歴史的分野

https://w3id.org/jp-cos/LowerSecondary/2017/社会/歴史的分野

詳細情報

学習指導要領(一部改正情報)
中学校学習指導要領 2017年3月 告示
学習指導要領掲載順
2
学校種別
中学校
科目名
Historical Field
れきしてきぶんや
歴史的分野
学習指導要領コード4桁目
2
学習指導要領コード4桁目に対応するFコード
A2
科目コード
8322
F科目コード
A8A3A2A2
Type
科目等

被参照情報

'科目がある'としての参照元:
中学校学習指導要領 2017年3月 告示
社会
'分野・科目・分類'としての参照元:
〔歴史的分野〕
1 目標 社会的事象の歴史的な見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりする活動を通して,広い視野に立ち,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。
(1) 我が国の歴史の大きな流れを,世界の歴史を背景に,各時代の特色を踏まえて理解するとともに,諸資料から歴史に関する様々な情報を効果的に調べまとめる技能を身に付けるようにする。
(2) 歴史に関わる事象の意味や意義,伝統と文化の特色などを,時期や年代,推移,比較,相互の関連や現在とのつながりなどに着目して多面的・多角的に考察したり,歴史に見られる課題を把握し複数の立場や意見を踏まえて公正に選択・判断したりする力,思考・判断したことを説明したり,それらを基に...
(3) 歴史に関わる諸事象について,よりよい社会の実現を視野にそこで見られる課題を主体的に追究,解決しようとする態度を養うとともに,多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵《かん》養される我が国の歴史に対する愛情,国民としての自覚,国家及び社会並びに文化の発展や人々の生活の向上に尽...
2 内容
A 歴史との対話
(1) 私たちと歴史 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 年代の表し方や時代区分の意味や意義についての基本的な内容を理解すること。
(イ) 資料から歴史に関わる情報を読み取ったり,年表などにまとめたりするなどの技能を身に付けること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 時期や年代,推移,現在の私たちとのつながりなどに着目して,小学校での学習を踏まえて歴史上の人物や文化財,出来事などから適切なものを取り上げ,時代区分との関わりなどについて考察し表現すること。
(2) 身近な地域の歴史 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 自らが生活する地域や受け継がれてきた伝統や文化への関心をもって,具体的な事柄との関わりの中で,地域の歴史について調べたり,収集した情報を年表などにまとめたりするなどの技能を身に付けること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 比較や関連,時代的な背景や地域的な環境,歴史と私たちとのつながりなどに着目して,地域に残る文化財や諸資料を活用して,身近な地域の歴史的な特徴を多面的・多角的に考察し,表現すること。
B 近世までの日本とアジア
(1) 古代までの日本 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 世界の古代文明や宗教のおこり 世界の古代文明や宗教のおこりを基に,世界の各地で文明が築かれたことを理解すること。
(イ) 日本列島における国家形成 日本列島における農耕の広まりと生活の変化や当時の人々の信仰,大和朝廷(大和政権)による統一の様子と東アジアとの関わりなどを基に,東アジアの文明の影響を受けながら我が国で国家が形成されていったことを理解すること。
(ウ) 律令《りつりょう》国家の形成 律令《りつりょう》国家の確立に至るまでの過程,摂関政治などを基に,東アジアの文物や制度を積極的に取り入れながら国家の仕組みが整えられ,その後,天皇や貴族による政治が展開したことを理解すること。
(エ) 古代の文化と東アジアとの関わり 仏教の伝来とその影響,仮名文字の成立などを基に,国際的な要素をもった文化が栄え,それらを基礎としながら文化の国風化が進んだことを理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 古代文明や宗教が起こった場所や環境,農耕の広まりや生産技術の発展,東アジアとの接触や交流と政治や文化の変化などに着目して,事象を相互に関連付けるなどして,アの(ア)から(エ)までについて古代の社会の変化の様子を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 古代までの日本を大観して,時代の特色を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(2) 中世の日本 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 武家政治の成立とユーラシアの交流 鎌倉幕府の成立,元寇《げんこう》(モンゴル帝国の襲来)などを基に,武士が台頭して主従の結び付きや武力を背景とした武家政権が成立し,その支配が広まったこと,モンゴルの襲来(元寇《げんこう》)がユーラシアの変化の中で起こったことを理解すること。...
(イ) 武家政治の展開と東アジアの動き 南北朝の争乱と室町幕府,日明《にちみん》貿易,琉球《りゅうきゅう》の国際的な役割などを基に,武家政治の展開とともに,東アジア世界との密接な関わりが見られたことを理解すること。
(ウ) 民衆の成長と新たな文化の形成 農業など諸産業の発達,畿内を中心とした都市や農村における自治的な仕組みの成立,武士や民衆などの多様な文化の形成,応仁《おうにん》の乱後の社会的な変動などを基に,民衆の成長を背景とした社会や文化が生まれたことを理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 武士の政治への進出と展開,東アジアにおける交流,農業や商工業の発達などに着目して,事象を相互に関連付けるなどして,アの(ア)から(ウ)までについて中世の社会の変化の様子を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 中世の日本を大観して,時代の特色を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(3) 近世の日本 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 世界の動きと統一事業 ヨーロッパ人来航の背景とその影響,織田《おだ》・豊臣《とよとみ》による統一事業とその当時の対外関係,武将や豪商などの生活文化の展開などを基に,近世社会の基礎がつくられたことを理解すること。
(イ) 江戸幕府の成立と対外関係 江戸幕府の成立と大名統制,身分制と農村の様子,鎖国などの幕府の対外政策と対外関係などを基に,幕府と藩による支配が確立したことを理解すること。
(ウ) 産業の発達と町人文化 産業や交通の発達,教育の普及と文化の広がりなどを基に,町人文化が都市を中心に形成されたことや,各地方の生活文化が生まれたことを理解すること。
(エ) 幕府の政治の展開 社会の変動や欧米諸国の接近,幕府の政治改革,新しい学問・思想の動きなどを基に,幕府の政治が次第に行き詰まりをみせたことを理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 交易の広がりとその影響,統一政権の諸政策の目的,産業の発達と文化の担い手の変化,社会の変化と幕府の政策の変化などに着目して,事象を相互に関連付けるなどして,アの(ア)から(エ)までについて近世の社会の変化の様子を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 近世の日本を大観して,時代の特色を多面的・多角的に考察し,表現すること。
C 近現代の日本と世界
(1) 近代の日本と世界 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 欧米における近代社会の成立とアジア諸国の動き 欧米諸国における産業革命や市民革命,アジア諸国の動きなどを基に,欧米諸国が近代社会を成立させてアジアへ進出したことを理解すること。
(イ) 明治維新と近代国家の形成 開国とその影響,富国強兵・殖産興業政策,文明開化の風潮などを基に,明治維新によって近代国家の基礎が整えられて,人々の生活が大きく変化したことを理解すること。
(ウ) 議会政治の始まりと国際社会との関わり 自由民権運動,大日本帝国憲法の制定,日清《にっしん》・日露戦争,条約改正などを基に,立憲制の国家が成立して議会政治が始まるとともに,我が国の国際的な地位が向上したことを理解すること。
(エ) 近代産業の発展と近代文化の形成 我が国の産業革命,この時期の国民生活の変化,学問・教育・科学・芸術の発展などを基に,我が国で近代産業が発展し,近代文化が形成されたことを理解すること。
(オ) 第一次世界大戦前後の国際情勢と大衆の出現 第一次世界大戦の背景とその影響,民族運動の高まりと国際協調の動き,我が国の国民の政治的自覚の高まりと文化の大衆化などを基に,第一次世界大戦前後の国際情勢及び我が国の動きと,大戦後に国際平和への努力がなされたことを理解すること。
(カ) 第二次世界大戦と人類への惨禍 経済の世界的な混乱と社会問題の発生,昭和初期から第二次世界大戦の終結までの我が国の政治・外交の動き,中国などアジア諸国との関係,欧米諸国の動き,戦時下の国民の生活などを基に,軍部の台頭から戦争までの経過と,大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理...
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 工業化の進展と政治や社会の変化,明治政府の諸改革の目的,議会政治や外交の展開,近代化がもたらした文化への影響,経済の変化の政治への影響,戦争に向かう時期の社会や生活の変化,世界の動きと我が国との関連などに着目して,事象を相互に関連付けるなどして,アの(ア)から(カ)までにつ...
(イ) 近代の日本と世界を大観して,時代の特色を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(2) 現代の日本と世界 課題を追究したり解決したりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導すること。
ア 次のような知識を身に付けること。
(ア) 日本の民主化と冷戦下の国際社会 冷戦,我が国の民主化と再建の過程,国際社会への復帰などを基に,第二次世界大戦後の諸改革の特色や世界の動きの中で新しい日本の建設が進められたことを理解すること。
(イ) 日本の経済の発展とグローバル化する世界 高度経済成長,国際社会との関わり,冷戦の終結などを基に,我が国の経済や科学技術の発展によって国民の生活が向上し,国際社会において我が国の役割が大きくなってきたことを理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 諸改革の展開と国際社会の変化,政治の展開と国民生活の変化などに着目して,事象を相互に関連付けるなどして,アの(ア)及び(イ)について現代の社会の変化の様子を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(イ) 現代の日本と世界を大観して,時代の特色を多面的・多角的に考察し,表現すること。
(ウ) これまでの学習を踏まえ,歴史と私たちとのつながり,現在と未来の日本や世界の在り方について,課題意識をもって多面的・多角的に考察,構想し,表現すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 生徒の発達の段階を考慮して,各時代の特色や時代の転換に関係する基礎的・基本的な歴史に関わる事象を重点的に選んで指導内容を構成すること。
イ 調査や諸資料から歴史に関わる事象についての様々な情報を効果的に収集し,読み取り,まとめる技能を身に付ける学習を重視すること。その際,年表を活用した読み取りやまとめ,文献,図版などの多様な資料,地図などの活用を十分に行うこと。
ウ 歴史に関わる事象の意味・意義や特色,事象間の関連を説明したり,課題を設けて追究したり,意見交換したりするなどの学習を重視して,思考力,判断力,表現力等を養うとともに,学習内容の確かな理解と定着を図ること。
エ 各時代の文化については,代表的な事例を取り上げてその特色を考察させるようにすること。
オ 歴史に見られる国際関係や文化交流のあらましを理解させ,我が国と諸外国の歴史や文化が相互に深く関わっていることを考察させるようにすること。その際,歴史に見られる文化や生活の多様性に気付かせること。
カ 国家及び社会並びに文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産について,生徒の興味・関心を育てる指導に努めるとともに,それらの時代的背景や地域性などと関連付けて考察させるようにすること。その際,身近な地域の歴史上の人物と文化遺産を取り上げることにも留...
キ 歴史に関わる事象の指導に当たっては,地理的分野との連携を踏まえ,地理的条件にも着目して取り扱うよう工夫するとともに,公民的分野との関連にも配慮すること。
ク 日本人の生活や生活に根ざした文化については,政治の動き,社会の動き,各地域の地理的条件,身近な地域の歴史とも関連付けて指導したり,民俗学や考古学などの成果の活用や博物館,郷土資料館などの施設を見学・調査したりするなど具体的に学ぶことを通して理解させるように工夫すること。
(2) 内容のAについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)については,中学校の歴史学習の導入として実施することを原則とすること。小学校での学習を踏まえ,扱う内容や活動を工夫すること。「課題を追究したり解決したりする活動」については,内容のB以下の学習と関わらせて,歴史を追究するために,課題意識をもって学ぶことを促す適切な学習活動...
イ (2)については,内容のB以下の学習と関わらせて計画的に実施し,地域の特性に応じた時代を取り上げるようにするとともに,人々の生活や生活に根ざした伝統や文化に着目した取扱いを工夫すること。その際,博物館,郷土資料館などの地域の施設の活用や地域の人々の協力も考慮すること。
(3) 内容のBについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)のアの(ア)の「世界の古代文明」については,人類の出現にも触れ,中国の文明をはじめとして諸文明の特徴を取り扱い,生活技術の発達,文字の使用,国家のおこりと発展などの共通する特徴に気付かせるようにすること。また,ギリシャ・ローマの文明について,政治制度など民主政治の来歴の観...
イ (2)のアの(ア)の「ユーラシアの変化」については,モンゴル帝国の拡大によるユーラシアの結び付きについて気付かせること。(2)のアの(イ)の「琉球《りゅうきゅう》の国際的な役割」については,琉球《りゅうきゅう》の文化についても触れること。(2)のアの(ウ)の「武士や民衆などの多...
ウ (3)のアの(ア)の「ヨーロッパ人来航の背景」については,新航路の開拓を中心に取り扱い,その背景となるアジアの交易の状況やムスリム商人などの役割と世界の結び付きに気付かせること。また,宗教改革についても触れること。「織田《おだ》・豊臣《とよとみ》による統一事業」については,検地...
(4) 内容のCについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)のアの(ア)の「市民革命」については,政治体制の変化や人権思想の発達や広がり,現代の政治とのつながりなどと関連付けて,アメリカの独立,フランス革命などを扱うこと。「アジア諸国の動き」については,欧米諸国の進出に対するアジア諸国の対応と変容という観点から,代表的な事例を取り...
イ (2)のアの(ア)の「我が国の民主化と再建の過程」については,国民が苦難を乗り越えて新しい日本の建設に努力したことに気付かせるようにすること。その際,男女普通選挙の確立,日本国憲法の制定などを取り扱うこと。(2)のアの(イ)については,沖縄返還,日中国交正常化,石油危機などの節...