの役割について多面的・多角的に考察し,表現すること。
B 私たちと経済
(1) 市場の働きと経済 対立と合意,効率と公正,分業と交換,希少性などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 身近な消費生活を中心に経済活動の意義について理解すること。
(イ) 市場経済の基本的な考え方について理解すること。その際,市場における価格の決まり方や資源の配分について理解すること。
(ウ) 現代の生産や金融などの仕組みや働きを理解すること。
(エ) 勤労の権利と義務,労働組合の意義及び労働基準法の精神について理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 個人や企業の経済活動における役割と責任について多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 社会生活における職業の意義と役割及び雇用と労働条件の改善について多面的・多角的に考察し,表現すること。
(2) 国民の生活と政府の役割 対立と合意,効率と公正,分業と交換,希少性などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 社会資本の整備,公害の防止など環境の保全,少子高齢社会における社会保障の充実・安定化,消費者の保護について,それらの意義を理解すること。
(イ) 財政及び租税の意義,国民の納税の義務について理解すること。
イ 国民の生活と福祉の向上を図ることに向けて,次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 市場の働きに委ねることが難しい諸問題に関して,国や地方公共団体が果たす役割について多面的・多角的に考察,構想し,表現すること。
(イ) 財政及び租税の役割について多面的・多角的に考察し,表現すること。
C 私たちと政治
(1) 人間の尊重と日本国憲法の基本的原則 対立と合意,効率と公正,個人の尊重と法の支配,民主主義などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 人間の尊重についての考え方を,基本的人権を中心に深め,法の意義を理解すること。
(イ) 民主的な社会生活を営むためには,法に基づく政治が大切であることを理解すること。
(ウ) 日本国憲法が基本的人権の尊重,国民主権及び平和主義を基本的原則としていることについて理解すること。
(エ) 日本国及び日本国民統合の象徴としての天皇の地位と天皇の国事に関する行為について理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 我が国の政治が日本国憲法に基づいて行われていることの意義について多面的・多角的に考察し,表現すること。
(2) 民主政治と政治参加 対立と合意,効率と公正,個人の尊重と法の支配,民主主義などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 国会を中心とする我が国の民主政治の仕組みのあらましや政党の役割を理解すること。
(イ) 議会制民主主義の意義,多数決の原理とその運用の在り方について理解すること。
(ウ) 国民の権利を守り,社会の秩序を維持するために,法に基づく公正な裁判の保障があることについて理解すること。
(エ) 地方自治の基本的な考え方について理解すること。その際,地方公共団体の政治の仕組み,住民の権利や義務について理解すること。
イ 地方自治や我が国の民主政治の発展に寄与しようとする自覚や住民としての自治意識の基礎を育成することに向けて,次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 民主政治の推進と,公正な世論の形成や選挙など国民の政治参加との関連について多面的・多角的に考察,構想し,表現すること。
D 私たちと国際社会の諸課題
(1) 世界平和と人類の福祉の増大 対立と合意,効率と公正,協調,持続可能性などに着目して,課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 世界平和の実現と人類の福祉の増大のためには,国際協調の観点から,国家間の相互の主権の尊重と協力,各国民の相互理解と協力及び国際連合をはじめとする国際機構などの役割が大切であることを理解すること。その際,領土(領海,領空を含む。),国家主権,国際連合の働きなど基本的な事項につ...
(イ) 地球環境,資源・エネルギー,貧困などの課題の解決のために経済的,技術的な協力などが大切であることを理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 日本国憲法の平和主義を基に,我が国の安全と防衛,国際貢献を含む国際社会における我が国の役割について多面的・多角的に考察,構想し,表現すること。
(2) よりよい社会を目指して 持続可能な社会を形成することに向けて,社会的な見方・考え方を働かせ,課題を探究する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を多面的・多角的に考察,構想し,自分の考えを説明,論述すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 地理的分野及び歴史的分野の学習の成果を活用するとともに,これらの分野で育成された資質・能力が,更に高まり発展するようにすること。また,社会的事象は相互に関連し合っていることに留意し,特定の内容に偏ることなく,分野全体として見通しをもったまとまりのある学習が展開できるようにするこ...
イ 生徒が内容の基本的な意味を理解できるように配慮し,現代社会の見方・考え方を働かせ,日常の社会生活と関連付けながら具体的事例を通して,政治や経済などに関わる制度や仕組みの意義や働きについて理解を深め,多面的・多角的に考察,構想し,表現できるようにすること。
ウ 分野全体を通して,課題の解決に向けて習得した知識を活用して,事実を基に多面的・多角的に考察,構想したことを説明したり,論拠を基に自分の意見を説明,論述させたりすることにより,思考力,判断力,表現力等を養うこと。また,考察,構想させる場合には,資料を読み取らせて解釈させたり,議論...
エ 合意形成や社会参画を視野に入れながら,取り上げた課題について構想したことを,妥当性や効果,実現可能性などを踏まえて表現できるよう指導すること。
オ 分野の内容に関係する専門家や関係諸機関などと円滑な連携・協働を図り,社会との関わりを意識した課題を追究したり解決したりする活動を充実させること。
(2) 内容のAについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) 「情報化」については,人工知能の急速な進化などによる産業や社会の構造的な変化などと関連付けたり,災害時における防災情報の発信・活用などの具体的事例を取り上げたりすること。アの(イ)の「現代社会における文化の意義と影響」については,科学,芸術,宗教などを取り上げ,社会生活との...
(イ) イの(イ)の「文化の継承と創造の意義」については,我が国の伝統と文化などを取り扱うこと。
イ (1)及び(2)については公民的分野の導入部として位置付け,(1),(2)の順で行うものとし,適切かつ十分な授業時数を配当すること。
(3) 内容のBについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) アの(イ)の「市場における価格の決まり方や資源の配分」については,個人や企業の経済活動が様々な条件の中での選択を通して行われていることや,市場における取引が貨幣を通して行われていることなどを取り上げること。
(イ) イの(ア)の「個人や企業の経済活動における役割と責任」については,起業について触れるとともに,経済活動や起業などを支える金融などの働きについて取り扱うこと。イの(イ)の「社会生活における職業の意義と役割及び雇用と労働条件の改善」については,仕事と生活の調和という観点から労働...
イ (2)については,次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) アの(ア)の「消費者の保護」については,消費者の自立の支援なども含めた消費者行政を取り扱うこと。
(イ) イの(イ)の「財政及び租税の役割」については,財源の確保と配分という観点から,財政の現状や少子高齢社会など現代社会の特色を踏まえて財政の持続可能性と関連付けて考察し,表現させること。
(4) 内容のCについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (2)のアの(ウ)の「法に基づく公正な裁判の保障」に関連させて,裁判員制度についても触れること。
(5) 内容のDについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) アの(ア)の「国家間の相互の主権の尊重と協力」との関連で,国旗及び国歌の意義並びにそれらを相互に尊重することが国際的な儀礼であることの理解を通して,それらを尊重する態度を養うように配慮すること。また,「領土(領海,領空を含む。),国家主権」については関連させて取り扱い,我が...
(イ) イの(ア)の「国際社会における我が国の役割」に関連させて,核兵器などの脅威に触れ,戦争を防止し,世界平和を確立するための熱意と協力の態度を育成するように配慮すること。また,国際社会における文化や宗教の多様性について取り上げること。
イ (2)については,身近な地域や我が国の取組との関連性に着目させ,世界的な視野と地域的な視点に立って探究させること。また,社会科のまとめとして位置付け,適切かつ十分な授業時数を配当すること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,分野の特質に応じた見方・考え方を働かせ,社会的事象の意味や意義などを考察し,概念などに関する知識を獲得したり,社会との関わりを意識...
(2) 小学校社会科の内容との関連及び各分野相互の有機的な関連を図るとともに,地理的分野及び歴史的分野の基礎の上に公民的分野の学習を展開するこの教科の基本的な構造に留意して,全体として教科の目標が達成できるようにする必要があること。
(3) 各分野の履修については,第1,第2学年を通じて地理的分野及び歴史的分野を並行して学習させることを原則とし,第3学年において歴史的分野及び公民的分野を学習させること。各分野に配当する授業時数は,地理的分野115単位時間,歴史的分野135単位時間,公民的分野100単位時間とする...
(4) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
(5) 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,社会科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 社会的な見方・考え方を働かせることをより一層重視する観点に立って,社会的事象の意味や意義,事象の特色や事象間の関連,社会に見られる課題などについて,考察したことや選択・判断したことを論理的に説明したり,立場や根拠を明確にして議論したりするなどの言語活動に関わる学習を一層重視...
(2) 情報の収集,処理や発表などに当たっては,学校図書館や地域の公共施設などを活用するとともに,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を積極的に活用し,指導に生かすことで,生徒が主体的に調べ分かろうとして学習に取り組めるようにすること。その際,課題の追究や解決の見通しを...
(3) 調査や諸資料から,社会的事象に関する様々な情報を効果的に収集し,読み取り,まとめる技能を身に付ける学習活動を重視するとともに,作業的で具体的な体験を伴う学習の充実を図るようにすること。その際,地図や年表を読んだり作成したり,現代社会の諸課題を捉え,多面的・多角的に考察,構想...
(4) 社会的事象については,生徒の考えが深まるよう様々な見解を提示するよう配慮し,多様な見解のある事柄,未確定な事柄を取り上げる場合には,有益適切な教材に基づいて指導するとともに,特定の事柄を強調し過ぎたり,一面的な見解を十分な配慮なく取り上げたりするなどの偏った取扱いにより,生...
3 第2の内容の指導に当たっては,教育基本法第14条及び第15条の規定に基づき,適切に行うよう特に慎重に配慮して,政治及び宗教に関する教育を行うものとする。
第3節 数学
第1 目標 数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 数量や図形などについての基礎的な概念や原理・法則などを理解するとともに,事象を数学化したり,数学的に解釈したり,数学的に表現・処理したりする技能を身に付けるようにする。
(2) 数学を活用して事象を論理的に考察する力,数量や図形などの性質を見いだし統合的・発展的に考察する力,数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表現する力を養う。
(3) 数学的活動の楽しさや数学のよさを実感して粘り強く考え,数学を生活や学習に生かそうとする態度,問題解決の過程を振り返って評価・改善しようとする態度を養う。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年〕
1 目標
(1) 正の数と負の数,文字を用いた式と一元一次方程式,平面図形と空間図形,比例と反比例,データの分布と確率などについての基礎的な概念や原理・法則などを理解するとともに,事象を数理的に捉えたり,数学的に解釈したり,数学的に表現・処理したりする技能を身に付けるようにする。
(2) 数の範囲を拡張し,数の性質や計算について考察したり,文字を用いて数量の関係や法則などを考察したりする力,図形の構成要素や構成の仕方に着目し,図形の性質や関係を直観的に捉え論理的に考察する力,数量の変化や対応に着目して関数関係を見いだし,その特徴を表,式,グラフなどで考察する...
(3) 数学的活動の楽しさや数学のよさに気付いて粘り強く考え,数学を生活や学習に生かそうとする態度,問題解決の過程を振り返って検討しようとする態度,多面的に捉え考えようとする態度を養う。
2 内容
A 数と式
(1) 正の数と負の数について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 正の数と負の数の必要性と意味を理解すること。
(イ) 正の数と負の数の四則計算をすること。
(ウ) 具体的な場面で正の数と負の数を用いて表したり処理したりすること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 算数で学習した数の四則計算と関連付けて,正の数と負の数の四則計算の方法を考察し表現すること。
(イ) 正の数と負の数を具体的な場面で活用すること。
(2) 文字を用いた式について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 文字を用いることの必要性と意味を理解すること。
(イ) 文字を用いた式における乗法と除法の表し方を知ること。
(ウ) 簡単な一次式の加法と減法の計算をすること。
(エ) 数量の関係や法則などを文字を用いた式に表すことができることを理解し,式を用いて表したり読み取ったりすること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 具体的な場面と関連付けて,一次式の加法と減法の計算の方法を考察し表現すること。
(3) 一元一次方程式について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 方程式の必要性と意味及び方程式の中の文字や解の意味を理解すること。
(イ) 簡単な一元一次方程式を解くこと。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 等式の性質を基にして,一元一次方程式を解く方法を考察し表現すること。
(イ) 一元一次方程式を具体的な場面で活用すること。
〔用語・記号〕
自然数
素数
符号
絶対値
係数
移項
B 図形
(1) 平面図形について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 角の二等分線,線分の垂直二等分線,垂線などの基本的な作図の方法を理解すること。
(イ) 平行移動,対称移動及び回転移動について理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 図形の性質に着目し,基本的な作図の方法を考察し表現すること。
(イ) 図形の移動に着目し,二つの図形の関係について考察し表現すること。
(ウ) 基本的な作図や図形の移動を具体的な場面で活用すること。
(2) 空間図形について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 空間における直線や平面の位置関係を知ること。
(イ) 扇形の弧の長さと面積,基本的な柱体や体,球の表面積と体積を求めること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 空間図形を直線や平面図形の運動によって構成されるものと捉えたり,空間図形を平面上に表現して平面上の表現から空間図形の性質を見いだしたりすること。
(イ) 立体図形の表面積や体積の求め方を考察し表現すること。
〔用語・記号〕
回転体
ねじれの位置
π
//
C 関数
(1) 比例,反比例について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 関数関係の意味を理解すること。
(イ) 比例,反比例について理解すること。
(ウ) 座標の意味を理解すること。
(エ) 比例,反比例を表,式,グラフなどに表すこと。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 比例,反比例として捉えられる二つの数量について,表,式,グラフなどを用いて調べ,それらの変化や対応の特徴を見いだすこと。
(イ) 比例,反比例を用いて具体的な事象を捉え考察し表現すること。
〔用語・記号〕
関数
変数
変域
D データの活用
(1) データの分布について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) ヒストグラムや相対度数などの必要性と意味を理解すること。
(イ) コンピュータなどの情報手段を用いるなどしてデータを表やグラフに整理すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 目的に応じてデータを収集して分析し,そのデータの分布の傾向を読み取り,批判的に考察し判断すること。
(2) 不確定な事象の起こりやすさについて,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 多数の観察や多数回の試行によって得られる確率の必要性と意味を理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 多数の観察や多数回の試行の結果を基にして,不確定な事象の起こりやすさの傾向を読み取り表現すること。
〔用語・記号〕
範囲
累積度数
〔数学的活動〕
(1) 「A数と式」,「B図形」,「C関数」及び「Dデータの活用」の学習やそれらを相互に関連付けた学習において,次のような数学的活動に取り組むものとする。
ア 日常の事象を数理的に捉え,数学的に表現・処理し,問題を解決したり,解決の過程や結果を振り返って考察したりする活動
イ 数学の事象から問題を見いだし解決したり,解決の過程や結果を振り返って統合的・発展的に考察したりする活動
ウ 数学的な表現を用いて筋道立てて説明し伝え合う活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と式」の(1)に関連して,自然数を素数の積として表すことを取り扱うものとする。
(2) 内容の「A数と式」の(1)のアとイの(ア)に関連して,数の集合と四則計算の可能性を取り扱うものとする。
(3) 内容の「A数と式」の(2)のアの(エ)に関連して,大小関係を不等式を用いて表すことを取り扱うものとする。
(4) 内容の「A数と式」の(3)のアの(イ)とイの(イ)に関連して,簡単な比例式を解くことを取り扱うものとする。
(5) 内容の「B図形」の(1)のイの(ウ)に関連して,円の接線はその接点を通る半径に垂直であることを取り扱うものとする。
(6) 内容の「B図形」の(2)のイの(ア)については,見取図や展開図,投影図を取り扱うものとする。
〔第2学年〕
1 目標
(1) 文字を用いた式と連立二元一次方程式,平面図形と数学的な推論,一次関数,データの分布と確率などについての基礎的な概念や原理・法則などを理解するとともに,事象を数学化したり,数学的に解釈したり,数学的に表現・処理したりする技能を身に付けるようにする。
(2) 文字を用いて数量の関係や法則などを考察する力,数学的な推論の過程に着目し,図形の性質や関係を論理的に考察し表現する力,関数関係に着目し,その特徴を表,式,グラフを相互に関連付けて考察する力,複数の集団のデータの分布に着目し,その傾向を比較して読み取り批判的に考察して判断した...
(3) 数学的活動の楽しさや数学のよさを実感して粘り強く考え,数学を生活や学習に生かそうとする態度,問題解決の過程を振り返って評価・改善しようとする態度,多様な考えを認め,よりよく問題解決しようとする態度を養う。
2 内容
A 数と式
(1) 文字を用いた式について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 簡単な整式の加法と減法及び単項式の乗法と除法の計算をすること。
(イ) 具体的な事象の中の数量の関係を文字を用いた式で表したり,式の意味を読み取ったりすること。
(ウ) 文字を用いた式で数量及び数量の関係を捉え説明できることを理解すること。
(エ) 目的に応じて,簡単な式を変形すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 具体的な数の計算や既に学習した計算の方法と関連付けて,整式の加法と減法及び単項式の乗法と除法の計算の方法を考察し表現すること。
(イ) 文字を用いた式を具体的な場面で活用すること。
(2) 連立二元一次方程式について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 二元一次方程式とその解の意味を理解すること。
(イ) 連立二元一次方程式の必要性と意味及びその解の意味を理解すること。
(ウ) 簡単な連立二元一次方程式を解くこと。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 一元一次方程式と関連付けて,連立二元一次方程式を解く方法を考察し表現すること。
(イ) 連立二元一次方程式を具体的な場面で活用すること。
〔用語・記号〕
同類項
B 図形
(1) 基本的な平面図形の性質について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 平行線や角の性質を理解すること。
(イ) 多角形の角についての性質が見いだせることを知ること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 基本的な平面図形の性質を見いだし,平行線や角の性質を基にしてそれらを確かめ説明すること。
(2) 図形の合同について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 平面図形の合同の意味及び三角形の合同条件について理解すること。
(イ) 証明の必要性と意味及びその方法について理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 三角形の合同条件などを基にして三角形や平行四辺形の基本的な性質を論理的に確かめたり,証明を読んで新たな性質を見いだしたりすること。
(イ) 三角形や平行四辺形の基本的な性質などを具体的な場面で活用すること。
〔用語・記号〕
対頂角
内角
外角
定義
証明
反例
C 関数
(1) 一次関数について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 一次関数について理解すること。
(イ) 事象の中には一次関数として捉えられるものがあることを知ること。
(ウ) 二元一次方程式を関数を表す式とみること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 一次関数として捉えられる二つの数量について,変化や対応の特徴を見いだし,表,式,グラフを相互に関連付けて考察し表現すること。
(イ) 一次関数を用いて具体的な事象を捉え考察し表現すること。
〔用語・記号〕
変化の割合
傾き
D データの活用
(1) データの分布について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 四分位範囲や箱ひげ図の必要性と意味を理解すること。
(イ) コンピュータなどの情報手段を用いるなどしてデータを整理し箱ひげ図で表すこと。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 四分位範囲や箱ひげ図を用いてデータの分布の傾向を比較して読み取り,批判的に考察し判断すること。
(2) 不確定な事象の起こりやすさについて,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 多数回の試行によって得られる確率と関連付けて,場合の数を基にして得られる確率の必要性と意味を理解すること。
(イ) 簡単な場合について確率を求めること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 同様に確からしいことに着目し,場合の数を基にして得られる確率の求め方を考察し表現すること。
(イ) 確率を用いて不確定な事象を捉え考察し表現すること。
〔数学的活動〕
(1) 「A数と式」,「B図形」,「C関数」及び「Dデータの活用」の学習やそれらを相互に関連付けた学習において,次のような数学的活動に取り組むものとする。
ア 日常の事象や社会の事象を数理的に捉え,数学的に表現・処理し,問題を解決したり,解決の過程や結果を振り返って考察したりする活動
イ 数学の事象から見通しをもって問題を見いだし解決したり,解決の過程や結果を振り返って統合的・発展的に考察したりする活動
ウ 数学的な表現を用いて論理的に説明し伝え合う活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の「B図形」の(2)のイの(ア)に関連して,正方形,ひし形及び長方形が平行四辺形の特別な形であることを取り扱うものとする。
〔第3学年〕
1 目標
(1) 数の平方根,多項式と二次方程式,図形の相似,円周角と中心角の関係,三平方の定理,関数y=ax^2,標本調査などについての基礎的な概念や原理・法則などを理解するとともに,事象を数学化したり,数学的に解釈したり,数学的に表現・処理したりする技能を身に付けるようにする。
(2) 数の範囲に着目し,数の性質や計算について考察したり,文字を用いて数量の関係や法則などを考察したりする力,図形の構成要素の関係に着目し,図形の性質や計量について論理的に考察し表現する力,関数関係に着目し,その特徴を表,式,グラフを相互に関連付けて考察する力,標本と母集団の関係...
(3) 数学的活動の楽しさや数学のよさを実感して粘り強く考え,数学を生活や学習に生かそうとする態度,問題解決の過程を振り返って評価・改善しようとする態度,多様な考えを認め,よりよく問題解決しようとする態度を養う。
2 内容
A 数と式
(1) 正の数の平方根について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 数の平方根の必要性と意味を理解すること。
(イ) 数の平方根を含む簡単な式の計算をすること。
(ウ) 具体的な場面で数の平方根を用いて表したり処理したりすること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 既に学習した計算の方法と関連付けて,数の平方根を含む式の計算の方法を考察し表現すること。
(イ) 数の平方根を具体的な場面で活用すること。
(2) 簡単な多項式について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 単項式と多項式の乗法及び多項式を単項式で割る除法の計算をすること。
(イ) 簡単な一次式の乗法の計算及び次の公式を用いる簡単な式の展開や因数分解をすること。
(a+b)^2=a^2+2ab+b^2
(a−b)^2=a^2−2ab+b^2
(a+b)(a−b)=a^2−b^2
(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 既に学習した計算の方法と関連付けて,式の展開や因数分解をする方法を考察し表現すること。
(イ) 文字を用いた式で数量及び数量の関係を捉え説明すること。
(3) 二次方程式について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 二次方程式の必要性と意味及びその解の意味を理解すること。
(イ) 因数分解したり平方の形に変形したりして二次方程式を解くこと。
(ウ) 解の公式を知り,それを用いて二次方程式を解くこと。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 因数分解や平方根の考えを基にして,二次方程式を解く方法を考察し表現すること。
(イ) 二次方程式を具体的な場面で活用すること。
〔用語・記号〕
根号
有理数
無理数
因数
B 図形
(1) 図形の相似について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 平面図形の相似の意味及び三角形の相似条件について理解すること。
(イ) 基本的な立体の相似の意味及び相似な図形の相似比と面積比や体積比との関係について理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 三角形の相似条件などを基にして図形の基本的な性質を論理的に確かめること。
(イ) 平行線と線分の比についての性質を見いだし,それらを確かめること。
(ウ) 相似な図形の性質を具体的な場面で活用すること。
(2) 円周角と中心角の関係について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 円周角と中心角の関係の意味を理解し,それが証明できることを知ること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 円周角と中心角の関係を見いだすこと。
(イ) 円周角と中心角の関係を具体的な場面で活用すること。
(3) 三平方の定理について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 三平方の定理の意味を理解し,それが証明できることを知ること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 三平方の定理を見いだすこと。
(イ) 三平方の定理を具体的な場面で活用すること。
〔用語・記号〕
C 関数
(1) 関数y=ax^2について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 関数y=ax^2について理解すること。
(イ) 事象の中には関数y=ax^2として捉えられるものがあることを知ること。
(ウ) いろいろな事象の中に,関数関係があることを理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 関数y=ax^2として捉えられる二つの数量について,変化や対応の特徴を見いだし,表,式,グラフを相互に関連付けて考察し表現すること。
(イ) 関数y=ax^2を用いて具体的な事象を捉え考察し表現すること。
D データの活用
(1) 標本調査について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 標本調査の必要性と意味を理解すること。
(イ) コンピュータなどの情報手段を用いるなどして無作為に標本を取り出し,整理すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 標本調査の方法や結果を批判的に考察し表現すること。
(イ) 簡単な場合について標本調査を行い,母集団の傾向を推定し判断すること。
〔用語・記号〕
全数調査
〔数学的活動〕
(1) 「A数と式」,「B図形」,「C関数」及び「Dデータの活用」の学習やそれらを相互に関連付けた学習において,次のような数学的活動に取り組むものとする。
ア 日常の事象や社会の事象を数理的に捉え,数学的に表現・処理し,問題を解決したり,解決の過程や結果を振り返って考察したりする活動
イ 数学の事象から見通しをもって問題を見いだし解決したり,解決の過程や結果を振り返って統合的・発展的に考察したりする活動
ウ 数学的な表現を用いて論理的に説明し伝え合う活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と式」の(1)などに関連して,誤差や近似値,a×10^nの形の表現を取り扱うものとする。
(2) 内容の「A数と式」の(3)については,実数の解をもつ二次方程式を取り扱うものとする。
(3) 内容の「A数と式」の(3)のアの(イ)とイの(ア)については,ax^2=b(a,bは有理数)の二次方程式及びx^2+px+q=0(p,qは整数)の二次方程式を取り扱うものとする。因数分解して解くことの指導においては,内容の「A数と式」の(2)のアの(イ)に示した公式を用いる...
(4) 内容の「B図形」の(2)に関連して,円周角の定理の逆を取り扱うものとする。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,数学的活動を通して,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,数学的な見方・考え方を働かせながら,日常の事象や社会の事象を数理的に捉え,数学の問題を見いだし,問題を自立的,...
(2) 第2の各学年の目標の達成に支障のない範囲内で,当該学年の内容の一部を軽く取り扱い,それを後の学年で指導することができるものとすること。また,学年の目標を逸脱しない範囲内で,後の学年の内容の一部を加えて指導することもできるものとすること。
(3) 生徒の学習を確実なものにするために,新たな内容を指導する際には,既に指導した関連する内容を意図的に再度取り上げ,学び直しの機会を設定することに配慮すること。
(4) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
(5) 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,数学科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 思考力,判断力,表現力等を育成するため,各学年の内容の指導に当たっては,数学的な表現を用いて簡潔・明瞭・的確に表現したり,互いに自分の考えを表現し伝え合ったりするなどの機会を設けること。
(2) 各領域の指導に当たっては,必要に応じ,そろばんや電卓,コンピュータ,情報通信ネットワークなどの情報手段を適切に活用し,学習の効果を高めること。
(3) 各領域の指導に当たっては,具体物を操作して考えたり,データを収集して整理したりするなどの具体的な体験を伴う学習を充実すること。
(4) 第2の各学年の内容に示す〔用語・記号〕は,当該学年で取り扱う内容の程度や範囲を明確にするために示したものであり,その指導に当たっては,各学年の内容と密接に関連させて取り上げること。
3 数学的活動の取組においては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 数学的活動を楽しめるようにするとともに,数学を学習することの意義や数学の必要性などを実感する機会を設けること。
(2) 数学を活用して問題解決する方法を理解するとともに,自ら問題を見いだし,解決するための構想を立て,実践し,その過程や結果を評価・改善する機会を設けること。
(3) 各領域の指導に当たっては,観察や操作,実験などの活動を通して,数量や図形などの性質を見いだしたり,発展させたりする機会を設けること。
(4) 数学的活動の過程を振り返り,レポートにまとめ発表することなどを通して,その成果を共有する機会を設けること。
4 生徒の数学的活動への取組を促し思考力,判断力,表現力等の育成を図るため,各領域の内容を総合したり日常の事象や他教科等での学習に関連付けたりするなどして見いだした問題を解決する学習を課題学習と言い,この実施に当たっては各学年で指導計画に適切に位置付けるものとする。
第4節 理科
第1 目標 自然の事物・現象に関わり,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって観察,実験を行うことなどを通して,自然の事物・現象を科学的に探究するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 自然の事物・現象についての理解を深め,科学的に探究するために必要な観察,実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする。
(2) 観察,実験などを行い,科学的に探究する力を養う。
(3) 自然の事物・現象に進んで関わり,科学的に探究しようとする態度を養う。
第2 各分野の目標及び内容  
〔第1分野〕
1 目標 物質やエネルギーに関する事物・現象を科学的に探究するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 物質やエネルギーに関する事物・現象についての観察,実験などを行い,身近な物理現象,電流とその利用,運動とエネルギー,身の回りの物質,化学変化と原子・分子,化学変化とイオンなどについて理解するとともに,科学技術の発展と人間生活との関わりについて認識を深めるようにする。また,そ...
(2) 物質やエネルギーに関する事物・現象に関わり,それらの中に問題を見いだし見通しをもって観察,実験などを行い,その結果を分析して解釈し表現するなど,科学的に探究する活動を通して,規則性を見いだしたり課題を解決したりする力を養う。
(3) 物質やエネルギーに関する事物・現象に進んで関わり,科学的に探究しようとする態度を養うとともに,自然を総合的に見ることができるようにする。
2 内容
(1) 身近な物理現象 身近な物理現象についての観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 身近な物理現象を日常生活や社会と関連付けながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 光と音
㋐ 光の反射・屈折 光の反射や屈折の実験を行い,光が水やガラスなどの物質の境界面で反射,屈折するときの規則性を見いだして理解すること。
㋑ 凸レンズの働き 凸レンズの働きについての実験を行い,物体の位置と像のでき方との関係を見いだして理解すること。
㋒ 音の性質 音についての実験を行い,音はものが振動することによって生じ空気中などを伝わること及び音の高さや大きさは発音体の振動の仕方に関係することを見いだして理解すること。
(イ) 力の働き
㋐ 力の働き 物体に力を働かせる実験を行い,物体に力が働くとその物体が変形したり動き始めたり,運動の様子が変わったりすることを見いだして理解するとともに,力は大きさと向きによって表されることを知ること。また,物体に働く2力についての実験を行い,力がつり合うときの条件を見いだして理...
イ 身近な物理現象について,問題を見いだし見通しをもって観察,実験などを行い,光の反射や屈折,凸レンズの働き,音の性質,力の働きの規則性や関係性を見いだして表現すること。
(2) 身の回りの物質 身の回りの物質についての観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 身の回りの物質の性質や変化に着目しながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 物質のすがた
㋐ 身の回りの物質とその性質 身の回りの物質の性質を様々な方法で調べる実験を行い,物質には密度や加熱したときの変化など固有の性質と共通の性質があることを見いだして理解するとともに,実験器具の操作,記録の仕方などの技能を身に付けること。
㋑ 気体の発生と性質 気体を発生させてその性質を調べる実験を行い,気体の種類による特性を理解するとともに,気体を発生させる方法や捕集法などの技能を身に付けること。
(イ) 水溶液
㋐ 水溶液 水溶液から溶質を取り出す実験を行い,その結果を溶解度と関連付けて理解すること。
(ウ) 状態変化
㋐ 状態変化と熱 物質の状態変化についての観察,実験を行い,状態変化によって物質の体積は変化するが質量は変化しないことを見いだして理解すること。
㋑ 物質の融点と沸点 物質は融点や沸点を境に状態が変化することを知るとともに,混合物を加熱する実験を行い,沸点の違いによって物質の分離ができることを見いだして理解すること。
イ 身の回りの物質について,問題を見いだし見通しをもって観察,実験などを行い,物質の性質や状態変化における規則性を見いだして表現すること。
(3) 電流とその利用 電流とその利用についての観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 電流,磁界に関する事物・現象を日常生活や社会と関連付けながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 電流
㋐ 回路と電流・電圧 回路をつくり,回路の電流や電圧を測定する実験を行い,回路の各点を流れる電流や各部に加わる電圧についての規則性を見いだして理解すること。
㋑ 電流・電圧と抵抗 金属線に加わる電圧と電流を測定する実験を行い,電圧と電流の関係を見いだして理解するとともに,金属線には電気抵抗があることを理解すること。
㋒ 電気とそのエネルギー 電流によって熱や光などを発生させる実験を行い,熱や光などが取り出せること及び電力の違いによって発生する熱や光などの量に違いがあることを見いだして理解すること。
㋓ 静電気と電流 異なる物質同士をこすり合わせると静電気が起こり,帯電した物体間では空間を隔てて力が働くこと及び静電気と電流には関係があることを見いだして理解すること。
(イ) 電流と磁界
㋐ 電流がつくる磁界 磁石や電流による磁界の観察を行い,磁界を磁力線で表すことを理解するとともに,コイルの回りに磁界ができることを知ること。
㋑ 磁界中の電流が受ける力 磁石とコイルを用いた実験を行い,磁界中のコイルに電流を流すと力が働くことを見いだして理解すること。
㋒ 電磁誘導と発電 磁石とコイルを用いた実験を行い,コイルや磁石を動かすことにより電流が得られることを見いだして理解するとともに,直流と交流の違いを理解すること。
イ 電流,磁界に関する現象について,見通しをもって解決する方法を立案して観察,実験などを行い,その結果を分析して解釈し,電流と電圧,電流の働き,静電気,電流と磁界の規則性や関係性を見いだして表現すること。
(4) 化学変化と原子・分子 化学変化についての観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 化学変化を原子や分子のモデルと関連付けながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 物質の成り立ち
㋐ 物質の分解 物質を分解する実験を行い,分解して生成した物質は元の物質とは異なることを見いだして理解すること。
㋑ 原子・分子 物質は原子や分子からできていることを理解するとともに,物質を構成する原子の種類は記号で表されることを知ること。
(イ) 化学変化
㋐ 化学変化 2種類の物質を反応させる実験を行い,反応前とは異なる物質が生成することを見いだして理解するとともに,化学変化は原子や分子のモデルで説明できること,化合物の組成は化学式で表されること及び化学変化は化学反応式で表されることを理解すること。
㋑ 化学変化における酸化と還元 酸化や還元の実験を行い,酸化や還元は酸素が関係する反応であることを見いだして理解すること。
㋒ 化学変化と熱 化学変化によって熱を取り出す実験を行い,化学変化には熱の出入りが伴うことを見いだして理解すること。
(ウ) 化学変化と物質の質量
㋐ 化学変化と質量の保存 化学変化の前後における物質の質量を測定する実験を行い,反応物の質量の総和と生成物の質量の総和が等しいことを見いだして理解すること。
㋑ 質量変化の規則性 化学変化に関係する物質の質量を測定する実験を行い,反応する物質の質量の間には一定の関係があることを見いだして理解すること。
イ 化学変化について,見通しをもって解決する方法を立案して観察,実験などを行い,原子や分子と関連付けてその結果を分析して解釈し,化学変化における物質の変化やその量的な関係を見いだして表現すること。
(5) 運動とエネルギー 物体の運動とエネルギーについての観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 物体の運動とエネルギーを日常生活や社会と関連付けながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 力のつり合いと合成・分解
㋐ 水中の物体に働く力 水圧についての実験を行い,その結果を水の重さと関連付けて理解すること。また,水中にある物体には浮力が働くことを知ること。
㋑ 力の合成・分解 力の合成と分解についての実験を行い,合力や分力の規則性を理解すること。
(イ) 運動の規則性
㋐ 運動の速さと向き 物体の運動についての観察,実験を行い,運動には速さと向きがあることを知ること。
㋑ 力と運動 物体に力が働く運動及び力が働かない運動についての観察,実験を行い,力が働く運動では運動の向きや時間の経過に伴って物体の速さが変わること及び力が働かない運動では物体は等速直線運動することを見いだして理解すること。
(ウ) 力学的エネルギー
㋐ 仕事とエネルギー 仕事に関する実験を行い,仕事と仕事率について理解すること。また,衝突の実験を行い,物体のもつ力学的エネルギーは物体が他の物体になしうる仕事で測れることを理解すること。
㋑ 力学的エネルギーの保存 力学的エネルギーに関する実験を行い,運動エネルギーと位置エネルギーが相互に移り変わることを見いだして理解するとともに,力学的エネルギーの総量が保存されることを理解すること。
イ 運動とエネルギーについて,見通しをもって観察,実験などを行い,その結果を分析して解釈し,力のつり合い,合成や分解,物体の運動,力学的エネルギーの規則性や関係性を見いだして表現すること。また,探究の過程を振り返ること。
(6) 化学変化とイオン 化学変化についての観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 化学変化をイオンのモデルと関連付けながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 水溶液とイオン
㋐ 原子の成り立ちとイオン 水溶液に電圧をかけ電流を流す実験を行い,水溶液には電流が流れるものと流れないものとがあることを見いだして理解すること。また,電解質水溶液に電圧をかけ電流を流す実験を行い,電極に物質が生成することからイオンの存在を知るとともに,イオンの生成が原子の成り立ち...
㋑ 酸・アルカリ 酸とアルカリの性質を調べる実験を行い,酸とアルカリのそれぞれの特性が水素イオンと水酸化物イオンによることを知ること。
㋒ 中和と塩 中和反応の実験を行い,酸とアルカリを混ぜると水と塩が生成することを理解すること。
(イ) 化学変化と電池
㋐ 金属イオン 金属を電解質水溶液に入れる実験を行い,金属によってイオンへのなりやすさが異なることを見いだして理解すること。
㋑ 化学変化と電池 電解質水溶液と2種類の金属などを用いた実験を行い,電池の基本的な仕組みを理解するとともに,化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることを知ること。
イ 化学変化について,見通しをもって観察,実験などを行い,イオンと関連付けてその結果を分析して解釈し,化学変化における規則性や関係性を見いだして表現すること。また,探究の過程を振り返ること。
(7) 科学技術と人間 科学技術と人間との関わりについての観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 日常生活や社会と関連付けながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) エネルギーと物質
㋐ エネルギーとエネルギー資源 様々なエネルギーとその変換に関する観察,実験などを通して,日常生活や社会では様々なエネルギーの変換を利用していることを見いだして理解すること。また,人間は,水力,火力,原子力,太陽光などからエネルギーを得ていることを知るとともに,エネルギー資源の有効...
㋑ 様々な物質とその利用 物質に関する観察,実験などを通して,日常生活や社会では,様々な物質が幅広く利用されていることを理解するとともに,物質の有効な利用が大切であることを認識すること。
㋒ 科学技術の発展 科学技術の発展の過程を知るとともに,科学技術が人間の生活を豊かで便利にしていることを認識すること。
(イ) 自然環境の保全と科学技術の利用
㋐ 自然環境の保全と科学技術の利用 自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について科学的に考察することを通して,持続可能な社会をつくることが重要であることを認識すること。
イ 日常生活や社会で使われているエネルギーや物質について,見通しをもって観察,実験などを行い,その結果を分析して解釈するとともに,自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について,科学的に考察して判断すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)から(7)までについては,それぞれのアに示す知識及び技能とイに示す思考力,判断力,表現力等とを相互に関連させながら,3年間を通じて科学的に探究するために必要な資質・能力の育成を目指すものとする。
(2) 内容の(1)から(7)までのうち,(1)及び(2)は第1学年,(3)及び(4)は第2学年,(5)から(7)までは第3学年で取り扱うものとする。
(3) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋐については,全反射も扱い,光の屈折では入射角と屈折角の定性的な関係にも触れること。また,白色光はプリズムなどによっていろいろな色の光に分かれることにも触れること。
イ アの(ア)の㋑については,物体の位置に対する像の位置や像の大きさの定性的な関係を調べること。その際,実像と虚像を扱うこと。
ウ アの(ア)の㋒については,音の伝わる速さについて,空気中を伝わるおよその速さにも触れること。
エ アの(イ)の㋐については,ばねに加える力の大きさとばねの伸びとの関係も扱うこと。また,重さと質量との違いにも触れること。力の単位としては「ニュートン」を用いること。
(4) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋐については,有機物と無機物との違いや金属と非金属との違いを扱うこと。
イ アの(ア)の㋑については,異なる方法を用いても同一の気体が得られることにも触れること。
ウ アの(イ)の㋐については,粒子のモデルと関連付けて扱い,質量パーセント濃度にも触れること。また,「溶解度」については,溶解度曲線にも触れること。
エ アの(ウ)の㋐については,粒子のモデルと関連付けて扱うこと。その際,粒子の運動にも触れること。
(5) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋐の「回路」については,直列及び並列の回路を取り上げ,それぞれについて二つの抵抗のつなぎ方を中心に扱うこと。
イ アの(ア)の㋑の「電気抵抗」については,物質の種類によって抵抗の値が異なることを扱うこと。また,二つの抵抗をつなぐ場合の合成抵抗にも触れること。
ウ アの(ア)の㋒については,電力量も扱うこと。その際,熱量にも触れること。
エ アの(ア)の㋓については,電流が電子の流れに関係していることを扱うこと。また,真空放電と関連付けながら放射線の性質と利用にも触れること。
オ アの(イ)の㋑については,電流の向きや磁界の向きを変えたときに力の向きが変わることを扱うこと。
カ アの(イ)の㋒については,コイルや磁石を動かす向きを変えたときに電流の向きが変わることを扱うこと。
(6) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋑の「物質を構成する原子の種類」を元素ということにも触れること。また,「記号」については,元素記号で表されることにも触れ,基礎的なものを取り上げること。その際,周期表を用いて多くの種類が存在することにも触れること。
イ アの(イ)の㋐の「化学式」及び「化学反応式」については,簡単なものを扱うこと。
ウ アの(イ)の㋑の「酸化や還元」については,簡単なものを扱うこと。
(7) 内容の(5)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋐については,水中にある物体には,あらゆる向きから圧力が働くことにも触れること。また,物体に働く水圧と浮力との定性的な関係にも触れること。
イ アの(イ)の㋐については,物体に力が働くとき反対向きにも力が働くことにも触れること。
ウ アの(イ)の㋑の「力が働く運動」のうち,落下運動については斜面に沿った運動を中心に扱うこと。その際,斜面の角度が90度になったときに自由落下になることにも触れること。「物体の速さが変わること」については,定性的に扱うこと。
エ アの(ウ)の㋐については,仕事の原理にも触れること。
オ アの(ウ)の㋑については,摩擦にも触れること。
(8) 内容の(6)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋐の「原子の成り立ち」については,原子が電子と原子核からできていることを扱うこと。その際,原子核が陽子と中性子でできていることや,同じ元素でも中性子の数が異なる原子があることにも触れること。また,「イオン」については,化学式で表されることにも触れること。
イ アの(ア)の㋑については,pHにも触れること。
ウ アの(ア)の㋒については,水に溶ける塩と水に溶けない塩があることにも触れること。
エ アの(イ)の㋐の「金属イオン」については,基礎的なものを扱うこと。
オ アの(イ)の㋑の「電池」については,電極で起こる反応をイオンのモデルと関連付けて扱うこと。その際,「電池の基本的な仕組み」については,ダニエル電池を取り上げること。また,日常生活や社会で利用されている代表的な電池にも触れること。
(9) 内容の(7)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋐については,熱の伝わり方,放射線にも触れること。また,「エネルギーの変換」については,その総量が保存されること及びエネルギーを利用する際の効率も扱うこと。
イ アの(ア)の㋑の「様々な物質」については,天然の物質や人工的につくられた物質のうち代表的なものを扱うこと。その際,プラスチックの性質にも触れること。
ウ アの(イ)の㋐については,これまでの第1分野と第2分野の学習を生かし,第2分野の内容の(7)のアの(イ)の㋐及びイと関連付けて総合的に扱うこと。
〔第2分野〕
1 目標 生命や地球に関する事物・現象を科学的に探究するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 生命や地球に関する事物・現象についての観察,実験などを行い,生物の体のつくりと働き,生命の連続性,大地の成り立ちと変化,気象とその変化,地球と宇宙などについて理解するとともに,科学的に探究するために必要な観察,実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする。
(2) 生命や地球に関する事物・現象に関わり,それらの中に問題を見いだし見通しをもって観察,実験などを行い,その結果を分析して解釈し表現するなど,科学的に探究する活動を通して,多様性に気付くとともに規則性を見いだしたり課題を解決したりする力を養う。
(3) 生命や地球に関する事物・現象に進んで関わり,科学的に探究しようとする態度と,生命を尊重し,自然環境の保全に寄与する態度を養うとともに,自然を総合的に見ることができるようにする。
2 内容
(1) いろいろな生物とその共通点 身近な生物についての観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア いろいろな生物の共通点と相違点に着目しながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 生物の観察と分類の仕方
㋐ 生物の観察 校庭や学校周辺の生物の観察を行い,いろいろな生物が様々な場所で生活していることを見いだして理解するとともに,観察器具の操作,観察記録の仕方などの技能を身に付けること。
㋑ 生物の特徴と分類の仕方 いろいろな生物を比較して見いだした共通点や相違点を基にして分類できることを理解するとともに,分類の仕方の基礎を身に付けること。
(イ) 生物の体の共通点と相違点
㋐ 植物の体の共通点と相違点 身近な植物の外部形態の観察を行い,その観察記録などに基づいて,共通点や相違点があることを見いだして,植物の体の基本的なつくりを理解すること。また,その共通点や相違点に基づいて植物が分類できることを見いだして理解すること。
㋑ 動物の体の共通点と相違点 身近な動物の外部形態の観察を行い,その観察記録などに基づいて,共通点や相違点があることを見いだして,動物の体の基本的なつくりを理解すること。また,その共通点や相違点に基づいて動物が分類できることを見いだして理解すること。
イ 身近な生物についての観察,実験などを通して,いろいろな生物の共通点や相違点を見いだすとともに,生物を分類するための観点や基準を見いだして表現すること。
(2) 大地の成り立ちと変化 大地の成り立ちと変化についての観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 大地の成り立ちと変化を地表に見られる様々な事物・現象と関連付けながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 身近な地形や地層,岩石の観察
㋐ 身近な地形や地層,岩石の観察 身近な地形や地層,岩石などの観察を通して,土地の成り立ちや広がり,構成物などについて理解するとともに,観察器具の操作,記録の仕方などの技能を身に付けること。
(イ) 地層の重なりと過去の様子
㋐ 地層の重なりと過去の様子 地層の様子やその構成物などから地層のでき方を考察し,重なり方や広がり方についての規則性を見いだして理解するとともに,地層とその中の化石を手掛かりとして過去の環境と地質年代を推定できることを理解すること。
(ウ) 火山と地震
㋐ 火山活動と火成岩 火山の形,活動の様子及びその噴出物を調べ,それらを地下のマグマの性質と関連付けて理解するとともに,火山岩と深成岩の観察を行い,それらの組織の違いを成因と関連付けて理解すること。
㋑ 地震の伝わり方と地球内部の働き 地震の体験や記録を基に,その揺れの大きさや伝わり方の規則性に気付くとともに,地震の原因を地球内部の働きと関連付けて理解し,地震に伴う土地の変化の様子を理解すること。
(エ) 自然の恵みと火山災害・地震災害
㋐ 自然の恵みと火山災害・地震災害 自然がもたらす恵み及び火山災害と地震災害について調べ,これらを火山活動や地震発生の仕組みと関連付けて理解すること。
イ 大地の成り立ちと変化について,問題を見いだし見通しをもって観察,実験などを行い,地層の重なり方や広がり方の規則性,地下のマグマの性質と火山の形との関係性などを見いだして表現すること。
(3) 生物の体のつくりと働き 生物の体のつくりと働きについての観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 生物の体のつくりと働きとの関係に着目しながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 生物と細胞
㋐ 生物と細胞 生物の組織などの観察を行い,生物の体が細胞からできていること及び植物と動物の細胞のつくりの特徴を見いだして理解するとともに,観察器具の操作,観察記録の仕方などの技能を身に付けること。
(イ) 植物の体のつくりと働き
㋐ 葉・茎・根のつくりと働き 植物の葉,茎,根のつくりについての観察を行い,それらのつくりと,光合成,呼吸,蒸散の働きに関する実験の結果とを関連付けて理解すること。
(ウ) 動物の体のつくりと働き
㋐ 生命を維持する働き 消化や呼吸についての観察,実験などを行い,動物の体が必要な物質を取り入れ運搬している仕組みを観察,実験の結果などと関連付けて理解すること。また,不要となった物質を排出する仕組みがあることについて理解すること。
㋑ 刺激と反応 動物が外界の刺激に適切に反応している様子の観察を行い,その仕組みを感覚器官,神経系及び運動器官のつくりと関連付けて理解すること。
イ 身近な植物や動物の体のつくりと働きについて,見通しをもって解決する方法を立案して観察,実験などを行い,その結果を分析して解釈し,生物の体のつくりと働きについての規則性や関係性を見いだして表現すること。
(4) 気象とその変化 身近な気象の観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 気象要素と天気の変化との関係に着目しながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 気象観測
㋐ 気象要素 気象要素として,気温,湿度,気圧,風向などを理解すること。また,気圧を取り上げ,圧力についての実験を行い,圧力は力の大きさと面積に関係があることを見いだして理解するとともに,大気圧の実験を行い,その結果を空気の重さと関連付けて理解すること。
㋑ 気象観測 校庭などで気象観測を継続的に行い,その観測記録などに基づいて,気温,湿度,気圧,風向などの変化と天気との関係を見いだして理解するとともに,観測方法や記録の仕方を身に付けること。
(イ) 天気の変化
㋐ 霧や雲の発生 霧や雲の発生についての観察,実験を行い,そのでき方を気圧,気温及び湿度の変化と関連付けて理解すること。
㋑ 前線の通過と天気の変化 前線の通過に伴う天気の変化の観測結果などに基づいて,その変化を暖気,寒気と関連付けて理解すること。
(ウ) 日本の気象
㋐ 日本の天気の特徴 天気図や気象衛星画像などから,日本の天気の特徴を気団と関連付けて理解すること。
㋑ 大気の動きと海洋の影響 気象衛星画像や調査記録などから,日本の気象を日本付近の大気の動きや海洋の影響に関連付けて理解すること。
(エ) 自然の恵みと気象災害
㋐ 自然の恵みと気象災害 気象現象がもたらす恵みと気象災害について調べ,これらを天気の変化や日本の気象と関連付けて理解すること。
イ 気象とその変化について,見通しをもって解決する方法を立案して観察,実験などを行い,その結果を分析して解釈し,天気の変化や日本の気象についての規則性や関係性を見いだして表現すること。
(5) 生命の連続性 生命の連続性についての観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 生命の連続性に関する事物・現象の特徴に着目しながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 生物の成長と殖え方
㋐ 細胞分裂と生物の成長 体細胞分裂の観察を行い,その順序性を見いだして理解するとともに,細胞の分裂と生物の成長とを関連付けて理解すること。
㋑ 生物の殖え方 生物の殖え方を観察し,有性生殖と無性生殖の特徴を見いだして理解するとともに,生物が殖えていくときに親の形質が子に伝わることを見いだして理解すること。
(イ) 遺伝の規則性と遺伝子
㋐ 遺伝の規則性と遺伝子 交配実験の結果などに基づいて,親の形質が子に伝わるときの規則性を見いだして理解すること。
(ウ) 生物の種類の多様性と進化
㋐ 生物の種類の多様性と進化 現存の生物及び化石の比較などを通して,現存の多様な生物は過去の生物が長い時間の経過の中で変化して生じてきたものであることを体のつくりと関連付けて理解すること。
イ 生命の連続性について,観察,実験などを行い,その結果や資料を分析して解釈し,生物の成長と殖え方,遺伝現象,生物の種類の多様性と進化についての特徴や規則性を見いだして表現すること。また,探究の過程を振り返ること。
(6) 地球と宇宙 身近な天体の観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 身近な天体とその運動に関する特徴に着目しながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 天体の動きと地球の自転・公転
㋐ 日周運動と自転 天体の日周運動の観察を行い,その観察記録を地球の自転と関連付けて理解すること。
㋑ 年周運動と公転 星座の年周運動や太陽の南中高度の変化などの観察を行い,その観察記録を地球の公転や地軸の傾きと関連付けて理解すること。
(イ) 太陽系と恒星
㋐ 太陽の様子 太陽の観察を行い,その観察記録や資料に基づいて,太陽の特徴を見いだして理解すること。
㋑ 惑星と恒星 観測資料などを基に,惑星と恒星などの特徴を見いだして理解するとともに,太陽系の構造について理解すること。
㋒ 月や金星の運動と見え方 月の観察を行い,その観察記録や資料に基づいて,月の公転と見え方を関連付けて理解すること。また,金星の観測資料などを基に,金星の公転と見え方を関連付けて理解すること。
イ 地球と宇宙について,天体の観察,実験などを行い,その結果や資料を分析して解釈し,天体の運動と見え方についての特徴や規則性を見いだして表現すること。また,探究の過程を振り返ること。
(7) 自然と人間 自然環境を調べる観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 日常生活や社会と関連付けながら,次のことを理解するとともに,自然環境を調べる観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 生物と環境
㋐ 自然界のつり合い 微生物の働きを調べ,植物,動物及び微生物を栄養の面から相互に関連付けて理解するとともに,自然界では,これらの生物がつり合いを保って生活していることを見いだして理解すること。
㋑ 自然環境の調査と環境保全 身近な自然環境について調べ,様々な要因が自然界のつり合いに影響していることを理解するとともに,自然環境を保全することの重要性を認識すること。
㋒ 地域の自然災害 地域の自然災害について,総合的に調べ,自然と人間との関わり方について認識すること。
(イ) 自然環境の保全と科学技術の利用
㋐ 自然環境の保全と科学技術の利用 自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について科学的に考察することを通して,持続可能な社会をつくることが重要であることを認識すること。
イ 身近な自然環境や地域の自然災害などを調べる観察,実験などを行い,自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について,科学的に考察して判断すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)から(7)までについては,それぞれのアに示す知識及び技能とイに示す思考力,判断力,表現力等とを相互に関連させながら,3年間を通じて科学的に探究するために必要な資質・能力の育成を目指すものとする。
(2) 内容の(1)から(7)までのうち,(1)及び(2)は第1学年,(3)及び(4)は第2学年,(5)から(7)までは第3学年で取り扱うものとする。
(3) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋐については,身近な生物の観察を扱うが,ルーペや双眼実体顕微鏡などを用いて,外見から観察できる体のつくりを中心に扱うこと。
イ アの(イ)の㋐については,花のつくりを中心に扱い,種子植物が被子植物と裸子植物に分類できることを扱うこと。その際,胚《はい》珠が種子になることにも触れること。また,被子植物が単子葉類と双子葉類に分類できることについては,葉のつくりを中心に扱うこと。なお,種子をつくらない植物が胞...
ウ アの(イ)の㋑については,脊椎動物と無脊椎動物の違いを中心に扱うこと。脊椎動物については,ヒトや魚を例に,体のつくりの共通点としての背骨の存在について扱うこと。また,体の表面の様子や呼吸の仕方などの特徴を基準として分類できることを扱うこと。無脊椎動物については,節足動物や軟体動...
(4) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋐の「身近な地形や地層,岩石などの観察」については,学校内外の地形や地層,岩石などを観察する活動とすること。
イ アの(イ)の㋐については,地層を形成している代表的な堆積岩も取り上げること。「地層」については,断層,褶《しゅう》曲にも触れること。「化石」については,示相化石及び示準化石を取り上げること。「地質年代」の区分は,古生代,中生代,新生代を取り上げること。
ウ アの(ウ)の㋐の「火山」については,粘性と関係付けながら代表的な火山を扱うこと。「マグマの性質」については,粘性を扱うこと。「火山岩」及び「深成岩」については,代表的な岩石を扱うこと。また,代表的な造岩鉱物も扱うこと。
エ アの(ウ)の㋑については,地震の現象面を中心に扱い,初期微動継続時間と震源までの距離との定性的な関係にも触れること。また,「地球内部の働き」については,日本付近のプレートの動きを中心に扱い,地球規模でのプレートの動きにも触れること。その際,津波発生の仕組みについても触れること。...
オ アの(エ)の㋐の「火山災害と地震災害」については,記録や資料などを用いて調べること。
(5) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋐については,植物と動物の細胞のつくりの共通点と相違点について触れること。また,細胞の呼吸及び単細胞生物の存在にも触れること。
イ アの(イ)の㋐については,光合成における葉緑体の働きにも触れること。また,葉,茎,根の働きを相互に関連付けて扱うこと。
ウ アの(ウ)の㋐については,各器官の働きを中心に扱うこと。「消化」については,代表的な消化酵素の働きを扱うこと。また,摂取された食物が消化によって小腸の壁から吸収される物質になることにも触れること。血液の循環に関連して,血液成分の働き,腎臓や肝臓の働きにも触れること。
エ アの(ウ)の㋑については,各器官の働きを中心に扱うこと。
(6) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋐の「大気圧」については,空気中にある物体にはあらゆる向きから圧力が働くことにも触れること。
イ アの(イ)の㋐については,気温による飽和水蒸気量の変化が湿度の変化や凝結に関わりがあることを扱うこと。また,水の循環にも触れること。
ウ アの(イ)の㋑については,風の吹き方にも触れること。
エ アの(ウ)の㋑については,地球を取り巻く大気の動きにも触れること。また,地球の大きさや大気の厚さにも触れること。
オ アの(エ)の㋐の「気象災害」については,記録や資料などを用いて調べること。
(7) 内容の(5)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋐については,染色体が複製されることにも触れること。
イ アの(ア)の㋑については,有性生殖の仕組みを減数分裂と関連付けて扱うこと。「無性生殖」については,単細胞生物の分裂や栄養生殖にも触れること。
ウ アの(イ)の㋐については,分離の法則を扱うこと。また,遺伝子の本体がDNAであることにも触れること。
エ アの(ウ)の㋐については,進化の証拠とされる事柄や進化の具体例について扱うこと。その際,生物にはその生息環境での生活に都合のよい特徴が見られることにも触れること。また,遺伝子に変化が起きて形質が変化することがあることにも触れること。
(8) 内容の(6)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋑の「太陽の南中高度の変化」については,季節による昼夜の長さや気温の変化にも触れること。
イ アの(イ)の㋐の「太陽の特徴」については,形,大きさ,表面の様子などを扱うこと。その際,太陽から放出された多量の光などのエネルギーによる地表への影響にも触れること。
ウ アの(イ)の㋑の「惑星」については,大きさ,大気組成,表面温度,衛星の存在などを取り上げること。その際,地球には生命を支える条件が備わっていることにも触れること。「恒星」については,自ら光を放つことや太陽もその一つであることも扱うこと。その際,恒星の集団としての銀河系の存在にも...
エ アの(イ)の㋒の「月の公転と見え方」については,月の運動と満ち欠けを扱うこと。その際,日食や月食にも触れること。また,「金星の公転と見え方」については,金星の運動と満ち欠けや見かけの大きさを扱うこと。
(9) 内容の(7)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の㋐については,生態系における生産者と消費者との関係を扱うこと。また,分解者の働きについても扱うこと。その際,土壌動物にも触れること。
イ アの(ア)の㋑については,生物や大気,水などの自然環境を直接調べたり,記録や資料を基に調べたりするなどの活動を行うこと。また,気候変動や外来生物にも触れること。
ウ アの(ア)の㋒については,地域の自然災害を調べたり,記録や資料を基に調べたりするなどの活動を行うこと。
エ アの(イ)の㋐については,これまでの第1分野と第2分野の学習を生かし,第1分野の内容の(7)のアの(イ)の㋐及びイと関連付けて総合的に扱うこと。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,理科の学習過程の特質を踏まえ,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって観察,実験を行うことなどの科学的に探究する学習活動の充実を...
(2) 各学年においては,年間を通じて,各分野におよそ同程度の授業時数を配当すること。その際,各分野間及び各項目間の関連を十分考慮して,各分野の特徴的な見方・考え方を総合的に働かせ,自然の事物・現象を科学的に探究するために必要な資質・能力を養うことができるようにすること。
(3) 学校や生徒の実態に応じ,十分な観察や実験の時間,課題解決のために探究する時間などを設けるようにすること。その際,問題を見いだし観察,実験を計画する学習活動,観察,実験の結果を分析し解釈する学習活動,科学的な概念を使用して考えたり説明したりする学習活動などが充実するようにする...
(4) 日常生活や他教科等との関連を図ること。
(5) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
(6) 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,理科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 観察,実験,野外観察を重視するとともに,地域の環境や学校の実態を生かし,自然の事物・現象についての基本的な概念の形成及び科学的に探究する力と態度の育成が段階的に無理なく行えるようにすること。
(2) 生命を尊重し,自然環境の保全に寄与する態度を養うようにすること。
(3) 1の(3)の学習活動を通して,言語活動が充実するようにすること。
(4) 各分野の指導に当たっては,観察,実験の過程での情報の検索,実験,データの処理,実験の計測などにおいて,コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的かつ適切に活用するようにすること。
(5) 指導に当たっては,生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れるよう工夫すること。
(6) 原理や法則の理解を深めるためのものづくりを,各内容の特質に応じて適宜行うようにすること。
(7) 継続的な観察や季節を変えての定点観測を,各内容の特質に応じて適宜行うようにすること。
(8) 観察,実験,野外観察などの体験的な学習活動の充実に配慮すること。また,環境整備に十分配慮すること。
(9) 博物館や科学学習センターなどと積極的に連携,協力を図るようにすること。
(10) 科学技術が日常生活や社会を豊かにしていることや安全性の向上に役立っていることに触れること。また,理科で学習することが様々な職業などと関係していることにも触れること。
3 観察,実験,野外観察の指導に当たっては,特に事故防止に十分留意するとともに,使用薬品の管理及び廃棄についても適切な措置をとるよう配慮するものとする。
第5節 音楽
第1 目標 表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,音楽的な見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の音や音楽,音楽文化と豊かに関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 曲想と音楽の構造や背景などとの関わり及び音楽の多様性について理解するとともに,創意工夫を生かした音楽表現をするために必要な技能を身に付けるようにする。
(2) 音楽表現を創意工夫することや,音楽のよさや美しさを味わって聴くことができるようにする。
(3) 音楽活動の楽しさを体験することを通して,音楽を愛好する心情を育むとともに,音楽に対する感性を豊かにし,音楽に親しんでいく態度を養い,豊かな情操を培う。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年〕
1 目標
(1) 曲想と音楽の構造などとの関わり及び音楽の多様性について理解するとともに,創意工夫を生かした音楽表現をするために必要な歌唱,器楽,創作の技能を身に付けるようにする。
(2) 音楽表現を創意工夫することや,音楽を自分なりに評価しながらよさや美しさを味わって聴くことができるようにする。
(3) 主体的・協働的に表現及び鑑賞の学習に取り組み,音楽活動の楽しさを体験することを通して,音楽文化に親しむとともに,音楽によって生活を明るく豊かなものにしていく態度を養う。
2 内容
A 表現
(1) 歌唱の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 歌唱表現に関わる知識や技能を得たり生かしたりしながら,歌唱表現を創意工夫すること。
イ 次の(ア)及び(イ)について理解すること。
(ア) 曲想と音楽の構造や歌詞の内容との関わり
(イ) 声の音色や響き及び言葉の特性と曲種に応じた発声との関わり
ウ 次の(ア)及び(イ)の技能を身に付けること。
(ア) 創意工夫を生かした表現で歌うために必要な発声,言葉の発音,身体の使い方などの技能
(イ) 創意工夫を生かし,全体の響きや各声部の声などを聴きながら他者と合わせて歌う技能
(2) 器楽の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 器楽表現に関わる知識や技能を得たり生かしたりしながら,器楽表現を創意工夫すること。
イ 次の(ア)及び(イ)について理解すること。
(ア) 曲想と音楽の構造との関わり
(イ) 楽器の音色や響きと奏法との関わり
ウ 次の(ア)及び(イ)の技能を身に付けること。
(ア) 創意工夫を生かした表現で演奏するために必要な奏法,身体の使い方などの技能
(イ) 創意工夫を生かし,全体の響きや各声部の音などを聴きながら他者と合わせて演奏する技能
(3) 創作の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 創作表現に関わる知識や技能を得たり生かしたりしながら,創作表現を創意工夫すること。
イ 次の(ア)及び(イ)について,表したいイメージと関わらせて理解すること。
(ア) 音のつながり方の特徴
(イ) 音素材の特徴及び音の重なり方や反復,変化,対照などの構成上の特徴
ウ 創意工夫を生かした表現で旋律や音楽をつくるために必要な,課題や条件に沿った音の選択や組合せなどの技能を身に付けること。
B 鑑賞
(1) 鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 鑑賞に関わる知識を得たり生かしたりしながら,次の(ア)から(ウ)までについて自分なりに考え,音楽のよさや美しさを味わって聴くこと。
(ア) 曲や演奏に対する評価とその根拠
(イ) 生活や社会における音楽の意味や役割
(ウ) 音楽表現の共通性や固有性
イ 次の(ア)から(ウ)までについて理解すること。
(ア) 曲想と音楽の構造との関わり
(イ) 音楽の特徴とその背景となる文化や歴史,他の芸術との関わり
(ウ) 我が国や郷土の伝統音楽及びアジア地域の諸民族の音楽の特徴と,その特徴から生まれる音楽の多様性
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 音楽を形づくっている要素や要素同士の関連を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら,知覚したことと感受したこととの関わりについて考えること。
イ 音楽を形づくっている要素及びそれらに関わる用語や記号などについて,音楽における働きと関わらせて理解すること。
〔第2学年及び第3学年〕
1 目標
(1) 曲想と音楽の構造や背景などとの関わり及び音楽の多様性について理解するとともに,創意工夫を生かした音楽表現をするために必要な歌唱,器楽,創作の技能を身に付けるようにする。
(2) 曲にふさわしい音楽表現を創意工夫することや,音楽を評価しながらよさや美しさを味わって聴くことができるようにする。
(3) 主体的・協働的に表現及び鑑賞の学習に取り組み,音楽活動の楽しさを体験することを通して,音楽文化に親しむとともに,音楽によって生活を明るく豊かなものにし,音楽に親しんでいく態度を養う。
2 内容
A 表現
(1) 歌唱の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 歌唱表現に関わる知識や技能を得たり生かしたりしながら,曲にふさわしい歌唱表現を創意工夫すること。
イ 次の(ア)及び(イ)について理解すること。
(ア) 曲想と音楽の構造や歌詞の内容及び曲の背景との関わり
(イ) 声の音色や響き及び言葉の特性と曲種に応じた発声との関わり
ウ 次の(ア)及び(イ)の技能を身に付けること。
(ア) 創意工夫を生かした表現で歌うために必要な発声,言葉の発音,身体の使い方などの技能
(イ) 創意工夫を生かし,全体の響きや各声部の声などを聴きながら他者と合わせて歌う技能
(2) 器楽の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 器楽表現に関わる知識や技能を得たり生かしたりしながら,曲にふさわしい器楽表現を創意工夫すること。
イ 次の(ア)及び(イ)について理解すること。
(ア) 曲想と音楽の構造や曲の背景との関わり
(イ) 楽器の音色や響きと奏法との関わり
ウ 次の(ア)及び(イ)の技能を身に付けること。
(ア) 創意工夫を生かした表現で演奏するために必要な奏法,身体の使い方などの技能
(イ) 創意工夫を生かし,全体の響きや各声部の音などを聴きながら他者と合わせて演奏する技能
(3) 創作の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 創作表現に関わる知識や技能を得たり生かしたりしながら,まとまりのある創作表現を創意工夫すること。
イ 次の(ア)及び(イ)について,表したいイメージと関わらせて理解すること。
(ア) 音階や言葉などの特徴及び音のつながり方の特徴
(イ) 音素材の特徴及び音の重なり方や反復,変化,対照などの構成上の特徴
ウ 創意工夫を生かした表現で旋律や音楽をつくるために必要な,課題や条件に沿った音の選択や組合せなどの技能を身に付けること。
B 鑑賞
(1) 鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 鑑賞に関わる知識を得たり生かしたりしながら,次の(ア)から(ウ)までについて考え,音楽のよさや美しさを味わって聴くこと。
(ア) 曲や演奏に対する評価とその根拠
(イ) 生活や社会における音楽の意味や役割
(ウ) 音楽表現の共通性や固有性
イ 次の(ア)から(ウ)までについて理解すること。
(ア) 曲想と音楽の構造との関わり
(イ) 音楽の特徴とその背景となる文化や歴史,他の芸術との関わり
(ウ) 我が国や郷土の伝統音楽及び諸外国の様々な音楽の特徴と,その特徴から生まれる音楽の多様性
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 音楽を形づくっている要素や要素同士の関連を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら,知覚したことと感受したこととの関わりについて考えること。
イ 音楽を形づくっている要素及びそれらに関わる用語や記号などについて,音楽における働きと関わらせて理解すること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,音楽的な見方・考え方を働かせ,他者と協働しながら,音楽表現を生み出したり音楽を聴いてそのよさや美しさなどを見いだしたりするなど,思...
(2) 第2の各学年の内容の「A表現」の(1),(2)及び(3)の指導については,ア,イ及びウの各事項を,「B鑑賞」の(1)の指導については,ア及びイの各事項を適切に関連させて指導すること。
(3) 第2の各学年の内容の〔共通事項〕は,表現及び鑑賞の学習において共通に必要となる資質・能力であり,「A表現」及び「B鑑賞」の指導と併せて,十分な指導が行われるよう工夫すること。
(4) 第2の各学年の内容の「A表現」の(1),(2)及び(3)並びに「B鑑賞」の(1)の指導については,それぞれ特定の活動のみに偏らないようにするとともに,必要に応じて,〔共通事項〕を要として各領域や分野の関連を図るようにすること。
(5) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
(6) 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,音楽科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各学年の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,次のとおり取り扱うこと。
ア 音楽活動を通して,それぞれの教材等に応じ,音や音楽が生活に果たす役割を考えさせるなどして,生徒が音や音楽と生活や社会との関わりを実感できるよう指導を工夫すること。なお,適宜,自然音や環境音などについても取り扱い,音環境への関心を高めることができるよう指導を工夫すること。
イ 音楽によって喚起された自己のイメージや感情,音楽表現に対する思いや意図,音楽に対する評価などを伝え合い共感するなど,音や音楽及び言葉によるコミュニケーションを図り,音楽科の特質に応じた言語活動を適切に位置付けられるよう指導を工夫すること。
ウ 知覚したことと感受したこととの関わりを基に音楽の特徴を捉えたり,思考,判断の過程や結果を表したり,それらについて他者と共有,共感したりする際には,適宜,体を動かす活動も取り入れるようにすること。
エ 生徒が様々な感覚を関連付けて音楽への理解を深めたり,主体的に学習に取り組んだりすることができるようにするため,コンピュータや教育機器を効果的に活用できるよう指導を工夫すること。
オ 生徒が学校内及び公共施設などの学校外における音楽活動とのつながりを意識できるようにするなど,生徒や学校,地域の実態に応じ,生活や社会の中の音や音楽,音楽文化と主体的に関わっていくことができるよう配慮すること。
カ 自己や他者の著作物及びそれらの著作者の創造性を尊重する態度の形成を図るとともに,必要に応じて,音楽に関する知的財産権について触れるようにすること。また,こうした態度の形成が,音楽文化の継承,発展,創造を支えていることへの理解につながるよう配慮すること。
(2) 各学年の「A表現」の(1)の歌唱の指導に当たっては,次のとおり取り扱うこと。
ア 歌唱教材は,次に示すものを取り扱うこと。
(ア) 我が国及び諸外国の様々な音楽のうち,指導のねらいに照らして適切で,生徒にとって親しみがもてたり意欲が高められたり,生活や社会において音楽が果たしている役割が感じ取れたりできるもの。
(イ) 民謡,長唄などの我が国の伝統的な歌唱のうち,生徒や学校,地域の実態を考慮して,伝統的な声や歌い方の特徴を感じ取れるもの。なお,これらを取り扱う際は,その表現活動を通して,生徒が我が国や郷土の伝統音楽のよさを味わい,愛着をもつことができるよう工夫すること。
(ウ) 我が国で長く歌われ親しまれている歌曲のうち,我が国の自然や四季の美しさを感じ取れるもの又は我が国の文化や日本語のもつ美しさを味わえるもの。なお,各学年において,以下の共通教材の中から1曲以上を含めること。
「赤とんぼ」  三木露風《みきろふう》作詞 山田耕筰《やまだこうさく》作曲
「荒城の月」  土井晩翠《どいばんすい》作詞 滝廉太郎《たきれんたろう》作曲
「早春賦」   吉丸一昌《よしまるかずまさ》作詞 中田章《なかだあきら》作曲
「夏の思い出」 江間章子《えましょうこ》作詞 中田喜直《なかだよしなお》作曲
「花」     武島羽衣《たけしまはごろも》作詞 滝廉太郎《たきれんたろう》作曲
「花の街」   江間章子《えましょうこ》作詞 團伊玖磨《だんいくま》作曲
「浜辺の歌」  林古溪《はやしこけい》作詞 成田為三《なりたためぞう》作曲
イ 変声期及び変声前後の声の変化について気付かせ,変声期の生徒を含む全ての生徒の心理的な面についても配慮するとともに,変声期の生徒については適切な声域と声量によって歌わせるようにすること。
ウ 相対的な音程感覚などを育てるために,適宜,移動ド唱法を用いること。
(3) 各学年の「A表現」の(2)の器楽の指導に当たっては,次のとおり取り扱うこと。
ア 器楽教材は,次に示すものを取り扱うこと。
(ア) 我が国及び諸外国の様々な音楽のうち,指導のねらいに照らして適切で,生徒にとって親しみがもてたり意欲が高められたり,生活や社会において音楽が果たしている役割が感じ取れたりできるもの。
イ 生徒や学校,地域の実態などを考慮した上で,指導上の必要に応じて和楽器,弦楽器,管楽器,打楽器,鍵盤楽器,電子楽器及び世界の諸民族の楽器を適宜用いること。なお,3学年間を通じて1種類以上の和楽器を取り扱い,その表現活動を通して,生徒が我が国や郷土の伝統音楽のよさを味わい,愛着をも...
(4) 歌唱及び器楽の指導における合わせて歌ったり演奏したりする表現形態では,他者と共に一つの音楽表現をつくる過程を大切にするとともに,生徒一人一人が,担当する声部の役割と全体の響きについて考え,主体的に創意工夫できるよう指導を工夫すること。
(5) 読譜の指導に当たっては,小学校における学習を踏まえ,♯や♭の調号としての意味を理解させるとともに,3学年間を通じて,1♯,1♭程度をもった調号の楽譜の視唱や視奏に慣れさせるようにすること。
(6) 我が国の伝統的な歌唱や和楽器の指導に当たっては,言葉と音楽との関係,姿勢や身体の使い方についても配慮するとともに,適宜,口唱歌《くちしようが》を用いること。
(7) 各学年の「A表現」の(3)の創作の指導に当たっては,即興的に音を出しながら音のつながり方を試すなど,音を音楽へと構成していく体験を重視すること。その際,理論に偏らないようにするとともに,必要に応じて作品を記録する方法を工夫させること。
(8) 各学年の「B鑑賞」の指導に当たっては,次のとおり取り扱うこと。
ア 鑑賞教材は,我が国や郷土の伝統音楽を含む我が国及び諸外国の様々な音楽のうち,指導のねらいに照らして適切なものを取り扱うこと。
イ 第1学年では言葉で説明したり,第2学年及び第3学年では批評したりする活動を取り入れ,曲や演奏に対する評価やその根拠を明らかにできるよう指導を工夫すること。
(9) 各学年の〔共通事項〕に示す「音楽を形づくっている要素」については,指導のねらいに応じて,音色,リズム,速度,旋律,テクスチュア,強弱,形式,構成などから,適切に選択したり関連付けたりして指導すること。
(10) 各学年の〔共通事項〕の(1)のイに示す「用語や記号など」については,小学校学習指導要領第2章第6節音楽の第3の2の(9)に示すものに加え,生徒の学習状況を考慮して,次に示すものを音楽における働きと関わらせて理解し,活用できるよう取り扱うこと。
拍子
間《ま》
序破急
フレーズ
音階
調
和音
動機
アンダンテ
モデラート
アレグロ
リタルダンド
ア・テンポ
アッチェレランド
レガート
ピアニッシモ
フォルティッシモ
ディミヌエンド
ダ・カーポ
ダル・セーニョ
フェルマータ
テヌート
三連符
二分休符
全休符
十六分休符
第6節 美術
第1 目標 表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,造形的な見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の美術や美術文化と豊かに関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 対象や事象を捉える造形的な視点について理解するとともに,表現方法を創意工夫し,創造的に表すことができるようにする。
(2) 造形的なよさや美しさ,表現の意図と工夫,美術の働きなどについて考え,主題を生み出し豊かに発想し構想を練ったり,美術や美術文化に対する見方や感じ方を深めたりすることができるようにする。
(3) 美術の創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する心情を育み,感性を豊かにし,心豊かな生活を創造していく態度を養い,豊かな情操を培う。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年〕
1 目標
(1) 対象や事象を捉える造形的な視点について理解するとともに,意図に応じて表現方法を工夫して表すことができるようにする。
(2) 自然の造形や美術作品などの造形的なよさや美しさ,表現の意図と工夫,機能性と美しさとの調和,美術の働きなどについて考え,主題を生み出し豊かに発想し構想を練ったり,美術や美術文化に対する見方や感じ方を広げたりすることができるようにする。
(3) 楽しく美術の活動に取り組み創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する心情を培い,心豊かな生活を創造していく態度を養う。
2 内容
A 表現
(1) 表現の活動を通して,次のとおり発想や構想に関する資質・能力を育成する。
ア 感じ取ったことや考えたことなどを基に,絵や彫刻などに表現する活動を通して,発想や構想に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(ア) 対象や事象を見つめ感じ取った形や色彩の特徴や美しさ,想像したことなどを基に主題を生み出し,全体と部分との関係などを考え,創造的な構成を工夫し,心豊かに表現する構想を練ること。
イ 伝える,使うなどの目的や機能を考え,デザインや工芸などに表現する活動を通して,発想や構想に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(ア) 構成や装飾の目的や条件などを基に,対象の特徴や用いる場面などから主題を生み出し,美的感覚を働かせて調和のとれた美しさなどを考え,表現の構想を練ること。
(イ) 伝える目的や条件などを基に,伝える相手や内容などから主題を生み出し,分かりやすさと美しさなどとの調和を考え,表現の構想を練ること。
(ウ) 使う目的や条件などを基に,使用する者の気持ち,材料などから主題を生み出し,使いやすさや機能と美しさなどとの調和を考え,表現の構想を練ること。
(2) 表現の活動を通して,次のとおり技能に関する資質・能力を育成する。
ア 発想や構想をしたことなどを基に,表現する活動を通して,技能に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(ア) 材料や用具の生かし方などを身に付け,意図に応じて工夫して表すこと。
(イ) 材料や用具の特性などから制作の順序などを考えながら,見通しをもって表すこと。
B 鑑賞
(1) 鑑賞の活動を通して,次のとおり鑑賞に関する資質・能力を育成する。
ア 美術作品などの見方や感じ方を広げる活動を通して,鑑賞に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(ア) 造形的なよさや美しさを感じ取り,作者の心情や表現の意図と工夫などについて考えるなどして,見方や感じ方を広げること。
(イ) 目的や機能との調和のとれた美しさなどを感じ取り,作者の心情や表現の意図と工夫などについて考えるなどして,見方や感じ方を広げること。
イ 生活の中の美術の働きや美術文化についての見方や感じ方を広げる活動を通して,鑑賞に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(ア) 身の回りにある自然物や人工物の形や色彩,材料などの造形的な美しさなどを感じ取り,生活を美しく豊かにする美術の働きについて考えるなどして,見方や感じ方を広げること。
(イ) 身近な地域や日本及び諸外国の文化遺産などのよさや美しさなどを感じ取り,美術文化について考えるなどして,見方や感じ方を広げること。
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 形や色彩,材料,光などの性質や,それらが感情にもたらす効果などを理解すること。
イ 造形的な特徴などを基に,全体のイメージや作風などで捉えることを理解すること。
3 内容の取扱い
(1) 第1学年では,内容に示す各事項の定着を図ることを基本とし,一年間で全ての内容が学習できるように一題材に充てる時間数などについて十分検討すること。
(2) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,発想や構想に関する資質・能力や鑑賞に関する資質・能力を育成する観点から,〔共通事項〕に示す事項を視点に,アイデアスケッチで構想を練ったり,言葉で考えを整理したりすることや,作品などについて説明し合うなどして対象の見方や感じ方を広げ...
〔第2学年及び第3学年〕
1 目標
(1) 対象や事象を捉える造形的な視点について理解するとともに,意図に応じて自分の表現方法を追求し,創造的に表すことができるようにする。
(2) 自然の造形や美術作品などの造形的なよさや美しさ,表現の意図と創造的な工夫,機能性と洗練された美しさとの調和,美術の働きなどについて独創的・総合的に考え,主題を生み出し豊かに発想し構想を練ったり,美術や美術文化に対する見方や感じ方を深めたりすることができるようにする。
(3) 主体的に美術の活動に取り組み創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する心情を深め,心豊かな生活を創造していく態度を養う。
2 内容
A 表現
(1) 表現の活動を通して,次のとおり発想や構想に関する資質・能力を育成する。
ア 感じ取ったことや考えたことなどを基に,絵や彫刻などに表現する活動を通して,発想や構想に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(ア) 対象や事象を深く見つめ感じ取ったことや考えたこと,夢,想像や感情などの心の世界などを基に主題を生み出し,単純化や省略,強調,材料の組合せなどを考え,創造的な構成を工夫し,心豊かに表現する構想を練ること。
イ 伝える,使うなどの目的や機能を考え,デザインや工芸などに表現する活動を通して,発想や構想に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(ア) 構成や装飾の目的や条件などを基に,用いる場面や環境,社会との関わりなどから主題を生み出し,美的感覚を働かせて調和のとれた洗練された美しさなどを総合的に考え,表現の構想を練ること。
(イ) 伝える目的や条件などを基に,伝える相手や内容,社会との関わりなどから主題を生み出し,伝達の効果と美しさなどとの調和を総合的に考え,表現の構想を練ること。
(ウ) 使う目的や条件などを基に,使用する者の立場,社会との関わり,機知やユーモアなどから主題を生み出し,使いやすさや機能と美しさなどとの調和を総合的に考え,表現の構想を練ること。
(2) 表現の活動を通して,次のとおり技能に関する資質・能力を育成する。
ア 発想や構想をしたことなどを基に,表現する活動を通して,技能に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(ア) 材料や用具の特性を生かし,意図に応じて自分の表現方法を追求して創造的に表すこと。
(イ) 材料や用具,表現方法の特性などから制作の順序などを総合的に考えながら,見通しをもって表すこと。
B 鑑賞
(1) 鑑賞の活動を通して,次のとおり鑑賞に関する資質・能力を育成する。
ア 美術作品などの見方や感じ方を深める活動を通して,鑑賞に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(ア) 造形的なよさや美しさを感じ取り,作者の心情や表現の意図と創造的な工夫などについて考えるなどして,美意識を高め,見方や感じ方を深めること。
(イ) 目的や機能との調和のとれた洗練された美しさなどを感じ取り,作者の心情や表現の意図と創造的な工夫などについて考えるなどして,美意識を高め,見方や感じ方を深めること。
イ 生活や社会の中の美術の働きや美術文化についての見方や感じ方を深める活動を通して,鑑賞に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(ア) 身近な環境の中に見られる造形的な美しさなどを感じ取り,安らぎや自然との共生などの視点から生活や社会を美しく豊かにする美術の働きについて考えるなどして,見方や感じ方を深めること。
(イ) 日本の美術作品や受け継がれてきた表現の特質などから,伝統や文化のよさや美しさを感じ取り愛情を深めるとともに,諸外国の美術や文化との相違点や共通点に気付き,美術を通した国際理解や美術文化の継承と創造について考えるなどして,見方や感じ方を深めること。
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 形や色彩,材料,光などの性質や,それらが感情にもたらす効果などを理解すること。
イ 造形的な特徴などを基に,全体のイメージや作風などで捉えることを理解すること。
3 内容の取扱い
(1) 第2学年及び第3学年では,第1学年において身に付けた資質・能力を柔軟に活用して,表現及び鑑賞に関する資質・能力をより豊かに高めることを基本とし,第2学年と第3学年の発達の特性を考慮して内容の選択や一題材に充てる時間数などについて十分検討すること。
(2) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,発想や構想に関する資質・能力や鑑賞に関する資質・能力を育成する観点から,〔共通事項〕に示す事項を視点に,アイデアスケッチで構想を練ったり,言葉で考えを整理したりすることや,作品などに対する自分の価値意識をもって批評し合うなどして対...
(3) 「B鑑賞」のイの(イ)の指導に当たっては,日本の美術の概括的な変遷などを捉えることを通して,各時代における作品の特質,人々の感じ方や考え方,願いなどを感じ取ることができるよう配慮すること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,造形的な見方・考え方を働かせ,表現及び鑑賞に関する資質・能力を相互に関連させた学習の充実を図ること。
(2) 第2の各学年の内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導については相互に関連を図り,特に発想や構想に関する資質・能力と鑑賞に関する資質・能力とを総合的に働かせて学習が深められるようにすること。
(3) 第2の各学年の内容の〔共通事項〕は,表現及び鑑賞の学習において共通に必要となる資質・能力であり,「A表現」及び「B鑑賞」の指導と併せて,十分な指導が行われるよう工夫すること。
(4) 第2の各学年の内容の「A表現」については,(1)のア及びイと,(2)は原則として関連付けて行い,(1)のア及びイそれぞれにおいて描く活動とつくる活動のいずれも経験させるようにすること。その際,第2学年及び第3学年の各学年においては,(1)のア及びイそれぞれにおいて,描く活動...
(5) 第2の内容の「B鑑賞」の指導については,各学年とも,各事項において育成を目指す資質・能力の定着が図られるよう,適切かつ十分な授業時数を確保すること。
(6) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
(7) 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,美術科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 〔共通事項〕の指導に当たっては,生徒が造形を豊かに捉える多様な視点をもてるように,以下の内容について配慮すること。
ア 〔共通事項〕のアの指導に当たっては,造形の要素などに着目して,次の事項を実感的に理解できるようにすること。
(ア) 色彩の色味や明るさ,鮮やかさを捉えること。
(イ) 材料の性質や質感を捉えること。
(ウ) 形や色彩,材料,光などから感じる優しさや楽しさ,寂しさなどを捉えること。
(エ) 形や色彩などの組合せによる構成の美しさを捉えること。
(オ) 余白や空間の効果,立体感や遠近感,量感や動勢などを捉えること。
イ 〔共通事項〕のイの指導に当たっては,全体のイメージや作風などに着目して,次の事項を実感的に理解できるようにすること。
(ア) 造形的な特徴などを基に,見立てたり,心情などと関連付けたりして全体のイメージで捉えること。
(イ) 造形的な特徴などを基に,作風や様式などの文化的な視点で捉えること。
(2) 各学年の「A表現」の指導に当たっては,主題を生み出すことから表現の確認及び完成に至る全過程を通して,生徒が夢と目標をもち,自分のよさを発見し喜びをもって自己実現を果たしていく態度の形成を図るようにすること。
(3) 各学年の「A表現」の指導に当たっては,生徒の学習経験や資質・能力,発達の特性等の実態を踏まえ,生徒が自分の表現意図に合う表現形式や技法,材料などを選択し創意工夫して表現できるように,次の事項に配慮すること。
ア 見る力や感じ取る力,考える力,描く力などを育成するために,スケッチの学習を効果的に取り入れるようにすること。
イ 美術の表現の可能性を広げるために,写真・ビデオ・コンピュータ等の映像メディアの積極的な活用を図るようにすること。
ウ 日本及び諸外国の作品の独特な表現形式,漫画やイラストレーション,図などの多様な表現方法を活用できるようにすること。
エ 表現の材料や題材などについては,地域の身近なものや伝統的なものも取り上げるようにすること。
(4) 各活動において,互いのよさや個性などを認め尊重し合うようにすること。
(5) 互いの個性を生かし合い協力して創造する喜びを味わわせるため,適切な機会を選び共同で行う創造活動を経験させること。
(6) 各学年の「B鑑賞」の題材については,国内外の児童生徒の作品,我が国を含むアジアの文化遺産についても取り上げるとともに,美術館や博物館等と連携を図ったり,それらの施設や文化財などを積極的に活用したりするようにすること。
(7) 創造することの価値を捉え,自己や他者の作品などに表れている創造性を尊重する態度の形成を図るとともに,必要に応じて,美術に関する知的財産権や肖像権などについて触れるようにすること。また,こうした態度の形成が,美術文化の継承,発展,創造を支えていることへの理解につながるよう配慮...
3 事故防止のため,特に,刃物類,塗料,器具などの使い方の指導と保管,活動場所における安全指導などを徹底するものとする。
4 学校における鑑賞のための環境づくりをするに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 生徒が造形的な視点を豊かにもつことができるよう,生徒や学校の実態に応じて,学校図書館等における鑑賞用図書,映像資料等の活用を図ること。
(2) 生徒が鑑賞に親しむことができるよう,校内の適切な場所に鑑賞作品などを展示するとともに,学校や地域の実態に応じて,校外においても生徒作品などの展示の機会を設けるなどすること。
第7節 保健体育
第1 目標 体育や保健の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,合理的な解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 各種の運動の特性に応じた技能等及び個人生活における健康・安全について理解するとともに,基本的な技能を身に付けるようにする。
(2) 運動や健康についての自他の課題を発見し,合理的な解決に向けて思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) 生涯にわたって運動に親しむとともに健康の保持増進と体力の向上を目指し,明るく豊かな生活を営む態度を養う。
第2 各学年の目標及び内容
〔体育分野 第1学年及び第2学年〕
1 目標
(1) 運動の合理的な実践を通して,運動の楽しさや喜びを味わい,運動を豊かに実践することができるようにするため,運動,体力の必要性について理解するとともに,基本的な技能を身に付けるようにする。
(2) 運動についての自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて思考し判断するとともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝える力を養う。
(3) 運動における競争や協働の経験を通して,公正に取り組む,互いに協力する,自己の役割を果たす,一人一人の違いを認めようとするなどの意欲を育てるとともに,健康・安全に留意し,自己の最善を尽くして運動をする態度を養う。
2 内容
A 体つくり運動 体つくり運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動を通して,体を動かす楽しさや心地よさを味わい,体つくり運動の意義と行い方,体の動きを高める方法などを理解し,目的に適した運動を身に付け,組み合わせること。
ア 体ほぐしの運動では,手軽な運動を行い,心と体との関係や心身の状態に気付き,仲間と積極的に関わり合うこと。
イ 体の動きを高める運動では,ねらいに応じて,体の柔らかさ,巧みな動き,力強い動き,動きを持続する能力を高めるための運動を行うとともに,それらを組み合わせること。
(2) 自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝えること。
(3) 体つくり運動に積極的に取り組むとともに,仲間の学習を援助しようとすること,一人一人の違いに応じた動きなどを認めようとすること,話合いに参加しようとすることなどや,健康・安全に気を配ること。
B 器械運動 器械運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動について,技ができる楽しさや喜びを味わい,器械運動の特性や成り立ち,技の名称や行い方,その運動に関連して高まる体力などを理解するとともに,技をよりよく行うこと。
ア マット運動では,回転系や巧技系の基本的な技を滑らかに行うこと,条件を変えた技や発展技を行うこと及びそれらを組み合わせること。
イ 鉄棒運動では,支持系や懸垂系の基本的な技を滑らかに行うこと,条件を変えた技や発展技を行うこと及びそれらを組み合わせること。
ウ 平均台運動では,体操系やバランス系の基本的な技を滑らかに行うこと,条件を変えた技や発展技を行うこと及びそれらを組み合わせること。
エ 跳び箱運動では,切り返し系や回転系の基本的な技を滑らかに行うこと,条件を変えた技や発展技を行うこと。
(2) 技などの自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己の考えたことを他者に伝えること。
(3) 器械運動に積極的に取り組むとともに,よい演技を認めようとすること,仲間の学習を援助しようとすること,一人一人の違いに応じた課題や挑戦を認めようとすることなどや,健康・安全に気を配ること。
C 陸上競技 陸上競技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動について,記録の向上や競争の楽しさや喜びを味わい,陸上競技の特性や成り立ち,技術の名称や行い方,その運動に関連して高まる体力などを理解するとともに,基本的な動きや効率のよい動きを身に付けること。
ア 短距離走・リレーでは,滑らかな動きで速く走ることやバトンの受渡しでタイミングを合わせること,長距離走では,ペースを守って走ること,ハードル走では,リズミカルな走りから滑らかにハードルを越すこと。
イ 走り幅跳びでは,スピードに乗った助走から素早く踏み切って跳ぶこと,走り高跳びでは,リズミカルな助走から力強く踏み切って大きな動作で跳ぶこと。
(2) 動きなどの自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己の考えたことを他者に伝えること。
(3) 陸上競技に積極的に取り組むとともに,勝敗などを認め,ルールやマナーを守ろうとすること,分担した役割を果たそうとすること,一人一人の違いに応じた課題や挑戦を認めようとすることなどや,健康・安全に気を配ること。
D 水泳 水泳について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動について,記録の向上や競争の楽しさや喜びを味わい,水泳の特性や成り立ち,技術の名称や行い方,その運動に関連して高まる体力などを理解するとともに,泳法を身に付けること。
ア クロールでは,手と足の動き,呼吸のバランスをとり速く泳ぐこと。
イ 平泳ぎでは,手と足の動き,呼吸のバランスをとり長く泳ぐこと。
ウ 背泳ぎでは,手と足の動き,呼吸のバランスをとり泳ぐこと。
エ バタフライでは,手と足の動き,呼吸のバランスをとり泳ぐこと。
(2) 泳法などの自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己の考えたことを他者に伝えること。
(3) 水泳に積極的に取り組むとともに,勝敗などを認め,ルールやマナーを守ろうとすること,分担した役割を果たそうとすること,一人一人の違いに応じた課題や挑戦を認めようとすることなどや,水泳の事故防止に関する心得を遵守するなど健康・安全に気を配ること。
E 球技 球技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動について,勝敗を競う楽しさや喜びを味わい,球技の特性や成り立ち,技術の名称や行い方,その運動に関連して高まる体力などを理解するとともに,基本的な技能や仲間と連携した動きでゲームを展開すること。
ア ゴール型では,ボール操作と空間に走り込むなどの動きによってゴール前での攻防をすること。
イ ネット型では,ボールや用具の操作と定位置に戻るなどの動きによって空いた場所をめぐる攻防をすること。
ウ ベースボール型では,基本的なバット操作と走塁での攻撃,ボール操作と定位置での守備などによって攻防をすること。
(2) 攻防などの自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝えること。
(3) 球技に積極的に取り組むとともに,フェアなプレイを守ろうとすること,作戦などについての話合いに参加しようとすること,一人一人の違いに応じたプレイなどを認めようとすること,仲間の学習を援助しようとすることなどや,健康・安全に気を配ること。
F 武道 武道について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動について,技ができる楽しさや喜びを味わい,武道の特性や成り立ち,伝統的な考え方,技の名称や行い方,その運動に関連して高まる体力などを理解するとともに,基本動作や基本となる技を用いて簡易な攻防を展開すること。
ア 柔道では,相手の動きに応じた基本動作や基本となる技を用いて,投げたり抑えたりするなどの簡易な攻防をすること。
イ 剣道では,相手の動きに応じた基本動作や基本となる技を用いて,打ったり受けたりするなどの簡易な攻防をすること。
ウ 相撲では,相手の動きに応じた基本動作や基本となる技を用いて,押したり寄ったりするなどの簡易な攻防をすること。
(2) 攻防などの自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己の考えたことを他者に伝えること。
(3) 武道に積極的に取り組むとともに,相手を尊重し,伝統的な行動の仕方を守ろうとすること,分担した役割を果たそうとすること,一人一人の違いに応じた課題や挑戦を認めようとすることなどや,禁じ技を用いないなど健康・安全に気を配ること。
G ダンス ダンスについて,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動について,感じを込めて踊ったりみんなで踊ったりする楽しさや喜びを味わい,ダンスの特性や由来,表現の仕方,その運動に関連して高まる体力などを理解するとともに,イメージを捉えた表現や踊りを通した交流をすること。
ア 創作ダンスでは,多様なテーマから表したいイメージを捉え,動きに変化を付けて即興的に表現したり,変化のあるひとまとまりの表現にしたりして踊ること。
イ フォークダンスでは,日本の民踊《よう》や外国の踊りから,それらの踊り方の特徴を捉え,音楽に合わせて特徴的なステップや動きで踊ること。
ウ 現代的なリズムのダンスでは,リズムの特徴を捉え,変化のある動きを組み合わせて,リズムに乗って全身で踊ること。
(2) 表現などの自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝えること。
(3) ダンスに積極的に取り組むとともに,仲間の学習を援助しようとすること,交流などの話合いに参加しようとすること,一人一人の違いに応じた表現や役割を認めようとすることなどや,健康・安全に気を配ること。
H 体育理論
(1) 運動やスポーツが多様であることについて,課題を発見し,その解決を目指した活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 運動やスポーツが多様であることについて理解すること。
(ア) 運動やスポーツは,体を動かしたり健康を維持したりするなどの必要性及び競い合うことや課題を達成することなどの楽しさから生みだされ発展してきたこと。
(イ) 運動やスポーツには,行うこと,見ること,支えること及び知ることなどの多様な関わり方があること。
(ウ) 世代や機会に応じて,生涯にわたって運動やスポーツを楽しむためには,自己に適した多様な楽しみ方を見付けたり,工夫したりすることが大切であること。
イ 運動やスポーツが多様であることについて,自己の課題を発見し,よりよい解決に向けて思考し判断するとともに,他者に伝えること。
ウ 運動やスポーツが多様であることについての学習に積極的に取り組むこと。
(2) 運動やスポーツの意義や効果と学び方や安全な行い方について,課題を発見し,その解決を目指した活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 運動やスポーツの意義や効果と学び方や安全な行い方について理解すること。
(ア) 運動やスポーツは,身体の発達やその機能の維持,体力の向上などの効果や自信の獲得,ストレスの解消などの心理的効果及びルールやマナーについて合意したり,適切な人間関係を築いたりするなどの社会性を高める効果が期待できること。
(イ) 運動やスポーツには,特有の技術があり,その学び方には,運動の課題を合理的に解決するための一定の方法があること。
(ウ) 運動やスポーツを行う際は,その特性や目的,発達の段階や体調などを踏まえて運動を選ぶなど,健康・安全に留意する必要があること。
イ 運動やスポーツの意義や効果と学び方や安全な行い方について,自己の課題を発見し,よりよい解決に向けて思考し判断するとともに,他者に伝えること。
ウ 運動やスポーツの意義や効果と学び方や安全な行い方についての学習に積極的に取り組むこと。
〔体育分野 第3学年〕
1 目標
(1) 運動の合理的な実践を通して,運動の楽しさや喜びを味わい,生涯にわたって運動を豊かに実践することができるようにするため,運動,体力の必要性について理解するとともに,基本的な技能を身に付けるようにする。
(2) 運動についての自己や仲間の課題を発見し,合理的な解決に向けて思考し判断するとともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝える力を養う。
(3) 運動における競争や協働の経験を通して,公正に取り組む,互いに協力する,自己の責任を果たす,参画する,一人一人の違いを大切にしようとするなどの意欲を育てるとともに,健康・安全を確保して,生涯にわたって運動に親しむ態度を養う。
2 内容
A 体つくり運動 体つくり運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動を通して,体を動かす楽しさや心地よさを味わい,運動を継続する意義,体の構造,運動の原則などを理解するとともに,健康の保持増進や体力の向上を目指し,目的に適した運動の計画を立て取り組むこと。
ア 体ほぐしの運動では,手軽な運動を行い,心と体は互いに影響し変化することや心身の状態に気付き,仲間と自主的に関わり合うこと。
イ 実生活に生かす運動の計画では,ねらいに応じて,健康の保持増進や調和のとれた体力の向上を図るための運動の計画を立て取り組むこと。
(2) 自己や仲間の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝えること。
(3) 体つくり運動に自主的に取り組むとともに,互いに助け合い教え合おうとすること,一人一人の違いに応じた動きなどを大切にしようとすること,話合いに貢献しようとすることなどや,健康・安全を確保すること。
B 器械運動 器械運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動について,技ができる楽しさや喜びを味わい,技の名称や行い方,運動観察の方法,体力の高め方などを理解するとともに,自己に適した技で演技すること。
ア マット運動では,回転系や巧技系の基本的な技を滑らかに安定して行うこと,条件を変えた技や発展技を行うこと及びそれらを構成し演技すること。
イ 鉄棒運動では,支持系や懸垂系の基本的な技を滑らかに安定して行うこと,条件を変えた技や発展技を行うこと及びそれらを構成し演技すること。
ウ 平均台運動では,体操系やバランス系の基本的な技を滑らかに安定して行うこと,条件を変えた技や発展技を行うこと及びそれらを構成し演技すること。
エ 跳び箱運動では,切り返し系や回転系の基本的な技を滑らかに安定して行うこと,条件を変えた技や発展技を行うこと。
(2) 技などの自己や仲間の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己の考えたことを他者に伝えること。
(3) 器械運動に自主的に取り組むとともに,よい演技を讃《たた》えようとすること,互いに助け合い教え合おうとすること,一人一人の違いに応じた課題や挑戦を大切にしようとすることなどや,健康・安全を確保すること。
C 陸上競技 陸上競技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動について,記録の向上や競争の楽しさや喜びを味わい,技術の名称や行い方,体力の高め方,運動観察の方法などを理解するとともに,各種目特有の技能を身に付けること。
ア 短距離走・リレーでは,中間走へのつなぎを滑らかにして速く走ることやバトンの受渡しで次走者のスピードを十分高めること,長距離走では,自己に適したペースを維持して走ること,ハードル走では,スピードを維持した走りからハードルを低く越すこと。
イ 走り幅跳びでは,スピードに乗った助走から力強く踏み切って跳ぶこと,走り高跳びでは,リズミカルな助走から力強く踏み切り滑らかな空間動作で跳ぶこと。
(2) 動きなどの自己や仲間の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己の考えたことを他者に伝えること。
(3) 陸上競技に自主的に取り組むとともに,勝敗などを冷静に受け止め,ルールやマナーを大切にしようとすること,自己の責任を果たそうとすること,一人一人の違いに応じた課題や挑戦を大切にしようとすることなどや,健康・安全を確保すること。
D 水泳 水泳について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動について,記録の向上や競争の楽しさや喜びを味わい,技術の名称や行い方,体力の高め方,運動観察の方法などを理解するとともに,効率的に泳ぐこと。
ア クロールでは,手と足の動き,呼吸のバランスを保ち,安定したペースで長く泳いだり速く泳いだりすること。
イ 平泳ぎでは,手と足の動き,呼吸のバランスを保ち,安定したペースで長く泳いだり速く泳いだりすること。
ウ 背泳ぎでは,手と足の動き,呼吸のバランスを保ち,安定したペースで泳ぐこと。
エ バタフライでは,手と足の動き,呼吸のバランスを保ち,安定したペースで泳ぐこと。
オ 複数の泳法で泳ぐこと,又はリレーをすること。
(2) 泳法などの自己や仲間の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己の考えたことを他者に伝えること。
(3) 水泳に自主的に取り組むとともに,勝敗などを冷静に受け止め,ルールやマナーを大切にしようとすること,自己の責任を果たそうとすること,一人一人の違いに応じた課題や挑戦を大切にしようとすることなどや,水泳の事故防止に関する心得を遵守するなど健康・安全を確保すること。
E 球技 球技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動について,勝敗を競う楽しさや喜びを味わい,技術の名称や行い方,体力の高め方,運動観察の方法などを理解するとともに,作戦に応じた技能で仲間と連携しゲームを展開すること。
ア ゴール型では,安定したボール操作と空間を作りだすなどの動きによってゴール前への侵入などから攻防をすること。
イ ネット型では,役割に応じたボール操作や安定した用具の操作と連携した動きによって空いた場所をめぐる攻防をすること。
ウ ベースボール型では,安定したバット操作と走塁での攻撃,ボール操作と連携した守備などによって攻防をすること。
(2) 攻防などの自己やチームの課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝えること。
(3) 球技に自主的に取り組むとともに,フェアなプレイを大切にしようとすること,作戦などについての話合いに貢献しようとすること,一人一人の違いに応じたプレイなどを大切にしようとすること,互いに助け合い教え合おうとすることなどや,健康・安全を確保すること。
F 武道 武道について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動について,技を高め勝敗を競う楽しさや喜びを味わい,伝統的な考え方,技の名称や見取り稽古の仕方,体力の高め方などを理解するとともに,基本動作や基本となる技を用いて攻防を展開すること。
ア 柔道では,相手の動きの変化に応じた基本動作や基本となる技,連絡技を用いて,相手を崩して投げたり,抑えたりするなどの攻防をすること。
イ 剣道では,相手の動きの変化に応じた基本動作や基本となる技を用いて,相手の構えを崩し,しかけたり応じたりするなどの攻防をすること。
ウ 相撲では,相手の動きの変化に応じた基本動作や基本となる技を用いて,相手を崩し,投げたりいなしたりするなどの攻防をすること。
(2) 攻防などの自己や仲間の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己の考えたことを他者に伝えること。
(3) 武道に自主的に取り組むとともに,相手を尊重し,伝統的な行動の仕方を大切にしようとすること,自己の責任を果たそうとすること,一人一人の違いに応じた課題や挑戦を大切にしようとすることなどや,健康・安全を確保すること。
G ダンス ダンスについて,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 次の運動について,感じを込めて踊ったり,みんなで自由に踊ったりする楽しさや喜びを味わい,ダンスの名称や用語,踊りの特徴と表現の仕方,交流や発表の仕方,運動観察の方法,体力の高め方などを理解するとともに,イメージを深めた表現や踊りを通した交流や発表をすること。
ア 創作ダンスでは,表したいテーマにふさわしいイメージを捉え,個や群で,緩急強弱のある動きや空間の使い方で変化を付けて即興的に表現したり,簡単な作品にまとめたりして踊ること。
イ フォークダンスでは,日本の民踊《よう》や外国の踊りから,それらの踊り方の特徴を捉え,音楽に合わせて特徴的なステップや動きと組み方で踊ること。
ウ 現代的なリズムのダンスでは,リズムの特徴を捉え,変化とまとまりを付けて,リズムに乗って全身で踊ること。
(2) 表現などの自己や仲間の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝えること。
(3) ダンスに自主的に取り組むとともに,互いに助け合い教え合おうとすること,作品や発表などの話合いに貢献しようとすること,一人一人の違いに応じた表現や役割を大切にしようとすることなどや,健康・安全を確保すること。
H 体育理論
(1) 文化としてのスポーツの意義について,課題を発見し,その解決を目指した活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 文化としてのスポーツの意義について理解すること。
(ア) スポーツは,文化的な生活を営みよりよく生きていくために重要であること。
(イ) オリンピックやパラリンピック及び国際的なスポーツ大会などは,国際親善や世界平和に大きな役割を果たしていること。
(ウ) スポーツは,民族や国,人種や性,障害の違いなどを超えて人々を結び付けていること。
イ 文化としてのスポーツの意義について,自己の課題を発見し,よりよい解決に向けて思考し判断するとともに,他者に伝えること。
ウ 文化としてのスポーツの意義についての学習に自主的に取り組むこと。
〔内容の取扱い〕
(1) 内容の各領域については,次のとおり取り扱うものとする。
ア 第1学年及び第2学年においては,「A体つくり運動」から「H体育理論」までについては,全ての生徒に履修させること。その際,「A体つくり運動」及び「H体育理論」については,2学年間にわたって履修させること。
イ 第3学年においては,「A体つくり運動」及び「H体育理論」については,全ての生徒に履修させること。「B器械運動」,「C陸上競技」,「D水泳」及び「Gダンス」についてはいずれかから一以上を,「E球技」及び「F武道」についてはいずれか一以上をそれぞれ選択して履修できるようにすること。...
(2) 内容の「A体つくり運動」から「H体育理論」までに示す事項については,次のとおり取り扱うものとする。
ア 「A体つくり運動」の(1)のアの運動については,「B器械運動」から「Gダンス」までにおいても関連を図って指導することができるとともに,心の健康など保健分野との関連を図って指導すること。また,「A体つくり運動」の(1)のイの運動については,第1学年及び第2学年においては,動きを持...
イ 「B器械運動」の(1)の運動については,第1学年及び第2学年においては,アからエまでの中からアを含む二を選択して履修できるようにすること。第3学年においては,アからエまでの中から選択して履修できるようにすること。
ウ 「C陸上競技」の(1)の運動については,ア及びイに示すそれぞれの運動の中から選択して履修できるようにすること。
エ 「D水泳」の(1)の運動については,第1学年及び第2学年においては,アからエまでの中からア又はイのいずれかを含む二を選択して履修できるようにすること。第3学年においては,アからオまでの中から選択して履修できるようにすること。なお,学校や地域の実態に応じて,安全を確保するための泳...
オ 「E球技」の(1)の運動については,第1学年及び第2学年においては,アからウまでを全ての生徒に履修させること。第3学年においては,アからウまでの中から二を選択して履修できるようにすること。また,アについては,バスケットボール,ハンドボール,サッカーの中から,イについては,バレー...
カ 「F武道」については,柔道,剣道,相撲,空手道,なぎなた,弓道,合気道,少林寺拳法,銃剣道などを通して,我が国固有の伝統と文化により一層触れることができるようにすること。また,(1)の運動については,アからウまでの中から一を選択して履修できるようにすること。なお,学校や地域の実...
キ 「Gダンス」の(1)の運動については,アからウまでの中から選択して履修できるようにすること。なお,学校や地域の実態に応じて,その他のダンスについても履修させることができること。
ク 第1学年及び第2学年の内容の「H体育理論」については,(1)は第1学年,(2)は第2学年で取り上げること。
(3) 内容の「A体つくり運動」から「Gダンス」までの領域及び運動の選択並びにその指導に当たっては,学校や地域の実態及び生徒の特性等を考慮するものとする。また,第3学年の領域の選択に当たっては,安全を十分に確保した上で,生徒が自由に選択して履修することができるよう配慮すること。その...
(4) 自然との関わりの深いスキー,スケートや水辺活動などの指導については,学校や地域の実態に応じて積極的に行うことに留意するものとする。
(5) 集合,整頓,列の増減,方向変換などの行動の仕方を身に付け,能率的で安全な集団としての行動ができるようにするための指導については,内容の「A体つくり運動」から「Gダンス」までの領域において適切に行うものとする。
〔保健分野〕
1 目標
(1) 個人生活における健康・安全について理解するとともに,基本的な技能を身に付けるようにする。
(2) 健康についての自他の課題を発見し,よりよい解決に向けて思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) 生涯を通じて心身の健康の保持増進を目指し,明るく豊かな生活を営む態度を養う。
2 内容
(1) 健康な生活と疾病の予防について,課題を発見し,その解決を目指した活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 健康な生活と疾病の予防について理解を深めること。
(ア) 健康は,主体と環境の相互作用の下に成り立っていること。また,疾病は,主体の要因と環境の要因が関わり合って発生すること。
(イ) 健康の保持増進には,年齢,生活環境等に応じた運動,食事,休養及び睡眠の調和のとれた生活を続ける必要があること。
(ウ) 生活習慣病などは,運動不足,食事の量や質の偏り,休養や睡眠の不足などの生活習慣の乱れが主な要因となって起こること。また,生活習慣病などの多くは,適切な運動,食事,休養及び睡眠の調和のとれた生活を実践することによって予防できること。
(エ) 喫煙,飲酒,薬物乱用などの行為は,心身に様々な影響を与え,健康を損なう原因となること。また,これらの行為には,個人の心理状態や人間関係,社会環境が影響することから,それぞれの要因に適切に対処する必要があること。
(オ) 感染症は,病原体が主な要因となって発生すること。また,感染症の多くは,発生源をなくすこと,感染経路を遮断すること,主体の抵抗力を高めることによって予防できること。
(カ) 健康の保持増進や疾病の予防のためには,個人や社会の取組が重要であり,保健・医療機関を有効に利用することが必要であること。また,医薬品は,正しく使用すること。
イ 健康な生活と疾病の予防について,課題を発見し,その解決に向けて思考し判断するとともに,それらを表現すること。
(2) 心身の機能の発達と心の健康について,課題を発見し,その解決を目指した活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 心身の機能の発達と心の健康について理解を深めるとともに,ストレスへの対処をすること。
(ア) 身体には,多くの器官が発育し,それに伴い,様々な機能が発達する時期があること。また,発育・発達の時期やその程度には,個人差があること。
(イ) 思春期には,内分泌の働きによって生殖に関わる機能が成熟すること。また,成熟に伴う変化に対応した適切な行動が必要となること。
(ウ) 知的機能,情意機能,社会性などの精神機能は,生活経験などの影響を受けて発達すること。また,思春期においては,自己の認識が深まり,自己形成がなされること。
(エ) 精神と身体は,相互に影響を与え,関わっていること。欲求やストレスは,心身に影響を与えることがあること。また,心の健康を保つには,欲求やストレスに適切に対処する必要があること。
イ 心身の機能の発達と心の健康について,課題を発見し,その解決に向けて思考し判断するとともに,それらを表現すること。
(3) 傷害の防止について,課題を発見し,その解決を目指した活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 傷害の防止について理解を深めるとともに,応急手当をすること。 
(ア) 交通事故や自然災害などによる傷害は,人的要因や環境要因などが関わって発生すること。
(イ) 交通事故などによる傷害の多くは,安全な行動,環境の改善によって防止できること。
(ウ) 自然災害による傷害は,災害発生時だけでなく,二次災害によっても生じること。また,自然災害による傷害の多くは,災害に備えておくこと,安全に避難することによって防止できること。
(エ) 応急手当を適切に行うことによって,傷害の悪化を防止することができること。また,心肺蘇《そ》生法などを行うこと。
イ 傷害の防止について,危険の予測やその回避の方法を考え,それらを表現すること。
(4) 健康と環境について,課題を発見し,その解決を目指した活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 健康と環境について理解を深めること。
(ア) 身体には,環境に対してある程度まで適応能力があること。身体の適応能力を超えた環境は,健康に影響を及ぼすことがあること。また,快適で能率のよい生活を送るための温度,湿度や明るさには一定の範囲があること。 
(イ) 飲料水や空気は,健康と密接な関わりがあること。また,飲料水や空気を衛生的に保つには,基準に適合するよう管理する必要があること。
(ウ) 人間の生活によって生じた廃棄物は,環境の保全に十分配慮し,環境を汚染しないように衛生的に処理する必要があること。
イ 健康と環境に関する情報から課題を発見し,その解決に向けて思考し判断するとともに,それらを表現すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)のアの(ア)及び(イ)は第1学年,(1)のアの(ウ)及び(エ)は第2学年,(1)のアの(オ)及び(カ)は第3学年で取り扱うものとし,(1)のイは全ての学年で取り扱うものとする。内容の(2)は第1学年,(3)は第2学年,(4)は第3学年で取り扱うものとする。
(2) 内容の(1)のアについては,健康の保持増進と疾病の予防に加えて,疾病の回復についても取り扱うものとする。
(3) 内容の(1)のアの(イ)及び(ウ)については,食育の観点も踏まえつつ健康的な生活習慣の形成に結び付くように配慮するとともに,必要に応じて,コンピュータなどの情報機器の使用と健康との関わりについて取り扱うことにも配慮するものとする。また,がんについても取り扱うものとする。
(4) 内容の(1)のアの(エ)については,心身への急性影響及び依存性について取り扱うこと。また,薬物は,覚醒剤や大麻等を取り扱うものとする。
(5) 内容の(1)のアの(オ)については,後天性免疫不全症候群(エイズ)及び性感染症についても取り扱うものとする。
(6) 内容の(2)のアの(ア)については,呼吸器,循環器を中心に取り扱うものとする。
(7) 内容の(2)のアの(イ)については,妊娠や出産が可能となるような成熟が始まるという観点から,受精・妊娠を取り扱うものとし,妊娠の経過は取り扱わないものとする。また,身体の機能の成熟とともに,性衝動が生じたり,異性への関心が高まったりすることなどから,異性の尊重,情報への適切...
(8) 内容の(2)のアの(エ)については,体育分野の内容の「A体つくり運動」の(1)のアの指導との関連を図って指導するものとする。
(9) 内容の(3)のアの(エ)については,包帯法,止血法など傷害時の応急手当も取り扱い,実習を行うものとする。また,効果的な指導を行うため,水泳など体育分野の内容との関連を図るものとする。
(10) 内容の(4)については,地域の実態に即して公害と健康との関係を取り扱うことにも配慮するものとする。また,生態系については,取り扱わないものとする。
(11) 保健分野の指導に際しては,自他の健康に関心をもてるようにし,健康に関する課題を解決する学習活動を取り入れるなどの指導方法の工夫を行うものとする。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,体育や保健の見方・考え方を働かせながら,運動や健康についての自他の課題を発見し,その合理的な解決のための活動の充実を図ること。また...
(2) 授業時数の配当については,次のとおり扱うこと。
ア 保健分野の授業時数は,3学年間で48単位時間程度配当すること。
イ 保健分野の授業時数は,3学年間を通じて適切に配当し,各学年において効果的な学習が行われるよう考慮して配当すること。
ウ 体育分野の授業時数は,各学年にわたって適切に配当すること。その際,体育分野の内容の「A体つくり運動」については,各学年で7単位時間以上を,「H体育理論」については,各学年で3単位時間以上を配当すること。
エ 体育分野の内容の「B器械運動」から「Gダンス」までの領域の授業時数は,それらの内容の習熟を図ることができるよう考慮して配当すること。
(3) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
(4) 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,保健体育科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 体力や技能の程度,性別や障害の有無等に関わらず,運動の多様な楽しみ方を共有することができるよう留意すること。
(2) 言語能力を育成する言語活動を重視し,筋道を立てて練習や作戦について話し合う活動や,個人生活における健康の保持増進や回復について話し合う活動などを通して,コミュニケーション能力や論理的な思考力の育成を促し,自主的な学習活動の充実を図ること。
(3) 第2の内容の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を積極的に活用して,各分野の特質に応じた学習活動を行うよう工夫すること。
(4) 体育分野におけるスポーツとの多様な関わり方や保健分野の指導については,具体的な体験を伴う学習の工夫を行うよう留意すること。
(5) 生徒が学習内容を確実に身に付けることができるよう,学校や生徒の実態に応じ,学習内容の習熟の程度に応じた指導,個別指導との連携を踏まえた教師間の協力的な指導などを工夫改善し,個に応じた指導の充実が図られるよう留意すること。
(6) 第1章総則の第1の2の(3)に示す学校における体育・健康に関する指導の趣旨を生かし,特別活動,運動部の活動などとの関連を図り,日常生活における体育・健康に関する活動が適切かつ継続的に実践できるよう留意すること。なお,体力の測定については,計画的に実施し,運動の指導及び体力の...
(7) 体育分野と保健分野で示された内容については,相互の関連が図られるよう留意すること。
第8節 技術・家庭
第1 目標 生活の営みに係る見方・考え方や技術の見方・考え方を働かせ,生活や技術に関する実践的・体験的な活動を通して,よりよい生活の実現や持続可能な社会の構築に向けて,生活を工夫し創造する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 生活と技術についての基礎的な理解を図るとともに,それらに係る技能を身に付けるようにする。
(2) 生活や社会の中から問題を見いだして課題を設定し,解決策を構想し,実践を評価・改善し,表現するなど,課題を解決する力を養う。
(3) よりよい生活の実現や持続可能な社会の構築に向けて,生活を工夫し創造しようとする実践的な態度を養う。
第2 各分野の目標及び内容  
〔技術分野〕
1 目標 技術の見方・考え方を働かせ,ものづくりなどの技術に関する実践的・体験的な活動を通して,技術によってよりよい生活や持続可能な社会を構築する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 生活や社会で利用されている材料,加工,生物育成,エネルギー変換及び情報の技術についての基礎的な理解を図るとともに,それらに係る技能を身に付け,技術と生活や社会,環境との関わりについて理解を深める。
(2) 生活や社会の中から技術に関わる問題を見いだして課題を設定し,解決策を構想し,製作図等に表現し,試作等を通じて具体化し,実践を評価・改善するなど,課題を解決する力を養う。
(3) よりよい生活の実現や持続可能な社会の構築に向けて,適切かつ誠実に技術を工夫し創造しようとする実践的な態度を養う。
2 内容
A 材料と加工の技術
(1) 生活や社会を支える材料と加工の技術について調べる活動などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 材料や加工の特性等の原理・法則と,材料の製造・加工方法等の基礎的な技術の仕組みについて理解すること。
イ 技術に込められた問題解決の工夫について考えること。
(2) 生活や社会における問題を,材料と加工の技術によって解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 製作に必要な図をかき,安全・適切な製作や検査・点検等ができること。
イ 問題を見いだして課題を設定し,材料の選択や成形の方法等を構想して設計を具体化するとともに,製作の過程や結果の評価,改善及び修正について考えること。
(3) これからの社会の発展と材料と加工の技術の在り方を考える活動などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 生活や社会,環境との関わりを踏まえて,技術の概念を理解すること。
イ 技術を評価し,適切な選択と管理・運用の在り方や,新たな発想に基づく改良と応用について考えること。
B 生物育成の技術
(1) 生活や社会を支える生物育成の技術について調べる活動などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 育成する生物の成長,生態の特性等の原理・法則と,育成環境の調節方法等の基礎的な技術の仕組みについて理解すること。
イ 技術に込められた問題解決の工夫について考えること。
(2) 生活や社会における問題を,生物育成の技術によって解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 安全・適切な栽培又は飼育,検査等ができること。
イ 問題を見いだして課題を設定し,育成環境の調節方法を構想して育成計画を立てるとともに,栽培又は飼育の過程や結果の評価,改善及び修正について考えること。
(3) これからの社会の発展と生物育成の技術の在り方を考える活動などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 生活や社会,環境との関わりを踏まえて,技術の概念を理解すること。
イ 技術を評価し,適切な選択と管理・運用の在り方や,新たな発想に基づく改良と応用について考えること。
C エネルギー変換の技術
(1) 生活や社会を支えるエネルギー変換の技術について調べる活動などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 電気,運動,熱の特性等の原理・法則と,エネルギーの変換や伝達等に関わる基礎的な技術の仕組み及び保守点検の必要性について理解すること。
イ 技術に込められた問題解決の工夫について考えること。
(2) 生活や社会における問題を,エネルギー変換の技術によって解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 安全・適切な製作,実装,点検及び調整等ができること。
イ 問題を見いだして課題を設定し,電気回路又は力学的な機構等を構想して設計を具体化するとともに,製作の過程や結果の評価,改善及び修正について考えること。
(3) これからの社会の発展とエネルギー変換の技術の在り方を考える活動などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 生活や社会,環境との関わりを踏まえて,技術の概念を理解すること。
イ 技術を評価し,適切な選択と管理・運用の在り方や,新たな発想に基づく改良と応用について考えること。
D 情報の技術
(1) 生活や社会を支える情報の技術について調べる活動などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 情報の表現,記録,計算,通信の特性等の原理・法則と,情報のデジタル化や処理の自動化,システム化,情報セキュリティ等に関わる基礎的な技術の仕組み及び情報モラルの必要性について理解すること。
イ 技術に込められた問題解決の工夫について考えること。
(2) 生活や社会における問題を,ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによって解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 情報通信ネットワークの構成と,情報を利用するための基本的な仕組みを理解し,安全・適切なプログラムの制作,動作の確認及びデバッグ等ができること。
イ 問題を見いだして課題を設定し,使用するメディアを複合する方法とその効果的な利用方法等を構想して情報処理の手順を具体化するとともに,制作の過程や結果の評価,改善及び修正について考えること。
(3) 生活や社会における問題を,計測・制御のプログラミングによって解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 計測・制御システムの仕組みを理解し,安全・適切なプログラムの制作,動作の確認及びデバッグ等ができること。
イ 問題を見いだして課題を設定し,入出力されるデータの流れを元に計測・制御システムを構想して情報処理の手順を具体化するとともに,制作の過程や結果の評価,改善及び修正について考えること。
(4) これからの社会の発展と情報の技術の在り方を考える活動などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 生活や社会,環境との関わりを踏まえて,技術の概念を理解すること。
イ 技術を評価し,適切な選択と管理・運用の在り方や,新たな発想に基づく改良と応用について考えること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A材料と加工の技術」については,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,我が国の伝統的な技術についても扱い,緻密なものづくりの技などが我が国の伝統や文化を支えてきたことに気付かせること。
イ (2)の製作に必要な図については,主として等角図及び第三角法による図法を扱うこと。
(2) 内容の「B生物育成の技術」については,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,作物の栽培,動物の飼育及び水産生物の栽培のいずれも扱うこと。
イ (2)については,地域固有の生態系に影響を及ぼすことのないよう留意するとともに,薬品を使用する場合には,使用上の基準及び注意事項を遵守させること。
(3) 内容の「Cエネルギー変換の技術」の(1)については,電気機器や屋内配線等の生活の中で使用する製品やシステムの安全な使用についても扱うものとする。
(4) 内容の「D情報の技術」については,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,情報のデジタル化の方法と情報の量,著作権を含めた知的財産権,発信した情報に対する責任,及び社会におけるサイバーセキュリティが重要であることについても扱うこと。
イ (2)については,コンテンツに用いる各種メディアの基本的な特徴や,個人情報の保護の必要性についても扱うこと。
(5) 各内容における(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アで取り上げる原理や法則に関しては,関係する教科との連携を図ること。
イ イでは,社会からの要求,安全性,環境負荷や経済性などに着目し,技術が最適化されてきたことに気付かせること。
ウ 第1学年の最初に扱う内容では,3年間の技術分野の学習の見通しを立てさせるために,内容の「A材料と加工の技術」から「D情報の技術」までに示す技術について触れること。
(6) 各内容における(2)及び内容の「D情報の技術」の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア イでは,各内容の(1)のイで気付かせた見方・考え方により問題を見いだして課題を設定し,自分なりの解決策を構想させること。
イ 知的財産を創造,保護及び活用しようとする態度,技術に関わる倫理観,並びに他者と協働して粘り強く物事を前に進める態度を養うことを目指すこと。
ウ 第3学年で取り上げる内容では,これまでの学習を踏まえた統合的な問題について扱うこと。
エ 製作・制作・育成場面で使用する工具・機器や材料等については,図画工作科等の学習経験を踏まえるとともに,安全や健康に十分に配慮して選択すること。
(7) 内容の「A材料と加工の技術」,「B生物育成の技術」,「Cエネルギー変換の技術」の(3)及び内容の「D情報の技術」の(4)については,技術が生活の向上や産業の継承と発展,資源やエネルギーの有効利用,自然環境の保全等に貢献していることについても扱うものとする。
〔家庭分野〕
1 目標 生活の営みに係る見方・考え方を働かせ,衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して,よりよい生活の実現に向けて,生活を工夫し創造する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 家族・家庭の機能について理解を深め,家族・家庭,衣食住,消費や環境などについて,生活の自立に必要な基礎的な理解を図るとともに,それらに係る技能を身に付けるようにする。
(2) 家族・家庭や地域における生活の中から問題を見いだして課題を設定し,解決策を構想し,実践を評価・改善し,考察したことを論理的に表現するなど,これからの生活を展望して課題を解決する力を養う。
(3) 自分と家族,家庭生活と地域との関わりを考え,家族や地域の人々と協働し,よりよい生活の実現に向けて,生活を工夫し創造しようとする実践的な態度を養う。
2 内容
A 家族・家庭生活 次の(1)から(4)までの項目について,課題をもって,家族や地域の人々と協力・協働し,よりよい家庭生活に向けて考え,工夫する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 自分の成長と家族・家庭生活
ア 自分の成長と家族や家庭生活との関わりが分かり,家族・家庭の基本的な機能について理解するとともに,家族や地域の人々と協力・協働して家庭生活を営む必要があることに気付くこと。
(2) 幼児の生活と家族
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 幼児の発達と生活の特徴が分かり,子供が育つ環境としての家族の役割について理解すること。
(イ) 幼児にとっての遊びの意義や幼児との関わり方について理解すること。
イ 幼児とのよりよい関わり方について考え,工夫すること。
(3) 家族・家庭や地域との関わり
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 家族の互いの立場や役割が分かり,協力することによって家族関係をよりよくできることについて理解すること。
(イ) 家庭生活は地域との相互の関わりで成り立っていることが分かり,高齢者など地域の人々と協働する必要があることや介護など高齢者との関わり方について理解すること。
イ 家族関係をよりよくする方法及び高齢者など地域の人々と関わり,協働する方法について考え,工夫すること。
(4) 家族・家庭生活についての課題と実践
ア 家族,幼児の生活又は地域の生活の中から問題を見いだして課題を設定し,その解決に向けてよりよい生活を考え,計画を立てて実践できること。
B 衣食住の生活 次の(1)から(7)までの項目について,課題をもって,健康・快適・安全で豊かな食生活,衣生活,住生活に向けて考え,工夫する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 食事の役割と中学生の栄養の特徴
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 生活の中で食事が果たす役割について理解すること。
(イ) 中学生に必要な栄養の特徴が分かり,健康によい食習慣について理解すること。
イ 健康によい食習慣について考え,工夫すること。
(2) 中学生に必要な栄養を満たす食事
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 栄養素の種類と働きが分かり,食品の栄養的な特質について理解すること。
(イ) 中学生の1日に必要な食品の種類と概量が分かり,1日分の献立作成の方法について理解すること。
イ 中学生の1日分の献立について考え,工夫すること。
(3) 日常食の調理と地域の食文化
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 日常生活と関連付け,用途に応じた食品の選択について理解し,適切にできること。
(イ) 食品や調理用具等の安全と衛生に留意した管理について理解し,適切にできること。
(ウ) 材料に適した加熱調理の仕方について理解し,基礎的な日常食の調理が適切にできること。
(エ) 地域の食文化について理解し,地域の食材を用いた和食の調理が適切にできること。
イ 日常の1食分の調理について,食品の選択や調理の仕方,調理計画を考え,工夫すること。
(4) 衣服の選択と手入れ
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 衣服と社会生活との関わりが分かり,目的に応じた着用,個性を生かす着用及び衣服の適切な選択について理解すること。
(イ) 衣服の計画的な活用の必要性,衣服の材料や状態に応じた日常着の手入れについて理解し,適切にできること。
イ 衣服の選択,材料や状態に応じた日常着の手入れの仕方を考え,工夫すること。
(5) 生活を豊かにするための布を用いた製作
ア 製作する物に適した材料や縫い方について理解し,用具を安全に取り扱い,製作が適切にできること。
イ 資源や環境に配慮し,生活を豊かにするために布を用いた物の製作計画を考え,製作を工夫すること。
(6) 住居の機能と安全な住まい方
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 家族の生活と住空間との関わりが分かり,住居の基本的な機能について理解すること。
(イ) 家庭内の事故の防ぎ方など家族の安全を考えた住空間の整え方について理解すること。
イ 家族の安全を考えた住空間の整え方について考え,工夫すること。
(7) 衣食住の生活についての課題と実践
ア 食生活,衣生活,住生活の中から問題を見いだして課題を設定し,その解決に向けてよりよい生活を考え,計画を立てて実践できること。
C 消費生活・環境 次の(1)から(3)までの項目について,課題をもって,持続可能な社会の構築に向けて考え,工夫する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
(1) 金銭の管理と購入
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 購入方法や支払い方法の特徴が分かり,計画的な金銭管理の必要性について理解すること。
(イ) 売買契約の仕組み,消費者被害の背景とその対応について理解し,物資・サービスの選択に必要な情報の収集・整理が適切にできること。
イ 物資・サービスの選択に必要な情報を活用して購入について考え,工夫すること。
(2) 消費者の権利と責任
ア 消費者の基本的な権利と責任,自分や家族の消費生活が環境や社会に及ぼす影響について理解すること。
イ 身近な消費生活について,自立した消費者としての責任ある消費行動を考え,工夫すること。
(3) 消費生活・環境についての課題と実践
ア 自分や家族の消費生活の中から問題を見いだして課題を設定し,その解決に向けて環境に配慮した消費生活を考え,計画を立てて実践できること。
3 内容の取扱い 
(1) 各内容については,生活の科学的な理解を深めるための実践的・体験的な活動を充実すること。
(2) 内容の「A家族・家庭生活」については,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)のアについては,家族・家庭の基本的な機能がAからCまでの各内容に関わっていることや,家族・家庭や地域における様々な問題について,協力・協働,健康・快適・安全,生活文化の継承,持続可能な社会の構築等を視点として考え,解決に向けて工夫することが大切であることに気付かせるように...
イ (1),(2)及び(3)については,相互に関連を図り,実習や観察,ロールプレイングなどの学習活動を中心とするよう留意すること。
ウ (2)については,幼稚園,保育所,認定こども園などの幼児の観察や幼児との触れ合いができるよう留意すること。アの(ア)については,幼児期における周囲との基本的な信頼関係や生活習慣の形成の重要性についても扱うこと。
エ (3)のアの(イ)については,高齢者の身体の特徴についても触れること。また,高齢者の介護の基礎に関する体験的な活動ができるよう留意すること。イについては,地域の活動や行事などを取り上げたり,他教科等における学習との関連を図ったりするよう配慮すること。
(3) 内容の「B衣食住の生活」については,次のとおり取り扱うものとする。
ア 日本の伝統的な生活についても扱い,生活文化を継承する大切さに気付くことができるよう配慮すること。
イ (1)のアの(ア)については,食事を共にする意義や食文化を継承することについても扱うこと。
ウ (2)のアの(ア)については,水の働きや食物繊維についても触れること。
エ (3)のアの(ア)については,主として調理実習で用いる生鮮食品と加工食品の表示を扱うこと。(ウ)については,煮る,焼く,蒸す等を扱うこと。また,魚,肉,野菜を中心として扱い,基礎的な題材を取り上げること。(エ)については,だしを用いた煮物又は汁物を取り上げること。また,地域の伝...
オ 食に関する指導については,技術・家庭科の特質に応じて,食育の充実に資するよう配慮すること。
カ (4)のアの(ア)については,日本の伝統的な衣服である和服について触れること。また,和服の基本的な着装を扱うこともできること。さらに,既製服の表示と選択に当たっての留意事項を扱うこと。(イ)については,日常着の手入れは主として洗濯と補修を扱うこと。
キ (5)のアについては,衣服等の再利用の方法についても触れること。
ク (6)のアについては,簡単な図などによる住空間の構想を扱うこと。また,ア及びイについては,内容の「A家族・家庭生活」の(2)及び(3)との関連を図ること。さらに,アの(イ)及びイについては,自然災害に備えた住空間の整え方についても扱うこと。
(4) 内容の「C消費生活・環境」については,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)及び(2)については,内容の「A家族・家庭生活」又は「B衣食住の生活」の学習との関連を図り,実践的に学習できるようにすること。
イ (1)については,中学生の身近な消費行動と関連を図った物資・サービスや消費者被害を扱うこと。アの(ア)については,クレジットなどの三者間契約についても扱うこと。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,生活の営みに係る見方・考え方や技術の見方・考え方を働かせ,知識を相互に関連付けてより深く理解するとともに,生活や社会の中から問題を...
(2) 技術分野及び家庭分野の授業時数については,3学年間を見通した全体的な指導計画に基づき,いずれかの分野に偏ることなく配当して履修させること。その際,各学年において,技術分野及び家庭分野のいずれも履修させること。 家庭分野の内容の「A家族・家庭生活」の(4),「B衣食住の生活」...
(3) 技術分野の内容の「A材料と加工の技術」から「D情報の技術」まで,及び家庭分野の内容の「A家族・家庭生活」から「C消費生活・環境」までの各項目に配当する授業時数及び各項目の履修学年については,生徒や学校,地域の実態等に応じて,各学校において適切に定めること。その際,家庭分野の...
(4) 各項目及び各項目に示す事項については,相互に有機的な関連を図り,総合的に展開されるよう適切な題材を設定して計画を作成すること。その際,生徒や学校,地域の実態を的確に捉え,指導の効果を高めるようにすること。また,小学校における学習を踏まえるとともに,高等学校における学習を見据...
(5) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
(6) 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,技術・家庭科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 指導に当たっては,衣食住やものづくりなどに関する実習等の結果を整理し考察する学習活動や,生活や社会における課題を解決するために言葉や図表,概念などを用いて考えたり,説明したりするなどの学習活動の充実を図ること。
(2) 指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活用して,実習等における情報の収集・整理や,実践結果の発表などを行うことができるように工夫すること。
(3) 基礎的・基本的な知識及び技能を習得し,基本的な概念などの理解を深めるとともに,仕事の楽しさや完成の喜びを体得させるよう,実践的・体験的な活動を充実すること。また,生徒のキャリア発達を踏まえて学習内容と将来の職業の選択や生き方との関わりについても扱うこと。
(4) 資質・能力の育成を図り,一人一人の個性を生かし伸ばすよう,生徒の興味・関心を踏まえた学習課題の設定,技能の習得状況に応じた少人数指導や教材・教具の工夫など個に応じた指導の充実に努めること。
(5) 生徒が,学習した知識及び技能を生活に活用したり,生活や社会の変化に対応したりすることができるよう,生活や社会の中から問題を見いだして課題を設定し解決する学習活動を充実するとともに,家庭や地域社会,企業などとの連携を図るよう配慮すること。
3 実習の指導に当たっては,施設・設備の安全管理に配慮し,学習環境を整備するとともに,火気,用具,材料などの取扱いに注意して事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。 その際,技術分野においては,正しい機器の操作や作業環境の整備等について指導するとともに,適切な服...
第9節 外国語
第1 目標 外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,簡単な情報や考えなどを理解したり表現したり伝え合ったりするコミュニケーションを図る資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 外国語の音声や語彙,表現,文法,言語の働きなどを理解するとともに,これらの知識を,聞くこと,読むこと,話すこと,書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる技能を身に付けるようにする。
(2) コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,日常的な話題や社会的な話題について,外国語で簡単な情報や考えなどを理解したり,これらを活用して表現したり伝え合ったりすることができる力を養う。
(3) 外国語の背景にある文化に対する理解を深め,聞き手,読み手,話し手,書き手に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。
第2 各言語の目標及び内容等
英語
1 目標 英語学習の特質を踏まえ,以下に示す,聞くこと,読むこと,話すこと[やり取り],話すこと[発表],書くことの五つの領域別に設定する目標の実現を目指した指導を通して,第1の(1)及び(2)に示す資質・能力を一体的に育成するとともに,その過程を通して,第1の(3)に示す資質・能...
(1) 聞くこと
ア はっきりと話されれば,日常的な話題について,必要な情報を聞き取ることができるようにする。
イ はっきりと話されれば,日常的な話題について,話の概要を捉えることができるようにする。
ウ はっきりと話されれば,社会的な話題について,短い説明の要点を捉えることができるようにする。
(2) 読むこと
ア 日常的な話題について,簡単な語句や文で書かれたものから必要な情報を読み取ることができるようにする。
イ 日常的な話題について,簡単な語句や文で書かれた短い文章の概要を捉えることができるようにする。
ウ 社会的な話題について,簡単な語句や文で書かれた短い文章の要点を捉えることができるようにする。
(3) 話すこと[やり取り]
ア 関心のある事柄について,簡単な語句や文を用いて即興で伝え合うことができるようにする。
イ 日常的な話題について,事実や自分の考え,気持ちなどを整理し,簡単な語句や文を用いて伝えたり,相手からの質問に答えたりすることができるようにする。
ウ 社会的な話題に関して聞いたり読んだりしたことについて,考えたことや感じたこと,その理由などを,簡単な語句や文を用いて述べ合うことができるようにする。
(4) 話すこと[発表]
ア 関心のある事柄について,簡単な語句や文を用いて即興で話すことができるようにする。
イ 日常的な話題について,事実や自分の考え,気持ちなどを整理し,簡単な語句や文を用いてまとまりのある内容を話すことができるようにする。
ウ 社会的な話題に関して聞いたり読んだりしたことについて,考えたことや感じたこと,その理由などを,簡単な語句や文を用いて話すことができるようにする。
(5) 書くこと
ア 関心のある事柄について,簡単な語句や文を用いて正確に書くことができるようにする。
イ 日常的な話題について,事実や自分の考え,気持ちなどを整理し,簡単な語句や文を用いてまとまりのある文章を書くことができるようにする。
ウ 社会的な話題に関して聞いたり読んだりしたことについて,考えたことや感じたこと,その理由などを,簡単な語句や文を用いて書くことができるようにする。
2 内容
〔知識及び技能〕
(1) 英語の特徴やきまりに関する事項 実際に英語を用いた言語活動を通して,小学校学習指導要領第2章第10節外国語第2の2の(1)及び次に示す言語材料のうち,1に示す五つの領域別の目標を達成するのにふさわしいものについて理解するとともに,言語材料と言語活動とを効果的に関連付け,実際...
ア 音声 次に示す事項について取り扱うこと。
(ア) 現代の標準的な発音
(イ) 語と語の連結による音の変化
(ウ) 語や句,文における基本的な強勢
(エ) 文における基本的なイントネーション
(オ) 文における基本的な区切り
イ 符号 感嘆符,引用符などの符号
ウ 語,連語及び慣用表現
(ア) 1に示す五つの領域別の目標を達成するために必要となる,小学校で学習した語に1600~1800語程度の新語を加えた語
(イ) 連語のうち,活用頻度の高いもの
(ウ) 慣用表現のうち,活用頻度の高いもの
エ 文,文構造及び文法事項 小学校学習指導要領第2章第10節外国語第2の2の(1)のエ及び次に示す事項について,意味のある文脈でのコミュニケーションの中で繰り返し触れることを通して活用すること。
(ア) 文
a 重文,複文
b 疑問文のうち,助動詞(may,willなど)で始まるものやorを含むもの,疑問詞(which,whose)で始まるもの
c 感嘆文のうち基本的なもの
(イ) 文構造
a [主語+動詞+補語]のうち, 主語+be動詞以外の動詞+{名詞‖形容詞}  
b [主語+動詞+目的語]のうち,
(a) 主語+動詞+{動名詞‖to不定詞‖how(など)to不定詞}
(b) 主語+動詞+{thatで始まる節‖whatなどで始まる節}
c [主語+動詞+間接目的語+直接目的語]のうち,
(a) 主語+動詞+間接目的語+{名詞‖代名詞}
(b) 主語+動詞+間接目的語+how(など)to不定詞
(c) 主語+動詞+間接目的語+{thatで始まる節‖whatなどで始まる節}
d [主語+動詞+目的語+補語]のうち,
(a) 主語+動詞+目的語+{名詞‖形容詞}         
(b) 主語+動詞+目的語+原形不定詞
e その他
(a) There+be動詞+~
(b) It+be動詞+~(+for~)+to不定詞
(c) 主語+tell,wantなど+目的語+to不定詞
(d) 主語+be動詞+形容詞+thatで始まる節
(ウ) 文法事項
a 代名詞
(a) 人称や指示,疑問,数量を表すもの
(b) 関係代名詞のうち,主格のthat,which,who,目的格のthat,whichの制限的用法
b 接続詞
c 助動詞
d 前置詞
e 動詞の時制及び相など 現在形や過去形,現在進行形,過去進行形,現在完了形,現在完了進行形,助動詞などを用いた未来表現
f 形容詞や副詞を用いた比較表現
g to不定詞
h 動名詞
i 現在分詞や過去分詞の形容詞としての用法
j 受け身
k 仮定法のうち基本的なもの
〔思考力,判断力,表現力等〕
(2) 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合ったりすることに関する事項 具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,これらを論理的に表現することを通して,次の事項を身に付けることができるよ...
ア 日常的な話題や社会的な話題について,英語を聞いたり読んだりして必要な情報や考えなどを捉えること。
イ 日常的な話題や社会的な話題について,英語を聞いたり読んだりして得られた情報や表現を,選択したり抽出したりするなどして活用し,話したり書いたりして事実や自分の考え,気持ちなどを表現すること。
ウ 日常的な話題や社会的な話題について,伝える内容を整理し,英語で話したり書いたりして互いに事実や自分の考え,気持ちなどを伝え合うこと。
(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項
① 言語活動に関する事項 (2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば次のような言語活動を通して指導する。
ア 小学校学習指導要領第2章第10節外国語の第2の2の(3)に示す言語活動のうち,小学校における学習内容の定着を図るために必要なもの。
イ 聞くこと
(ア) 日常的な話題について,自然な口調で話される英語を聞いて,話し手の意向を正確に把握する活動。
(イ) 店や公共交通機関などで用いられる簡単なアナウンスなどから,自分が必要とする情報を聞き取る活動。
(ウ) 友達からの招待など,身近な事柄に関する簡単なメッセージを聞いて,その内容を把握し,適切に応答する活動。
(エ) 友達や家族,学校生活などの日常的な話題や社会的な話題に関する会話や説明などを聞いて,概要や要点を把握する活動。また,その内容を英語で説明する活動。
ウ 読むこと
(ア) 書かれた内容や文章の構成を考えながら黙読したり,その内容を表現するよう音読したりする活動。
(イ) 日常的な話題について,簡単な表現が用いられている広告やパンフレット,予定表,手紙,電子メール,短い文章などから,自分が必要とする情報を読み取る活動。
(ウ) 簡単な語句や文で書かれた日常的な話題に関する短い説明やエッセイ,物語などを読んで概要を把握する活動。
(エ) 簡単な語句や文で書かれた社会的な話題に関する説明などを読んで,イラストや写真,図表なども参考にしながら,要点を把握する活動。また,その内容に対する賛否や自分の考えを述べる活動。
エ 話すこと[やり取り]
(ア) 関心のある事柄について,相手からの質問に対し,その場で適切に応答したり,関連する質問をしたりして,互いに会話を継続する活動。
(イ) 日常的な話題について,伝えようとする内容を整理し,自分で作成したメモなどを活用しながら相手と口頭で伝え合う活動。
(ウ) 社会的な話題に関して聞いたり読んだりしたことから把握した内容に基づき,読み取ったことや感じたこと,考えたことなどを伝えた上で,相手からの質問に対して適切に応答したり自ら質問し返したりする活動。
オ 話すこと[発表]
(ア) 関心のある事柄について,その場で考えを整理して口頭で説明する活動。
(イ) 日常的な話題について,事実や自分の考え,気持ちなどをまとめ,簡単なスピーチをする活動。
(ウ) 社会的な話題に関して聞いたり読んだりしたことから把握した内容に基づき,自分で作成したメモなどを活用しながら口頭で要約したり,自分の考えや気持ちなどを話したりする活動。
カ 書くこと
(ア) 趣味や好き嫌いなど,自分に関する基本的な情報を語句や文で書く活動。
(イ) 簡単な手紙や電子メールの形で自分の近況などを伝える活動。
(ウ) 日常的な話題について,簡単な語句や文を用いて,出来事などを説明するまとまりのある文章を書く活動。
(エ) 社会的な話題に関して聞いたり読んだりしたことから把握した内容に基づき,自分の考えや気持ち,その理由などを書く活動。
② 言語の働きに関する事項 言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使用場面や言語の働きを取り上げるようにする。
ア 言語の使用場面の例
(ア) 生徒の身近な暮らしに関わる場面
・ 家庭での生活
・ 学校での学習や活動
・ 地域の行事
など
(イ) 特有の表現がよく使われる場面
・ 自己紹介
・ 買物
・ 食事
・ 道案内
・ 旅行
・ 電話での対応
・ 手紙や電子メールのやり取り 
など
イ 言語の働きの例
(ア) コミュニケーションを円滑にする
・ 話し掛ける
・ 相づちを打つ 
・ 聞き直す
・ 繰り返す 
など
(イ) 気持ちを伝える
・ 礼を言う
・ 苦情を言う
・ 褒める
・ 謝る
・ 歓迎する
など
(ウ) 事実・情報を伝える
・ 説明する
・ 報告する
・ 発表する
・ 描写する
など
(エ) 考えや意図を伝える
・ 申し出る   
・ 約束する
・ 意見を言う
・ 賛成する   
・ 反対する   
・ 承諾する
・ 断る    
・ 仮定する
など
(オ) 相手の行動を促す
・ 質問する
・ 依頼する
・ 招待する
・ 命令する
など
3 指導計画の作成と内容の取扱い
(1) 指導計画の作成に当たっては,小学校や高等学校における指導との接続に留意しながら,次の事項に配慮するものとする。
ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,具体的な課題等を設定し,生徒が外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら,コミュニケーションの目的や場面,状況な...
イ 学年ごとの目標を適切に定め,3学年間を通じて外国語科の目標の実現を図るようにすること。
ウ 実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合うなどの言語活動を行う際は,2の(1)に示す言語材料について理解したり練習したりするための指導を必要に応じて行うこと。また,小学校第3学年から第6学年までに扱った簡単な語句や基本的な表現などの学習内容を繰り返し指導し定着を図ること。...
エ 生徒が英語に触れる機会を充実するとともに,授業を実際のコミュニケーションの場面とするため,授業は英語で行うことを基本とする。その際,生徒の理解の程度に応じた英語を用いるようにすること。
オ 言語活動で扱う題材は,生徒の興味・関心に合ったものとし,国語科や理科,音楽科など,他の教科等で学習したことを活用したり,学校行事で扱う内容と関連付けたりするなどの工夫をすること。
カ 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
キ 指導計画の作成や授業の実施に当たっては,ネイティブ・スピーカーや英語が堪能な地域人材などの協力を得る等,指導体制の充実を図るとともに,指導方法の工夫を行うこと。
(2) 2の内容に示す事項については,次の事項に配慮するものとする。
ア 2の(1)に示す言語材料については,平易なものから難しいものへと段階的に指導すること。また,生徒の発達の段階に応じて,聞いたり読んだりすることを通して意味を理解できるように指導すべき事項と,話したり書いたりして表現できるように指導すべき事項とがあることに留意すること。
イ 音声指導に当たっては,日本語との違いに留意しながら,発音練習などを通して2の(1)のアに示す言語材料を継続して指導するとともに,音声指導の補助として,必要に応じて発音表記を用いて指導することもできることに留意すること。また,発音と綴《つづ》りとを関連付けて指導すること。
ウ 文字指導に当たっては,生徒の学習負担にも配慮しながら筆記体を指導することもできることに留意すること。
エ 文法事項の指導に当たっては,次の事項に留意すること。
(ア) 英語の特質を理解させるために,関連のある文法事項はまとめて整理するなど,効果的な指導ができるよう工夫すること。
(イ) 文法はコミュニケーションを支えるものであることを踏まえ,コミュニケーションの目的を達成する上での必要性や有用性を実感させた上でその知識を活用させたり,繰り返し使用することで当該文法事項の規則性や構造などについて気付きを促したりするなど,言語活動と効果的に関連付けて指導するこ...
(ウ) 用語や用法の区別などの指導が中心とならないよう配慮し,実際に活用できるようにするとともに,語順や修飾関係などにおける日本語との違いに留意して指導すること。
オ 辞書の使い方に慣れ,活用できるようにすること。
カ 身近で簡単な事柄について,友達に質問をしたり質問に答えたりする力を育成するため,ペア・ワーク,グループ・ワークなどの学習形態について適宜工夫すること。その際,他者とコミュニケーションを行うことに課題がある生徒については,個々の生徒の特性に応じて指導内容や指導方法を工夫すること。...
キ 生徒が身に付けるべき資質・能力や生徒の実態,教材の内容などに応じて,視聴覚教材やコンピュータ,情報通信ネットワーク,教育機器などを有効活用し,生徒の興味,関心をより高め,指導の効率化や言語活動の更なる充実を図るようにすること。
ク 各単元や各時間の指導に当たっては,コミュニケーションを行う目的,場面,状況などを明確に設定し,言語活動を通して育成すべき資質・能力を明確に示すことにより,生徒が学習の見通しを立てたり,振り返ったりすることができるようにすること。
(3) 教材については,次の事項に留意するものとする。
ア 教材は,聞くこと,読むこと,話すこと[やり取り],話すこと[発表],書くことなどのコミュニケーションを図る資質・能力を総合的に育成するため,1に示す五つの領域別の目標と2に示す内容との関係について,単元など内容や時間のまとまりごとに各教材の中で明確に示すとともに,実際の言語の使...
イ 英語を使用している人々を中心とする世界の人々や日本人の日常生活,風俗習慣,物語,地理,歴史,伝統文化,自然科学などに関するものの中から,生徒の発達の段階や興味・関心に即して適切な題材を効果的に取り上げるものとし,次の観点に配慮すること。
(ア) 多様な考え方に対する理解を深めさせ,公正な判断力を養い豊かな心情を育てるのに役立つこと。
(イ) 我が国の文化や,英語の背景にある文化に対する関心を高め,理解を深めようとする態度を養うのに役立つこと。
(ウ) 広い視野から国際理解を深め,国際社会と向き合うことが求められている我が国の一員としての自覚を高めるとともに,国際協調の精神を養うのに役立つこと。
その他の外国語
その他の外国語については,英語の1に示す五つの領域別の目標,2に示す内容及び3に示す指導計画の作成と内容の取扱いに準じて指導を行うものとする。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 外国語科においては,英語を履修させることを原則とすること。
2 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,外国語科の特質に応じて適切な指導をすること。
第3章 特別の教科 道徳
第1 目標 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため,道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を広い視野から多面的・多角的に考え,人間としての生き方についての考えを深める学習を通して,道徳的な判断力,心情,...
第2 内容 学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の要である道徳科においては,以下に示す項目について扱う。
A 主として自分自身に関すること
[自主,自律,自由と責任]
自律の精神を重んじ,自主的に考え,判断し,誠実に実行してその結果に責任をもつこと。
[節度,節制]
望ましい生活習慣を身に付け,心身の健康の増進を図り,節度を守り節制に心掛け,安全で調和のある生活をすること。
[向上心,個性の伸長]
自己を見つめ,自己の向上を図るとともに,個性を伸ばして充実した生き方を追求すること。
[希望と勇気,克己と強い意志]
より高い目標を設定し,その達成を目指し,希望と勇気をもち,困難や失敗を乗り越えて着実にやり遂げること。
[真理の探究,創造]
真実を大切にし,真理を探究して新しいものを生み出そうと努めること。
B 主として人との関わりに関すること
[思いやり,感謝]
思いやりの心をもって人と接するとともに,家族などの支えや多くの人々の善意により日々の生活や現在の自分があることに感謝し,進んでそれに応え,人間愛の精神を深めること。
[礼儀]
礼儀の意義を理解し,時と場に応じた適切な言動をとること。
[友情,信頼]
友情の尊さを理解して心から信頼できる友達をもち,互いに励まし合い,高め合うとともに,異性についての理解を深め,悩みや葛藤も経験しながら人間関係を深めていくこと。
[相互理解,寛容]
自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,それぞれの個性や立場を尊重し,いろいろなものの見方や考え方があることを理解し,寛容の心をもって謙虚に他に学び,自らを高めていくこと。
C 主として集団や社会との関わりに関すること
[遵法精神,公徳心]
法やきまりの意義を理解し,それらを進んで守るとともに,そのよりよい在り方について考え,自他の権利を大切にし,義務を果たして,規律ある安定した社会の実現に努めること。
[公正,公平,社会正義]
正義と公正さを重んじ,誰に対しても公平に接し,差別や偏見のない社会の実現に努めること。
[社会参画,公共の精神]
社会参画の意識と社会連帯の自覚を高め,公共の精神をもってよりよい社会の実現に努めること。
[勤労]
勤労の尊さや意義を理解し,将来の生き方について考えを深め,勤労を通じて社会に貢献すること。
[家族愛,家庭生活の充実]
父母,祖父母を敬愛し,家族の一員としての自覚をもって充実した家庭生活を築くこと。
[よりよい学校生活,集団生活の充実]
教師や学校の人々を敬愛し,学級や学校の一員としての自覚をもち,協力し合ってよりよい校風をつくるとともに,様々な集団の意義や集団の中での自分の役割と責任を自覚して集団生活の充実に努めること。
[郷土の伝統と文化の尊重,郷土を愛する態度]
郷土の伝統と文化を大切にし,社会に尽くした先人や高齢者に尊敬の念を深め,地域社会の一員としての自覚をもって郷土を愛し,進んで郷土の発展に努めること。
[我が国の伝統と文化の尊重,国を愛する態度]
優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献するとともに,日本人としての自覚をもって国を愛し,国家及び社会の形成者として,その発展に努めること。
[国際理解,国際貢献]
世界の中の日本人としての自覚をもち,他国を尊重し,国際的視野に立って,世界の平和と人類の発展に寄与すること。
D 主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること
[生命の尊さ]
生命の尊さについて,その連続性や有限性なども含めて理解し,かけがえのない生命を尊重すること。
[自然愛護]
自然の崇高さを知り,自然環境を大切にすることの意義を理解し,進んで自然の愛護に努めること。
[感動,畏敬の念]
美しいものや気高いものに感動する心をもち,人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深めること。
[よりよく生きる喜び]
人間には自らの弱さや醜さを克服する強さや気高く生きようとする心があることを理解し,人間として生きることに喜びを見いだすこと。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 各学校においては,道徳教育の全体計画に基づき,各教科,総合的な学習の時間及び特別活動との関連を考慮しながら,道徳科の年間指導計画を作成するものとする。なお,作成に当たっては,第2に示す内容項目について,各学年において全て取り上げることとする。その際,生徒や学校の実態に応じ,3学...
2 第2の内容の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 学級担任の教師が行うことを原則とするが,校長や教頭などの参加,他の教師との協力的な指導などについて工夫し,道徳教育推進教師を中心とした指導体制を充実すること。
(2) 道徳科が学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の要としての役割を果たすことができるよう,計画的・発展的な指導を行うこと。特に,各教科,総合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育としては取り扱う機会が十分でない内容項目に関わる指導を補うことや,生徒や学校の実態等を踏まえて...
(3) 生徒が自ら道徳性を養う中で,自らを振り返って成長を実感したり,これからの課題や目標を見付けたりすることができるよう工夫すること。その際,道徳性を養うことの意義について,生徒自らが考え,理解し,主体的に学習に取り組むことができるようにすること。また,発達の段階を考慮し,人間と...
(4) 生徒が多様な感じ方や考え方に接する中で,考えを深め,判断し,表現する力などを育むことができるよう,自分の考えを基に討論したり書いたりするなどの言語活動を充実すること。その際,様々な価値観について多面的・多角的な視点から振り返って考える機会を設けるとともに,生徒が多様な見方や...
(5) 生徒の発達の段階や特性等を考慮し,指導のねらいに即して,問題解決的な学習,道徳的行為に関する体験的な学習等を適切に取り入れるなど,指導方法を工夫すること。その際,それらの活動を通じて学んだ内容の意義などについて考えることができるようにすること。また,特別活動等における多様な...
(6) 生徒の発達の段階や特性等を考慮し,第2に示す内容との関連を踏まえつつ,情報モラルに関する指導を充実すること。また,例えば,科学技術の発展と生命倫理との関係や社会の持続可能な発展などの現代的な課題の取扱いにも留意し,身近な社会的課題を自分との関係において考え,その解決に向けて...
(7) 道徳科の授業を公開したり,授業の実施や地域教材の開発や活用などに家庭や地域の人々,各分野の専門家等の積極的な参加や協力を得たりするなど,家庭や地域社会との共通理解を深め,相互の連携を図ること。
3 教材については,次の事項に留意するものとする。
(1) 生徒の発達の段階や特性,地域の実情等を考慮し,多様な教材の活用に努めること。特に,生命の尊厳,社会参画,自然,伝統と文化,先人の伝記,スポーツ,情報化への対応等の現代的な課題などを題材とし,生徒が問題意識をもって多面的・多角的に考えたり,感動を覚えたりするような充実した教材...
(2) 教材については,教育基本法や学校教育法その他の法令に従い,次の観点に照らし適切と判断されるものであること。
ア 生徒の発達の段階に即し,ねらいを達成するのにふさわしいものであること。
イ 人間尊重の精神にかなうものであって,悩みや葛藤等の心の揺れ,人間関係の理解等の課題も含め,生徒が深く考えることができ,人間としてよりよく生きる喜びや勇気を与えられるものであること。
ウ 多様な見方や考え方のできる事柄を取り扱う場合には,特定の見方や考え方に偏った取扱いがなされていないものであること。
4 生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し,指導に生かすよう努める必要がある。ただし,数値などによる評価は行わないものとする。
第4章 総合的な学習の時間
第1 目標 探究的な見方・考え方を働かせ,横断的・総合的な学習を行うことを通して,よりよく課題を解決し,自己の生き方を考えていくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 探究的な学習の過程において,課題の解決に必要な知識及び技能を身に付け,課題に関わる概念を形成し,探究的な学習のよさを理解するようにする。
(2) 実社会や実生活の中から問いを見いだし,自分で課題を立て,情報を集め,整理・分析して,まとめ・表現することができるようにする。
(3) 探究的な学習に主体的・協働的に取り組むとともに,互いのよさを生かしながら,積極的に社会に参画しようとする態度を養う。
第2 各学校において定める目標及び内容
1 目標 各学校においては,第1の目標を踏まえ,各学校の総合的な学習の時間の目標を定める。
2 内容 各学校においては,第1の目標を踏まえ,各学校の総合的な学習の時間の内容を定める。
3 各学校において定める目標及び内容の取扱い 各学校において定める目標及び内容の設定に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各学校において定める目標については,各学校における教育目標を踏まえ,総合的な学習の時間を通して育成を目指す資質・能力を示すこと。
(2) 各学校において定める目標及び内容については,他教科等の目標及び内容との違いに留意しつつ,他教科等で育成を目指す資質・能力との関連を重視すること。
(3) 各学校において定める目標及び内容については,日常生活や社会との関わりを重視すること。
(4) 各学校において定める内容については,目標を実現するにふさわしい探究課題,探究課題の解決を通して育成を目指す具体的な資質・能力を示すこと。
(5) 目標を実現するにふさわしい探究課題については,学校の実態に応じて,例えば,国際理解,情報,環境,福祉・健康などの現代的な諸課題に対応する横断的・総合的な課題,地域や学校の特色に応じた課題,生徒の興味・関心に基づく課題,職業や自己の将来に関する課題などを踏まえて設定すること。...
(6) 探究課題の解決を通して育成を目指す具体的な資質・能力については,次の事項に配慮すること。
ア 知識及び技能については,他教科等及び総合的な学習の時間で習得する知識及び技能が相互に関連付けられ,社会の中で生きて働くものとして形成されるようにすること。
イ 思考力,判断力,表現力等については,課題の設定,情報の収集,整理・分析,まとめ・表現などの探究的な学習の過程において発揮され,未知の状況において活用できるものとして身に付けられるようにすること。
ウ 学びに向かう力,人間性等については,自分自身に関すること及び他者や社会との関わりに関することの両方の視点を踏まえること。
(7) 目標を実現するにふさわしい探究課題及び探究課題の解決を通して育成を目指す具体的な資質・能力については,教科等を越えた全ての学習の基盤となる資質・能力が育まれ,活用されるものとなるよう配慮すること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い 
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 年間や,単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,生徒や学校,地域の実態等に応じて,生徒が探究的な見方・考え方を働かせ,教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習や生徒の興味・...
(2) 全体計画及び年間指導計画の作成に当たっては,学校における全教育活動との関連の下に,目標及び内容,学習活動,指導方法や指導体制,学習の評価の計画などを示すこと。その際,小学校における総合的な学習の時間の取組を踏まえること。
(3) 他教科等及び総合的な学習の時間で身に付けた資質・能力を相互に関連付け,学習や生活において生かし,それらが総合的に働くようにすること。その際,言語能力,情報活用能力など全ての学習の基盤となる資質・能力を重視すること。
(4) 他教科等の目標及び内容との違いに留意しつつ,第1の目標並びに第2の各学校において定める目標及び内容を踏まえた適切な学習活動を行うこと。
(5) 各学校における総合的な学習の時間の名称については,各学校において適切に定めること。
(6) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
(7) 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,総合的な学習の時間の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学校において定める目標及び内容に基づき,生徒の学習状況に応じて教師が適切な指導を行うこと。
(2) 探究的な学習の過程においては,他者と協働して課題を解決しようとする学習活動や,言語により分析し,まとめたり表現したりするなどの学習活動が行われるようにすること。その際,例えば,比較する,分類する,関連付けるなどの考えるための技法が活用されるようにすること。
(3) 探究的な学習の過程においては,コンピュータや情報通信ネットワークなどを適切かつ効果的に活用して,情報を収集・整理・発信するなどの学習活動が行われるよう工夫すること。その際,情報や情報手段を主体的に選択し活用できるよう配慮すること。
(4) 自然体験や職場体験活動,ボランティア活動などの社会体験,ものづくり,生産活動などの体験活動,観察・実験,見学や調査,発表や討論などの学習活動を積極的に取り入れること。
(5) 体験活動については,第1の目標並びに第2の各学校において定める目標及び内容を踏まえ,探究的な学習の過程に適切に位置付けること。
(6) グループ学習や異年齢集団による学習などの多様な学習形態,地域の人々の協力も得つつ,全教師が一体となって指導に当たるなどの指導体制について工夫を行うこと。
(7) 学校図書館の活用,他の学校との連携,公民館,図書館,博物館等の社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携,地域の教材や学習環境の積極的な活用などの工夫を行うこと。
(8) 職業や自己の将来に関する学習を行う際には,探究的な学習に取り組むことを通して,自己を理解し,将来の生き方を考えるなどの学習活動が行われるようにすること。
第5章 特別活動     
第1 目標 集団や社会の形成者としての見方・考え方を働かせ,様々な集団活動に自主的,実践的に取り組み,互いのよさや可能性を発揮しながら集団や自己の生活上の課題を解決することを通して,次のとおり資質・能力を育成することを目指す。
(1) 多様な他者と協働する様々な集団活動の意義や活動を行う上で必要となることについて理解し,行動の仕方を身に付けるようにする。
(2) 集団や自己の生活,人間関係の課題を見いだし,解決するために話し合い,合意形成を図ったり,意思決定したりすることができるようにする。
(3) 自主的,実践的な集団活動を通して身に付けたことを生かして,集団や社会における生活及び人間関係をよりよく形成するとともに,人間としての生き方についての考えを深め,自己実現を図ろうとする態度を養う。
第2 各活動・学校行事の目標及び内容
〔学級活動〕
1 目標 学級や学校での生活をよりよくするための課題を見いだし,解決するために話し合い,合意形成し,役割を分担して協力して実践したり,学級での話合いを生かして自己の課題の解決及び将来の生き方を描くために意思決定して実践したりすることに,自主的,実践的に取り組むことを通して,第1の目...
2 内容 1の資質・能力を育成するため,全ての学年において,次の各活動を通して,それぞれの活動の意義及び活動を行う上で必要となることについて理解し,主体的に考えて実践できるよう指導する。
(1) 学級や学校における生活づくりへの参画
ア 学級や学校における生活上の諸問題の解決 学級や学校における生活をよりよくするための課題を見いだし,解決するために話し合い,合意形成を図り,実践すること。
イ 学級内の組織づくりや役割の自覚 学級生活の充実や向上のため,生徒が主体的に組織をつくり,役割を自覚しながら仕事を分担して,協力し合い実践すること。
ウ 学校における多様な集団の生活の向上 生徒会など学級の枠を超えた多様な集団における活動や学校行事を通して学校生活の向上を図るため,学級としての提案や取組を話し合って決めること。
(2) 日常の生活や学習への適応と自己の成長及び健康安全
ア 自他の個性の理解と尊重,よりよい人間関係の形成 自他の個性を理解して尊重し,互いのよさや可能性を発揮しながらよりよい集団生活をつくること。
イ 男女相互の理解と協力 男女相互について理解するとともに,共に協力し尊重し合い,充実した生活づくりに参画すること。
ウ 思春期の不安や悩みの解決,性的な発達への対応 心や体に関する正しい理解を基に,適切な行動をとり,悩みや不安に向き合い乗り越えようとすること。
エ 心身ともに健康で安全な生活態度や習慣の形成 節度ある生活を送るなど現在及び生涯にわたって心身の健康を保持増進することや,事件や事故,災害等から身を守り安全に行動すること。
オ 食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成 給食の時間を中心としながら,成長や健康管理を意識するなど,望ましい食習慣の形成を図るとともに,食事を通して人間関係をよりよくすること。
(3) 一人一人のキャリア形成と自己実現
ア 社会生活,職業生活との接続を踏まえた主体的な学習態度の形成と学校図書館等の活用 現在及び将来の学習と自己実現とのつながりを考えたり,自主的に学習する場としての学校図書館等を活用したりしながら,学ぶことと働くことの意義を意識して学習の見通しを立て,振り返ること。
イ 社会参画意識の醸成や勤労観・職業観の形成 社会の一員としての自覚や責任を持ち,社会生活を営む上で必要なマナーやルール,働くことや社会に貢献することについて考えて行動すること。
ウ 主体的な進路の選択と将来設計 目標をもって,生き方や進路に関する適切な情報を収集・整理し,自己の個性や興味・関心と照らして考えること。
3 内容の取扱い
(1) 2の(1)の指導に当たっては,集団としての意見をまとめる話合い活動など小学校からの積み重ねや経験を生かし,それらを発展させることができるよう工夫すること。
(2) 2の(3)の指導に当たっては,学校,家庭及び地域における学習や生活の見通しを立て,学んだことを振り返りながら,新たな学習や生活への意欲につなげたり,将来の生き方を考えたりする活動を行うこと。その際,生徒が活動を記録し蓄積する教材等を活用すること。
〔生徒会活動〕
1 目標 異年齢の生徒同士で協力し,学校生活の充実と向上を図るための諸問題の解決に向けて,計画を立て役割を分担し,協力して運営することに自主的,実践的に取り組むことを通して,第1の目標に掲げる資質・能力を育成することを目指す。
2 内容 1の資質・能力を育成するため,学校の全生徒をもって組織する生徒会において,次の各活動を通して,それぞれの活動の意義及び活動を行う上で必要となることについて理解し,主体的に考えて実践できるよう指導する。
(1) 生徒会の組織づくりと生徒会活動の計画や運営 生徒が主体的に組織をつくり,役割を分担し,計画を立て,学校生活の課題を見いだし解決するために話し合い,合意形成を図り実践すること。
(2) 学校行事への協力 学校行事の特質に応じて,生徒会の組織を活用して,計画の一部を担当したり,運営に主体的に協力したりすること。
(3) ボランティア活動などの社会参画 地域や社会の課題を見いだし,具体的な対策を考え,実践し,地域や社会に参画できるようにすること。
〔学校行事〕
1 目標 全校又は学年の生徒で協力し,よりよい学校生活を築くための体験的な活動を通して,集団への所属感や連帯感を深め,公共の精神を養いながら,第1の目標に掲げる資質・能力を育成することを目指す。
2 内容 1の資質・能力を育成するため,全ての学年において,全校又は学年を単位として,次の各行事において,学校生活に秩序と変化を与え,学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うことを通して,それぞれの学校行事の意義及び活動を行う上で必要となることについて理解し,主体的に考えて実...
(1) 儀式的行事 学校生活に有意義な変化や折り目を付け,厳粛で清新な気分を味わい,新しい生活の展開への動機付けとなるようにすること。
(2) 文化的行事 平素の学習活動の成果を発表し,自己の向上の意欲を一層高めたり,文化や芸術に親しんだりするようにすること。
(3) 健康安全・体育的行事 心身の健全な発達や健康の保持増進,事件や事故,災害等から身を守る安全な行動や規律ある集団行動の体得,運動に親しむ態度の育成,責任感や連帯感の涵《かん》養,体力の向上などに資するようにすること。
(4) 旅行・集団宿泊的行事 平素と異なる生活環境にあって,見聞を広め,自然や文化などに親しむとともに,よりよい人間関係を築くなどの集団生活の在り方や公衆道徳などについての体験を積むことができるようにすること。
(5) 勤労生産・奉仕的行事 勤労の尊さや生産の喜びを体得し,職場体験活動などの勤労観・職業観に関わる啓発的な体験が得られるようにするとともに,共に助け合って生きることの喜びを体得し,ボランティア活動などの社会奉仕の精神を養う体験が得られるようにすること。
3 内容の取扱い
(1) 生徒や学校,生徒の実態に応じて,2に示す行事の種類ごとに,行事及びその内容を重点化するとともに,各行事の趣旨を生かした上で,行事間の関連や統合を図るなど精選して実施すること。また,実施に当たっては,自然体験や社会体験などの体験活動を充実するとともに,体験活動を通して気付いた...
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 特別活動の各活動及び学校行事を見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,よりよい人間関係の形成,よりよい集団生活の構築や社会への参画及び自己実現に資するよう,生徒が集団や社会の形成者としての見方・考え方...
(2) 各学校においては特別活動の全体計画や各活動及び学校行事の年間指導計画を作成すること。その際,学校の創意工夫を生かし,学級や学校,地域の実態,生徒の発達の段階などを考慮するとともに,第2に示す内容相互及び各教科,道徳科,総合的な学習の時間などの指導との関連を図り,生徒による自...
(3) 学級活動における生徒の自発的,自治的な活動を中心として,各活動と学校行事を相互に関連付けながら,個々の生徒についての理解を深め,教師と生徒,生徒相互の信頼関係を育み,学級経営の充実を図ること。その際,特に,いじめの未然防止等を含めた生徒指導との関連を図るようにすること。
(4) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
(5) 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,特別活動の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 学級活動及び生徒会活動の指導については,指導内容の特質に応じて,教師の適切な指導の下に,生徒の自発的,自治的な活動が効果的に展開されるようにすること。その際,よりよい生活を築くために自分たちできまりをつくって守る活動などを充実するよう工夫すること。
(2) 生徒及び学校の実態並びに第1章総則の第6の2に示す道徳教育の重点などを踏まえ,各学年において取り上げる指導内容の重点化を図るとともに,必要に応じて,内容間の関連や統合を図ったり,他の内容を加えたりすることができること。
(3) 学校生活への適応や人間関係の形成,進路の選択などについては,主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと,個々の生徒の多様な実態を踏まえ,一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリング(教育相談を含む。)の双方の趣旨を踏まえて指導を行うこと。特に入学当初...
(4) 異年齢集団による交流を重視するとともに,幼児,高齢者,障害のある人々などとの交流や対話,障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を通して,協働することや,他者の役に立ったり社会に貢献したりすることの喜びを得られる活動を充実すること。
3 入学式や卒業式などにおいては,その意義を踏まえ,国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよう指導するものとする。
第1章 総則
第1 教育課程編成の一般方針
1 各学校においては,教育基本法及び学校教育法その他の法令並びにこの章以下に示すところに従い,生徒の人間として調和のとれた育成を目指し,地域や学校の実態及び生徒の心身の発達の段階や特性等を十分考慮して,適切な教育課程を編成するものとし,これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うもの...
2 学校における道徳教育は,特別の教科である道徳(以下「道徳科」という。)を要として学校の教育活動全体を通じて行うものであり,道徳科はもとより,各教科,総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて,生徒の発達の段階を考慮して,適切な指導を行わなければならない。  道徳教育...
3 学校における体育・健康に関する指導は,生徒の発達の段階を考慮して,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,学校における食育の推進並びに体力の向上に関する指導,安全に関する指導及び心身の健康の保持増進に関する指導については,保健体育科の時間はもとより,技術・家庭科,...
第2 内容等の取扱いに関する共通的事項
1 第2章以下に示す各教科,道徳科及び特別活動の内容に関する事項は,特に示す場合を除き,いずれの学校においても取り扱わなければならない。
2 学校において特に必要がある場合には,第2章以下に示していない内容を加えて指導することができる。また,第2章以下に示す内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,全ての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において特に必要がある場合には,こ...
3 第2章以下に示す各教科,道徳科及び特別活動並びに各学年,各分野又は各言語の内容に掲げる事項の順序は,特に示す場合を除き,指導の順序を示すものではないので,学校においては,その取扱いについて適切な工夫を加えるものとする。
4 学校において2以上の学年の生徒で編制する学級について特に必要がある場合には,各教科の目標の達成に支障のない範囲内で,各教科の目標及び内容について学年別の順序によらないことができる。
5 各学校においては,選択教科を開設し,生徒に履修させることができる。その場合にあっては,地域や学校,生徒の実態を考慮し,すべての生徒に指導すべき内容との関連を図りつつ,選択教科の授業時数及び内容を適切に定め選択教科の指導計画を作成するものとする。
6 選択教科の内容については,課題学習,補充的な学習や発展的な学習など,生徒の特性等に応じた多様な学習活動が行えるよう各学校において適切に定めるものとする。その際,生徒の負担過重となることのないようにしなければならない。
7 各学校においては,第2章に示す各教科を選択教科として設けることができるほか,地域や学校,生徒の実態を考慮して,特に必要がある場合には,その他特に必要な教科を選択教科として設けることができる。その他特に必要な教科の名称,目標,内容などについては,各学校が適切に定めるものとする。
8 道徳科を要として学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の内容は,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容とする。
第3 授業時数等の取扱い
1 各教科,道徳科,総合的な学習の時間及び特別活動(以下「各教科等」 という。ただし,1及び3において,特別活動については学級活動(学校給食に係るものを除く。)に限る。)の授業は,年間35週以上にわたって行うよう計画し,週当たりの授業時数が生徒の負担過重にならないようにするものとす...
2 特別活動の授業のうち,生徒会活動及び学校行事については,それらの内容に応じ,年間,学期ごと,月ごとなどに適切な授業時数を充てるものとする。
3 各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教科等の年間授業時数を確保しつつ,生徒の発達の段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮して適切に定めるものとする。なお,10分間程度の短い時間を単位として特定の教科の指導を行う場合において,当該教科を担当する教師がその指導...
4 各学校においては,地域や学校及び生徒の実態,各教科等や学習活動の特質等に応じて,創意工夫を生かし時間割を弾力的に編成することができる。
5 総合的な学習の時間における学習活動により,特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては,総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる。
第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項
1 各学校においては,次の事項に配慮しながら,学校の創意工夫を生かし,全体として,調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。
(1) 各教科等及び各学年相互間の関連を図り,系統的,発展的な指導ができるようにすること。
(2) 各教科の各学年,各分野又は各言語の指導内容については,そのまとめ方や重点の置き方に適切な工夫を加えるなど,効果的な指導ができるようにすること。
2 各教科等の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各教科等の指導に当たっては,生徒の思考力,判断力,表現力等をはぐくむ観点から,基礎的・基本的な知識及び技能の活用を図る学習活動を重視するとともに,言語に対する関心や理解を深め,言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語環境を整え,生徒の言語活動を充実すること。
(2) 各教科等の指導に当たっては,体験的な学習や基礎的・基本的な知識及び技能を活用した問題解決的な学習を重視するとともに,生徒の興味・関心を生かし,自主的,自発的な学習が促されるよう工夫すること。
(3) 教師と生徒の信頼関係及び生徒相互の好ましい人間関係を育てるとともに生徒理解を深め,生徒が自主的に判断,行動し積極的に自己を生かしていくことができるよう,生徒指導の充実を図ること。
(4) 生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう,学校の教育活動全体を通じ,計画的,組織的な進路指導を行うこと。
(5) 生徒が学校や学級での生活によりよく適応するとともに,現在及び将来の生き方を考え行動する態度や能力を育成することができるよう,学校の教育活動全体を通じ,ガイダンスの機能の充実を図ること。
(6) 各教科等の指導に当たっては,生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れるようにすること。
(7) 各教科等の指導に当たっては,生徒が学習内容を確実に身に付けることができるよう,学校や生徒の実態に応じ,個別指導やグループ別指導,繰り返し指導,学習内容の習熟の程度に応じた指導,生徒の興味・関心等に応じた課題学習,補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れた指導,教師...
(8) 障害のある生徒などについては,特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ,例えば指導についての計画又は家庭や医療,福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより,個々の生徒の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行う...
(9) 海外から帰国した生徒などについては,学校生活への適応を図るとともに,外国における生活経験を生かすなどの適切な指導を行うこと。
(10) 各教科等の指導に当たっては,生徒が情報モラルを身に付け,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を適切かつ主体的,積極的に活用できるようにするための学習活動を充実するとともに,これらの情報手段に加え視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。
(11) 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,生徒の主体的,意欲的な学習活動や読書活動を充実すること。
(12) 生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価するとともに,指導の過程や成果を評価し,指導の改善を行い学習意欲の向上に生かすようにすること。
(13) 生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツや文化及び科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵《かん》養等に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際,地域や学校の実態に応じ,地域の人々の協...
(14) 学校がその目的を達成するため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,中学校間や小学校,高等学校及び特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習や高齢者などとの交流...
3 道徳教育を進めるに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各学校においては,第1の2に示す道徳教育の目標を踏まえ,道徳教育の全体計画を作成し,校長の方針の下に,道徳教育の推進を主に担当する教師(以下「道徳教育推進教師」 という。)を中心に,全教師が協力して道徳教育を展開すること。 なお, 道徳教育の全体計画の作成に当たっては,生徒...
(2) 各学校においては,生徒の発達の段階や特性等を踏まえ,指導内容の重点化を図ること。その際,小学校における道徳教育の指導内容を更に発展させ,自立心や自律性を高め,規律ある生活をすること,生命を尊重する心や自らの弱さを克服して気高く生きようとする心を育てること,法やきまりの意義に...
(3) 学校や学級内の人間関係や環境を整えるとともに,職場体験活動やボランティア活動,自然体験活動,地域の行事への参加などの豊かな体験を充実すること。また,道徳教育の指導内容が,生徒の日常生活に生かされるようにすること。その際,いじめの防止や安全の確保等にも資することとなるよう留意...
(4) 学校の道徳教育の全体計画や道徳教育に関する諸活動などの情報を積極的に公表したり,道徳教育の充実のために家庭や地域の人々の積極的な参加や協力を得たりするなど,家庭や地域社会との共通理解を深め,相互の連携を図ること。
第2章 各教科
第1節 国語
第1 目標  国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし,国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年〕
1 目標
(1) 目的や場面に応じ,日常生活にかかわることなどについて構成を工夫して話す能力,話し手の意図を考えながら聞く能力,話題や方向をとらえて話し合う能力を身に付けさせるとともに,話したり聞いたりして考えをまとめようとする態度を育てる。
(2) 目的や意図に応じ,日常生活にかかわることなどについて,構成を考えて的確に書く能力を身に付けさせるとともに,進んで文章を書いて考えをまとめようとする態度を育てる。
(3) 目的や意図に応じ,様々な本や文章などを読み,内容や要旨を的確にとらえる能力を身に付けさせるとともに,読書を通してものの見方や考え方を広げようとする態度を育てる。
2 内容
A 話すこと・聞くこと
(1) 話すこと・聞くことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
ア 日常生活の中から話題を決め,話したり話し合ったりするための材料を人との交流を通して集め整理すること。
イ 全体と部分,事実と意見との関係に注意して話を構成し,相手の反応を踏まえながら話すこと。
ウ 話す速度や音量,言葉の調子や間の取り方,相手に分かりやすい語句の選択,相手や場に応じた言葉遣いなどについての知識を生かして話すこと。
エ 必要に応じて質問しながら聞き取り,自分の考えとの共通点や相違点を整理すること。
オ 話合いの話題や方向をとらえて的確に話したり,相手の発言を注意して聞いたりして,自分の考えをまとめること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 日常生活の中の話題について報告や紹介をしたり,それらを聞いて質問や助言をしたりすること。
イ 日常生活の中の話題について対話や討論などを行うこと。
B 書くこと
(1) 書くことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
ア 日常生活の中から課題を決め,材料を集めながら自分の考えをまとめること。
イ 集めた材料を分類するなどして整理するとともに,段落の役割を考えて文章を構成すること。
ウ 伝えたい事実や事柄について,自分の考えや気持ちを根拠を明確にして書くこと。
エ 書いた文章を読み返し,表記や語句の用法,叙述の仕方などを確かめて,読みやすく分かりやすい文章にすること。
オ 書いた文章を互いに読み合い,題材のとらえ方や材料の用い方,根拠の明確さなどについて意見を述べたり,自分の表現の参考にしたりすること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 関心のある芸術的な作品などについて,鑑賞したことを文章に書くこと。
イ 図表などを用いた説明や記録の文章を書くこと。
ウ 行事等の案内や報告をする文章を書くこと。
C 読むこと
(1) 読むことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
ア 文脈の中における語句の意味を的確にとらえ,理解すること。
イ 文章の中心的な部分と付加的な部分,事実と意見などとを読み分け,目的や必要に応じて要約したり要旨をとらえたりすること。
ウ 場面の展開や登場人物などの描写に注意して読み,内容の理解に役立てること。
エ 文章の構成や展開,表現の特徴について,自分の考えをもつこと。
オ 文章に表れているものの見方や考え方をとらえ,自分のものの見方や考え方を広くすること。
カ 本や文章などから必要な情報を集めるための方法を身に付け,目的に応じて必要な情報を読み取ること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 様々な種類の文章を音読したり朗読したりすること。
イ 文章と図表などとの関連を考えながら,説明や記録の文章を読むこと。
ウ 課題に沿って本を読み,必要に応じて引用して紹介すること。
〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕
(1) 「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」の指導を通して,次の事項について指導する。
ア 伝統的な言語文化に関する事項
(ア) 文語のきまりや訓読の仕方を知り,古文や漢文を音読して,古典特有のリズムを味わいながら,古典の世界に触れること。
(イ) 古典には様々な種類の作品があることを知ること。
イ 言葉の特徴やきまりに関する事項
(ア) 音声の働きや仕組みについて関心をもち,理解を深めること。
(イ) 語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意し,語感を磨くこと。
(ウ) 事象や行為などを表す多様な語句について理解を深めるとともに,話や文章の中の語彙《い》について関心をもつこと。
(エ) 単語の類別について理解し,指示語や接続詞及びこれらと同じような働きをもつ語句などに注意すること。
(オ) 比喩《ゆ》や反復などの表現の技法について理解すること。
ウ 漢字に関する事項
(ア) 小学校学習指導要領第2章第1節国語の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)に示されている漢字に加え,その他の常用漢字のうち300字程度から400字程度までの漢字を読むこと。
(イ) 学年別漢字配当表の漢字のうち900字程度の漢字を書き,文や文章の中で使うこと。
(2) 書写に関する次の事項について指導する。
ア 字形を整え,文字の大きさ,配列などについて理解して,楷《かい》書で書くこと。
イ 漢字の行書の基礎的な書き方を理解して書くこと。
〔第2学年〕
1 目標
(1) 目的や場面に応じ,社会生活にかかわることなどについて立場や考えの違いを踏まえて話す能力,考えを比べながら聞く能力,相手の立場を尊重して話し合う能力を身に付けさせるとともに,話したり聞いたりして考えを広げようとする態度を育てる。
(2) 目的や意図に応じ,社会生活にかかわることなどについて,構成を工夫して分かりやすく書く能力を身に付けさせるとともに,文章を書いて考えを広げようとする態度を育てる。
(3) 目的や意図に応じ,文章の内容や表現の仕方に注意して読む能力,広い範囲から情報を集め効果的に活用する能力を身に付けさせるとともに,読書を生活に役立てようとする態度を育てる。
2 内容
A 話すこと・聞くこと
(1) 話すこと・聞くことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
ア 社会生活の中から話題を決め,話したり話し合ったりするための材料を多様な方法で集め整理すること。
イ 異なる立場や考えを想定して自分の考えをまとめ,話の中心的な部分と付加的な部分などに注意し,論理的な構成や展開を考えて話すこと。
ウ 目的や状況に応じて,資料や機器などを効果的に活用して話すこと。
エ 話の論理的な構成や展開などに注意して聞き,自分の考えと比較すること。
オ 相手の立場や考えを尊重し,目的に沿って話し合い,互いの発言を検討して自分の考えを広げること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 調べて分かったことや考えたことなどに基づいて説明や発表をしたり,それらを聞いて意見を述べたりすること。
イ 社会生活の中の話題について,司会や提案者などを立てて討論を行うこと。
B 書くこと
(1) 書くことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
ア 社会生活の中から課題を決め,多様な方法で材料を集めながら自分の考えをまとめること。
イ 自分の立場及び伝えたい事実や事柄を明確にして,文章の構成を工夫すること。
ウ 事実や事柄,意見や心情が相手に効果的に伝わるように,説明や具体例を加えたり,描写を工夫したりして書くこと。
エ 書いた文章を読み返し,語句や文の使い方,段落相互の関係などに注意して,読みやすく分かりやすい文章にすること。
オ 書いた文章を互いに読み合い,文章の構成や材料の活用の仕方などについて意見を述べたり助言をしたりして,自分の考えを広げること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 表現の仕方を工夫して,詩歌をつくったり物語などを書いたりすること。
イ 多様な考えができる事柄について,立場を決めて意見を述べる文章を書くこと。
ウ 社会生活に必要な手紙を書くこと。
C 読むこと
(1) 読むことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
ア 抽象的な概念を表す語句や心情を表す語句などに注意して読むこと。
イ 文章全体と部分との関係,例示や描写の効果,登場人物の言動の意味などを考え,内容の理解に役立てること。
ウ 文章の構成や展開,表現の仕方について,根拠を明確にして自分の考えをまとめること。
エ 文章に表れているものの見方や考え方について,知識や体験と関連付けて自分の考えをもつこと。
オ 多様な方法で選んだ本や文章などから適切な情報を得て,自分の考えをまとめること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 詩歌や物語などを読み,内容や表現の仕方について感想を交流すること。
イ 説明や評論などの文章を読み,内容や表現の仕方について自分の考えを述べること。
ウ 新聞やインターネット,学校図書館等の施設などを活用して得た情報を比較すること。
〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕
(1) 「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」の指導を通して,次の事項について指導する。
ア 伝統的な言語文化に関する事項
(ア) 作品の特徴を生かして朗読するなどして,古典の世界を楽しむこと。
(イ) 古典に表れたものの見方や考え方に触れ,登場人物や作者の思いなどを想像すること。
イ 言葉の特徴やきまりに関する事項
(ア) 話し言葉と書き言葉との違い,共通語と方言の果たす役割,敬語の働きなどについて理解すること。
(イ) 抽象的な概念を表す語句,類義語と対義語,同音異義語や多義的な意味を表す語句などについて理解し,語感を磨き語彙《い》を豊かにすること。
(ウ) 文の中の文の成分の順序や照応,文の構成などについて考えること。
(エ) 単語の活用について理解し,助詞や助動詞などの働きに注意すること。
(オ) 相手や目的に応じて,話や文章の形態や展開に違いがあることを理解すること。
ウ 漢字に関する事項
(ア) 第1学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字のうち350字程度から450字程度までの漢字を読むこと。
(イ) 学年別漢字配当表に示されている漢字を書き,文や文章の中で使うこと。                          
(2) 書写に関する次の事項について指導する。
ア 漢字の行書とそれに調和した仮名の書き方を理解して,読みやすく速く書くこと。
イ 目的や必要に応じて,楷《かい》書又は行書を選んで書くこと。
〔第3学年〕
1 目標
(1) 目的や場面に応じ,社会生活にかかわることなどについて相手や場に応じて話す能力,表現の工夫を評価して聞く能力,課題の解決に向けて話し合う能力を身に付けさせるとともに,話したり聞いたりして考えを深めようとする態度を育てる。
(2) 目的や意図に応じ,社会生活にかかわることなどについて,論理の展開を工夫して書く能力を身に付けさせるとともに,文章を書いて考えを深めようとする態度を育てる。
(3) 目的や意図に応じ,文章の展開や表現の仕方などを評価しながら読む能力を身に付けさせるとともに,読書を通して自己を向上させようとする態度を育てる。
2 内容
A 話すこと・聞くこと
(1) 話すこと・聞くことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
ア 社会生活の中から話題を決め,自分の経験や知識を整理して考えをまとめ,語句や文を効果的に使い,資料などを活用して説得力のある話をすること。
イ 場の状況や相手の様子に応じて話すとともに,敬語を適切に使うこと。
ウ 聞き取った内容や表現の仕方を評価して,自分のものの見方や考え方を深めたり,表現に生かしたりすること。
エ 話合いが効果的に展開するように進行の仕方を工夫し,課題の解決に向けて互いの考えを生かし合うこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 時間や場の条件に合わせてスピーチをしたり,それを聞いて自分の表現の参考にしたりすること。
イ 社会生活の中の話題について,相手を説得するために意見を述べ合うこと。
B 書くこと
(1) 書くことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
ア 社会生活の中から課題を決め,取材を繰り返しながら自分の考えを深めるとともに,文章の形態を選択して適切な構成を工夫すること。
イ 論理の展開を工夫し,資料を適切に引用するなどして,説得力のある文章を書くこと。
ウ 書いた文章を読み返し,文章全体を整えること。
エ 書いた文章を互いに読み合い,論理の展開の仕方や表現の仕方などについて評価して自分の表現に役立てるとともに,ものの見方や考え方を深めること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 関心のある事柄について批評する文章を書くこと。
イ 目的に応じて様々な文章などを集め,工夫して編集すること。
C 読むこと
(1) 読むことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
ア 文脈の中における語句の効果的な使い方など,表現上の工夫に注意して読むこと。
イ 文章の論理の展開の仕方,場面や登場人物の設定の仕方をとらえ,内容の理解に役立てること。
ウ 文章を読み比べるなどして,構成や展開,表現の仕方について評価すること。
エ 文章を読んで人間,社会,自然などについて考え,自分の意見をもつこと。
オ 目的に応じて本や文章などを読み,知識を広げたり,自分の考えを深めたりすること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 物語や小説などを読んで批評すること。
イ 論説や報道などに盛り込まれた情報を比較して読むこと。
ウ 自分の読書生活を振り返り,本の選び方や読み方について考えること。
〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕
(1) 「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」の指導を通して,次の事項について指導する。
ア 伝統的な言語文化に関する事項
(ア) 歴史的背景などに注意して古典を読み,その世界に親しむこと。
(イ) 古典の一節を引用するなどして,古典に関する簡単な文章を書くこと。
イ 言葉の特徴やきまりに関する事項
(ア) 時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いを理解するとともに,敬語を社会生活の中で適切に使うこと。
(イ) 慣用句・四字熟語などに関する知識を広げ,和語・漢語・外来語などの使い分けに注意し,語感を磨き語を豊かにすること。
ウ 漢字に関する事項
(ア) 第2学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字の大体を読むこと。
(イ) 学年別漢字配当表に示されている漢字について,文や文章の中で使い慣れること。
(2) 書写に関する次の事項について指導する。
ア 身の回りの多様な文字に関心をもち,効果的に文字を書くこと。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学年の内容の指導については,必要に応じて当該学年の前後の学年で取り上げることもできること。
(2) 第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」,「C読むこと」及び〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕について相互に密接な関連を図り,効果的に指導すること。その際,学校図書館などを計画的に利用しその機能の活用を図るようにすること。また,生徒が情報機器を...
(3) 第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」の指導に配当する授業時数は,第1学年及び第2学年では年間15~25単位時間程度,第3学年では年間10~20単位時間程度とすること。また,音声言語のための教材を積極的に活用するなどして,指導の効果を高めるよう工夫すること。
(4) 第2の各学年の内容の「B書くこと」の指導に配当する授業時数は,第1学年及び第2学年では年間30~40単位時間程度,第3学年では年間20~30単位時間程度とすること。
(5) 第2の各学年の内容の「C読むこと」に関する指導については,様々な文章を読んで,自分の表現に役立てられるようにすること。
(6) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,国語科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の各学年の内容の〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕については,次のとおり取り扱うものとする。
(1) 〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕の(1)に示す事項については,次のとおり取り扱うこと。
ア 知識をまとめて指導したり,繰り返して指導したりすることが必要なものについては,特にそれだけを取り上げて学習させることにも配慮すること。
イ 言葉の特徴やきまりに関する事項については,日常の言語活動を振り返り,言葉の特徴やきまりについて気付かせ,言語生活の向上に役立てることを重視すること。
(2) 〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕の(2)に示す事項については,次のとおり取り扱うこと。
ア 文字を正しく整えて速く書くことができるようにするとともに,書写の能力を学習や生活に役立てる態度を育てるよう配慮すること。
イ 硬筆及び毛筆を使用する書写の指導は各学年で行い,毛筆を使用する書写の指導は硬筆による書写の能力の基礎を養うようにすること。
ウ 書写の指導に配当する授業時数は,第1学年及び第2学年では年間20単位時間程度,第3学年では年間10単位時間程度とすること。
3 教材については,次の事項に留意するものとする。
(1) 教材は,話すこと・聞くことの能力,書くことの能力,読むことの能力などを偏りなく養うことや読書に親しむ態度の育成をねらいとし,生徒の発達の段階に即して適切な話題や題材を精選して調和的に取り上げること。また,第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読...
(2) 教材は,次のような観点に配慮して取り上げること。
ア 国語に対する認識を深め,国語を尊重する態度を育てるのに役立つこと。
イ 伝え合う力,思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにするのに役立つこと。
ウ 公正かつ適切に判断する能力や創造的精神を養うのに役立つこと。
エ 科学的,論理的な見方や考え方を養い,視野を広げるのに役立つこと。
オ 人生について考えを深め,豊かな人間性を養い,たくましく生きる意志を育てるのに役立つこと。
カ 人間,社会,自然などについての考えを深めるのに役立つこと。
キ 我が国の伝統と文化に対する関心や理解を深め,それらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。
ク 広い視野から国際理解を深め,日本人としての自覚をもち,国際協調の精神を養うのに役立つこと。
(3) 第2の各学年の内容の「C読むこと」の教材については,各学年で説明的な文章や文学的な文章などの文章形態を調和的に取り扱うこと。
(4) 我が国の言語文化に親しむことができるよう,近代以降の代表的な作家の作品を,いずれかの学年で取り上げること。
(5) 古典に関する教材については,古典の原文に加え,古典の現代語訳,古典について解説した文章などを取り上げること。
第2節 社会
第1 目標  広い視野に立って,社会に対する関心を高め,諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め,公民としての基礎的教養を培い,国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。
第2 各分野の目標及び内容
〔地理的分野〕
1 目標
(1) 日本や世界の地理的事象に対する関心を高め,広い視野に立って我が国の国土及び世界の諸地域の地域的特色を考察し理解させ,地理的な見方や考え方の基礎を培い,我が国の国土及び世界の諸地域に関する地理的認識を養う。
(2) 日本や世界の地域の諸事象を位置や空間的な広がりとのかかわりでとらえ,それを地域の規模に応じて環境条件や人間の営みなどと関連付けて考察し,地域的特色や地域の課題をとらえさせる。
(3) 大小様々な地域から成り立っている日本や世界の諸地域を比較し関連付けて考察し,それらの地域は相互に関係し合っていることや各地域の特色には地方的特殊性と一般的共通性があること,また,それらは諸条件の変化などに伴って変容していることを理解させる。
(4) 地域調査など具体的な活動を通して地理的事象に対する関心を高め,様々な資料を適切に選択,活用して地理的事象を多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力や態度を育てる。
2 内容
(1) 世界の様々な地域
ア 世界の地域構成  地球儀や世界地図を活用し,緯度と経度,大陸と海洋の分布,主な国々の名称と位置,地域区分などを取り上げ,世界の地域構成を大観させる。
イ 世界各地の人々の生活と環境  世界各地における人々の生活の様子とその変容について,自然及び社会的条件と関連付けて考察させ,世界の人々の生活や環境の多様性を理解させる。
ウ 世界の諸地域  世界の諸地域について,以下の(ア)から(カ)の各州に暮らす人々の生活の様子を的確に把握できる地理的事象を取り上げ,それを基に主題を設けて,それぞれの州の地域的特色を理解させる。
(ア) アジア
(イ) ヨーロッパ
(ウ) アフリカ
(エ) 北アメリカ
(オ) 南アメリカ
(カ) オセアニア
エ 世界の様々な地域の調査  世界の諸地域に暮らす人々の生活の様子を的確に把握できる地理的事象を取り上げ,様々な地域又は国の地域的特色をとらえる適切な主題を設けて追究し,世界の地理的認識を深めさせるとともに,世界の様々な地域又は国の調査を行う際の視点や方法を身に付けさせる。
(2) 日本の様々な地域
ア 日本の地域構成  地球儀や地図を活用し,我が国の国土の位置,世界各地との時差,領域の特色と変化,地域区分などを取り上げ,日本の地域構成を大観させる。
イ 世界と比べた日本の地域的特色 世界的視野や日本全体の視野から見た日本の地域的特色を取り上げ,我が国の国土の特色を様々な面から大観させる。
(ア) 自然環境  世界的視野から日本の地形や気候の特色,海洋に囲まれた日本の国土の特色を理解させるとともに,国内の地形や気候の特色,自然災害と防災への努力を取り上げ,日本の自然環境に関する特色を大観させる。
(イ) 人口  世界的視野から日本の人口と人口密度,少子高齢化の課題を理解させるとともに,国内の人口分布,過疎・過密問題を取り上げ,日本の人口に関する特色を大観させる。
(ウ) 資源・エネルギーと産業 世界的視野から日本の資源・エネルギーの消費の現状を理解させるとともに,国内の産業の動向,環境やエネルギーに関する課題を取り上げ,日本の資源・エネルギーと産業に関する特色を大観させる。
(エ) 地域間の結び付き  世界的視野から日本と世界との交通・通信網の発達の様子や物流を理解させるとともに,国内の交通・通信網の整備状況を取り上げ,日本と世界の結び付きや国内各地の結び付きの特色を大観させる。
ウ 日本の諸地域  日本を幾つかの地域に区分し,それぞれの地域について,以下の(ア)から(キ)で示した考察の仕方を基にして,地域的特色をとらえさせる。
(ア) 自然環境を中核とした考察 地域の地形や気候などの自然環境に関する特色ある事象を中核として,それを人々の生活や産業などと関連付け,自然環境が地域の人々の生活や産業などと深い関係をもっていることや,地域の自然災害に応じた防災対策が大切であることなどについて考える。
(イ) 歴史的背景を中核とした考察  地域の産業,文化の歴史的背景や開発の歴史に関する特色ある事柄を中核として,それを国内外の他地域との結び付きや自然環境などと関連付け,地域の地理的事象の形成や特色に歴史的背景がかかわっていることなどについて考える。
(ウ) 産業を中核とした考察  地域の農業や工業などの産業に関する特色ある事象を中核として,それを成立させている地理的諸条件と関連付け,地域に果たす産業の役割やその動向は他の事象との関連で変化するものであることなどについて考える。
(エ) 環境問題や環境保全を中核とした考察  地域の環境問題や環境保全の取組を中核として,それを産業や地域開発の動向,人々の生活などと関連付け,持続可能な社会の構築のためには地域における環境保全の取組が大切であることなどについて考える。
(オ) 人口や都市・村落を中核とした考察  地域の人口の分布や動態,都市・村落の立地や機能に関する特色ある事象を中核として,それを人々の生活や産業などと関連付け,過疎・過密問題の解決が地域の課題となっていることなどについて考える。
(カ) 生活・文化を中核とした考察  地域の伝統的な生活・文化に関する特色ある事象を中核として,それを自然環境や歴史的背景,他地域との交流などと関連付け,近年の都市化や国際化によって地域の伝統的な生活・文化が変容していることなどについて考える。
(キ) 他地域との結び付きを中核とした考察  地域の交通・通信網に関する特色ある事象を中核として,それを物資や人々の移動の特色や変化などと関連付け,世界や日本の他の地域との結び付きの影響を受けながら地域は変容していることなどについて考える。
エ 身近な地域の調査  身近な地域における諸事象を取り上げ,観察や調査などの活動を行い,生徒が生活している土地に対する理解と関心を深めて地域の課題を見いだし,地域社会の形成に参画しその発展に努力しようとする態度を養うとともに,市町村規模の地域の調査を行う際の視点や方法,地理的なまと...
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)及び(2)については,この順序で取り扱うものとする。
(2) 内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 地理的な見方や考え方及び地図の読図や作図,景観写真の読み取りなど地理的技能を身に付けることができるよう系統性に留意して計画的に指導すること。その際,教科用図書「地図」を十分に活用すること。 また,地域に関する情報の収集,処理に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークな...
イ 学習で取り上げる地域や国については,各項目間の調整を図り,一部の地域に偏ることのないようにすること。
ウ 地域の特色や変化をとらえるに当たっては,歴史的分野との連携を踏まえ,歴史的背景に留意して地域的特色を追究するよう工夫するとともに,公民的分野との関連にも配慮すること。
エ 地域的特色を追究する過程で生物や地学的な事象などを取り上げる際には,地域的特色をとらえる上で必要な範囲にとどめること。
(3) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,学習全体を通して,大まかに世界地図を描けるようにすること。
イ イについては,世界各地の人々の生活の様子を考察するに当たって,衣食住の特色や,生活と宗教とのかかわりなどに着目させるようにすること。その際,世界の主な宗教の分布について理解させるようにすること。
ウ ウについては,州ごとに様々な面から地域的特色を大観させ,その上で主題を設けて地域的特色を理解させるようにすること。その際,主題については,州の地域的特色が明確となり,かつ我が国の国土の認識を深める上で効果的であるという観点から設定すること。また,州ごとに異なるものとなるようにす...
エ エについては,様々な資料を的確に読み取ったり,地図を有効に活用して事象を説明したりするなどの作業的な学習活動を取り入れること。また,自分の解釈を加えて論述したり,意見交換したりするなどの学習活動を充実させること。
(4) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) 「領域の特色と変化」については,我が国の海洋国家としての特色を取り上げるとともに,北方領土が我が国の固有の領土であることなど,我が国の領域をめぐる問題にも着目させるようにすること。
(イ) 日本の地域区分を扱う際には,都道府県の名称と位置のほかに都道府県庁所在地名も取り上げること。
(ウ) 学習全体を通して,大まかに日本地図を描けるようにすること。
イ イの(ア)から(エ)で示した日本の地域的特色については,指導に当たって内容の(1)の学習成果を生かすとともに,日本の諸地域の特色について理解を深めるための基本的な事柄で構成すること。
ウ ウについては,次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) 地域区分については,指導の観点や学校所在地の事情などを考慮して適切に決めること。
(イ) 指導に当たっては,地域の特色ある事象や事柄を中核として,それを他の事象と有機的に関連付けて,地域的特色を追究するようにすること。
(ウ) (ア)から(キ)の考察の仕方については,学習する地域ごとに一つ選択すること。また,ウの学習全体を通してすべて取り扱うこと。
エ エについては,学校所在地の事情を踏まえて観察や調査を指導計画に位置付け実施すること。その際,縮尺の大きな地図や統計その他の資料に親しませ,それらの活用の技能を高めるようにすること。また,観察や調査の結果をまとめる際には,地図を有効に活用して事象を説明したり,自分の解釈を加えて論...
〔歴史的分野〕
1 目標
(1) 歴史的事象に対する関心を高め,我が国の歴史の大きな流れを,世界の歴史を背景に,各時代の特色を踏まえて理解させ,それを通して我が国の伝統と文化の特色を広い視野に立って考えさせるとともに,我が国の歴史に対する愛情を深め,国民としての自覚を育てる。
(2) 国家・社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産を,その時代や地域との関連において理解させ,尊重する態度を育てる。
(3) 歴史に見られる国際関係や文化交流のあらましを理解させ,我が国と諸外国の歴史や文化が相互に深くかかわっていることを考えさせるとともに,他民族の文化,生活などに関心をもたせ,国際協調の精神を養う。
(4) 身近な地域の歴史や具体的な事象の学習を通して歴史に対する興味・関心を高め,様々な資料を活用して歴史的事象を多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 歴史のとらえ方
ア 我が国の歴史上の人物や出来事などについて調べたり考えたりするなどの活動を通して,時代の区分やその移り変わりに気付かせ,歴史を学ぶ意欲を高めるとともに,年代の表し方や時代区分についての基本的な内容を理解させる。
イ 身近な地域の歴史を調べる活動を通して,地域への関心を高め,地域の具体的な事柄とのかかわりの中で我が国の歴史を理解させるとともに,受け継がれてきた伝統や文化への関心を高め,歴史の学び方を身に付けさせる。
ウ 学習した内容を活用してその時代を大観し表現する活動を通して,各時代の特色をとらえさせる。
(2) 古代までの日本
ア 世界の古代文明や宗教のおこり,日本列島における農耕の広まりと生活の変化や当時の人々の信仰,大和朝廷による統一と東アジアとのかかわりなどを通して,世界の各地で文明が築かれ,東アジアの文明の影響を受けながら我が国で国家が形成されていったことを理解させる。
イ 律令《りつりょう》国家の確立に至るまでの過程,摂関政治などを通して,大陸の文物や制度を積極的に取り入れながら国家の仕組みが整えられ,その後,天皇や貴族の政治が展開したことを理解させる。
ウ 仏教の伝来とその影響,仮名文字の成立などを通して,国際的な要素をもった文化が栄え,後に文化の国風化が進んだことを理解させる。
(3) 中世の日本
ア 鎌倉《かまくら》幕府の成立,南北朝の争乱と室町幕府,東アジアの国際関係,応仁《おうにん》の乱後の社会的な変動などを通して,武家政治の特色を考えさせ,武士が台頭して武家政権が成立し,その支配が次第に全国に広まるとともに,東アジア世界との密接なかかわりがみられたことを理解させる。...
イ 農業など諸産業の発達,畿内《きない》を中心とした都市や農村における自治的な仕組みの成立,禅宗の文化的な影響などを通して,武家政治の展開や民衆の成長を背景とした社会や文化が生まれたことを理解させる。
(4) 近世の日本
ア 戦国の動乱,ヨーロッパ人来航の背景とその影響,織田《おだ》・豊臣《とよとみ》による統一事業とその当時の対外関係,武将や豪商などの生活文化の展開などを通して,近世社会の基礎がつくられていったことを理解させる。
イ 江戸幕府の成立と大名統制,鎖国政策,身分制度の確立及び農村の様子,鎖国下の対外関係などを通して,江戸幕府の政治の特色を考えさせ,幕府と藩による支配が確立したことを理解させる。
ウ 産業や交通の発達,教育の普及と文化の広がりなどを通して,町人文化が都市を中心に形成されたことや,各地方の生活文化が生まれたことを理解させる。
エ 社会の変動や欧米諸国の接近,幕府の政治改革,新しい学問・思想の動きなどを通して,幕府の政治が次第に行き詰まりをみせたことを理解させる。
(5) 近代の日本と世界
ア 欧米諸国における市民革命や産業革命,アジア諸国の動きなどを通して,欧米諸国が近代社会を成立させてアジアへ進出したことを理解させる。
イ 開国とその影響,富国強兵・殖産興業政策,文明開化などを通して,新政府による改革の特色を考えさせ,明治維新によって近代国家の基礎が整えられて,人々の生活が大きく変化したことを理解させる。
ウ 自由民権運動,大日本帝国憲法の制定,日清《にっしん》・日露戦争,条約改正などを通して,立憲制の国家が成立して議会政治が始まるとともに,我が国の国際的地位が向上したことを理解させる。
エ 我が国の産業革命,この時期の国民生活の変化,学問・教育・科学・芸術の発展などを通して,我が国で近代産業が発展し,近代文化が形成されたことを理解させる。
オ 第一次世界大戦の背景とその影響,民族運動の高まりと国際協調の動き,我が国の国民の政治的自覚の高まりと文化の大衆化などを通して,第一次世界大戦前後の国際情勢及び我が国の動きと,大戦後に国際平和への努力がなされたことを理解させる。
カ 経済の世界的な混乱と社会問題の発生,昭和初期から第二次世界大戦の終結までの我が国の政治・外交の動き,中国などアジア諸国との関係,欧米諸国の動き,戦時下の国民の生活などを通して,軍部の台頭から戦争までの経過と,大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解させる。
(6) 現代の日本と世界
ア 冷戦,我が国の民主化と再建の過程,国際社会への復帰などを通して,第二次世界大戦後の諸改革の特色を考えさせ,世界の動きの中で新しい日本の建設が進められたことを理解させる。
イ 高度経済成長,国際社会とのかかわり,冷戦の終結などを通して,我が国の経済や科学技術が急速に発展して国民の生活が向上し,国際社会において我が国の役割が大きくなってきたことを理解させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 生徒の発達の段階を考慮して,各時代の特色や時代の転換にかかわる基礎的・基本的な歴史的事象を重点的に選んで指導内容を構成すること。
イ 歴史的事象の意味・意義や特色,事象間の関連を説明したり,課題を設けて追究したり,意見交換したりするなどの学習を重視して,思考力,判断力,表現力等を養うとともに,学習内容の確かな理解と定着を図ること。
ウ 各時代の文化については,代表的な事例を取り上げてその特色を考えさせるようにすること。
エ 歴史的事象の指導に当たっては,地理的分野との連携を踏まえ,地理的条件にも着目して取り扱うよう工夫するとともに,公民的分野との関連にも配慮すること。
オ 国家・社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物に対する生徒の興味・関心を育てる指導に努めるとともに,それぞれの人物が果たした役割や生き方などについて時代的背景と関連付けて考察させるようにすること。その際,身近な地域の歴史上の人物を取り上げることにも留意すること...
カ 日本人の生活や生活に根ざした文化については,政治の動き,社会の動き,各地域の地理的条件,身近な地域の歴史とも関連付けて指導したり,民俗学や考古学などの成果の活用や博物館,郷土資料館などの施設を見学・調査したりするなどして具体的に学ぶことができるようにすること。
(2) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,中学校の歴史学習の導入として実施することを原則とすること。小学校での学習を踏まえ,扱う内容や活動の仕方を工夫して,「時代の区分やその移り変わり」に気付かせるようにすること。「年代の表し方や時代区分」の学習については,導入における学習内容を基盤にし,内容の(2)以下...
イ イについては,内容の(2)以下とかかわらせて計画的に実施し,地域の特性に応じた時代を取り上げるようにするとともに,人々の生活や生活に根ざした伝統や文化に着目した取扱いを工夫すること。その際,博物館,郷土資料館などの施設の活用や地域の人々の協力も考慮すること。
ウ ウについては,内容の(2)以下の各時代の学習のまとめとして実施することを原則とすること。その際,各時代の学習の初めにその特色の究明に向けた課題意識を育成した上で,他の時代との共通点や相違点に着目しながら,大観や表現の仕方を工夫して,各時代の特色をとらえさせるようにすること。
エ ア,イ及びウについては,適切かつ十分な授業時数を配当すること。
(3) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの「世界の古代文明」については,中国の文明を中心に諸文明の特色を取り扱い,生活技術の発達,文字の使用,国家のおこりと発展などの共通する特色に気付かせるようにすること。また,人類の出現にも触れること。「宗教のおこり」については,仏教,キリスト教,イスラム教などを取り上げ,世界の...
イ イの「律令《りつりょう》国家の確立に至るまでの過程」については,聖徳太子《しょうとくたいし》の政治,大化の改新から律令《りつりょう》国家の確立に至るまでの過程を,小学校での学習内容を活用して大きくとらえさせるようにすること。
ウ ウについては,文化を担った人々などに着目して取り扱うようにすること。
エ 考古学などの成果を活用するとともに,神話・伝承などの学習を通して,当時の人々の信仰やものの見方などに気付かせるよう留意すること。
(4) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの「東アジアの国際関係」については,元寇《げんこう》,日明貿易《にちみんぼうえき》,琉球《りゅうきゅう》の国際的な役割などを取り扱うようにすること。「武家政治の特色」については,主従の結び付きや武力を背景にして次第にその支配を広げていったことなど,それ以前の時代との違いに着...
イ イの「武家政治の展開や民衆の成長を背景とした社会や文化」については,この時代の文化の中に現在に結び付くものがみられることに気付かせるようにすること。
(5) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの「ヨーロッパ人来航の背景」については,新航路の開拓を中心に取り扱い,宗教改革についても触れること。「織田《おだ》・豊臣《とよとみ》による統一事業」については,検地・刀狩などの政策を取り扱うようにすること。
イ イの「鎖国下の対外関係」については,オランダ,中国との交易のほか,朝鮮との交流や琉球《りゅうきゅう》の役割,北方との交易をしていたアイヌについて取り扱うようにすること。「江戸幕府の政治の特色」については,その支配の下に大きな戦乱のない時期を迎えたことなど,それ以前の時代との違い...
ウ ウの「産業や交通の発達」については,身近な地域の特色を生かすようにすること。「各地方の生活文化」については,身近な地域の事例を取り上げるように配慮し,藩校や寺子屋などによる「教育の普及」や社会的な「文化の広がり」と関連させて,現在との結び付きに気付かせるようにすること。
エ エの「幕府の政治改革」については,百姓一揆《いっき》などに結び付く農村の変化や商業の発達などへの対応という観点から,代表的な事例を取り上げるようにすること。
(6) 内容の(5)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの「市民革命」については欧米諸国における近代社会の成立という観点から,「産業革命」については工業化による社会の変化という観点から,「アジア諸国の動き」については欧米諸国の進出に対するアジア諸国の対応と変容という観点から,それぞれ代表的な事例を取り上げるようにすること。
イ イの「開国とその影響」については,アの欧米諸国のアジア進出と関連付けて取り扱うようにすること。「富国強兵・殖産興業政策」については,この政策の下に新政府が行った,廃藩置県,学制・兵制・税制の改革,身分制度の廃止,領土の画定などを取り扱うようにすること。「新政府による改革の特色...
ウ ウの「日清《にっしん》・日露戦争」については,このころの大陸との関係に着目させること。「条約改正」については,欧米諸国と対等の外交関係を樹立するための人々の努力に気付かせるようにすること。「立憲制の国家が成立して議会政治が始まる」については,その歴史上の意義や現代の政治とのつ...
エ エの「我が国の産業革命」については,イの「富国強兵・殖産興業政策」の下で近代産業が進展したことと関連させて取り扱い,都市や農山漁村の生活に大きな変化が生じたことに気付かせるようにすること。「近代文化」については,伝統的な文化の上に欧米文化を受容して形成されたものであることに気...
オ オの「第一次世界大戦」については,日本の参戦,ロシア革命なども取り上げて,世界の動きと我が国との関連に着目して取り扱うようにすること。「我が国の国民の政治的自覚の高まり」については,大正デモクラシーの時期の政党政治の発達,民主主義思想の普及,社会運動の展開を取り扱うようにするこ...
カ カについては,世界の動きと我が国との関連に着目して取り扱うとともに,国際協調と国際平和の実現に努めることが大切であることに気付かせるようにすること。
(7) 内容の(6)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,国民が苦難を乗り越えて新しい日本の建設に努力したことに気付かせるようにすること。「第二次世界大戦後の諸改革の特色」については,新たな制度が生まれたことなどに着目して考えさせるようにすること。
イ イについては,沖縄返還,日中国交正常化,石油危機などの節目となる歴史的事象を取り扱うようにすること。
〔公民的分野〕
1 目標
(1) 個人の尊厳と人権の尊重の意義,特に自由・権利と責任・義務の関係を広い視野から正しく認識させ,民主主義に関する理解を深めるとともに,国民主権を担う公民として必要な基礎的教養を培う。
(2) 民主政治の意義,国民の生活の向上と経済活動とのかかわり及び現代の社会生活などについて,個人と社会とのかかわりを中心に理解を深め,現代社会についての見方や考え方の基礎を養うとともに,社会の諸問題に着目させ,自ら考えようとする態度を育てる。
(3) 国際的な相互依存関係の深まりの中で,世界平和の実現と人類の福祉の増大のために,各国が相互に主権を尊重し,各国民が協力し合うことが重要であることを認識させるとともに,自国を愛し,その平和と繁栄を図ることが大切であることを自覚させる。
(4) 現代の社会的事象に対する関心を高め,様々な資料を適切に収集,選択して多面的・多角的に考察し,事実を正確にとらえ,公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 私たちと現代社会
ア 私たちが生きる現代社会と文化 現代日本の特色として少子高齢化,情報化,グローバル化などがみられることを理解させるとともに,それらが政治,経済,国際関係に影響を与えていることに気付かせる。また,現代社会における文化の意義や影響を理解させるとともに,我が国の伝統と文化に関心をもたせ...
イ 現代社会をとらえる見方や考え方   人間は本来社会的存在であることに着目させ,社会生活における物事の決定の仕方,きまりの意義について考えさせ,現代社会をとらえる見方や考え方の基礎として,対立と合意,効率と公正などについて理解させる。その際,個人の尊厳と両性の本質的平等,契約の...
(2) 私たちと経済
ア 市場の働きと経済  身近な消費生活を中心に経済活動の意義を理解させるとともに,価格の働きに着目させて市場経済の基本的な考え方について理解させる。また,現代の生産や金融などの仕組みや働きを理解させるとともに,社会における企業の役割と責任について考えさせる。その際,社会生活におけ...
イ 国民の生活と政府の役割  国民の生活と福祉の向上を図るために,社会資本の整備,公害の防止など環境の保全,社会保障の充実,消費者の保護など,市場の働きにゆだねることが難しい諸問題に関して,国や地方公共団体が果たしている役割について考えさせる。また,財源の確保と配分という観点から財...
(3) 私たちと政治
ア 人間の尊重と日本国憲法の基本的原則  人間の尊重についての考え方を,基本的人権を中心に深めさせ,法の意義を理解させるとともに,民主的な社会生活を営むためには,法に基づく政治が大切であることを理解させ,我が国の政治が日本国憲法に基づいて行われていることの意義について考えさせる。...
イ 民主政治と政治参加  地方自治の基本的な考え方について理解させる。その際,地方公共団体の政治の仕組みについて理解させるとともに,住民の権利や義務に関連させて,地方自治の発展に寄与しようとする住民としての自治意識の基礎を育てる。また,国会を中心とする我が国の民主政治の仕組みのあ...
(4)私たちと国際社会の諸課題
ア 世界平和と人類の福祉の増大  世界平和の実現と人類の福祉の増大のためには,国際協調の観点から,国家間の相互の主権の尊重と協力,各国民の相互理解と協力及び国際連合をはじめとする国際機構などの役割が大切であることを認識させ,国際社会における我が国の役割について考えさせる。その際,日...
イ よりよい社会を目指して  持続可能な社会を形成するという観点から,私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を探究させ,自分の考えをまとめさせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 地理的分野及び歴史的分野の学習の成果を活用するとともに,これらの分野で育成された能力や態度が,更に高まり発展するようにすること。また,社会的事象は相互に関連し合っていることに留意し,特定の内容に偏ることなく,分野全体として見通しをもったまとまりのある学習が展開できるようにする...
イ 生徒が内容の基本的な意味を理解できるように配慮し,日常の社会生活と関連付けながら具体的事例を通して政治や経済などについての見方や考え方の基礎が養えるようにすること。その際,制度や仕組みの意義や働きについて理解を深めさせるようにすること。
ウ 分野全体を通して,習得した知識を活用して,社会的事象について考えたことを説明させたり,自分の意見をまとめさせたりすることにより,思考力,判断力,表現力等を養うこと。また,考えさせる場合には,資料を読み取らせて解釈させたり,議論などを行って考えを深めさせたりするなどの工夫をするこ...
(2) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) 地理的分野,歴史的分野との関連を図り,現代社会の特色をとらえさせるようにすること。
(イ)「現代社会における文化の意義や影響」については,科学,芸術,宗教などを取り上げ,社会生活とのかかわりなどについて学習できるように工夫すること。「我が国の伝統と文化」については,歴史的分野における学習の成果を生かして特色あるものを扱うこと。
イ (1)については公民的分野の導入部として位置付け,ア,イの順で行うものとし,適切かつ十分な授業時数を配当すること。
(3) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,身近で具体的な事例を取り上げ,個人や企業の経済活動が様々な条件の中での選択を通じて行われるという点に着目させるとともに,市場における価格の決まり方や資源の配分について理解させること。その際,市場における取引が貨幣を通して行われていることに気付かせること。
イ イの「消費者の保護」については,消費者の自立の支援なども含めた消費者行政を取り扱うこと。「財政」については,少子高齢社会など現代社会の特色を踏まえて考えさせること。
(4) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,日常の具体的な事例を取り上げ,日本国憲法の基本的な考え方を理解させること。
イ イについては,次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) 調査や見学などを通して具体的に理解させること。
(イ) 「法に基づく公正な裁判の保障」に関連させて,裁判員制度についても触れること。
(5) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) 地理的分野,歴史的分野との関連を図り,その学習の成果を生かす工夫を行うこと。
(イ) 「世界平和の実現」については,領土(領海,領空を含む),国家主権,主権の相互尊重,国際連合の働きなど基本的な事項を踏まえて理解させるように留意すること。
(ウ)「国家間の相互の主権の尊重と協力」との関連で,国旗及び国歌の意義並びにそれらを相互に尊重することが国際的な儀礼であることを理解させ,それらを尊重する態度を育てるよう配慮すること。
(エ) 国際社会における文化や宗教の多様性についても触れること。
イ イについては,次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) 身近な地域の生活や我が国の取組との関連性に着目させ,世界的な視野と地域的な視点に立って探究させること。
(イ) イについては,社会科のまとめとして位置付け,適切かつ十分な授業時数を配当すること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 小学校社会科の内容との関連及び各分野相互の有機的な関連を図るとともに,地理的分野及び歴史的分野の基礎の上に公民的分野の学習を展開するこの教科の基本的な構造に留意して,全体として教科の目標が達成できるようにする必要があること。
(2) 各分野の履修については,第1,第2学年を通じて地理的分野と歴史的分野を並行して学習させることを原則とし,第3学年において歴史的分野及び公民的分野を学習させること。各分野に配当する授業時数は,地理的分野120単位時間,歴史的分野130単位時間,公民的分野100単位時間とするこ...
(3) 知識に偏り過ぎた指導にならないようにするため,基本的な事項・事柄を厳選して指導内容を構成するものとし,基本的な内容が確実に身に付くよう指導すること。また,生徒の主体的な学習を促し,課題を解決する能力を一層培うため,各分野において,第2の内容の範囲や程度に十分配慮しつつ事項を...
(4) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,社会科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 指導の全般にわたって,資料を選択し活用する学習活動を重視するとともに作業的,体験的な学習の充実を図るようにする。その際,地図や年表を読みかつ作成すること,新聞,読み物,統計その他の資料に平素から親しみ適切に活用すること,観察や調査などの過程と結果を整理し報告書にまとめ,発表する...
3 内容の指導に当たっては,教育基本法第14条及び第15条の規定に基づき,適切に行うよう特に慎重に配慮して,政治及び宗教に関する教育を行うものとする。
第3節 数学
第1 目標  数学的活動を通して,数量や図形などに関する基礎的な概念や原理・法則についての理解を深め,数学的な表現や処理の仕方を習得し,事象を数理的に考察し表現する能力を高めるとともに,数学的活動の楽しさや数学のよさを実感し,それらを活用して考えたり判断したりしようとする態度を育て...
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年〕
1 目標
(1) 数を正の数と負の数まで拡張し,数の概念についての理解を深める。また,文字を用いることや方程式の必要性と意味を理解するとともに,数量の関係や法則などを一般的にかつ簡潔に表現して処理したり,一元一次方程式を用いたりする能力を培う。
(2) 平面図形や空間図形についての観察,操作や実験などの活動を通して,図形に対する直観的な見方や考え方を深めるとともに,論理的に考察し表現する能力を培う。
(3) 具体的な事象を調べることを通して,比例,反比例についての理解を深めるとともに,関数関係を見いだし表現し考察する能力を培う。
(4) 目的に応じて資料を収集して整理し,その資料の傾向を読み取る能力を培う。
2 内容
A 数と式
(1) 具体的な場面を通して正の数と負の数について理解し,その四則計算ができるようにするとともに,正の数と負の数を用いて表現し考察することができるようにする。
ア 正の数と負の数の必要性と意味を理解すること。
イ 小学校で学習した数の四則計算と関連付けて,正の数と負の数の四則計算の意味を理解すること。
ウ 正の数と負の数の四則計算をすること。
エ 具体的な場面で正の数と負の数を用いて表したり処理したりすること。
(2) 文字を用いて数量の関係や法則などを式に表現したり式の意味を読み取ったりする能力を培うとともに,文字を用いた式の計算ができるようにする。
ア 文字を用いることの必要性と意味を理解すること。
イ 文字を用いた式における乗法と除法の表し方を知ること。
ウ 簡単な一次式の加法と減法の計算をすること。
エ 数量の関係や法則などを文字を用いた式に表すことができることを理解し,式を用いて表したり読み取ったりすること。
(3) 方程式について理解し,一元一次方程式を用いて考察することができるようにする。
ア 方程式の必要性と意味及び方程式の中の文字や解の意味を理解すること。
イ 等式の性質を基にして,方程式が解けることを知ること。
ウ 簡単な一元一次方程式を解くこと及びそれを具体的な場面で活用すること。
〔用語・記号〕
自然数
符号 
絶対値
係数
移項
B 図形
(1) 観察,操作や実験などの活動を通して,見通しをもって作図したり図形の関係について調べたりして平面図形についての理解を深めるとともに,論理的に考察し表現する能力を培う。
ア 角の二等分線,線分の垂直二等分線,垂線などの基本的な作図の方法を理解し,それを具体的な場面で活用すること。
イ 平行移動,対称移動及び回転移動について理解し,二つの図形の関係について調べること。
(2) 観察,操作や実験などの活動を通して,空間図形についての理解を深めるとともに,図形の計量についての能力を伸ばす。
ア 空間における直線や平面の位置関係を知ること。
イ 空間図形を直線や平面図形の運動によって構成されるものととらえたり,空間図形を平面上に表現して平面上の表現から空間図形の性質を読み取ったりすること。
ウ 扇形の弧の長さと面積並びに基本的な柱体,錐《すい》体及び球の表面積と体積を求めること。
〔用語・記号〕
弦 
回転体
ねじれの位置
π
//
△ 
C 関数
(1) 具体的な事象の中から二つの数量を取り出し,それらの変化や対応を調べることを通して,比例,反比例の関係についての理解を深めるとともに,関数関係を見いだし表現し考察する能力を培う。
ア 関数関係の意味を理解すること。
イ 比例,反比例の意味を理解すること。
ウ 座標の意味を理解すること。
エ 比例,反比例を表,式,グラフなどで表し,それらの特徴を理解すること。
オ 比例,反比例を用いて具体的な事象をとらえ説明すること。
〔用語・記号〕
関数 
変数
変域
D 資料の活用
(1) 目的に応じて資料を収集し,コンピュータを用いたりするなどして表やグラフに整理し,代表値や資料の散らばりに着目してその資料の傾向を読み取ることができるようにする。
ア ヒストグラムや代表値の必要性と意味を理解すること。
イ ヒストグラムや代表値を用いて資料の傾向をとらえ説明すること。
〔用語・記号〕
平均値
中央値 
最頻値 
相対度数 
範囲 
階級
〔数学的活動〕
(1) 「A数と式」,「B図形」,「C関数」及び「D資料の活用」の学習やそれらを相互に関連付けた学習において,次のような数学的活動に取り組む機会を設けるものとする。
ア 既習の数学を基にして,数や図形の性質などを見いだす活動
イ 日常生活で数学を利用する活動
ウ 数学的な表現を用いて,自分なりに説明し伝え合う活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と式」の(1)に関連して,数の集合と四則計算の可能性を取り扱うものとする。
(2) 内容の「A数と式」の(2)のエに関連して,大小関係を不等式を用いて表すことを取り扱うものとする。
(3) 内容の「A数と式」の(3)のウに関連して,簡単な比例式を解くことを取り扱うものとする。
(4) 内容の「B図形」の(1)のアに関連して,円の接線はその接点を通る半径に垂直であることを取り扱うものとする。
(5) 内容の「B図形」の(2)のイについては,見取図,展開図や投影図を取り扱うものとする。
(6) 内容の「D資料の活用」の(1)に関連して,誤差や近似値,a×10nの形の表現を取り扱うものとする。
〔第2学年〕
1 目標
(1) 文字を用いた式について,目的に応じて計算したり変形したりする能力を養うとともに,連立二元一次方程式について理解し用いる能力を培う。
(2) 基本的な平面図形の性質について,観察,操作や実験などの活動を通して理解を深めるとともに,図形の性質の考察における数学的な推論の必要性と意味及びその方法を理解し,論理的に考察し表現する能力を養う。
(3) 具体的な事象を調べることを通して,一次関数について理解するとともに,関数関係を見いだし表現し考察する能力を養う。
(4) 不確定な事象を調べることを通して,確率について理解し用いる能力を培う。
2 内容
A 数と式
(1) 具体的な事象の中に数量の関係を見いだし,それを文字を用いて式に表現したり式の意味を読み取ったりする能力を養うとともに,文字を用いた式の四則計算ができるようにする。
ア 簡単な整式の加法,減法及び単項式の乗法,除法の計算をすること。
イ 文字を用いた式で数量及び数量の関係をとらえ説明できることを理解すること。
ウ 目的に応じて,簡単な式を変形すること。
(2) 連立二元一次方程式について理解し,それを用いて考察することができるようにする。
ア 二元一次方程式とその解の意味を理解すること。
イ 連立二元一次方程式の必要性と意味及びその解の意味を理解すること。
ウ 簡単な連立二元一次方程式を解くこと及びそれを具体的な場面で活用すること。
〔用語・記号〕
同類項
B 図形
(1) 観察,操作や実験などの活動を通して,基本的な平面図形の性質を見いだし,平行線の性質を基にしてそれらを確かめることができるようにする。
ア 平行線や角の性質を理解し,それに基づいて図形の性質を確かめ説明すること。
イ 平行線の性質や三角形の角についての性質を基にして,多角形の角についての性質が見いだせることを知ること。
(2) 図形の合同について理解し図形についての見方を深めるとともに,図形の性質を三角形の合同条件などを基にして確かめ,論理的に考察し表現する能力を養う。
ア 平面図形の合同の意味及び三角形の合同条件について理解すること。
イ 証明の必要性と意味及びその方法について理解すること。
ウ 三角形の合同条件などを基にして三角形や平行四辺形の基本的な性質を論理的に確かめたり,図形の性質の証明を読んで新たな性質を見いだしたりすること。
〔用語・記号〕
対頂角 
内角 
外角 
定義 
証明 
逆 
C 関数
(1) 具体的な事象の中から二つの数量を取り出し,それらの変化や対応を調べることを通して,一次関数について理解するとともに,関数関係を見いだし表現し考察する能力を養う。
ア 事象の中には一次関数としてとらえられるものがあることを知ること。
イ 一次関数について,表,式,グラフを相互に関連付けて理解すること。
ウ 二元一次方程式を関数を表す式とみること。
エ 一次関数を用いて具体的な事象をとらえ説明すること。
〔用語・記号〕
変化の割合
傾き
D 資料の活用
(1) 不確定な事象についての観察や実験などの活動を通して,確率について理解し,それを用いて考察し表現することができるようにする。
ア 確率の必要性と意味を理解し,簡単な場合について確率を求めること。
イ 確率を用いて不確定な事象をとらえ説明すること。
〔数学的活動〕
(1)「A数と式」,「B図形」,「C関数」及び「D資料の活用」の学習やそれらを相互に関連付けた学習において,次のような数学的活動に取り組む機会を設けるものとする。
ア 既習の数学を基にして,数や図形の性質などを見いだし,発展させる活動
イ 日常生活や社会で数学を利用する活動
ウ 数学的な表現を用いて,根拠を明らかにし筋道立てて説明し伝え合う活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の「B図形」の(2)のウに関連して,正方形,ひし形,長方形が平行四辺形の特別な形であることを取り扱うものとする。
〔第3学年〕
1 目標
(1) 数の平方根について理解し,数の概念についての理解を深める。また,目的に応じて計算したり式を変形したりする能力を伸ばすとともに,二次方程式について理解し用いる能力を培う。
(2) 図形の相似,円周角と中心角の関係や三平方の定理について,観察,操作や実験などの活動を通して理解し,それらを図形の性質の考察や計量に用いる能力を伸ばすとともに,図形について見通しをもって論理的に考察し表現する能力を伸ばす。
(3) 具体的な事象を調べることを通して,関数y=ax2について理解するとともに,関数関係を見いだし表現し考察する能力を伸ばす。
(4) 母集団から標本を取り出し,その傾向を調べることで,母集団の傾向を読み取る能力を培う。
2 内容
A 数と式
(1) 正の数の平方根について理解し,それを用いて表現し考察することができるようにする。
ア 数の平方根の必要性と意味を理解すること。
イ 数の平方根を含む簡単な式の計算をすること。
ウ 具体的な場面で数の平方根を用いて表したり処理したりすること。
(2) 文字を用いた簡単な多項式について,式の展開や因数分解ができるようにするとともに,目的に応じて式を変形したりその意味を読み取ったりする能力を伸ばす。
ア 単項式と多項式の乗法及び多項式を単項式で割る除法の計算をすること。
イ 簡単な一次式の乗法の計算及び次の公式を用いる簡単な式の展開や因数分解をすること。
(a+b)2=a2+2ab+b2
(a−b)2=a2−2ab+b2
(a+b)(a−b)=a2−b2
(x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab
ウ 文字を用いた式で数量及び数量の関係をとらえ説明すること。
(3) 二次方程式について理解し,それを用いて考察することができるようにする。
ア 二次方程式の必要性と意味及びその解の意味を理解すること。
イ 因数分解したり平方の形に変形したりして二次方程式を解くこと。
ウ 解の公式を知り,それを用いて二次方程式を解くこと。
エ 二次方程式を具体的な場面で活用すること。
〔用語・記号〕
根号 
有理数 
無理数 
因数 
B 図形
(1) 図形の性質を三角形の相似条件などを基にして確かめ,論理的に考察し表現する能力を伸ばし,相似な図形の性質を用いて考察することができるようにする。
ア 平面図形の相似の意味及び三角形の相似条件について理解すること。
イ 三角形の相似条件などを基にして図形の基本的な性質を論理的に確かめること。
ウ 平行線と線分の比についての性質を見いだし,それらを確かめること。
エ 基本的な立体の相似の意味と,相似な図形の相似比と面積比及び体積比の関係について理解すること。
オ 相似な図形の性質を具体的な場面で活用すること。
(2) 観察,操作や実験などの活動を通して,円周角と中心角の関係を見いだして理解し,それを用いて考察することができるようにする。
ア 円周角と中心角の関係の意味を理解し,それが証明できることを知ること。
イ 円周角と中心角の関係を具体的な場面で活用すること。
(3) 観察,操作や実験などの活動を通して,三平方の定理を見いだして理解し,それを用いて考察することができるようにする。
ア 三平方の定理の意味を理解し,それが証明できることを知ること。
イ 三平方の定理を具体的な場面で活用すること。
〔用語・記号〕
C 関数
(1) 具体的な事象の中から二つの数量を取り出し,それらの変化や対応を調べることを通して,関数y=ax2について理解するとともに,関数関係を見いだし表現し考察する能力を伸ばす。
ア 事象の中には関数y=ax2としてとらえられるものがあることを知ること。
イ 関数y=ax2について,表,式,グラフを相互に関連付けて理解すること。
ウ 関数 y=ax2を用いて具体的な事象をとらえ説明すること。
エ いろいろな事象の中に,関数関係があることを理解すること。
D 資料の活用
(1) コンピュータを用いたりするなどして,母集団から標本を取り出し,標本の傾向を調べることで,母集団の傾向が読み取れることを理解できるようにする。
ア 標本調査の必要性と意味を理解すること。
イ 簡単な場合について標本調査を行い,母集団の傾向をとらえ説明すること。
〔用語・記号〕
全数調査
〔数学的活動〕
(1)「A数と式」,「B図形」,「C関数」及び「D資料の活用」の学習やそれらを相互に関連付けた学習において,次のような数学的活動に取り組む機会を設けるものとする。
ア 既習の数学を基にして,数や図形の性質などを見いだし,発展させる活動
イ 日常生活や社会で数学を利用する活動
ウ 数学的な表現を用いて,根拠を明らかにし筋道立てて説明し伝え合う活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と式」の(2)などに関連して,自然数を素因数に分解することを取り扱うものとする。
(2) 内容の「A数と式」の(3)については,実数の解をもつ二次方程式を取り扱うものとする。
(3) 内容の「A数と式」の(3)のイについては,ax2=b(a,bは有理数)の二次方程式及びx2+px+q=0 (p,qは整数)の二次方程式を取り扱うものとする。因数分解して解くことの指導においては,内容の「A数と式」の(2)のイに示した公式を用いることができるものを中心に取り扱...
(4) 内容の「B図形」の(2)に関連して,円周角の定理の逆を取り扱うものとする。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学年の目標の達成に支障のない範囲内で,当該学年の内容の一部を軽く取り扱い,それを後の学年で指導することができる。また,学年の目標を逸脱しない範囲内で,後の学年の内容の一部を加えて指導することもできる。
(2) 生徒の学習を確実なものにするために,新たな内容を指導する際には,既に指導した関連する内容を意図的に再度取り上げ,学び直しの機会を設定することに配慮するものとする。
(3) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,数学科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学年の内容に示す〔用語・記号〕は,当該学年で取り扱う内容の程度や範囲を明確にするために示したものであり,その指導に当たっては,各学年の内容と密接に関連させて取り上げるよう配慮するものとする。
(2) 各領域の指導に当たっては,必要に応じ,そろばん,電卓,コンピュータや情報通信ネットワークなどを適切に活用し,学習の効果を高めるよう配慮するものとする。特に,数値計算にかかわる内容の指導や,観察,操作や実験などの活動を通した指導を行う際にはこのことに配慮するものとする。
3 数学的活動の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 数学的活動を楽しめるようにするとともに,数学を学習することの意義や数学の必要性などを実感する機会を設けること。
(2) 自ら課題を見いだし,解決するための構想を立て,実践し,その結果を評価・改善する機会を設けること。
(3) 数学的活動の過程を振り返り,レポートにまとめ発表することなどを通して,その成果を共有する機会を設けること。
4 課題学習とは,生徒の数学的活動への取組を促し思考力,判断力,表現力等の育成を図るため,各領域の内容を総合したり日常の事象や他教科等での学習に関連付けたりするなどして見いだした課題を解決する学習であり,この実施に当たっては各学年で指導計画に適切に位置付けるものとする。
第4節 理科
第1 目標  自然の事物・現象に進んでかかわり,目的意識をもって観察,実験などを行い,科学的に探究する能力の基礎と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め,科学的な見方や考え方を養う。
第2 各分野の目標及び内容
〔第1分野〕
1 目標
(1) 物質やエネルギーに関する事物・現象に進んでかかわり,その中に問題を見いだし意欲的に探究する活動を通して,規則性を発見したり課題を解決したりする方法を習得させる。
(2) 物理的な事物・現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を分析して解釈し表現する能力を育てるとともに,身近な物理現象,電流とその利用,運動とエネルギーなどについて理解させ,これらの事物・現象に対する科学的な見方や考え方を養う。
(3) 化学的な事物・現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を分析して解釈し表現する能力を育てるとともに,身の回りの物質,化学変化と原子・分子,化学変化とイオンなどについて理解させ,これらの事物・現象に対する科学的な見方や考え方を養う。
(4) 物質やエネルギーに関する事物・現象を調べる活動を行い,これらの活動を通して科学技術の発展と人間生活とのかかわりについて認識を深め,科学的に考える態度を養うとともに,自然を総合的に見ることができるようにする。
2 内容
(1) 身近な物理現象 身近な事物・現象についての観察,実験を通して,光や音の規則性,力の性質について理解させるとともに,これらの事物・現象を日常生活や社会と関連付けて科学的にみる見方や考え方を養う。
ア 光と音
(ア) 光の反射・屈折 光の反射や屈折の実験を行い,光が水やガラスなどの物質の境界面で反射,屈折するときの規則性を見いだすこと。
(イ) 凸レンズの働き 凸レンズの働きについての実験を行い,物体の位置と像の位置及び像の大きさの関係を見いだすこと。
(ウ) 音の性質 音についての実験を行い,音はものが振動することによって生じ空気中などを伝わること及び音の高さや大きさは発音体の振動の仕方に関係することを見いだすこと。
イ 力と圧力
(ア) 力の働き 物体に力を働かせる実験を行い,物体に力が働くとその物体が変形したり動き始めたり,運動の様子が変わったりすることを見いだすとともに,力は大きさと向きによって表されることを知ること。
(イ) 圧力 圧力についての実験を行い,圧力は力の大きさと面積に関係があることを見いだすこと。また,水圧や大気圧の実験を行い,その結果を水や空気の重さと関連付けてとらえること。
(2) 身の回りの物質 身の回りの物質についての観察,実験を通して,固体や液体,気体の性質,物質の状態変化について理解させるとともに,物質の性質や変化の調べ方の基礎を身に付けさせる。
ア 物質のすがた
(ア) 身の回りの物質とその性質 身の回りの物質の性質を様々な方法で調べ,物質には密度や加熱したときの変化など固有の性質と共通の性質があることを見いだすとともに,実験器具の操作,記録の仕方などの技能を身に付けること。
(イ) 気体の発生と性質 気体を発生させてその性質を調べる実験を行い,気体の種類による特性を見いだすとともに,気体を発生させる方法や捕集法などの技能を身に付けること。
イ 水溶液
(ア) 物質の溶解 物質が水に溶ける様子の観察を行い,水溶液の中では溶質が均一に分散していることを見いだすこと。
(イ) 溶解度と再結晶 水溶液から溶質を取り出す実験を行い,その結果を溶解度と関連付けてとらえること。
ウ 状態変化
(ア) 状態変化と熱 物質の状態変化についての観察,実験を行い,状態変化によって物質の体積は変化するが質量は変化しないことを見いだすこと。
(イ) 物質の融点と沸点 物質の状態が変化するときの温度の測定を行い,物質は融点や沸点を境に状態が変化することや沸点の違いによって物質の分離ができることを見いだすこと。
(3) 電流とその利用 電流回路についての観察,実験を通して,電流と電圧との関係及び電流の働きについて理解させるとともに,日常生活や社会と関連付けて電流と磁界についての初歩的な見方や考え方を養う。
ア 電流
(ア) 回路と電流・電圧 回路をつくり,回路の電流や電圧を測定する実験を行い,回路の各点を流れる電流や各部に加わる電圧についての規則性を見いだすこと。
(イ) 電流・電圧と抵抗 金属線に加わる電圧と電流を測定する実験を行い,電圧と電流の関係を見いだすとともに金属線には電気抵抗があることを見いだすこと。
(ウ) 電気とそのエネルギー 電流によって熱や光などを発生させる実験を行い,電流から熱や光などが取り出せること及び電力の違いによって発生する熱や光などの量に違いがあることを見いだすこと。
(エ) 静電気と電流 異なる物質同士をこすり合わせると静電気が起こり,帯電した物体間では空間を隔てて力が働くこと及び静電気と電流は関係があることを見いだすこと。
イ 電流と磁界
(ア) 電流がつくる磁界 磁石や電流による磁界の観察を行い,磁界を磁力線で表すことを理解するとともに,コイルの回りに磁界ができることを知ること。
(イ) 磁界中の電流が受ける力 磁石とコイルを用いた実験を行い,磁界中のコイルに電流を流すと力が働くことを見いだすこと。
(ウ) 電磁誘導と発電 磁石とコイルを用いた実験を行い,コイルや磁石を動かすことにより電流が得られることを見いだすとともに,直流と交流の違いを理解すること。
(4) 化学変化と原子・分子 化学変化についての観察,実験を通して,化合,分解などにおける物質の変化やその量的な関係について理解させるとともに,これらの事物・現象を原子や分子のモデルと関連付けてみる見方や考え方を養う。
ア 物質の成り立ち
(ア) 物質の分解 物質を分解する実験を行い,分解して生成した物質から元の物質の成分が推定できることを見いだすこと。
(イ) 原子・分子 物質は原子や分子からできていることを理解し,原子は記号で表されることを知ること。
イ 化学変化
(ア) 化合 2種類の物質を化合させる実験を行い,反応前とは異なる物質が生成することを見いだすとともに,化学変化は原子や分子のモデルで説明できること,化合物の組成は化学式で表されること及び化学変化は化学反応式で表されることを理解すること。
(イ) 酸化と還元 酸化や還元の実験を行い,酸化や還元が酸素の関係する反応であることを見いだすこと。
(ウ) 化学変化と熱 化学変化によって熱を取り出す実験を行い,化学変化には熱の出入りが伴うことを見いだすこと。
ウ 化学変化と物質の質量
(ア) 化学変化と質量の保存 化学変化の前後における物質の質量を測定する実験を行い,反応物の質量の総和と生成物の質量の総和が等しいことを見いだすこと。
(イ) 質量変化の規則性 化学変化に関係する物質の質量を測定する実験を行い,反応する物質の質量の間には一定の関係があることを見いだすこと。
(5) 運動とエネルギー 物体の運動やエネルギーに関する観察,実験を通して,物体の運動の規則性やエネルギーの基礎について理解させるとともに,日常生活や社会と関連付けて運動とエネルギーの初歩的な見方や考え方を養う。
ア 運動の規則性
(ア) 力のつり合い 物体に働く2力についての実験を行い,力がつり合うときの条件を見いだすこと。また,力の合成と分解についての実験を行い,合力や分力の規則性を理解すること。
(イ) 運動の速さと向き 物体の運動についての観察,実験を行い,運動には速さと向きがあることを知ること。
(ウ) 力と運動 物体に力が働く運動及び力が働かない運動についての観察,実験を行い,力が働く運動では運動の向きや時間の経過に伴って物体の速さが変わること及び力が働かない運動では物体は等速直線運動することを見いだすこと。
イ 力学的エネルギー
(ア) 仕事とエネルギー 仕事に関する実験を行い,仕事と仕事率について理解すること。また,衝突の実験を行い,物体のもつエネルギーの量は物体が他の物体になしうる仕事で測れることを理解すること。
(イ) 力学的エネルギーの保存 力学的エネルギーに関する実験を行い,運動エネルギーと位置エネルギーが相互に移り変わることを見いだし,力学的エネルギーの総量が保存されることを理解すること。
(6) 化学変化とイオン 化学変化についての観察,実験を通して,水溶液の電気伝導性や中和反応について理解させるとともに,これらの事物・現象をイオンのモデルと関連付けてみる見方や考え方を養う。
ア 水溶液とイオン
(ア) 水溶液の電気伝導性 水溶液に電流を流す実験を行い,水溶液には電流が流れるものと流れないものとがあることを見いだすこと。
(イ) 原子の成り立ちとイオン 電気分解の実験を行い,電極に物質が生成することからイオンの存在を知ること。また,イオンの生成が原子の成り立ちに関係することを知ること。
(ウ) 化学変化と電池 電解質水溶液と2種類の金属などを用いた実験を行い,電流が取り出せることを見いだすとともに,化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることを知ること。
イ 酸・アルカリとイオン
(ア) 酸・アルカリ 酸とアルカリの性質を調べる実験を行い,酸とアルカリのそれぞれの特性が水素イオンと水酸化物イオンによることを知ること。
(イ) 中和と塩 中和反応の実験を行い,酸とアルカリを混ぜると水と塩が生成することを理解すること。
(7) 科学技術と人間 エネルギー資源の利用や科学技術の発展と人間生活とのかかわりについて認識を深め,自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について科学的に考察し判断する態度を養う。
ア エネルギー
(ア) 様々なエネルギーとその変換 エネルギーに関する観察,実験を通して,日常生活や社会では様々なエネルギーの変換を利用していることを理解すること。
(イ) エネルギー資源 人間は,水力,火力,原子力などからエネルギーを得ていることを知るとともに,エネルギーの有効な利用が大切であることを認識すること。
イ 科学技術の発展
(ア) 科学技術の発展 科学技術の発展の過程を知るとともに,科学技術が人間の生活を豊かで便利にしてきたことを認識すること。
ウ 自然環境の保全と科学技術の利用
(ア) 自然環境の保全と科学技術の利用 自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について科学的に考察し,持続可能な社会をつくることが重要であることを認識すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)から(7)までのうち,内容の(1)及び(2)は第1学年,内容の(3)及び(4)は第2学年,内容の(5)から(7)までは第3学年で取り扱うものとする。
(2) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)については,全反射も扱うこと。また,光の屈折で入射角と屈折角の定性的な関係にも触れること。
イ アの(イ)については,光源の位置と像の位置,像の大きさの定性的な関係を調べること。その際,実像と虚像を扱うこと。
ウ アの(ウ)については,音の伝わる速さについて,空気中を伝わるおよその速さを扱うこと。
エ イの(ア)については,ばねに加える力の大きさとばねの伸びの関係も扱うこと。また,重さと質量の違いにも触れること。力の単位としては「ニュートン」を用いること。
オ イの(イ)については,水中にある物体にはあらゆる向きから圧力が働くことにも触れること。また,水中では物体に浮力が働くことにも触れること。
(3) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)については,有機物と無機物との違いや金属と非金属との違いを扱うこと。また,代表的なプラスチックの性質にも触れること。
イ アの(イ)については,異なる方法を用いても同一の気体が得られることも扱うこと。
ウ イの(ア)については,粒子のモデルと関連付けて扱うこと。また,質量パーセント濃度にも触れること。
エ イの(イ)については,溶解度曲線にも触れること。
オ ウの(ア)については,粒子のモデルと関連付けて扱うこと。その際,粒子の運動にも触れること。
カ ウの(イ)については,純粋な物質の状態変化を中心に扱うこと。
(4) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の「回路」については,直列及び並列の回路を取り上げ,それぞれについて二つの抵抗のつなぎ方を中心に扱うこと。
イ アの(イ)の「電気抵抗」については,物質の種類によって抵抗の値が異なることを扱うこと。また,二つの抵抗をつなぐ場合の合成抵抗にも触れること。
ウ アの(ウ)については,電力量も扱うこと。その際,熱量にも触れること。
エ アの(エ)については,電流が電子の流れであることを扱うこと。
オ イの(イ)については,電流の向きや磁界の向きを変えたときに力の向きが変わることを扱うこと。
カ イの(ウ)については,コイルや磁石を動かす向きを変えたときに電流の向きが変わることを扱うこと。
(5) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(イ)の「原子」については,周期表を用いて多くの種類が存在することにも触れること。また,「記号」については,基礎的なものを扱うこと。
イ イの(ア)の「化学式」及び「化学反応式」については,簡単なものを扱うこと。
ウ イの(イ)の「酸化や還元」については,簡単なものを扱うこと。
(6) 内容の(5)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(イ)については,物体に力が働くとき反対向きにも力が働くことにも触れること。
イ アの(ウ)の「力が働く運動」のうち,落下運動については斜面に沿った運動を中心に扱うこと。その際,斜面の角度が90度になったときに自由落下になることにも触れること。「物体の速さが変わること」については,定性的に扱うこと。
ウ イの(ア)については,仕事の原理にも触れること。
エ イの(イ)については,摩擦にも触れること。
(7) 内容の(6)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(イ)の「原子の成り立ち」については,原子が電子と原子核からできていることを扱うこと。その際,原子核が陽子と中性子でできていることにも触れること。また,「イオン」については,イオン式で表されることにも触れること。
イ アの(ウ)の「電池」については,電極で起こる反応を中心に扱うこと。また,日常生活や社会で利用されている代表的な電池にも触れること。
ウ イの(ア)については,pHにも触れること。
エ イの(イ)については,水に溶ける塩と水に溶けない塩があることにも触れること。
(8) 内容の(7)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)については,熱の伝わり方も扱うこと。また,「エネルギーの変換」については,その総量が保存されること及びエネルギーを利用する際の効率も扱うこと。
イ アの(イ)については,放射線の性質と利用にも触れること。
ウ ウの(ア)については,これまでの第1分野と第2分野の学習を生かし,第2分野(7)のウの(ア)と関連付けて総合的に扱うこと。
〔第2分野〕
1 目標
(1) 生物とそれを取り巻く自然の事物・現象に進んでかかわり,その中に問題を見いだし意欲的に探究する活動を通して,多様性や規則性を発見したり課題を解決したりする方法を習得させる。
(2) 生物や生物現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を分析して解釈し表現する能力を育てるとともに,生物の生活と種類,生命の連続性などについて理解させ,これらの事物・現象に対する科学的な見方や考え方を養う。
(3) 地学的な事物・現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を分析して解釈し表現する能力を育てるとともに,大地の成り立ちと変化,気象とその変化,地球と宇宙などについて理解させ,これらの事物・現象に対する科学的な見方や考え方を養う。
(4) 生物とそれを取り巻く自然の事物・現象を調べる活動を行い,これらの活動を通して生命を尊重し,自然環境の保全に寄与する態度を育て,自然を総合的に見ることができるようにする。
2 内容
(1) 植物の生活と種類 身近な植物などについての観察,実験を通して,生物の調べ方の基礎を身に付けさせるとともに,植物の体のつくりと働きを理解させ,植物の生活と種類についての認識を深める。
ア 生物の観察
(ア) 生物の観察 校庭や学校周辺の生物の観察を行い,いろいろな生物が様々な場所で生活していることを見いだすとともに,観察器具の操作,観察記録の仕方などの技能を身に付け,生物の調べ方の基礎を習得すること。
イ 植物の体のつくりと働き
(ア) 花のつくりと働き いろいろな植物の花のつくりの観察を行い,その観察記録に基づいて,花のつくりの基本的な特徴を見いだすとともに,それらを花の働きと関連付けてとらえること。
(イ) 葉・茎・根のつくりと働き いろいろな植物の葉,茎,根のつくりの観察を行い,その観察記録に基づいて,葉,茎,根のつくりの基本的な特徴を見いだすとともに,それらを光合成,呼吸,蒸散に関する実験結果と関連付けてとらえること。
ウ 植物の仲間
(ア) 種子植物の仲間 花や葉,茎,根の観察記録に基づいて,それらを相互に関連付けて考察し,植物が体のつくりの特徴に基づいて分類できることを見いだすとともに,植物の種類を知る方法を身に付けること。
(イ) 種子をつくらない植物の仲間 シダ植物やコケ植物の観察を行い,これらと種子植物の違いを知ること。
(2) 大地の成り立ちと変化 大地の活動の様子や身近な岩石,地層,地形などの観察を通して,地表に見られる様々な事物・現象を大地の変化と関連付けて理解させ,大地の変化についての認識を深める。
ア 火山と地震
(ア) 火山活動と火成岩 火山の形,活動の様子及びその噴出物を調べ,それらを地下のマグマの性質と関連付けてとらえるとともに,火山岩と深成岩の観察を行い,それらの組織の違いを成因と関連付けてとらえること。
(イ) 地震の伝わり方と地球内部の働き 地震の体験や記録を基に,その揺れの大きさや伝わり方の規則性に気付くとともに,地震の原因を地球内部の働きと関連付けてとらえ,地震に伴う土地の変化の様子を理解すること。
イ 地層の重なりと過去の様子
(ア) 地層の重なりと過去の様子 野外観察などを行い,観察記録を基に,地層のでき方を考察し,重なり方や広がり方についての規則性を見いだすとともに,地層とその中の化石を手掛かりとして過去の環境と地質年代を推定すること。
(3) 動物の生活と生物の変遷 生物の体は細胞からできていることを観察を通して理解させる。また,動物などについての観察,実験を通して,動物の体のつくりと働きを理解させ,動物の生活と種類についての認識を深めるとともに,生物の変遷について理解させる。
ア 生物と細胞
(ア) 生物と細胞 生物の組織などの観察を行い,生物の体が細胞からできていること及び植物と動物の細胞のつくりの特徴を見いだすこと。
イ 動物の体のつくりと働き
(ア) 生命を維持する働き 消化や呼吸,血液の循環についての観察,実験を行い,動物の体が必要な物質を取り入れ運搬している仕組みを観察,実験の結果と関連付けてとらえること。また,不要となった物質を排出する仕組みがあることについて理解すること。
(イ) 刺激と反応 動物が外界の刺激に適切に反応している様子の観察を行い,その仕組みを感覚器官,神経系及び運動器官のつくりと関連付けてとらえること。
ウ 脊椎《せきつい》動物の仲間
(ア) 脊椎《せきつい》動物の仲間 脊椎《せきつい》動物の観察記録に基づいて,体のつくりや子の生まれ方などの特徴を比較,整理し,脊椎《せきつい》動物が幾つかの仲間に分類できることを見いだすこと。
(イ) 無脊椎《せきつい》動物の仲間 無脊椎《せきつい》動物の観察などを行い,その観察記録に基づいて,それらの動物の特徴を見いだすこと。
エ 生物の変遷と進化
(ア) 生物の変遷と進化 現存の生物や化石の比較などを基に,現存の生物は過去の生物が変化して生じてきたものであることを体のつくりと関連付けてとらえること。
(4) 気象とその変化 身近な気象の観察,観測を通して,気象要素と天気の変化の関係を見いださせるとともに,気象現象についてそれが起こる仕組みと規則性についての認識を深める。
ア 気象観測
(ア) 気象観測 校庭などで気象観測を行い,観測方法や記録の仕方を身に付けるとともに,その観測記録などに基づいて,気温,湿度,気圧,風向などの変化と天気との関係を見いだすこと。
イ 天気の変化
(ア) 霧や雲の発生 霧や雲の発生についての観察,実験を行い,そのでき方を気圧,気温及び湿度の変化と関連付けてとらえること。
(イ) 前線の通過と天気の変化 前線の通過に伴う天気の変化の観測結果などに基づいて,その変化を暖気,寒気と関連付けてとらえること。
ウ 日本の気象
(ア) 日本の天気の特徴 天気図や気象衛星画像などから,日本の天気の特徴を気団と関連付けてとらえること。
(イ) 大気の動きと海洋の影響 気象衛星画像や調査記録などから,日本の気象を日本付近の大気の動きや海洋の影響に関連付けてとらえること。
(5) 生命の連続性 身近な生物についての観察,実験を通して,生物の成長と殖え方,遺伝現象について理解させるとともに,生命の連続性について認識を深める。
ア 生物の成長と殖え方
(ア) 細胞分裂と生物の成長 体細胞分裂の観察を行い,その過程を確かめるとともに,細胞の分裂を生物の成長と関連付けてとらえること。
(イ) 生物の殖え方 身近な生物の殖え方を観察し,有性生殖と無性生殖の特徴を見いだすとともに,生物が殖えていくときに親の形質が子に伝わることを見いだすこと。
イ 遺伝の規則性と遺伝子
(ア) 遺伝の規則性と遺伝子 交配実験の結果などに基づいて,親の形質が子に伝わるときの規則性を見いだすこと。
(6) 地球と宇宙 身近な天体の観察を通して,地球の運動について考察させるとともに,太陽や惑星の特徴及び月の運動と見え方を理解させ,太陽系や恒星など宇宙についての認識を深める。
ア 天体の動きと地球の自転・公転
(ア) 日周運動と自転 天体の日周運動の観察を行い,その観察記録を地球の自転と関連付けてとらえること。
(イ) 年周運動と公転 星座の年周運動や太陽の南中高度の変化などの観察を行い,その観察記録を地球の公転や地軸の傾きと関連付けてとらえること。
イ 太陽系と恒星
(ア) 太陽の様子 太陽の観察を行い,その観察記録や資料に基づいて,太陽の特徴を見いだすこと。
(イ) 月の運動と見え方 月の観察を行い,その観察記録や資料に基づいて,月の公転と見え方を関連付けてとらえること。
(ウ) 惑星と恒星 観測資料などを基に,惑星と恒星などの特徴を理解するとともに,惑星の見え方を太陽系の構造と関連付けてとらえること。
(7) 自然と人間 自然環境を調べ,自然界における生物相互の関係や自然界のつり合いについて理解させるとともに,自然と人間のかかわり方について認識を深め,自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について科学的に考察し判断する態度を養う。
ア 生物と環境
(ア) 自然界のつり合い 微生物の働きを調べ,植物,動物及び微生物を栄養の面から相互に関連付けてとらえるとともに,自然界では,これらの生物がつり合いを保って生活していることを見いだすこと。
(イ) 自然環境の調査と環境保全 身近な自然環境について調べ,様々な要因が自然界のつり合いに影響していることを理解するとともに,自然環境を保全することの重要性を認識すること。
イ 自然の恵みと災害
(ア) 自然の恵みと災害 自然がもたらす恵みと災害などについて調べ,これらを多面的,総合的にとらえて,自然と人間のかかわり方について考察すること。
ウ 自然環境の保全と科学技術の利用
(ア) 自然環境の保全と科学技術の利用 自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について科学的に考察し,持続可能な社会をつくることが重要であることを認識すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)から(7)までのうち,内容の(1)及び(2)は第1学年,内容の(3)及び(4)は第2学年,内容の(5)から(7)までは第3学年で取り扱うものとする。
(2) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の「生物」については,植物を中心に取り上げ,水中の微小な生物の存在にも触れること。
イ イの(ア)については,被子植物を中心に取り上げること。「花の働き」については,受粉後に胚《はい》珠が種子になることを中心に扱うこと。
ウ イの(イ)については,光合成における葉緑体の働きにも触れること。また,葉,茎,根の働きを相互に関連付けて全体の働きとしてとらえること。
エ ウの(イ)については,シダ植物やコケ植物が胞子をつくることにも触れること。
(3) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の「火山」については,粘性と関係付けながら代表的な火山を扱うこと。「マグマの性質」については,粘性を扱うこと。「火山岩」及び「深成岩」については,代表的な岩石を扱うこと。また,代表的な造岩鉱物も扱うこと。
イ アの(イ)については,地震の現象面を中心に取り扱い,初期微動継続時間と震源までの距離との定性的な関係にも触れること。また,「地球内部の働き」については,日本付近のプレートの動きを扱うこと。
ウ イの(ア)については,地層を形成している代表的な堆《たい》積岩も取り上げること。「野外観察」については,学校内外の地層を観察する活動とすること。「地層」については,断層,褶《しゅう》曲にも触れること。「化石」については,示相化石及び示準化石を取り上げること。「地質年代」の区分は...
(4) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア イの(ア)については,各器官の働きを中心に扱うこと。「消化」については,代表的な消化酵素の働きを取り上げること。また,摂取された食物が消化によって小腸の壁から吸収される物質になることにも触れること。「呼吸」については,細胞の呼吸にも触れること。「血液の循環」に関連して,血液成分...
イ イの(イ)については,各器官の働きを中心に扱うこと。
ウ ウの(ア)については,脊椎《せきつい》動物の体の表面の様子や呼吸の仕方,運動・感覚器官の発達,食物のとり方の違いに気付かせること。
エ ウの(イ)については,節足動物や軟体動物の観察を行い,それらの動物と脊椎《せきつい》動物の体のつくりの特徴を比較することを中心に扱うこと。
オ エの(ア)については,進化の証拠とされる事柄や進化の具体例について取り上げること。その際,生物にはその生息環境での生活に都合のよい特徴が見られることにも触れること。
(5) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア イの(ア)については,気温による飽和水蒸気量の変化が湿度の変化や凝結にかかわりがあることを扱うこと。また,水の循環も扱うこと。
イ イの(イ)については,風の吹き方にも触れること。
ウ ウの(イ)については,地球を取り巻く大気の動きにも触れること。また,地球の大きさや大気の厚さにも触れること。
(6) 内容の(5)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)については,染色体が複製されることにも触れること。
イ アの(イ)については,有性生殖の仕組みを減数分裂と関連付けて扱うこと。「無性生殖」については,単細胞生物の分裂や栄養生殖にも触れること。
ウ イの(ア) については,分離の法則を扱うこと。また,遺伝子に変化が起きて形質が変化することがあることや遺伝子の本体がDNAであることにも触れること。
(7) 内容の(6)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(イ)の「太陽の南中高度の変化」については,季節による昼夜の長さや気温の変化にも触れること。
イ イの(ア)の「太陽の特徴」については,形,大きさ,表面の様子などを扱うこと。その際,放出された多量の光などのエネルギーによる地表への影響にも触れること。
ウ イの(イ)については,日食や月食にも触れること。
エ イの(ウ)の「惑星」については,大きさ,大気組成,表面温度,衛星の存在などを取り上げること。その際,地球には生命を支える条件が備わっていることにも触れること。「恒星」については,自ら光を放つことや太陽もその一つであることを扱うこと。その際,恒星の集団としての銀河系の存在にも触れ...
(8) 内容の(7)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)については,生態系における生産者,消費者及び分解者の関連を扱うこと。その際,土壌動物にも触れること。
イ アの(イ)については,生物や大気,水などの自然環境を直接調べたり,記録や資料を基に調べたりするなどの活動を行うこと。また,地球温暖化や外来種にも触れること。
ウ イの(ア)については,地球規模でのプレートの動きも扱うこと。また,「災害」については,記録や資料などを用いて調べ,地域の災害について触れること。
エ ウの(ア)については,これまでの第1分野と第2分野の学習を生かし,第1分野(7)のウの(ア)と関連付けて総合的に扱うこと。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各学年においては,年間を通して,各分野におよそ同程度の授業時数を配当すること。その際,各分野間及び各項目間の関連を十分考慮して,各分野の特徴的な見方や考え方が互いに補い合って育成されるようにすること。
(2) 学校や生徒の実態に応じ,十分な観察や実験の時間,課題解決のために探究する時間などを設けるようにすること。その際,問題を見いだし観察,実験を計画する学習活動,観察,実験の結果を分析し解釈する学習活動,科学的な概念を使用して考えたり説明したりするなどの学習活動が充実するよう配慮...
(3) 原理や法則の理解を深めるためのものづくりを,各内容の特質に応じて適宜行うようにすること。
(4) 継続的な観察や季節を変えての定点観測を,各内容の特質に応じて適宜行うようにすること。
(5) 博物館や科学学習センターなどと積極的に連携,協力を図るよう配慮すること。
(6) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,理科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 各分野の内容の指導については,次の事項に配慮するものとする。
(1) 観察,実験,野外観察を重視するとともに,地域の環境や学校の実態を生かし,自然の事物・現象を科学的に探究する能力の基礎と態度の育成及び基本的な概念の形成が段階的に無理なく行えるようにすること。
(2) 生命を尊重し,自然環境の保全に寄与する態度が育成されるようにすること。
(3) 科学技術が日常生活や社会を豊かにしていることや安全性の向上に役立っていることに触れること。また,理科で学習することが様々な職業などと関係していることにも触れること。
3 観察,実験,野外観察の指導においては,特に事故防止に十分留意するとともに,使用薬品の管理及び廃棄についても適切な措置をとるよう配慮するものとする。
4 各分野の指導に当たっては,観察,実験の過程での情報の検索,実験,データの処理,実験の計測などにおいて,コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的かつ適切に活用するよう配慮するものとする。
第5節 音楽
第1 目標  表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,音楽を愛好する心情を育てるとともに,音楽に対する感性を豊かにし,音楽活動の基礎的な能力を伸ばし,音楽文化についての理解を深め,豊かな情操を養う。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年〕
1 目標
(1) 音楽活動の楽しさを体験することを通して,音や音楽への興味・関心を養い,音楽によって生活を明るく豊かなものにする態度を育てる。
(2) 多様な音楽表現の豊かさや美しさを感じ取り,基礎的な表現の技能を身に付け,創意工夫して表現する能力を育てる。
(3) 多様な音楽のよさや美しさを味わい,幅広く主体的に鑑賞する能力を育てる。
2 内容
A 表現
(1) 歌唱の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 歌詞の内容や曲想を感じ取り,表現を工夫して歌うこと。
イ 曲種に応じた発声により,言葉の特性を生かして歌うこと。
ウ 声部の役割や全体の響きを感じ取り,表現を工夫しながら合わせて歌うこと。
(2) 器楽の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 曲想を感じ取り,表現を工夫して演奏すること。 
イ 楽器の特徴をとらえ,基礎的な奏法を身に付けて演奏すること。
ウ 声部の役割や全体の響きを感じ取り,表現を工夫しながら合わせて演奏すること。
(3) 創作の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 言葉や音階などの特徴を感じ取り,表現を工夫して簡単な旋律をつくること。
イ 表現したいイメージをもち,音素材の特徴を感じ取り,反復,変化,対照などの構成を工夫しながら音楽をつくること。
(4) 表現教材は,次に示すものを取り扱う。
ア 我が国及び諸外国の様々な音楽のうち,指導のねらいに適切で,生徒にとって平易で親しみのもてるものであること。
イ 歌唱教材には,次の観点から取り上げたものを含めること。
(ア) 我が国で長く歌われ親しまれている歌曲のうち,我が国の自然や四季の美しさを感じ取れるもの又は我が国の文化や日本語のもつ美しさを味わえるもの
(イ) 民謡,長唄《ながうた》などの我が国の伝統的な歌唱のうち,地域や学校,生徒の実態を考慮して,伝統的な声の特徴を感じ取れるもの
B 鑑賞
(1) 鑑賞の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 音楽を形づくっている要素や構造と曲想とのかかわりを感じ取って聴き,言葉で説明するなどして,音楽のよさや美しさを味わうこと。
イ 音楽の特徴をその背景となる文化・歴史や他の芸術と関連付けて,鑑賞すること。
ウ 我が国や郷土の伝統音楽及びアジア地域の諸民族の音楽の特徴から音楽の多様性を感じ取り,鑑賞すること。
(2) 鑑賞教材は,我が国や郷土の伝統音楽を含む我が国及び諸外国の様々な音楽のうち,指導のねらいに適切なものを取り扱う。
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を指導する。
ア 音色,リズム,速度,旋律,テクスチュア,強弱,形式,構成などの音楽を形づくっている要素や要素同士の関連を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受すること。
イ 音楽を形づくっている要素とそれらの働きを表す用語や記号などについて,音楽活動を通して理解すること。
〔第2学年及び第3学年〕
1 目標
(1) 音楽活動の楽しさを体験することを通して,音や音楽への興味・関心を高め,音楽によって生活を明るく豊かなものにし,生涯にわたって音楽に親しんでいく態度を育てる。
(2) 多様な音楽表現の豊かさや美しさを感じ取り,表現の技能を伸ばし,創意工夫して表現する能力を高める。
(3) 多様な音楽に対する理解を深め,幅広く主体的に鑑賞する能力を高める。
2 内容
A 表現
(1) 歌唱の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 歌詞の内容や曲想を味わい,曲にふさわしい表現を工夫して歌うこと。
イ 曲種に応じた発声や言葉の特性を理解して,それらを生かして歌うこと。
ウ 声部の役割と全体の響きとのかかわりを理解して,表現を工夫しながら合わせて歌うこと。
(2) 器楽の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 曲想を味わい,曲にふさわしい表現を工夫して演奏すること。
イ 楽器の特徴を理解し,基礎的な奏法を生かして演奏すること。 
ウ 声部の役割と全体の響きとのかかわりを理解して,表現を工夫しながら合わせて演奏すること。
(3) 創作の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 言葉や音階などの特徴を生かし,表現を工夫して旋律をつくること。
イ 表現したいイメージをもち,音素材の特徴を生かし,反復,変化,対照などの構成や全体のまとまりを工夫しながら音楽をつくること。
(4) 表現教材は,次に示すものを取り扱う。
ア 我が国及び諸外国の様々な音楽のうち,指導のねらいに適切で,生徒の意欲を高め親しみのもてるものであること。
イ 歌唱教材には,次の観点から取り上げたものを含めること。
(ア) 我が国で長く歌われ親しまれている歌曲のうち,我が国の自然や四季の美しさを感じ取れるもの又は我が国の文化や日本語のもつ美しさを味わえるもの
(イ) 民謡,長唄《ながうた》などの我が国の伝統的な歌唱のうち,地域や学校,生徒の実態を考慮して,伝統的な声の特徴を感じ取れるもの
B 鑑賞
(1) 鑑賞の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 音楽を形づくっている要素や構造と曲想とのかかわりを理解して聴き,根拠をもって批評するなどして,音楽のよさや美しさを味わうこと。
イ 音楽の特徴をその背景となる文化・歴史や他の芸術と関連付けて理解して,鑑賞すること。
ウ 我が国や郷土の伝統音楽及び諸外国の様々な音楽の特徴から音楽の多様性を理解して,鑑賞すること。
(2) 鑑賞教材は,我が国や郷土の伝統音楽を含む我が国及び諸外国の様々な音楽のうち,指導のねらいに適切なものを取り扱う。
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を指導する。
ア 音色,リズム,速度,旋律,テクスチュア,強弱,形式,構成などの音楽を形づくっている要素や要素同士の関連を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受すること。
イ 音楽を形づくっている要素とそれらの働きを表す用語や記号などについて,音楽活動を通して理解すること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学年の内容の〔共通事項〕は表現及び鑑賞に関する能力を育成する上で共通に必要となるものであり,表現及び鑑賞の各活動において十分な指導が行われるよう工夫すること。
(2) 第2の各学年の内容の「A表現」の(1),(2),(3)及び「B鑑賞」の(1)の指導については,それぞれ特定の活動のみに偏らないようにすること。
(3) 第2の各学年の内容については,生徒がより個性を生かした音楽活動を展開できるようにするため,表現方法や表現形態を選択できるようにするなど,学校や生徒の実態に応じ,効果的な指導ができるよう工夫すること。
(4) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,音楽科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の指導については,次の事項に配慮するものとする。
(1) 歌唱の指導については,次のとおり取り扱うこと。
ア 各学年の「A表現」の(4)のイの(ア)の歌唱教材については,以下の共通教材の中から各学年ごとに1曲以上を含めること。
「赤とんぼ」  三木露風《みきろふう》作詞 山田耕筰《やまだこうさく》作曲
「荒城の月」  土井晩翠《どいばんすい》作詞 滝廉太郎《たきれんたろう》作曲
「早春賦」   吉丸一昌《よしまるかずまさ》作詞 中田章《なかだあきら》作曲
「夏の思い出」 江間章子《えましょうこ》作詞 中田喜直《なかだよしなお》作曲
「花」     武島羽衣《たけしまはごろも》作詞 滝廉太郎《たきれんたろう》作曲
「花の街」   江間章子《えましょうこ》作詞 團伊玖磨《だんいくま》作曲
「浜辺の歌」  林古溪《はやしこけい》作詞 成田為三《なりたためぞう》作曲
イ 変声期について気付かせるとともに,変声期の生徒に対しては心理的な面についても配慮し,適切な声域と声量によって歌わせるようにすること。
ウ 相対的な音程感覚などを育てるために,適宜,移動ド唱法を用いること。
(2) 器楽の指導については,指導上の必要に応じて和楽器,弦楽器,管楽器,打楽器,鍵《けん》盤楽器,電子楽器及び世界の諸民族の楽器を適宜用いること。なお,和楽器の指導については,3学年間を通じて1種類以上の楽器の表現活動を通して,生徒が我が国や郷土の伝統音楽のよさを味わうことができ...
(3) 我が国の伝統的な歌唱や和楽器の指導については,言葉と音楽との関係,姿勢や身体の使い方についても配慮すること。
(4) 読譜の指導については,小学校における学習を踏まえ,♯や♭の調号としての意味を理解させるとともに,3学年間を通じて,1♯,1♭程度をもった調号の楽譜の視唱や視奏に慣れさせるようにすること。
(5) 創作の指導については,即興的に音を出しながら音のつながり方を試すなど,音を音楽へと構成していく体験を重視すること。その際,理論に偏らないようにするとともに,必要に応じて作品を記録する方法を工夫させること。
(6) 各学年の「A表現」の指導に当たっては,指揮などの身体的表現活動も取り上げるようにすること。
(7) 各学年の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,次のとおり取り扱うこと。
ア 生徒が自己のイメージや思いを伝え合ったり,他者の意図に共感したりできるようにするなどコミュニケーションを図る指導を工夫すること。
イ 適宜,自然音や環境音などについても取り扱い,音環境への関心を高めたり,音や音楽が生活に果たす役割を考えさせたりするなど,生徒が音や音楽と生活や社会とのかかわりを実感できるような指導を工夫すること。また,コンピュータや教育機器の活用も工夫すること。
ウ 音楽に関する知的財産権について,必要に応じて触れるようにすること。
(8) 各学年の〔共通事項〕のイの用語や記号などは,小学校学習指導要領第2章第6節音楽の第3の2の(6)に示すものに加え,生徒の学習状況を考慮して,次に示すものを取り扱うこと。
拍子
間《ま》
序破急
フレーズ
音階
調
和音
動機
アンダンテ
モデラート
アレグロ
リタルダンド
ア・テンポ
アッチェレランド
レガート
ピアニッシモ
フォルティッシモ
ディミヌエンド
ダ・カーポ
ダル・セーニョ
フェルマータ
テヌート
三連符
二分休符
全休符
十六分休符
第6節 美術
第1 目標  表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,美術の創造活動の喜びを味わい美術を愛好する心情を育てるとともに,感性を豊かにし,美術の基礎的な能力を伸ばし,美術文化についての理解を深め,豊かな情操を養う。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年〕
1 目標
(1) 楽しく美術の活動に取り組み美術を愛好する心情を培い,心豊かな生活を創造していく意欲と態度を育てる。
(2) 対象を見つめ感じ取る力や想像力を高め,豊かに発想し構想する能力や形や色彩などによる表現の技能を身に付け,意図に応じて創意工夫し美しく表現する能力を育てる。
(3) 自然の造形や美術作品などについての基礎的な理解や見方を広げ,美術文化に対する関心を高め,よさや美しさなどを味わう鑑賞の能力を育てる。
2 内容
A 表現
(1) 感じ取ったことや考えたことなどを基に,絵や彫刻などに表現する活動を通して,発想や構想に関する次の事項を指導する。
ア 対象を見つめ感じ取った形や色彩の特徴や美しさ,想像したことなどを基に主題を生み出すこと。
イ 主題などを基に,全体と部分との関係などを考えて創造的な構成を工夫し,心豊かに表現する構想を練ること。
(2) 伝える,使うなどの目的や機能を考え,デザインや工芸などに表現する活動を通して,発想や構想に関する次の事項を指導する。
ア 目的や条件などを基に,美的感覚を働かせて,構成や装飾を考え,表現の構想を練ること。
イ 他者の立場に立って,伝えたい内容について分かりやすさや美しさなどを考え,表現の構想を練ること。
ウ 用途や機能,使用する者の気持ち,材料などから美しさなどを考え,表現の構想を練ること。
(3) 発想や構想をしたことなどを基に表現する活動を通して,技能に関する次の事項を指導する。
ア 形や色彩などの表し方を身に付け,意図に応じて材料や用具の生かし方などを考え,創意工夫して表現すること。
イ 材料や用具の特性などから制作の順序などを考えながら,見通しをもって表現すること。
B 鑑賞
(1) 美術作品などのよさや美しさを感じ取り味わう活動を通して,鑑賞に関する次の事項を指導する。
ア 造形的なよさや美しさ,作者の心情や意図と表現の工夫,美と機能性の調和,生活における美術の働きなどを感じ取り,作品などに対する思いや考えを説明し合うなどして,対象の見方や感じ方を広げること。
イ 身近な地域や日本及び諸外国の美術の文化遺産などを鑑賞し,そのよさや美しさなどを感じ取り,美術文化に対する関心を高めること。
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を指導する。
ア 形や色彩,材料,光などの性質や,それらがもたらす感情を理解すること。
イ 形や色彩の特徴などを基に,対象のイメージをとらえること。
〔第2学年及び第3学年〕
1 目標
(1) 主体的に美術の活動に取り組み美術を愛好する心情を深め,心豊かな生活を創造していく意欲と態度を高める。
(2) 対象を深く見つめ感じ取る力や想像力を一層高め,独創的・総合的な見方や考え方を培い,豊かに発想し構想する能力や自分の表現方法を創意工夫し,創造的に表現する能力を伸ばす。
(3) 自然の造形,美術作品や文化遺産などについての理解や見方を深め,心豊かに生きることと美術とのかかわりに関心をもち,よさや美しさなどを味わう鑑賞の能力を高める。
2 内容
A 表現
(1) 感じ取ったことや考えたことなどを基に,絵や彫刻などに表現する活動を通して,発想や構想に関する次の事項を指導する。
ア 対象を深く見つめ感じ取ったこと,考えたこと,夢,想像や感情などの心の世界などを基に,主題を生み出すこと。
イ 主題などを基に想像力を働かせ,単純化や省略,強調,材料の組合せなどを考え,創造的な構成を工夫し,心豊かな表現の構想を練ること。
(2) 伝える,使うなどの目的や機能を考え,デザインや工芸などに表現する活動を通して,発想や構想に関する次の事項を指導する。
ア 目的や条件などを基に,美的感覚を働かせて形や色彩,図柄,材料,光などの組合せを簡潔にしたり総合化したりするなどして構成や装飾を考え,表現の構想を練ること。
イ 伝えたい内容を多くの人々に伝えるために,形や色彩などの効果を生かして分かりやすさや美しさなどを考え,表現の構想を練ること。
ウ 使用する者の気持ちや機能,夢や想像,造形的な美しさなどを総合的に考え,表現の構想を練ること。
(3) 発想や構想をしたことなどを基に表現する活動を通して,技能に関する次の事項を指導する。
ア 材料や用具の特性を生かし,自分の表現意図に合う新たな表現方法を工夫するなどして創造的に表現すること。
イ 材料や用具,表現方法の特性などから制作の順序などを総合的に考えながら,見通しをもって表現すること。
B 鑑賞
(1) 美術作品などのよさや美しさを感じ取り味わう活動を通して,鑑賞に関する次の事項を指導する。
ア 造形的なよさや美しさ,作者の心情や意図と創造的な表現の工夫,目的や機能との調和のとれた洗練された美しさなどを感じ取り見方を深め,作品などに対する自分の価値意識をもって批評し合うなどして,美意識を高め幅広く味わうこと。
イ 美術作品などに取り入れられている自然のよさや,自然や身近な環境の中に見られる造形的な美しさなどを感じ取り,安らぎや自然との共生などの視点から,生活を美しく豊かにする美術の働きについて理解すること。
ウ 日本の美術の概括的な変遷や作品の特質を調べたり,それらの作品を鑑賞したりして,日本の美術や伝統と文化に対する理解と愛情を深めるとともに,諸外国の美術や文化との相違と共通性に気付き,それぞれのよさや美しさなどを味わい,美術を通した国際理解を深め,美術文化の継承と創造への関心を高め...
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を指導する。
ア 形や色彩,材料,光などの性質や,それらがもたらす感情を理解すること。
イ 形や色彩の特徴などを基に,対象のイメージをとらえること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学年の内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導については相互の関連を図るようにすること。
(2) 第2の各学年の内容の〔共通事項〕は表現及び鑑賞に関する能力を育成する上で共通に必要となるものであり,表現及び鑑賞の各活動において十分な指導が行われるよう工夫すること。
(3) 第2の各学年の内容の「A表現」については,(1)及び(2)と,(3)は原則として関連付けて行い,(1)及び(2)それぞれにおいて描く活動とつくる活動のいずれも経験させるようにすること。その際,第2学年及び第3学年の各学年においては,(1)及び(2)それぞれにおいて,描く活動...
(4) 第2の内容の「B鑑賞」の指導については,各学年とも適切かつ十分な授業時数を確保すること。
(5) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,美術科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の指導については,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各学年の「A表現」の指導に当たっては,生徒の学習経験や能力,発達特性等の実態を踏まえ,生徒が自分の表現意図に合う表現形式や技法,材料などを選択し創意工夫して表現できるように,次の事項に配慮すること。
ア 見る力や感じ取る力,考える力,描く力などを育成するために,スケッチの学習を効果的に取り入れるようにすること。
イ 美術の表現の可能性を広げるために,写真・ビデオ・コンピュータ等の映像メディアの積極的な活用を図るようにすること。
ウ 日本及び諸外国の作品の独特な表現形式,漫画やイラストレーション,図などの多様な表現方法を活用できるようにすること。
エ 表現の材料や題材などについては,地域の身近なものや伝統的なものも取り上げるようにすること。
(2) 各学年の「B鑑賞」の題材については,日本及び諸外国の児童生徒の作品,アジアの文化遺産についても取り上げるとともに,美術館・博物館等の施設や文化財などを積極的に活用するようにすること。
(3) 主題を生み出すことから表現の確認及び完成に至る全過程を通して,生徒が夢と目標をもち,自分のよさを発見し喜びをもって自己実現を果たしていく態度の形成を図るようにすること。
(4) 互いの個性を生かし合い協力して創造する喜びを味わわせるため,適切な機会を選び共同で行う創造活動を経験させること。また,各表現の完成段階で作品を発表し合い,互いの表現のよさや個性などを認め尊重し合う活動をするようにすること。
(5) 美術に関する知的財産権や肖像権などについて配慮し,自己や他者の創造物等を尊重する態度の形成を図るようにすること。
3 事故防止のため,特に,刃物類,塗料,器具などの使い方の指導と保管,活動場所における安全指導などを徹底するものとする。
4 生徒が随時鑑賞に親しむことができるよう,校内の適切な場所に鑑賞作品などを展示するとともに,生徒や学校の実態に応じて,学校図書館等における鑑賞用図書,映像資料などの活用を図るものとする。
第7節 保健体育
第1 目標  心と体を一体としてとらえ,運動や健康・安全についての理解と運動の合理的な実践を通して,生涯にわたって運動に親しむ資質や能力を育てるとともに健康の保持増進のための実践力の育成と体力の向上を図り,明るく豊かな生活を営む態度を育てる。
第2 各分野の目標及び内容
〔体育分野 第1学年及び第2学年〕
1 目標
(1) 運動の合理的な実践を通して,運動の楽しさや喜びを味わうことができるようにするとともに,知識や技能を身に付け,運動を豊かに実践することができるようにする。
(2) 運動を適切に行うことによって,体力を高め,心身の調和的発達を図る。
(3) 運動における競争や協同の経験を通して,公正に取り組む,互いに協力する,自己の役割を果たすなどの意欲を育てるとともに,健康・安全に留意し,自己の最善を尽くして運動をする態度を育てる。
2 内容
A 体つくり運動
(1) 次の運動を通して,体を動かす楽しさや心地よさを味わい,体力を高め,目的に適した運動を身に付け,組み合わせることができるようにする。
ア 体ほぐしの運動では,心と体の関係に気付き,体の調子を整え,仲間と交流するための手軽な運動や律動的な運動を行うこと。
イ 体力を高める運動では,ねらいに応じて,体の柔らかさ,巧みな動き,力強い動き,動きを持続する能力を高めるための運動を行うとともに,それらを組み合わせて運動の計画に取り組むこと。
(2) 体つくり運動に積極的に取り組むとともに,分担した役割を果たそうとすることなどや,健康・安全に気を配ることができるようにする。
(3) 体つくり運動の意義と行い方,運動の計画の立て方などを理解し,課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
B 器械運動
(1) 次の運動について,技ができる楽しさや喜びを味わい,その技がよりよくできるようにする。
ア マット運動では,回転系や巧技系の基本的な技を滑らかに行うこと,条件を変えた技,発展技を行うこと,それらを組み合わせること。
イ 鉄棒運動では,支持系や懸垂系の基本的な技を滑らかに行うこと,条件を変えた技,発展技を行うこと,それらを組み合わせること。
ウ 平均台運動では,体操系やバランス系の基本的な技を滑らかに行うこと,条件を変えた技,発展技を行うこと,それらを組み合わせること。
エ 跳び箱運動では,切り返し系や回転系の基本的な技を滑らかに行うこと,条件を変えた技,発展技を行うこと。
(2) 器械運動に積極的に取り組むとともに,よい演技を認めようとすること,分担した役割を果たそうとすることなどや,健康・安全に気を配ることができるようにする。
(3) 器械運動の特性や成り立ち,技の名称や行い方,関連して高まる体力などを理解し,課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
C 陸上競技
(1) 次の運動について,記録の向上や競争の楽しさや喜びを味わい,基本的な動きや効率のよい動きを身に付けることができるようにする。
ア 短距離走・リレーでは,滑らかな動きで速く走ること,長距離走では,ペースを守り一定の距離を走ること,ハードル走では,リズミカルな走りから滑らかにハードルを越すこと。
イ 走り幅跳びでは,スピードに乗った助走から素早く踏み切って跳ぶこと,走り高跳びでは,リズミカルな助走から力強く踏み切って大きな動作で跳ぶこと。
(2) 陸上競技に積極的に取り組むとともに,勝敗などを認め,ルールやマナーを守ろうとすること,分担した役割を果たそうとすることなどや,健康・安全に気を配ることができるようにする。
(3) 陸上競技の特性や成り立ち,技術の名称や行い方,関連して高まる体力などを理解し,課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
D 水泳
(1) 次の運動について,記録の向上や競争の楽しさや喜びを味わい,泳法を身に付けることができるようにする。
ア クロールでは,手と足,呼吸のバランスをとり速く泳ぐこと。
イ 平泳ぎでは,手と足,呼吸のバランスをとり長く泳ぐこと。
ウ 背泳ぎでは,手と足,呼吸のバランスをとり泳ぐこと。
エ バタフライでは,手と足,呼吸のバランスをとり泳ぐこと。
(2) 水泳に積極的に取り組むとともに,勝敗などを認め,ルールやマナーを守ろうとすること,分担した役割を果たそうとすることなどや,水泳の事故防止に関する心得など健康・安全に気を配ることができるようにする。
(3) 水泳の特性や成り立ち,技術の名称や行い方,関連して高まる体力などを理解し,課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
E 球技
(1) 次の運動について,勝敗を競う楽しさや喜びを味わい,基本的な技能や仲間と連携した動きでゲームが展開できるようにする。
ア ゴール型では,ボール操作と空間に走り込むなどの動きによってゴール前での攻防を展開すること。
イ ネット型では,ボールや用具の操作と定位置に戻るなどの動きによって空いた場所をめぐる攻防を展開すること。
ウ ベースボール型では,基本的なバット操作と走塁での攻撃,ボール操作と定位置での守備などによって攻防を展開すること。
(2) 球技に積極的に取り組むとともに,フェアなプレイを守ろうとすること,分担した役割を果たそうとすること,作戦などについての話合いに参加しようとすることなどや,健康・安全に気を配ることができるようにする。
(3) 球技の特性や成り立ち,技術の名称や行い方,関連して高まる体力などを理解し,課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
F 武道
(1) 次の運動について,技ができる楽しさや喜びを味わい,基本動作や基本となる技ができるようにする。
ア 柔道では,相手の動きに応じた基本動作から,基本となる技を用いて,投げたり抑えたりするなどの攻防を展開すること。
イ 剣道では,相手の動きに応じた基本動作から,基本となる技を用いて,打ったり受けたりするなどの攻防を展開すること。
ウ 相撲では,相手の動きに応じた基本動作から,基本となる技を用いて,押したり寄ったりするなどの攻防を展開すること。
(2) 武道に積極的に取り組むとともに,相手を尊重し,伝統的な行動の仕方を守ろうとすること,分担した役割を果たそうとすることなどや,禁じ技を用いないなど健康・安全に気を配ることができるようにする。
(3) 武道の特性や成り立ち,伝統的な考え方,技の名称や行い方,関連して高まる体力などを理解し,課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
G ダンス
(1) 次の運動について,感じを込めて踊ったりみんなで踊ったりする楽しさや喜びを味わい,イメージをとらえた表現や踊りを通した交流ができるようにする。
ア 創作ダンスでは,多様なテーマから表したいイメージをとらえ,動きに変化を付けて即興的に表現したり,変化のあるひとまとまりの表現にしたりして踊ること。
イ フォークダンスでは,踊り方の特徴をとらえ,音楽に合わせて特徴的なステップや動きで踊ること。
ウ 現代的なリズムのダンスでは,リズムの特徴をとらえ,変化のある動きを組み合わせて,リズムに乗って全身で踊ること。
(2) ダンスに積極的に取り組むとともに,よさを認め合おうとすること,分担した役割を果たそうとすることなどや,健康・安全に気を配ることができるようにする。
(3) ダンスの特性,踊りの由来と表現の仕方,関連して高まる体力などを理解し,課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
H 体育理論
(1) 運動やスポーツが多様であることについて理解できるようにする。
ア 運動やスポーツは,体を動かしたり,健康を維持したりするなどの必要性や,競技に応じた力を試すなどの楽しさから生みだされ発展してきたこと。
イ 運動やスポーツには,行うこと,見ること,支えることなどの多様なかかわり方があること。
ウ 運動やスポーツには,特有の技術や戦術があり,その学び方には一定の方法があること。
(2) 運動やスポーツの意義や効果などについて理解できるようにする。
ア 運動やスポーツは,身体の発達やその機能の維持,体力の向上などの効果や自信の獲得,ストレスの解消などの心理的効果が期待できること。
イ 運動やスポーツは,ルールやマナーについて合意したり,適切な人間関係を築いたりするなどの社会性を高める効果が期待できること。
ウ 運動やスポーツを行う際は,その特性や目的,発達の段階や体調などを踏まえて運動を選ぶなど,健康・安全に留意する必要があること。
〔体育分野 第3学年〕
1 目標
(1) 運動の合理的な実践を通して,運動の楽しさや喜びを味わうとともに,知識や技能を高め,生涯にわたって運動を豊かに実践することができるようにする。
(2) 運動を適切に行うことによって,自己の状況に応じて体力の向上を図る能力を育て,心身の調和的発達を図る。
(3) 運動における競争や協同の経験を通して,公正に取り組む,互いに協力する,自己の責任を果たす,参画するなどの意欲を育てるとともに,健康・安全を確保して,生涯にわたって運動に親しむ態度を育てる。
2 内容
A 体つくり運動
(1) 次の運動を通して,体を動かす楽しさや心地よさを味わい,健康の保持増進や体力の向上を図り,目的に適した運動の計画を立て取り組むことができるようにする。
ア 体ほぐしの運動では,心と体は互いに影響し変化することに気付き,体の状態に応じて体の調子を整え,仲間と積極的に交流するための手軽な運動や律動的な運動を行うこと。
イ 体力を高める運動では,ねらいに応じて,健康の保持増進や調和のとれた体力の向上を図るための運動の計画を立て取り組むこと。
(2) 体つくり運動に自主的に取り組むとともに,体力の違いに配慮しようとすること,自己の責任を果たそうとすることなどや,健康・安全を確保することができるようにする。
(3) 運動を継続する意義,体の構造,運動の原則などを理解し,自己の課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
B 器械運動
(1) 次の運動について,技ができる楽しさや喜びを味わい,自己に適した技で演技することができるようにする。
ア マット運動では,回転系や巧技系の基本的な技を滑らかに安定して行うこと,条件を変えた技,発展技を行うこと,それらを構成し演技すること。
イ 鉄棒運動では,支持系や懸垂系の基本的な技を滑らかに安定して行うこと,条件を変えた技,発展技を行うこと,それらを構成し演技すること。
ウ 平均台運動では,体操系やバランス系の基本的な技を滑らかに安定して行うこと,条件を変えた技,発展技を行うこと,それらを構成し演技すること。
エ 跳び箱運動では,切り返し系や回転系の基本的な技を滑らかに安定して行うこと,条件を変えた技,発展技を行うこと。
(2) 器械運動に自主的に取り組むとともに,よい演技を讃《たた》えようとすること,自己の責任を果たそうとすることなどや,健康・安全を確保することができるようにする。
(3) 技の名称や行い方,体力の高め方,運動観察の方法などを理解し,自己の課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
C 陸上競技
(1) 次の運動について,記録の向上や競争の楽しさや喜びを味わい,各種目特有の技能を身に付けることができるようにする。
ア 短距離走・リレーでは,中間走へのつなぎを滑らかにするなどして速く走ること,長距離走では,自己に適したペースを維持して走ること,ハードル走では,スピードを維持した走りからハードルを低く越すこと。
イ 走り幅跳びでは,スピードに乗った助走から力強く踏み切って跳ぶこと,走り高跳びでは,リズミカルな助走から力強く踏み切り滑らかな空間動作で跳ぶこと。
(2) 陸上競技に自主的に取り組むとともに,勝敗などを冷静に受け止め,ルールやマナーを大切にしようとすること,自己の責任を果たそうとすることなどや,健康・安全を確保することができるようにする。
(3) 技術の名称や行い方,体力の高め方,運動観察の方法などを理解し,自己の課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
D 水泳
(1) 次の運動について,記録の向上や競争の楽しさや喜びを味わい,効率的に泳ぐことができるようにする。
ア クロールでは,手と足,呼吸のバランスを保ち,安定したペースで長く泳いだり速く泳いだりすること。
イ 平泳ぎでは,手と足,呼吸のバランスを保ち,安定したペースで長く泳いだり速く泳いだりすること。
ウ 背泳ぎでは,手と足,呼吸のバランスを保ち,安定したペースで泳ぐこと。
エ バタフライでは,手と足,呼吸のバランスを保ち,安定したペースで泳ぐこと。
オ 複数の泳法で泳ぐこと,又はリレーをすること。
(2) 水泳に自主的に取り組むとともに,勝敗などを冷静に受け止め,ルールやマナーを大切にしようとすること,自己の責任を果たそうとすることなどや,水泳の事故防止に関する心得など健康・安全を確保することができるようにする。
(3) 技術の名称や行い方,体力の高め方,運動観察の方法などを理解し,自己の課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
E 球技
(1) 次の運動について,勝敗を競う楽しさや喜びを味わい,作戦に応じた技能で仲間と連携しゲームが展開できるようにする。
ア ゴール型では,安定したボール操作と空間を作りだすなどの動きによってゴール前への侵入などから攻防を展開すること。
イ ネット型では,役割に応じたボール操作や安定した用具の操作と連携した動きによって空いた場所をめぐる攻防を展開すること。
ウ ベースボール型では,安定したバット操作と走塁での攻撃,ボール操作,連携した守備などによって攻防を展開すること。
(2) 球技に自主的に取り組むとともに,フェアなプレイを大切にしようとすること,自己の責任を果たそうとすること,作戦などについての話合いに貢献しようとすることなどや,健康・安全を確保することができるようにする。
(3) 技術の名称や行い方,体力の高め方,運動観察の方法などを理解し,自己の課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
F 武道
(1) 次の運動について,技を高め勝敗を競う楽しさや喜びを味わい,得意技を身に付けることができるようにする。
ア 柔道では,相手の動きの変化に応じた基本動作から,基本となる技,得意技や連絡技を用いて,相手を崩して投げたり,抑えたりするなどの攻防を展開すること。
イ 剣道では,相手の動きの変化に応じた基本動作から,基本となる技や得意技を用いて,相手の構えを崩し,しかけたり応じたりするなどの攻防を展開すること。
ウ 相撲では,相手の動きの変化に応じた基本動作から,基本となる技や得意技を用いて,相手を崩し,投げたりひねったりするなどの攻防を展開すること。
(2) 武道に自主的に取り組むとともに,相手を尊重し,伝統的な行動の仕方を大切にしようとすること,自己の責任を果たそうとすることなどや,健康・安全を確保することができるようにする。
(3) 伝統的な考え方,技の名称や見取り稽《けい》古の仕方,体力の高め方,運動観察の方法などを理解し,自己の課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
G ダンス
(1) 次の運動について,感じを込めて踊ったり,みんなで自由に踊ったりする楽しさや喜びを味わい,イメージを深めた表現や踊りを通した交流や発表ができるようにする。
ア 創作ダンスでは,表したいテーマにふさわしいイメージをとらえ,個や群で,緩急強弱のある動きや空間の使い方で変化をつけて即興的に表現したり,簡単な作品にまとめたりして踊ること。
イ フォークダンスでは,踊り方の特徴をとらえ,音楽に合わせて特徴的なステップや動きと組み方で踊ること。
ウ 現代的なリズムのダンスでは,リズムの特徴をとらえ,変化とまとまりを付けて,リズムに乗って全身で踊ること。
(2) ダンスに自主的に取り組むとともに,互いの違いやよさを認め合おうとすること,自己の責任を果たそうとすることなどや,健康・安全を確保することができるようにする。
(3) ダンスの名称や用語,踊りの特徴と表現の仕方,体力の高め方,交流や発表の仕方などを理解し,自己の課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。
H 体育理論
(1) 文化としてのスポーツの意義について理解できるようにする。
ア スポーツは文化的な生活を営み,よりよく生きていくために重要であること。
イ オリンピックや国際的なスポーツ大会などは,国際親善や世界平和に大きな役割を果たしていること。
ウ スポーツは,民族や国,人種や性,障害の違いなどを超えて人々を結び付けていること。
〔内容の取扱い〕
(1) 内容の各領域については,次のとおり取り扱うものとする。
ア 第1学年及び第2学年においては,「A体つくり運動」から「H体育理論」までについては,すべての生徒に履修させること。その際,「A体つくり運動」及び「H体育理論」については,2学年にわたって履修させること。
イ 第3学年においては,「A体つくり運動」及び「H体育理論」については,すべての生徒に履修させること。「B器械運動」,「C 陸上競技」,「D水泳」及び「Gダンス」についてはこれらの中から一以上を,「E球技」及び「F武道」についてはこれらの中から一以上をそれぞれ選択して履修できるよう...
(2) 内容の「A体つくり運動」から「H体育理論」までに示す事項については,次のとおり取り扱うものとする。
ア 「A体つくり運動」の(1)のアの運動については,「B器械運動」から「Gダンス」までにおいても関連を図って指導することができるとともに,心の健康など保健分野との関連を図ること。また,「A体つくり運動」の(1)のイの運動については,第1学年及び第2学年においては,動きを持続する能力...
イ 「B器械運動」の(1)の運動については,第1学年及び第2学年においては,アからエまでの中からアを含む二を選択して履修できるようにすること。第3学年においては,アからエまでの中から選択して履修できるようにすること。
ウ 「C陸上競技」の(1)の運動については,ア及びイに示すそれぞれの運動の中から選択して履修できるようにすること。
エ 「D水泳」の(1)の運動については,第1学年及び第2学年においては,アからエまでの中からア又はイのいずれかを含む二を選択して履修できるようにすること。第3学年においては,アからオまでの中から選択して履修できるようにすること。また,泳法との関連において水中からのスタート及びターン...
オ 「E球技」の(1)の運動については,第1学年及び第2学年においては,アからウまでをすべての生徒に履修させること。第3学年においては,アからウまでの中から二を選択して履修できるようにすること。また,アについては,バスケットボール,ハンドボール,サッカーの中から,イについては,バレ...
カ 「F武道」の(1)の運動については,アからウまでの中から一を選択して履修できるようにすること。なお,地域や学校の実態に応じて,なぎなたなどのその他の武道についても履修させることができること。また,武道場などの確保が難しい場合は指導方法を工夫して行うとともに,学習段階や個人差を踏...
キ 「Gダンス」の(1)の運動については,アからウまでの中から選択して履修できるようにすること。なお,地域や学校の実態に応じて,その他のダンスについても履修させることができること。
ク 第1学年及び第2学年の内容の「H体育理論」については,(1)は第1学年,(2)は第2学年で取り上げること。
(3) 内容の「A体つくり運動」から「Gダンス」までの領域及び運動の選択並びにその指導に当たっては,地域や学校の実態及び生徒の特性等を考慮するものとする。その際,指導に当たっては,内容の「B器械運動」から「Gダンス」までの領域については,それぞれの運動の特性に触れるために必要な体力...
(4) 自然とのかかわりの深いスキー,スケートや水辺活動などの指導については,地域や学校の実態に応じて積極的に行うことに留意するものとする。
(5) 集合,整頓《とん》,列の増減,方向変換などの行動の仕方を身に付け,能率的で安全な集団としての行動ができるようにするための指導については,内容の「A体つくり運動」から「Gダンス」までの領域において適切に行うものとする。
〔保健分野〕
1 目標  個人生活における健康・安全に関する理解を通して,生涯を通じて自らの健康を適切に管理し,改善していく資質や能力を育てる。
2 内容
(1) 心身の機能の発達と心の健康について理解できるようにする。
ア 身体には,多くの器官が発育し,それに伴い,様々な機能が発達する時期があること。また,発育・発達の時期やその程度には,個人差があること。
イ 思春期には,内分泌の働きによって生殖にかかわる機能が成熟すること。また,成熟に伴う変化に対応した適切な行動が必要となること。
ウ 知的機能,情意機能,社会性などの精神機能は,生活経験などの影響を受けて発達すること。また,思春期においては,自己の認識が深まり,自己形成がなされること。
エ 精神と身体は,相互に影響を与え,かかわっていること。   欲求やストレスは,心身に影響を与えることがあること。また,心の健康を保つには,欲求やストレスに適切に対処する必要があること。
(2) 健康と環境について理解できるようにする。
ア 身体には,環境に対してある程度まで適応能力があること。身体の適応能力を超えた環境は,健康に影響を及ぼすことがあること。また,快適で能率のよい生活を送るための温度,湿度や明るさには一定の範囲があること。
イ 飲料水や空気は,健康と密接なかかわりがあること。また,飲料水や空気を衛生的に保つには,基準に適合するよう管理する必要があること。
ウ 人間の生活によって生じた廃棄物は,環境の保全に十分配慮し,環境を汚染しないように衛生的に処理する必要があること。
(3) 傷害の防止について理解を深めることができるようにする。
ア 交通事故や自然災害などによる傷害は,人的要因や環境要因などがかかわって発生すること。
イ 交通事故などによる傷害の多くは,安全な行動,環境の改善によって防止できること。
ウ 自然災害による傷害は,災害発生時だけでなく,二次災害によっても生じること。また,自然災害による傷害の多くは,災害に備えておくこと,安全に避難することによって防止できること。
エ 応急手当を適切に行うことによって,傷害の悪化を防止することができること。また,応急手当には,心肺蘇《そ》生等があること。
(4) 健康な生活と疾病の予防について理解を深めることができるようにする。
ア 健康は,主体と環境の相互作用の下に成り立っていること。また,疾病は,主体の要因と環境の要因がかかわり合って発生すること。 
イ 健康の保持増進には,年齢,生活環境等に応じた食事,運動,休養及び睡眠の調和のとれた生活を続ける必要があること。また,食事の量や質の偏り,運動不足,休養や睡眠の不足などの生活習慣の乱れは,生活習慣病などの要因となること。
ウ 喫煙,飲酒,薬物乱用などの行為は,心身に様々な影響を与え,健康を損なう原因となること。また,これらの行為には,個人の心理状態や人間関係,社会環境が影響することから,それぞれの要因に適切に対処する必要があること。
エ 感染症は,病原体が主な要因となって発生すること。また,感染症の多くは,発生源をなくすこと,感染経路を遮断すること,主体の抵抗力を高めることによって予防できること。
オ 健康の保持増進や疾病の予防には,保健・医療機関を有効に利用することがあること。また,医薬品は,正しく使用すること。
カ 個人の健康は,健康を保持増進するための社会の取組と密接なかかわりがあること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)は第1学年,内容の(2)及び(3)は第2学年,内容の(4)は第3学年で取り扱うものとする。
(2) 内容の(1)のアについては,呼吸器,循環器を中心に取り扱うものとする。 
(3) 内容の(1)のイについては,妊娠や出産が可能となるような成熟が始まるという観点から,受精・妊娠までを取り扱うものとし,妊娠の経過は取り扱わないものとする。また,身体の機能の成熟とともに,性衝動が生じたり,異性への関心が高まったりすることなどから,異性の尊重,情報への適切な対...
(4) 内容の(1)のエについては,体育分野の内容の「A体つくり運動」の(1)のアの指導との関連を図って指導するものとする。 
(5) 内容の(2)については,地域の実態に即して公害と健康との関係を取り扱うことも配慮するものとする。また,生態系については,取り扱わないものとする。
(6) 内容の(3)のエについては,包帯法,止血法など傷害時の応急手当も取り扱い,実習を行うものとする。また,効果的な指導を行うため,水泳など体育分野の内容との関連を図るものとする。 
(7) 内容の(4)のイについては,食育の観点も踏まえつつ健康的な生活習慣の形成に結び付くよう配慮するとともに,必要に応じて,コンピュータなどの情報機器の使用と健康とのかかわりについて取り扱うことも配慮するものとする。
(8) 内容の(4)のウについては,心身への急性影響及び依存性について取り扱うこと。また,薬物は,覚せい剤や大麻等を取り扱うものとする。
(9) 内容の(4)のエについては,後天性免疫不全症候群(エイズ)及び性感染症についても取り扱うものとする。
(10) 保健分野の指導に際しては,知識を活用する学習活動を取り入れるなどの指導方法の工夫を行うものとする。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 授業時数の配当については,次のとおり取り扱うこと。
ア 保健分野の授業時数は,3学年間で,48単位時間程度を配当すること。
イ 体育分野の授業時数は,各学年にわたって適切に配当すること。その際,体育分野の内容の「A体つくり運動」については,各学年で7単位時間以上を,「H体育理論」については,各学年で3単位時間以上を配当すること。
ウ 体育分野の内容の「B器械運動」から「Gダンス」までの領域の授業時数は,その内容の習熟を図ることができるよう考慮して配当すること。
エ 保健分野の授業時数は,3学年間を通して適切に配当し,各学年において効果的な学習が行われるよう適切な時期にある程度まとまった時間を配当すること。
(2) 第1章総則第1の3に示す学校における体育・健康に関する指導の趣旨を生かし,特別活動,運動部の活動などとの関連を図り,日常生活における体育・健康に関する活動が適切かつ継続的に実践できるよう留意すること。なお,体力の測定については,計画的に実施し,運動の指導及び体力の向上に活用...
(3) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,保健体育科の特質に応じて適切な指導をすること。
第8節 技術・家庭
第1 目標  生活に必要な基礎的・基本的な知識及び技術の習得を通して,生活と技術とのかかわりについて理解を深め,進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる。
第2 各分野の目標及び内容
〔技術分野〕
1 目標  ものづくりなどの実践的・体験的な学習活動を通して,材料と加工,エネルギー変換,生物育成及び情報に関する基礎的・基本的な知識及び技術を習得するとともに,技術と社会や環境とのかかわりについて理解を深め,技術を適切に評価し活用する能力と態度を育てる。
2 内容
A 材料と加工に関する技術
(1) 生活や産業の中で利用されている技術について,次の事項を指導する。
ア 技術が生活の向上や産業の継承と発展に果たしている役割について考えること。
イ 技術の進展と環境との関係について考えること。
(2) 材料と加工法について,次の事項を指導する。
ア 材料の特徴と利用方法を知ること。
イ 材料に適した加工法を知り,工具や機器を安全に使用できること。
ウ 材料と加工に関する技術の適切な評価・活用について考えること。
(3) 材料と加工に関する技術を利用した製作品の設計・製作について,次の事項を指導する。
ア 使用目的や使用条件に即した機能と構造について考えること。
イ 構想の表示方法を知り,製作図をかくことができること。
ウ 部品加工,組立て及び仕上げができること。
B エネルギー変換に関する技術
(1) エネルギー変換機器の仕組みと保守点検について,次の事項を指導する。
ア エネルギーの変換方法や力の伝達の仕組みを知ること。
イ 機器の基本的な仕組みを知り,保守点検と事故防止ができること。
ウ エネルギー変換に関する技術の適切な評価・活用について考えること。
(2) エネルギー変換に関する技術を利用した製作品の設計・製作について,次の事項を指導する。
ア 製作品に必要な機能と構造を選択し,設計ができること。
イ 製作品の組立て・調整や電気回路の配線・点検ができること。
C 生物育成に関する技術
(1) 生物の生育環境と育成技術について,次の事項を指導する。
ア 生物の育成に適する条件と生物の育成環境を管理する方法を知ること。
イ 生物育成に関する技術の適切な評価・活用について考えること。
(2) 生物育成に関する技術を利用した栽培又は飼育について,次の事項を指導する。
ア 目的とする生物の育成計画を立て,生物の栽培又は飼育ができること。
D 情報に関する技術
(1) 情報通信ネットワークと情報モラルについて,次の事項を指導する。
ア コンピュータの構成と基本的な情報処理の仕組みを知ること。
イ 情報通信ネットワークにおける基本的な情報利用の仕組みを知ること。
ウ 著作権や発信した情報に対する責任を知り,情報モラルについて考えること。
エ 情報に関する技術の適切な評価・活用について考えること。
(2) ディジタル作品の設計・制作について,次の事項を指導する。
ア メディアの特徴と利用方法を知り,制作品の設計ができること。
イ 多様なメディアを複合し,表現や発信ができること。
(3) プログラムによる計測・制御について,次の事項を指導する。
ア コンピュータを利用した計測・制御の基本的な仕組みを知ること。
イ 情報処理の手順を考え,簡単なプログラムが作成できること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A材料と加工に関する技術」の(1)については,技術の進展が資源やエネルギーの有効利用,自然環境の保全に貢献していることや,ものづくりの技術が我が国の伝統や文化を支えてきたことについても扱うものとする。
(2) 内容の「Bエネルギー変換に関する技術」の(1)のイについては,漏電・感電等についても扱うものとする。
(3) 内容の「C生物育成に関する技術」の(2)については,地域固有の生態系に影響を及ぼすことのないよう留意するものとする。
(4) 内容の「D情報に関する技術」については,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)のアについては,情報のディジタル化の方法と情報の量についても扱うこと。(1)のウについては,情報通信ネットワークにおける知的財産の保護の必要性についても扱うこと。
イ (2)については,使用するメディアに応じて,個人情報の保護の必要性についても扱うこと。
(5) すべての内容において,技術にかかわる倫理観や新しい発想を生み出し活用しようとする態度が育成されるようにするものとする。
〔家庭分野〕
1 目標  衣食住などに関する実践的・体験的な学習活動を通して,生活の自立に必要な基礎的・基本的な知識及び技術を習得するとともに,家庭の機能について理解を深め,これからの生活を展望して,課題をもって生活をよりよくしようとする能力と態度を育てる。
2 内容
A 家族・家庭と子どもの成長
(1) 自分の成長と家族について,次の事項を指導する。
ア 自分の成長と家族や家庭生活とのかかわりについて考えること。
(2) 家庭と家族関係について,次の事項を指導する。
ア 家庭や家族の基本的な機能と,家庭生活と地域とのかかわりについて理解すること。
イ これからの自分と家族とのかかわりに関心をもち,家族関係をよりよくする方法を考えること。
(3) 幼児の生活と家族について,次の事項を指導する。
ア 幼児の発達と生活の特徴を知り,子どもが育つ環境としての家族の役割について理解すること。
イ 幼児の観察や遊び道具の製作などの活動を通して,幼児の遊びの意義について理解すること。
ウ 幼児と触れ合うなどの活動を通して,幼児への関心を深め,かかわり方を工夫できること。
エ 家族又は幼児の生活に関心をもち,課題をもって家族関係又は幼児の生活について工夫し,計画を立てて実践できること。
B 食生活と自立
(1) 中学生の食生活と栄養について,次の事項を指導する。
ア 自分の食生活に関心をもち,生活の中で食事が果たす役割を理解し,健康によい食習慣について考えること。
イ 栄養素の種類と働きを知り,中学生に必要な栄養の特徴について考えること。
(2) 日常食の献立と食品の選び方について,次の事項を指導する。
ア 食品の栄養的特質や中学生の1日に必要な食品の種類と概量について知ること。
イ 中学生の1日分の献立を考えること。 
ウ 食品の品質を見分け,用途に応じて選択できること。
(3) 日常食の調理と地域の食文化について,次の事項を指導する。
ア 基礎的な日常食の調理ができること。また,安全と衛生に留意し,食品や調理用具等の適切な管理ができること。
イ 地域の食材を生かすなどの調理を通して,地域の食文化について理解すること。
ウ 食生活に関心をもち,課題をもって日常食又は地域の食材を生かした調理などの活動について工夫し,計画を立てて実践できること。
C 衣生活・住生活と自立
(1) 衣服の選択と手入れについて,次の事項を指導する。
ア 衣服と社会生活とのかかわりを理解し,目的に応じた着用や個性を生かす着用を工夫できること。
イ 衣服の計画的な活用の必要性を理解し,適切な選択ができること。
ウ 衣服の材料や状態に応じた日常着の手入れができること。
(2) 住居の機能と住まい方について,次の事項を指導する。
ア 家族の住空間について考え,住居の基本的な機能について知ること。
イ 家族の安全を考えた室内環境の整え方を知り,快適な住まい方を工夫できること。
(3) 衣生活,住生活などの生活の工夫について,次の事項を指導する。
ア 布を用いた物の製作を通して,生活を豊かにするための工夫ができること。
イ 衣服又は住まいに関心をもち,課題をもって衣生活又は住生活について工夫し,計画を立てて実践できること。
D 身近な消費生活と環境
(1) 家庭生活と消費について,次の事項を指導する。
ア 自分や家族の消費生活に関心をもち,消費者の基本的な権利と責任について理解すること。
イ 販売方法の特徴について知り,生活に必要な物資・サービスの適切な選択,購入及び活用ができること。
(2) 家庭生活と環境について,次の事項を指導する。
ア 自分や家族の消費生活が環境に与える影響について考え,環境に配慮した消費生活について工夫し,実践できること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A家族・家庭と子どもの成長」については,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1),(2)及び(3)については,相互に関連を図り,実習や観察,ロールプレイングなどの学習活動を中心とするよう留意すること。
イ (2)のアについては,高齢者などの地域の人々とのかかわりについても触れるよう留意すること。
ウ (3)のアについては,幼児期における周囲との基本的な信頼関係や生活習慣の形成の重要性についても扱うこと。(3)のウについては,幼稚園や保育所等の幼児との触れ合いができるよう留意すること。
(2) 内容の「B食生活と自立」については,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)のイについては,水の働きや食物繊維についても触れること。
イ (2)のウについては,主として調理実習で用いる生鮮食品と加工食品の良否や表示を扱うこと。
ウ (3)のアについては,魚,肉,野菜を中心として扱い,基礎的な題材を取り上げること。(3)のイについては,調理実習を中心とし,主として地域又は季節の食材を利用することの意義について扱うこと。また,地域の伝統的な行事食や郷土料理を扱うこともできること。
エ 食に関する指導については,技術・家庭科の特質に応じて,食育の充実に資するよう配慮すること。
(3) 内容の「C衣生活・住生活と自立」については,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)のアについては,和服の基本的な着装を扱うこともできること。(1)のイについては,既製服の表示と選択に当たっての留意事項を扱うこと。(1)のウについては,日常着の手入れは主として洗濯と補修を扱うこと。
イ (2)のアについては,簡単な図などによる住空間の構想を扱うこと。
ウ (3)のアについては, (1)のウとの関連を図り,主として補修の技術を生かしてできる製作品を扱うこと。
(4) 内容の「D身近な消費生活と環境」については,次のとおり取り扱うものとする。
ア 内容の「A家族・家庭と子どもの成長」,「B食生活と自立」又は「C衣生活・住生活と自立」の学習との関連を図り,実践的に学習できるようにすること。
イ (1)については,中学生の身近な消費行動と関連させて扱うこと。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 技術分野及び家庭分野の授業時数については,3学年間を見通した全体的な指導計画に基づき,いずれかの分野に偏ることなく配当して履修させること。その際,家庭分野の内容の「A家族・家庭と子どもの成長」の(3)のエ,「B食生活と自立」の(3)のウ及び「C衣生活・住生活と自立」の(3)...
(2) 技術分野の内容の「A材料と加工に関する技術」から「D情報に関する技術」並びに家庭分野の内容の「A家族・家庭と子どもの成長」から「D身近な消費生活と環境」の各項目に配当する授業時数及び履修学年については,地域,学校及び生徒の実態等に応じて,各学校において適切に定めること。その...
(3) 各項目及び各項目に示す事項については,相互に有機的な関連を図り,総合的に展開されるよう適切な題材を設定して計画を作成すること。その際,小学校における学習を踏まえ,他教科等との関連を明確にして,系統的・発展的に指導ができるよう配慮すること。
(4) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,技術・家庭科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 各分野の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 基礎的・基本的な知識及び技術を習得し,基本的な概念などの理解を深めるとともに,仕事の楽しさや完成の喜びを体得させるよう,実践的・体験的な学習活動を充実すること。
(2) 生徒が学習した知識及び技術を生活に活用できるよう,問題解決的な学習を充実するとともに,家庭や地域社会との連携を図るようにすること。
3 実習の指導に当たっては,施設・設備の安全管理に配慮し,学習環境を整備するとともに,火気,用具,材料などの取扱いに注意して事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。
4 各分野の指導については,衣食住やものづくりなどに関する実習等の結果を整理し考察する学習活動や,生活における課題を解決するために言葉や図表,概念などを用いて考えたり,説明したりするなどの学習活動が充実するよう配慮するものとする。
第9節 外国語
第1 目標  外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う。
第2 各言語の目標及び内容等
英語
1 目標
(1) 初歩的な英語を聞いて話し手の意向などを理解できるようにする。
(2) 初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話すことができるようにする。
(3) 英語を読むことに慣れ親しみ,初歩的な英語を読んで書き手の意向などを理解できるようにする。
(4) 英語で書くことに慣れ親しみ,初歩的な英語を用いて自分の考えなどを書くことができるようにする。
2 内容
(1) 言語活動 英語を理解し,英語で表現できる実践的な運用能力を養うため,次の言語活動を3学年間を通して行わせる。
ア 聞くこと 主として次の事項について指導する。
(ア) 強勢,イントネーション,区切りなど基本的な英語の音声の特徴をとらえ,正しく聞き取ること。
(イ) 自然な口調で話されたり読まれたりする英語を聞いて,情報を正確に聞き取ること。
(ウ) 質問や依頼などを聞いて適切に応じること。
(エ) 話し手に聞き返すなどして内容を確認しながら理解すること。
(オ) まとまりのある英語を聞いて,概要や要点を適切に聞き取ること。
イ 話すこと 主として次の事項について指導する。
(ア) 強勢,イントネーション,区切りなど基本的な英語の音声の特徴をとらえ,正しく発音すること。
(イ) 自分の考えや気持ち,事実などを聞き手に正しく伝えること。
(ウ) 聞いたり読んだりしたことなどについて,問答したり意見を述べ合ったりなどすること。
(エ) つなぎ言葉を用いるなどのいろいろな工夫をして話を続けること。
(オ) 与えられたテーマについて簡単なスピーチをすること。
ウ 読むこと 主として次の事項について指導する。
(ア) 文字や符号を識別し,正しく読むこと。
(イ) 書かれた内容を考えながら黙読したり,その内容が表現されるように音読すること。
(ウ) 物語のあらすじや説明文の大切な部分などを正確に読み取ること。
(エ) 伝言や手紙などの文章から書き手の意向を理解し,適切に応じること。
(オ) 話の内容や書き手の意見などに対して感想を述べたり賛否やその理由を示したりなどすることができるよう,書かれた内容や考え方などをとらえること。
エ 書くこと 主として次の事項について指導する。
(ア) 文字や符号を識別し,語と語の区切りなどに注意して正しく書くこと。
(イ) 語と語のつながりなどに注意して正しく文を書くこと。
(ウ) 聞いたり読んだりしたことについてメモをとったり,感想,賛否やその理由を書いたりなどすること。
(エ) 身近な場面における出来事や体験したことなどについて,自分の考えや気持ちなどを書くこと。
(オ) 自分の考えや気持ちなどが読み手に正しく伝わるように,文と文のつながりなどに注意して文章を書くこと。
(2) 言語活動の取扱い
ア 3学年間を通じ指導に当たっては,次のような点に配慮するものとする。
(ア) 実際に言語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合うなどの活動を行うとともに,(3)に示す言語材料について理解したり練習したりする活動を行うようにすること。
(イ) 実際に言語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合うなどの活動においては,具体的な場面や状況に合った適切な表現を自ら考えて言語活動ができるようにすること。
(ウ) 言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使用場面や言語の働きを取り上げるようにすること。
〔言語の使用場面の例〕
a 特有の表現がよく使われる場面
・ あいさつ
・ 自己紹介  
・ 電話での応答
・ 買物    
・ 道案内
・ 旅行
・ 食事  
 など  
b 生徒の身近な暮らしにかかわる場面
・ 家庭での生活     
・ 学校での学習や活動
・ 地域の行事 
など
〔言語の働きの例〕
a コミュニケーションを円滑にする
・ 呼び掛ける  
・ 相づちをうつ  
・ 聞き直す
・ 繰り返す 
など
b 気持ちを伝える
・ 礼を言う  
・ 苦情を言う
・ 褒める
・ 謝る 
など
c 情報を伝える
・ 説明する  
・ 報告する  
・ 発表する
・ 描写する 
など
d 考えや意図を伝える
・ 申し出る
・ 約束する
・ 意見を言う
・ 賛成する
・ 反対する
・ 承諾する
・ 断る 
など
e 相手の行動を促す
・ 質問する
・ 依頼する
・ 招待する 
など
イ 生徒の学習段階を考慮して各学年の指導に当たっては,次のような点に配慮するものとする。
(ア) 第1学年における言語活動 小学校における外国語活動を通じて音声面を中心としたコミュニケーションに対する積極的な態度などの一定の素地が育成されることを踏まえ,身近な言語の使用場面や言語の働きに配慮した言語活動を行わせること。その際,自分の気持ちや身の回りの出来事などの中から簡...
(イ) 第2学年における言語活動 第1学年の学習を基礎として,言語の使用場面や言語の働きを更に広げた言語活動を行わせること。その際,第1学年における学習内容を繰り返して指導し定着を図るとともに,事実関係を伝えたり,物事について判断したりした内容などの中からコミュニケーションを図れる...
(ウ) 第3学年における言語活動 第2学年までの学習を基礎として,言語の使用場面や言語の働きを一層広げた言語活動を行わせること。その際,第1学年及び第2学年における学習内容を繰り返して指導し定着を図るとともに,様々な考えや意見などの中からコミュニケーションが図れるような話題を取り上...
(3) 言語材料 (1)の言語活動は,以下に示す言語材料の中から,1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。
ア 音声
(ア) 現代の標準的な発音
(イ) 語と語の連結による音変化
(ウ) 語,句,文における基本的な強勢
(エ) 文における基本的なイントネーション
(オ) 文における基本的な区切り
イ 文字及び符号
(ア) アルファベットの活字体の大文字及び小文字
(イ) 終止符,疑問符,コンマ,引用符,感嘆符など基本的な符号
ウ 語,連語及び慣用表現
(ア) 1200語程度の語
(イ) in front of,a lot of,get up,look for などの連語
(ウ) excuse me,I see,I'm sorry,thank you,you're welcome,for exampleなどの慣用表現
エ 文法事項
(ア) 文
a 単文,重文及び複文
b 肯定及び否定の平叙文
c 肯定及び否定の命令文
d 疑問文のうち,動詞で始まるもの,助動詞(can,do,mayなど)で始まるもの,orを含むもの及び疑問詞(how,what,when,where,which,who,whose,why)で始まるもの
(イ) 文構造
a [主語+動詞]
b [主語+動詞+補語]のうち,
(a) 主語+be動詞+{名詞‖代名詞‖形容詞}
(b) 主語+be動詞以外の動詞+{名詞‖形容詞}
c [主語+動詞+目的語]のうち,
(a) 主語+動詞+{名詞‖代名詞‖動名詞‖to不定詞‖how(など)to不定詞‖thatで始まる節}
(b) 主語+動詞+whatなどで始まる節
d [主語+動詞+間接目的語+直接目的語]のうち,
(a) 主語+動詞+間接目的語+{名詞‖代名詞}
(b) 主語+動詞+間接目的語+how(など)to不定詞
e [主語+動詞+目的語+補語]のうち,
(a) 主語+動詞+目的語+{名詞‖形容詞}
f その他
(a) There+be動詞+~
(b) It+be動詞+~(+for~)+to不定詞
(c) 主語+tell,wantなど+目的語+to不定詞
(ウ) 代名詞
a 人称,指示,疑問,数量を表すもの
b 関係代名詞のうち,主格のthat,which,who及び目的格のthat,whichの制限的用法
(エ) 動詞の時制など 現在形,過去形,現在進行形,過去進行形,現在完了形及び助動詞などを用いた未来表現
(オ) 形容詞及び副詞の比較変化
(カ) to不定詞
(キ) 動名詞
(ク) 現在分詞及び過去分詞の形容詞としての用法
(ケ) 受け身
(4) 言語材料の取扱い
ア 発音と綴《つづ》りとを関連付けて指導すること。
イ 文法については,コミュニケーションを支えるものであることを踏まえ,言語活動と効果的に関連付けて指導すること。
ウ (3)のエの文法事項の取扱いについては,用語や用法の区別などの指導が中心とならないよう配慮し,実際に活用できるように指導すること。また,語順や修飾関係などにおける日本語との違いに留意して指導すること。
エ 英語の特質を理解させるために,関連のある文法事項はまとまりをもって整理するなど,効果的な指導ができるよう工夫すること。
3 指導計画の作成と内容の取扱い
(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 各学校においては,生徒や地域の実態に応じて,学年ごとの目標を適切に定め,3学年間を通して英語の目標の実現を図るようにすること。
イ 2の(3)の言語材料については,学習段階に応じて平易なものから難しいものへと段階的に指導すること。
ウ 音声指導に当たっては,日本語との違いに留意しながら,発音練習などを通して2の(3)のアに示された言語材料を継続して指導すること。 また,音声指導の補助として,必要に応じて発音表記を用いて指導することもできること。
エ 文字指導に当たっては,生徒の学習負担に配慮し筆記体を指導することもできること。
オ 語,連語及び慣用表現については,運用度の高いものを用い,活用することを通して定着を図るようにすること。
カ 辞書の使い方に慣れ,活用できるようにすること。
キ 生徒の実態や教材の内容などに応じて,コンピュータや情報通信ネットワーク,教育機器などを有効活用したり,ネイティブ・スピーカーなどの協力を得たりなどすること。 また,ペアワーク,グループワークなどの学習形態を適宜工夫すること。
(2) 教材は,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことなどのコミュニケーション能力を総合的に育成するため,実際の言語の使用場面や言語の働きに十分配慮したものを取り上げるものとする。その際,英語を使用している人々を中心とする世界の人々及び日本人の日常生活,風俗習慣,物語,地理,歴史,...
ア 多様なものの見方や考え方を理解し,公正な判断力を養い豊かな心情を育てるのに役立つこと。
イ 外国や我が国の生活や文化についての理解を深めるとともに,言語や文化に対する関心を高め,これらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。
ウ 広い視野から国際理解を深め,国際社会に生きる日本人としての自覚を高めるとともに,国際協調の精神を養うのに役立つこと。
その他の外国語 その他の外国語については,英語の目標及び内容等に準じて行うものとする。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 小学校における外国語活動との関連に留意して,指導計画を適切に作成するものとする。
2 外国語科においては,英語を履修させることを原則とする。
3 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,外国語科の特質に応じて適切な指導をすること。
第3章 特別の教科 道徳
第1 目標  第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため,道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を広い視野から多面的・多角的に考え,人間としての生き方についての考えを深める学習を通して,道徳的な判断力,心情,実践意...
第2 内容  学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の要である道徳科においては,以下に示す項目について扱う。
A 主として自分自身に関すること
[自主,自律,自由と責任]  自律の精神を重んじ,自主的に考え,判断し,誠実に実行してその結果に責任をもつこと。
[節度,節制]  望ましい生活習慣を身に付け,心身の健康の増進を図り,節度を守り節制に心掛け,安全で調和のある生活をすること。
[向上心,個性の伸長]  自己を見つめ,自己の向上を図るとともに,個性を伸ばして充実した生き方を追求すること。
[希望と勇気,克己と強い意志]  より高い目標を設定し,その達成を目指し,希望と勇気をもち,困難や失敗を乗り越えて着実にやり遂げること。
[真理の探究,創造]  真実を大切にし,真理を探究して新しいものを生み出そうと努めること。
B 主として人との関わりに関すること
[思いやり,感謝]  思いやりの心をもって人と接するとともに,家族などの支えや多くの人々の善意により日々の生活や現在の自分があることに感謝し,進んでそれに応え,人間愛の精神を深めること。
[礼儀]  礼儀の意義を理解し,時と場に応じた適切な言動をとること。
[友情,信頼]  友情の尊さを理解して心から信頼できる友達をもち,互いに励まし合い,高め合うとともに,異性についての理解を深め,悩みや葛藤も経験しながら人間関係を深めていくこと。
[相互理解,寛容]  自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,それぞれの個性や立場を尊重し,いろいろなものの見方や考え方があることを理解し,寛容の心をもって謙虚に他に学び,自らを高めていくこと。
C 主として集団や社会との関わりに関すること
[遵法精神,公徳心]  法やきまりの意義を理解し,それらを進んで守るとともに,そのよりよい在り方について考え,自他の権利を大切にし,義務を果たして,規律ある安定した社会の実現に努めること。
[公正,公平,社会正義]  正義と公正さを重んじ,誰に対しても公平に接し,差別や偏見のない社会の実現に努めること。
[社会参画,公共の精神]  社会参画の意識と社会連帯の自覚を高め,公共の精神をもってよりよい社会の実現に努めること。
[勤労]  勤労の尊さや意義を理解し,将来の生き方について考えを深め,勤労を通じて社会に貢献すること。
[家族愛,家庭生活の充実]  父母,祖父母を敬愛し,家族の一員としての自覚をもって充実した家庭生活を築くこと。
[よりよい学校生活,集団生活の充実]  教師や学校の人々を敬愛し,学級や学校の一員としての自覚をもち,協力し合ってよりよい校風をつくるとともに,様々な集団の意義や集団の中での自分の役割と責任を自覚して集団生活の充実に努めること。
[郷土の伝統と文化の尊重,郷土を愛する態度]  郷土の伝統と文化を大切にし,社会に尽くした先人や高齢者に尊敬の念を深め,地域社会の一員としての自覚をもって郷土を愛し,進んで郷土の発展に努めること。
[我が国の伝統と文化の尊重,国を愛する態度]  優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献するとともに,日本人としての自覚をもって国を愛し,国家及び社会の形成者として,その発展に努めること。
[国際理解,国際貢献]  世界の中の日本人としての自覚をもち,他国を尊重し,国際的視野に立って,世界の平和と人類の発展に寄与すること。
D 主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること
[生命の尊さ]  生命の尊さについて,その連続性や有限性なども含めて理解し,かけがえのない生命を尊重すること。
[自然愛護]  自然の崇高さを知り,自然環境を大切にすることの意義を理解し,進んで自然の愛護に努めること。
[感動,畏敬の念]  美しいものや気高いものに感動する心をもち,人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深めること。
[よりよく生きる喜び]  人間には自らの弱さや醜さを克服する強さや気高く生きようとする心があることを理解し,人間として生きることに喜びを見いだすこと。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 各学校においては,道徳教育の全体計画に基づき,各教科,総合的な学習の時間及び特別活動との関連を考慮しながら,道徳科の年間指導計画を作成するものとする。なお,作成に当たっては,第2に示す内容項目について,各学年において全て取り上げることとする。その際,生徒や学校の実態に応じ,3学...
2 第2の内容の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 学級担任の教師が行うことを原則とするが,校長や教頭などの参加,他の教師との協力的な指導などについて工夫し,道徳教育推進教師を中心とした指導体制を充実すること。
(2) 道徳科が学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の要としての役割を果たすことができるよう,計画的・発展的な指導を行うこと。特に,各教科,総合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育としては取り扱う機会が十分でない内容項目に関わる指導を補うことや,生徒や学校の実態等を踏まえて...
(3) 生徒が自ら道徳性を養う中で,自らを振り返って成長を実感したり,これからの課題や目標を見付けたりすることができるよう工夫すること。その際,道徳性を養うことの意義について,生徒自らが考え,理解し,主体的に学習に取り組むことができるようにすること。また,発達の段階を考慮し,人間と...
(4) 生徒が多様な感じ方や考え方に接する中で,考えを深め,判断し,表現する力などを育むことができるよう,自分の考えを基に討論したり書いたりするなどの言語活動を充実すること。その際,様々な価値観について多面的・多角的な視点から振り返って考える機会を設けるとともに,生徒が多様な見方や...
(5) 生徒の発達の段階や特性等を考慮し,指導のねらいに即して,問題解決的な学習,道徳的行為に関する体験的な学習等を適切に取り入れるなど,指導方法を工夫すること。その際,それらの活動を通じて学んだ内容の意義などについて考えることができるようにすること。また,特別活動等における多様な...
(6) 生徒の発達の段階や特性等を考慮し,第2に示す内容との関連を踏まえつつ,情報モラルに関する指導を充実すること。また,例えば,科学技術の発展と生命倫理との関係や社会の持続可能な発展などの現代的な課題の取扱いにも留意し,身近な社会的課題を自分との関係において考え,その解決に向けて...
(7) 道徳科の授業を公開したり,授業の実施や地域教材の開発や活用などに家庭や地域の人々,各分野の専門家等の積極的な参加や協力を得たりするなど,家庭や地域社会との共通理解を深め,相互の連携を図ること。
3 教材については,次の事項に留意するものとする。
(1) 生徒の発達の段階や特性,地域の実情等を考慮し,多様な教材の活用に努めること。特に,生命の尊厳,社会参画,自然,伝統と文化,先人の伝記,スポーツ,情報化への対応等の現代的な課題などを題材とし,生徒が問題意識をもって多面的・多角的に考えたり, 感動を覚えたりするような充実した教...
(2) 教材については,教育基本法や学校教育法その他の法令に従い,次の観点に照らし適切と判断されるものであること
ア 生徒の発達の段階に即し,ねらいを達成するのにふさわしいものであること。
イ 人間尊重の精神にかなうものであって,悩みや葛藤等の心の揺れ,人間関係の理解等の課題も含め,生徒が深く考えることができ,人間としてよりよく生きる喜びや勇気を与えられるものであること。
ウ 多様な見方や考え方のできる事柄を取り扱う場合には,特定の見方や考え方に偏った取扱いがなされていないものであること。
4 生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し,指導に生かすよう努める必要がある。ただし,数値などによる評価は行わないものとする。
第4章 総合的な学習の時間
第1 目標  横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに,学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的,協同的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考える...
第2 各学校において定める目標及び内容
1 目標  各学校においては,第1の目標を踏まえ,各学校の総合的な学習の時間の目標を定める。
2 内容  各学校においては,第1の目標を踏まえ,各学校の総合的な学習の時間の内容を定める。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 全体計画及び年間指導計画の作成に当たっては,学校における全教育活動との関連の下に,目標及び内容,育てようとする資質や能力及び態度,学習活動,指導方法や指導体制,学習の評価の計画などを示すこと。その際,小学校における総合的な学習の時間の取組を踏まえること。
(2) 地域や学校,生徒の実態等に応じて,教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習,探究的な学習,生徒の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行うこと。
(3) 第2の各学校において定める目標及び内容については,日常生活や社会とのかかわりを重視すること。
(4) 育てようとする資質や能力及び態度については,例えば,学習方法に関すること,自分自身に関すること,他者や社会とのかかわりに関することなどの視点を踏まえること。
(5) 学習活動については,学校の実態に応じて,例えば国際理解,情報,環境,福祉・健康などの横断的・総合的な課題についての学習活動,生徒の興味・関心に基づく課題についての学習活動,地域や学校の特色に応じた課題についての学習活動,職業や自己の将来に関する学習活動などを行うこと。
(6) 各教科,道徳科及び特別活動で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け,学習や生活において生かし,それらが総合的に働くようにすること。
(7) 各教科,道徳科及び特別活動の目標及び内容との違いに留意しつつ,第1の目標並びに第2の各学校において定める目標及び内容を踏まえた適切な学習活動を行うこと。
(8) 各学校における総合的な学習の時間の名称については,各学校において適切に定めること。
(9) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら, 第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,総合的な学習の時間の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学校において定める目標及び内容に基づき,生徒の学習状況に応じて教師が適切な指導を行うこと。
(2) 問題の解決や探究活動の過程においては,他者と協同して問題を解決しようとする学習活動や,言語により分析し,まとめたり表現したりするなどの学習活動が行われるようにすること。
(3) 自然体験や職場体験活動,ボランティア活動などの社会体験,ものづくり,生産活動などの体験活動,観察・実験,見学や調査,発表や討論などの学習活動を積極的に取り入れること。
(4) 体験活動については,第1の目標並びに第2の各学校において定める目標及び内容を踏まえ,問題の解決や探究活動の過程に適切に位置付けること。
(5) グループ学習や異年齢集団による学習などの多様な学習形態,地域の人々の協力も得つつ全教師が一体となって指導に当たるなどの指導体制について工夫を行うこと。
(6) 学校図書館の活用,他の学校との連携,公民館,図書館,博物館等の社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携,地域の教材や学習環境の積極的な活用などの工夫を行うこと。
(7) 職業や自己の将来に関する学習を行う際には,問題の解決や探究活動に取り組むことを通して,自己を理解し,将来の生き方を考えるなどの学習活動が行われるようにすること。
第5章 特別活動
第1 目標  望ましい集団活動を通して,心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り,集団や社会の一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的,実践的な態度を育てるとともに,人間としての生き方についての自覚を深め,自己を生かす能力を養う。
第2 各活動・学校行事の目標及び内容
〔学級活動〕
1 目標  学級活動を通して,望ましい人間関係を形成し,集団の一員として学級や学校におけるよりよい生活づくりに参画し,諸問題を解決しようとする自主的,実践的な態度や健全な生活態度を育てる。
2 内容  学級を単位として,学級や学校の生活の充実と向上,生徒が当面する諸課題への対応に資する活動を行うこと。
(1) 学級や学校の生活づくり
ア 学級や学校における生活上の諸問題の解決
イ 学級内の組織づくりや仕事の分担処理
ウ 学校における多様な集団の生活の向上
(2) 適応と成長及び健康安全
ア 思春期の不安や悩みとその解決
イ 自己及び他者の個性の理解と尊重
ウ 社会の一員としての自覚と責任
エ 男女相互の理解と協力
オ 望ましい人間関係の確立
カ ボランティア活動の意義の理解と参加
キ 心身ともに健康で安全な生活態度や習慣の形成
ク 性的な発達への適応
ケ 食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成
(3) 学業と進路
ア 学ぶことと働くことの意義の理解
イ 自主的な学習態度の形成と学校図書館の利用
ウ 進路適性の吟味と進路情報の活用
エ 望ましい勤労観・職業観の形成
オ 主体的な進路の選択と将来設計
〔生徒会活動〕
1 目標  生徒会活動を通して,望ましい人間関係を形成し,集団や社会の一員としてよりよい学校生活づくりに参画し,協力して諸問題を解決しようとする自主的,実践的な態度を育てる。
2 内容  学校の全生徒をもって組織する生徒会において,学校生活の充実と向上を図る活動を行うこと。
(1) 生徒会の計画や運営
(2) 異年齢集団による交流
(3) 生徒の諸活動についての連絡調整
(4) 学校行事への協力
(5) ボランティア活動などの社会参加
〔学校行事〕
1 目標  学校行事を通して,望ましい人間関係を形成し,集団への所属感や連帯感を深め,公共の精神を養い,協力してよりよい学校生活を築こうとする自主的,実践的な態度を育てる。
2 内容  全校又は学年を単位として,学校生活に秩序と変化を与え,学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこと。
(1) 儀式的行事 学校生活に有意義な変化や折り目を付け,厳粛で清新な気分を味わい,新しい生活の展開への動機付けとなるような活動を行うこと。
(2)文化的行事 平素の学習活動の成果を発表し,その向上の意欲を一層高めたり,文化や芸術に親しんだりするような活動を行うこと。
(3) 健康安全・体育的行事 心身の健全な発達や健康の保持増進などについての理解を深め,安全な行動や規律ある集団行動の体得,運動に親しむ態度の育成,責任感や連帯感の涵(かん)養,体力の向上などに資するような活動を行うこと。
(4) 旅行・集団宿泊的行事 平素と異なる生活環境にあって,見聞を広め,自然や文化などに親しむとともに,集団生活の在り方や公衆道徳などについての望ましい体験を積むことができるような活動を行うこと。
(5) 勤労生産・奉仕的行事 勤労の尊さや創造することの喜びを体得し,職場体験などの職業や進路にかかわる啓発的な体験が得られるようにするとともに,共に助け合って生きることの喜びを体得し,ボランティア活動などの社会奉仕の精神を養う体験が得られるような活動を行うこと。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 特別活動の全体計画や各活動・学校行事の年間指導計画の作成に当たっては,学校の創意工夫を生かすとともに,学校の実態や生徒の発達の段階などを考慮し,生徒による自主的,実践的な活動が助長されるようにすること。また,各教科,道徳科及び総合的な学習の時間などの指導との関連を図るととも...
(2) 生徒指導の機能を十分に生かすとともに,教育相談(進路相談を含む。)についても,生徒の家庭との連絡を密にし,適切に実施できるようにすること。
(3) 学校生活への適応や人間関係の形成,進路の選択などの指導に当たっては,ガイダンスの機能を充実するよう〔学級活動〕等の指導を工夫すること。特に,中学校入学当初においては,個々の生徒が学校生活に適応するとともに,希望と目標をもって生活をできるよう工夫すること。
(4) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,特別活動の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 〔学級活動〕及び〔生徒会活動〕の指導については,指導内容の特質に応じて,教師の適切な指導の下に,生徒の自発的,自治的な活動が効果的に展開されるようにするとともに,内容相互の関連を図るよう工夫すること。また,よりよい生活を築くために集団としての意見をまとめるなどの話合い活動や...
(2) 〔学級活動〕については,学校,生徒の実態及び第1章総則の第4の3の(2)に示す道徳教育の重点などを踏まえ,各学年において取り上げる指導内容の重点化を図るとともに,必要に応じて,内容間の関連や統合を図ったり,他の内容を加えたりすることができること。また,個々の生徒についての理...
(3) 〔学校行事〕については,学校や地域及び生徒の実態に応じて,各種類ごとに,行事及びその内容を重点化するとともに,行事間の関連や統合を図るなど精選して実施すること。また,実施に当たっては,幼児,高齢者,障害のある人々などとの触れ合い,自然体験や社会体験などの体験活動を充実すると...
3 入学式や卒業式などにおいては,その意義を踏まえ,国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよう指導するものとする。
2 学校における道徳教育は,道徳の時間を要《かなめ》として学校の教育活動全体を通じて行うものであり,道徳の時間はもとより,各教科,総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて,生徒の発達の段階を考慮して,適切な指導を行わなければならない。道徳教育は,教育基本法及び学校教育...
1 第2章以下に示す各教科,道徳及び特別活動の内容に関する事項は,特に示す場合を除き,いずれの学校においても取り扱わなければならない。
2 学校において特に必要がある場合には,第2章以下に示していない内容を加えて指導することができる。また,第2章以下に示す内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,すべての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において特に必要がある場合には...
3 第2章以下に示す各教科,道徳及び特別活動並びに各学年,各分野又は各言語の内容に掲げる事項の順序は,特に示す場合を除き,指導の順序を示すものではないので,学校においては,その取扱いについて適切な工夫を加えるものとする。
1 各教科,道徳,総合的な学習の時間及び特別活動(以下「各教科等」という。ただし,1及び3において,特別活動については学級活動(学校給食に係るものを除く。)に限る。)の授業は,年間35週以上にわたって行うよう計画し,週当たりの授業時数が生徒の負担過重にならないようにするものとする。...
2 以上のほか,次の事項に配慮するものとする。
(ア) 小学校学習指導要領第2章第1節国語の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)に示されている漢字に加え,その他の常用漢字のうち250字程度から300字程度までの漢字を読むこと。
(ア) 第1学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字のうち300字程度から350字程度までの漢字を読むこと。
(6) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,国語科の特質に応じて適切な指導をすること。
(4) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,社会科の特質に応じて適切な指導をすること。
(3) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,数学科の特質に応じて適切な指導をすること。
(6) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,理科の特質に応じて適切な指導をすること。
(4) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,音楽科の特質に応じて適切な指導をすること。
(5) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,美術科の特質に応じて適切な指導をすること。
(3) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,保健体育科の特質に応じて適切な指導をすること。
(4) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,技術・家庭科の特質に応じて適切な指導をすること。
3 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,外国語科の特質に応じて適切な指導をすること。
第3章 道   徳
第1 目標  道徳教育の目標は,第1章総則の第1の2に示すところにより,学校の教育活動全体を通じて,道徳的な心情,判断力,実践意欲と態度などの道徳性を養うこととする。  道徳の時間においては,以上の道徳教育の目標に基づき,各教科,総合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育と密...
第2 内容  道徳の時間を要(かなめ)として学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の内容は,次のとおりとする。
1 主として自分自身に関すること。
(1) 望ましい生活習慣を身に付け,心身の健康の増進を図り,節度を守り節制に心掛け調和のある生活をする。
(2) より高い目標を目指し,希望と勇気をもって着実にやり抜く強い意志をもつ。
(3) 自律の精神を重んじ,自主的に考え,誠実に実行してその結果に責任をもつ。
(4) 真理を愛し,真実を求め,理想の実現を目指して自己の人生を切りいていく。
(5) 自己を見つめ,自己の向上を図るとともに,個性を伸ばして充実した生き方を追求する。
2 主として他の人とのかかわりに関すること。
(1) 礼儀の意義を理解し,時と場に応じた適切な言動をとる。
(2) 温かい人間愛の精神を深め,他の人々に対し思いやりの心をもつ。
(3) 友情の尊さを理解して心から信頼できる友達をもち,互いに励まし合い,高め合う。
(4) 男女は,互いに異性についての正しい理解を深め,相手の人格を尊重する。
(5) それぞれの個性や立場を尊重し,いろいろなものの見方や考え方があることを理解して,寛容の心をもち謙虚に他に学ぶ。
(6) 多くの人々の善意や支えにより,日々の生活や現在の自分があることに感謝し,それにこたえる。
3 主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること。
(1) 生命の尊さを理解し,かけがえのない自他の生命を尊重する。
(2) 自然を愛護し,美しいものに感動する豊かな心をもち,人間の力を超えたものに対する敬の念を深める。
(3) 人間には弱さや醜さを克服する強さや気高さがあることを信じて,人間として生きることに喜びを見いだすように努める。
4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。
(1) 法やきまりの意義を理解し,遵守するとともに,自他の権利を重んじ義務を確実に果たして,社会の秩序と規律を高めるように努める。
(2) 公徳心及び社会連帯の自覚を高め,よりよい社会の実現に努める。
(3) 正義を重んじ,だれに対しても公正,公平にし,差別や偏見のない社会の実現に努める。
(4) 自己が属する様々な集団の意義についての理解を深め,役割と責任を自覚し集団生活の向上に努める。
(5) 勤労の尊さや意義を理解し,奉仕の精神をもって,公共の福祉と社会の発展に努める。
(6) 父母,祖父母に敬愛の念を深め,家族の一員としての自覚をもって充実した家庭生活を築く。
(7) 学級や学校の一員としての自覚をもち,教師や学校の人々に敬愛の念を深め,協力してよりよい校風を樹立する。
(8) 地域社会の一員としての自覚をもって郷土を愛し,社会に尽くした先人や高齢者に尊敬と感謝の念を深め,郷土の発展に努める。
(9) 日本人としての自覚をもって国を愛し,国家の発展に努めるとともに,優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献する。
(10) 世界の中の日本人としての自覚をもち,国際的視野に立って,世界の平和と人類の幸福に貢献する。
1 各学校においては,校長の方針の下に,道徳教育の推進を主に担当する教師(以下「道徳教育推進教師」という。)を中心に,全教師が協力して道徳教育を展開するため,次に示すところにより,道徳教育の全体計画と道徳の時間の年間指導計画を作成するものとする。 
(1) 道徳教育の全体計画の作成に当たっては,学校における全教育活動との関連の下に,生徒,学校及び地域の実態を考慮して,学校の道徳教育の重点目標を設定するとともに,第2に示す道徳の内容との関連を踏まえた各教科,総合的な学習の時間及び特別活動における指導の内容及び時期並びに家庭や地域...
(2) 道徳の時間の年間指導計画の作成に当たっては,道徳教育の全体計画に基づき,各教科,総合的な学習の時間及び特別活動との関連を考慮しながら,計画的,発展的に授業がなされるよう工夫すること。その際,第2に示す各内容項目の指導の充実を図る中で,生徒や学校の実態に応じ,3学年間を見通し...
(3) 各学校においては,生徒の発達の段階や特性等を踏まえ,指導内容の重点化を図ること。特に,自他の生命を尊重し,規律ある生活ができ,自分の将来を考え,法やきまりの意義の理解を深め,主体的に社会の形成に参画し,国際社会に生きる日本人としての自覚を身に付けるようにすることなどに配慮し...
2 第2に示す道徳の内容は,生徒が自ら道徳性をはぐくむためのものであり,道徳の時間はもとより,各教科,総合的な学習の時間及び特別活動においてもそれぞれの特質に応じた適切な指導を行うものとする。その際,生徒自らが成長を実感でき,これからの課題や目標が見付けられるよう工夫する必要がある...
3 道徳の時間における指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 学級担任の教師が行うことを原則とするが,校長や教頭などの参加,他の教師との協力的な指導などについて工夫し,道徳教育推進教師を中心とした指導体制を充実すること。
(2) 職場体験活動やボランティア活動,自然体験活動などの体験活動を生かすなど,生徒の発達の段階や特性等を考慮した創意工夫ある指導を行うこと。
(3) 先人の伝記,自然,伝統と文化,スポーツなどを題材とし,生徒が感動を覚えるような魅力的な教材の開発や活用を通して,生徒の発達の段階や特性等を考慮した創意工夫ある指導を行うこと。
(4) 自分の考えを基に,書いたり討論したりするなどの表現する機会を充実し,自分とは異なる考えに接する中で,自分の考えを深め,自らの成長を実感できるよう工夫すること。
(5) 生徒の発達の段階や特性等を考慮し,第2に示す道徳の内容との関連を踏まえて,情報モラルに関する指導に留意すること。
4 道徳教育を進めるに当たっては,学校や学級内の人間関係や環境を整えるとともに,学校の道徳教育の指導内容が生徒の日常生活に生かされるようにする必要がある。また,道徳の時間の授業を公開したり,授業の実施や地域教材の開発や活用などに,保護者や地域の人々の積極的な参加や協力を得たりするな...
5 生徒の道徳性については,常にその実態を把握して指導に生かすよう努める必要がある。ただし,道徳の時間に関して数値などによる評価は行わないものとする。
(6) 各教科,道徳及び特別活動で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け,学習や生活において生かし,それらが総合的に働くようにすること。
(7) 各教科,道徳及び特別活動の目標及び内容との違いに留意しつつ,第1の目標並びに第2の各学校において定める目標及び内容を踏まえた適切な学習活動を行うこと。
(9) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,総合的な学習の時間の特質に応じて適切な指導をすること。
(1)特別活動の全体計画や各活動・学校行事の年間指導計画の作成に当たっては,学校の創意工夫を生かすとともに,学校の実態や生徒の発達の段階などを考慮し,生徒による自主的,実践的な活動が助長されるようにすること。また,各教科,道徳及び総合的な学習の時間などの指導との関連を図るとともに,...
(4) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,特別活動の特質に応じて適切な指導をすること。
(2) 〔学級活動〕については,学校,生徒の実態及び第3章道徳の第3の1の(3)に示す道徳教育の重点などを踏まえ,各学年において取り上げる指導内容の重点化を図るとともに,必要に応じて,内容間の関連や統合を図ったり,他の内容を加えたりすることができること。また,個々の生徒についての理...
中学校学習指導要領 1989年3月 告示
中学校学習指導要領 1998年12月 告示
中学校学習指導要領 2008年3月 告示
中学校学習指導要領 2017年3月 告示
中学校学習指導要領 1989年3月 告示
中学校学習指導要領 1998年12月 告示
中学校学習指導要領 2003年12月 一部改正
中学校学習指導要領 2006年12月 一部改正
中学校学習指導要領 2007年3月 一部改正
中学校学習指導要領 2008年3月 告示
中学校学習指導要領 2010年11月 一部改正
中学校学習指導要領 2015年3月 一部改正
中学校学習指導要領 2017年3月 告示
【83V10】中学校学習指導要領コード 平成29年告示:バージョン1.0 (令和2年10月16日公表)
【83V11】中学校学習指導要領コード 平成29年告示:バージョン1.1 (令和3年3月18日公表)
【73V10】中学校学習指導要領コード 平成20年告示:バージョン1.0 (令和2年11月30日公表)
【73V20】中学校学習指導要領コード 平成22年告示:バージョン2.0 (令和2年11月30日公表)
【73V30】中学校学習指導要領コード 平成27年告示:バージョン3.0 (令和2年11月30日公表)
【73V31】中学校学習指導要領コード 平成27年告示:バージョン3.1 (令和3年3月18日公表)
【73V11】中学校学習指導要領コード 平成20年告示:バージョン1.1 (令和3年12月28日公表)
【73V21】中学校学習指導要領コード 平成22年告示:バージョン2.1 (令和3年12月28日公表)
【73V32】中学校学習指導要領コード 平成27年告示:バージョン3.2 (令和3年12月28日公表)
地理的分野
歴史的分野
公民的分野
第1分野
第2分野
体育分野
保健分野
技術分野
家庭分野
英語
その他の外国語
学級活動
生徒会活動
学校行事
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総則
各教科
国語
社会
数学
理科
音楽
美術
保健体育
技術・家庭
外国語
特別の教科道徳
総合的な学習の時間
特別活動
総則
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社会
数学
理科
音楽
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技術・家庭
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各教科
道徳
総合的な学習の時間
特別活動
各教科(共通)