Elementary School Curriculum Guideline 2015-03 Notification of Partial Revision

https://w3id.org/jp-cos/Elementary/2008/2015

Details

Issued Period
Published from 2008 to 2009
Name of the revision
Elementary School Curriculum Guideline 2015-03 Notification of Partial Revision
小学校学習指導要領 2015年3月 一部改正
Reference
"Notification No. 60 in 2015 of the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology" (Official Gazette, 2015-03-27, Extra Edition No. 69, pp.52-57)
『平成27年 文部科学省告示第六十号』(官報. 平成27年3月27日, 号外第69号, pp.52-57)
Fulltext URL
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/1356250.htm
Related links
https://web.archive.org/web/20191027213904/https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/1356252.htm
Date of Enforcement
2018-04-01
Date of announcement (date of revision)
2015-03-27
Type of School
Elementary School
Dataset
【72V20】Code for Elementary School Course of Guideline published in 2015年, version 2.0 (2020-11-30 release)
【72V21】Code for Elementary School Course of Guideline published in 2015年, version 2.1 (2021-12-28 release)
Type
Course of Study Revision

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Elementary School Curriculum Guideline 2008-03 Notification
Referred to as 'Course Of Study Revision' from:
第1章 総則
第1 教育課程編成の一般方針
1 各学校においては,教育基本法及び学校教育法その他の法令並びにこの章以下に示すところに従い,児童の人間として調和のとれた育成を目指し,地域や学校の実態及び児童の心身の発達の段階や特性を十分考慮して,適切な教育課程を編成するものとし,これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うものと...
2 学校における道徳教育は,特別の教科である道徳(以下「道徳科」 という。)を要として学校の教育活動全体を通じて行うものであり,道徳科はもとより,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて,児童の発達の段階を考慮して,適切な指導を行わなければならな...
3 学校における体育・健康に関する指導は,児童の発達の段階を考慮して,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,学校における食育の推進並びに体力の向上に関する指導,安全に関する指導及び心身の健康の保持増進に関する指導については,体育科の時間はもとより,家庭科,特別活動な...
第2 内容等の取扱いに関する共通的事項
1 第2章以下に示す各教科,道徳科,外国語活動及び特別活動の内容に関する事項は,特に示す場合を除き,いずれの学校においても取り扱わなければならない。
2 学校において特に必要がある場合には,第2章以下に示していない内容を加えて指導することができる。また,第2章以下に示す内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,全ての児童に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において特に必要がある場合には,こ...
3 第2章以下に示す各教科,道徳科,外国語活動及び特別活動並びに各学年の内容に掲げる事項の順序は,特に示す場合を除き,指導の順序を示すものではないので,学校においては,その取扱いについて適切な工夫を加えるものとする。
4 学年の目標及び内容を2学年まとめて示した教科及び外国語活動の内容は,2学年間かけて指導する事項を示したものである。各学校においては,これらの事項を地域や学校及び児童の実態に応じ,2学年間を見通して計画的に指導することとし,特に示す場合を除き,いずれかの学年に分けて,又はいずれの...
5 学校において2以上の学年の児童で編制する学級について特に必要がある場合には,各教科,道徳科,外国語活動及び特別活動の目標の達成に支障のない範囲内で,各教科,道徳科,外国語活動及び特別活動の目標及び内容について学年別の順序によらないことができる。
6 道徳科を要として学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の内容は,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容とする。
第3 授業時数等の取扱い
1 各教科,道徳科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動(以下「各教科等」という。ただし,1及び3において,特別活動については学級活動(学校給食に係るものを除く。)に限る。)の授業は,年間35週(第1学年については34週)以上にわたって行うよう計画し,週当たりの授業時数が児童...
2 特別活動の授業のうち,児童会活動,クラブ活動及び学校行事については,それらの内容に応じ,年間,学期ごと,月ごとなどに適切な授業時数を充てるものとする。
3 各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教科等の年間授業時数を確保しつつ,児童の発達の段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮して適切に定めるものとする。
4 各学校においては,地域や学校及び児童の実態,各教科等や学習活動の特質等に応じて,創意工夫を生かし時間割を弾力的に編成することができる。
5 総合的な学習の時間における学習活動により,特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては,総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる。
第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項
1 各学校においては,次の事項に配慮しながら,学校の創意工夫を生かし,全体として,調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。
(1) 各教科等及び各学年相互間の関連を図り,系統的,発展的な指導ができるようにすること。
(2) 学年の目標及び内容を2学年まとめて示した教科及び外国語活動については,当該学年間を見通して,地域や学校及び児童の実態に応じ,児童の発達の段階を考慮しつつ,効果的,段階的に指導するようにすること。
(3) 各教科の各学年の指導内容については,そのまとめ方や重点の置き方に適切な工夫を加え,効果的な指導ができるようにすること。
(4) 児童の実態等を考慮し,指導の効果を高めるため,合科的・関連的な指導を進めること。
2 各教科等の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各教科等の指導に当たっては,児童の思考力,判断力,表現力等をはぐくむ観点から,基礎的・基本的な知識及び技能の活用を図る学習活動を重視するとともに,言語に対する関心や理解を深め,言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語環境を整え,児童の言語活動を充実すること。
(2) 各教科等の指導に当たっては,体験的な学習や基礎的・基本的な知識及び技能を活用した問題解決的な学習を重視するとともに,児童の興味・関心を生かし,自主的,自発的な学習が促されるよう工夫すること。
(3) 日ごろから学級経営の充実を図り,教師と児童の信頼関係及び児童相互の好ましい人間関係を育てるとともに児童理解を深め,生徒指導の充実を図ること。
(4) 各教科等の指導に当たっては,児童が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れるよう工夫すること。
(5) 各教科等の指導に当たっては,児童が学習課題や活動を選択したり,自らの将来について考えたりする機会を設けるなど工夫すること。
(6) 各教科等の指導に当たっては,児童が学習内容を確実に身に付けることができるよう,学校や児童の実態に応じ,個別指導やグループ別指導,繰り返し指導,学習内容の習熟の程度に応じた指導,児童の興味・関心等に応じた課題学習,補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れた指導,教師...
(7) 障害のある児童などについては,特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ,例えば指導についての計画又は家庭や医療,福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより,個々の児童の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行う...
(8) 海外から帰国した児童などについては,学校生活への適応を図るとともに,外国における生活経験を生かすなどの適切な指導を行うこと。
(9) 各教科等の指導に当たっては,児童がコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段に慣れ親しみ,コンピュータで文字を入力するなどの基本的な操作や情報モラルを身に付け,適切に活用できるようにするための学習活動を充実するとともに,これらの情報手段に加え視聴覚教材や教育機器などの...
(10) 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,児童の主体的,意欲的な学習活動や読書活動を充実すること。
(11) 児童のよい点や進歩の状況などを積極的に評価するとともに,指導の過程や成果を評価し,指導の改善を行い学習意欲の向上に生かすようにすること。
(12) 学校がその目的を達成するため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,小学校間,幼稚園や保育所,中学校及び特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習や高齢者などと...
3 道徳教育を進めるに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各学校においては,第1の2に示す道徳教育の目標を踏まえ,道徳教育の全体計画を作成し,校長の方針の下に,道徳教育の推進を主に担当する教師(以下「道徳教育推進教師」 という。)を中心に,全教師が協力して道徳教育を展開すること。 なお,道徳教育の全体計画の作成に当たっては,児童,...
(2) 各学校においては,児童の発達の段階や特性等を踏まえ,指導内容の重点化を図ること。その際,各学年を通じて,自立心や自律性,生命を尊重する心や他者を思いやる心を育てることに留意すること。また,各学年段階においては,次の事項に留意すること。
ア 第1学年及び第2学年においては,挨拶などの基本的な生活習慣を身に付けること,善悪を判断し,してはならないことをしないこと,社会生活上のきまりを守ること。
イ 第3学年及び第4学年においては,善悪を判断し,正しいと判断したことを行うこと,身近な人々と協力し助け合うこと,集団や社会のきまりを守ること。
ウ 第5学年及び第6学年においては,相手の考え方や立場を理解して支え合うこと,法やきまりの意義を理解して進んで守ること,集団生活の充実に努めること,伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに,他国を尊重すること。
(3) 学校や学級内の人間関係や環境を整えるとともに,集団宿泊活動やボランティア活動,自然体験活動,地域の行事への参加などの豊かな体験を充実すること。また,道徳教育の指導内容が,児童の日常生活に生かされるようにすること。その際,いじめの防止や安全の確保等にも資することとなるよう留意...
(4) 学校の道徳教育の全体計画や道徳教育に関する諸活動などの情報を積極的に公表したり,道徳教育の充実のために家庭や地域の人々の積極的な参加や協力を得たりするなど,家庭や地域社会との共通理解を深め,相互の連携を図ること。
第2章 各 教 科
第1節 国語
第1 目標  国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力及び言語感覚を養い,国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年及び第2学年〕
1 目標
(1) 相手に応じ,身近なことなどについて,事柄の順序を考えながら話す能力,大事なことを落とさないように聞く能力,話題に沿って話し合う能力を身に付けさせるとともに,進んで話したり聞いたりしようとする態度を育てる。
(2) 経験したことや想像したことなどについて,順序を整理し,簡単な構成を考えて文や文章を書く能力を身に付けさせるとともに,進んで書こうとする態度を育てる。
(3) 書かれている事柄の順序や場面の様子などに気付いたり,想像を広げたりしながら読む能力を身に付けさせるとともに,楽しんで読書しようとする態度を育てる。
2 内容
A 話すこと・聞くこと
(1) 話すこと・聞くことの能力を育てるため,次の事項について指導する。
ア 身近なことや経験したことなどから話題を決め,必要な事柄を思い出すこと。
イ 相手に応じて,話す事柄を順序立て,丁寧な言葉と普通の言葉との違いに気を付けて話すこと。
ウ 姿勢や口形,声の大きさや速さなどに注意して,はっきりした発音で話すこと。
エ 大事なことを落とさないようにしながら,興味をもって聞くこと。
オ 互いの話を集中して聞き,話題に沿って話し合うこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 事物の説明や経験の報告をしたり,それらを聞いて感想を述べたりすること。
イ 尋ねたり応答したり,グループで話し合って考えを一つにまとめたりすること。
ウ 場面に合わせてあいさつをしたり,必要なことについて身近な人と連絡をし合ったりすること。
エ 知らせたいことなどについて身近な人に紹介したり,それを聞いたりすること。
B 書くこと
(1) 書くことの能力を育てるため,次の事項について指導する。
ア 経験したことや想像したことなどから書くことを決め,書こうとする題材に必要な事柄を集めること。
イ 自分の考えが明確になるように,事柄の順序に沿って簡単な構成を考えること。 
ウ 語と語や文と文との続き方に注意しながら,つながりのある文や文章を書くこと。
エ 文章を読み返す習慣を付けるとともに,間違いなどに気付き,正すこと。
オ 書いたものを読み合い,よいところを見付けて感想を伝え合うこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 想像したことなどを文章に書くこと。
イ 経験したことを報告する文章や観察したことを記録する文章などを書くこと。
ウ 身近な事物を簡単に説明する文章などを書くこと。
エ 紹介したいことをメモにまとめたり,文章に書いたりすること。
オ 伝えたいことを簡単な手紙に書くこと。
C 読むこと
(1) 読むことの能力を育てるため,次の事項について指導する。
ア 語のまとまりや言葉の響きなどに気を付けて音読すること。
イ 時間的な順序や事柄の順序などを考えながら内容の大体を読むこと。
ウ 場面の様子について,登場人物の行動を中心に想像を広げながら読むこと。
エ 文章の中の大事な言葉や文を書き抜くこと。
オ 文章の内容と自分の経験とを結び付けて,自分の思いや考えをまとめ,発表し合うこと。
カ 楽しんだり知識を得たりするために,本や文章を選んで読むこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 本や文章を楽しんだり,想像を広げたりしながら読むこと。
イ 物語の読み聞かせを聞いたり,物語を演じたりすること。
ウ 事物の仕組みなどについて説明した本や文章を読むこと。
エ 物語や,科学的なことについて書いた本や文章を読んで,感想を書くこと。
オ 読んだ本について,好きなところを紹介すること。
〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕
(1) 「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」の指導を通して,次の事項について指導する。
ア 伝統的な言語文化に関する事項
(ア) 昔話や神話・伝承などの本や文章の読み聞かせを聞いたり,発表し合ったりすること。
イ 言葉の特徴やきまりに関する事項
(ア) 言葉には,事物の内容を表す働きや,経験したことを伝える働きがあることに気付くこと。
(イ) 音節と文字との関係や,アクセントによる語の意味の違いなどに気付くこと。
(ウ) 言葉には,意味による語句のまとまりがあることに気付くこと。
(エ) 長音,拗《よう》音,促音,撥《はつ》音などの表記ができ,助詞の「は」,「へ」及び「を」を文の中で正しく使うこと。
(オ) 句読点の打ち方や,かぎ(「 」)の使い方を理解して文章の中で使うこと。
(カ) 文の中における主語と述語との関係に注意すること。
(キ) 敬体で書かれた文章に慣れること。
ウ 文字に関する事項
(ア) 平仮名及び片仮名を読み,書くこと。また,片仮名で書く語の種類を知り,文や文章の中で使うこと。
(イ) 第1学年においては,別表の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)の第1学年に配当されている漢字を読み,漸次書き,文や文章の中で使うこと。
(ウ) 第2学年においては,学年別漢字配当表の第2学年までに配当されている漢字を読むこと。また,第1学年に配当されている漢字を書き,文や文章の中で使うとともに,第2学年に配当されている漢字を漸次書き,文や文章の中で使うこと。
(2) 書写に関する次の事項について指導する。
ア 姿勢や筆記具の持ち方を正しくし,文字の形に注意しながら,丁寧に書くこと。
イ 点画の長短や方向,接し方や交わり方などに注意して,筆順に従って文字を正しく書くこと。
〔第3学年及び第4学年〕
1 目標
(1) 相手や目的に応じ,調べたことなどについて,筋道を立てて話す能力,話の中心に気を付けて聞く能力,進行に沿って話し合う能力を身に付けさせるとともに,工夫をしながら話したり聞いたりしようとする態度を育てる。
(2) 相手や目的に応じ,調べたことなどが伝わるように,段落相互の関係などに注意して文章を書く能力を身に付けさせるとともに,工夫をしながら書こうとする態度を育てる。
(3) 目的に応じ,内容の中心をとらえたり段落相互の関係を考えたりしながら読む能力を身に付けさせるとともに,幅広く読書しようとする態度を育てる。
2 内容                   
A 話すこと・聞くこと
(1) 話すこと・聞くことの能力を育てるため,次の事項について指導する。
ア 関心のあることなどから話題を決め,必要な事柄について調べ,要点をメモすること。
イ 相手や目的に応じて,理由や事例などを挙げながら筋道を立て,丁寧な言葉を用いるなど適切な言葉遣いで話すこと。
ウ 相手を見たり,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などに注意したりして話すこと。
エ 話の中心に気を付けて聞き,質問をしたり感想を述べたりすること。
オ 互いの考えの共通点や相違点を考え,司会や提案などの役割を果たしながら,進行に沿って話し合うこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 出来事の説明や調査の報告をしたり,それらを聞いて意見を述べたりすること。
イ 学級全体で話し合って考えをまとめたり,意見を述べ合ったりすること。
ウ 図表や絵,写真などから読み取ったことを基に話したり,聞いたりすること。
B 書くこと
(1) 書くことの能力を育てるため,次の事項について指導する。
ア 関心のあることなどから書くことを決め,相手や目的に応じて,書く上で必要な事柄を調べること。
イ 文章全体における段落の役割を理解し,自分の考えが明確になるように,段落相互の関係などに注意して文章を構成すること。
ウ 書こうとすることの中心を明確にし,目的や必要に応じて理由や事例を挙げて書くこと。
エ 文章の敬体と常体との違いに注意しながら書くこと。
オ 文章の間違いを正したり,よりよい表現に書き直したりすること。
カ 書いたものを発表し合い,書き手の考えの明確さなどについて意見を述べ合うこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 身近なこと,想像したことなどを基に,詩をつくったり,物語を書いたりすること。
イ 疑問に思ったことを調べて,報告する文章を書いたり,学級新聞などに表したりすること。
ウ 収集した資料を効果的に使い,説明する文章などを書くこと。
エ 目的に合わせて依頼状,案内状,礼状などの手紙を書くこと。
C 読むこと
(1) 読むことの能力を育てるため,次の事項について指導する。
ア 内容の中心や場面の様子がよく分かるように音読すること。
イ 目的に応じて,中心となる語や文をとらえて段落相互の関係や事実と意見との関係を考え,文章を読むこと。
ウ 場面の移り変わりに注意しながら,登場人物の性格や気持ちの変化,情景などについて,叙述を基に想像して読むこと。
エ 目的や必要に応じて,文章の要点や細かい点に注意しながら読み,文章などを引用したり要約したりすること。 
オ 文章を読んで考えたことを発表し合い,一人一人の感じ方について違いのあることに気付くこと。
カ 目的に応じて,いろいろな本や文章を選んで読むこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 物語や詩を読み,感想を述べ合うこと。
イ 記録や報告の文章,図鑑や事典などを読んで利用すること。
ウ 記録や報告の文章を読んでまとめたものを読み合うこと。
エ 紹介したい本を取り上げて説明すること。
オ 必要な情報を得るために,読んだ内容に関連した他の本や文章などを読むこと。
〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕
(1) 「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」の指導を通して,次の事項について指導する。
ア 伝統的な言語文化に関する事項
(ア) 易しい文語調の短歌や俳句について,情景を思い浮かべたり,リズムを感じ取りながら音読や暗唱をしたりすること。
(イ) 長い間使われてきたことわざや慣用句,故事成語などの意味を知り,使うこと。
イ 言葉の特徴やきまりに関する事項
(ア) 言葉には,考えたことや思ったことを表す働きがあることに気付くこと。
(イ) 漢字と仮名を用いた表記などに関心をもつこと。
(ウ) 送り仮名に注意して書き,また,活用についての意識をもつこと。
(エ) 句読点を適切に打ち,また,段落の始め,会話の部分などの必要な箇所は行を改めて書くこと。
(オ) 表現したり理解したりするために必要な語句を増し,また,語句には性質や役割の上で類別があることを理解すること。
(カ) 表現したり理解したりするために必要な文字や語句について,辞書を利用して調べる方法を理解し,調べる習慣を付けること。
(キ) 修飾と被修飾との関係など,文の構成について初歩的な理解をもつこと。
(ク) 指示語や接続語が文と文との意味のつながりに果たす役割を理解し,使うこと。
ウ 文字に関する事項
(ア) 第3学年においては,日常使われている簡単な単語について,ローマ字で表記されたものを読み,また,ローマ字で書くこと。
(イ) 第3学年及び第4学年の各学年においては,学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。また,当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き,文や文章の中で使うとともに,当該学年に配当されている漢字を漸次書き,文や文章の中で使うこと。
(ウ) 漢字のへん,つくりなどの構成についての知識をもつこと。
(2) 書写に関する次の事項について指導する。
ア 文字の組立て方を理解し,形を整えて書くこと。
イ 漢字や仮名の大きさ,配列に注意して書くこと。
ウ 点画の種類を理解するとともに,毛筆を使用して筆圧などに注意して書くこと。
〔第5学年及び第6学年〕
1 目標
(1) 目的や意図に応じ,考えたことや伝えたいことなどについて,的確に話す能力,相手の意図をつかみながら聞く能力,計画的に話し合う能力を身に付けさせるとともに,適切に話したり聞いたりしようとする態度を育てる。
(2) 目的や意図に応じ,考えたことなどを文章全体の構成の効果を考えて文章に書く能力を身に付けさせるとともに,適切に書こうとする態度を育てる。
(3) 目的に応じ,内容や要旨をとらえながら読む能力を身に付けさせるとともに,読書を通して考えを広げたり深めたりしようとする態度を育てる。
2 内容
A 話すこと・聞くこと
(1) 話すこと・聞くことの能力を育てるため,次の事項について指導する。
ア 考えたことや伝えたいことなどから話題を決め,収集した知識や情報を関係付けること。
イ 目的や意図に応じて,事柄が明確に伝わるように話の構成を工夫しながら,場に応じた適切な言葉遣いで話すこと。
ウ 共通語と方言との違いを理解し,また,必要に応じて共通語で話すこと。 
エ 話し手の意図をとらえながら聞き,自分の意見と比べるなどして考えをまとめること。
オ 互いの立場や意図をはっきりさせながら,計画的に話し合うこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 資料を提示しながら説明や報告をしたり,それらを聞いて助言や提案をしたりすること。
イ 調べたことやまとめたことについて,討論などをすること。
ウ 事物や人物を推薦したり,それを聞いたりすること。
B 書くこと
(1) 書くことの能力を育てるため,次の事項について指導する。
ア 考えたことなどから書くことを決め,目的や意図に応じて,書く事柄を収集し,全体を見通して事柄を整理すること。
イ 自分の考えを明確に表現するため,文章全体の構成の効果を考えること。
ウ 事実と感想,意見などとを区別するとともに,目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりすること。
エ 引用したり,図表やグラフなどを用いたりして,自分の考えが伝わるように書くこと。
オ 表現の効果などについて確かめたり工夫したりすること。
カ 書いたものを発表し合い,表現の仕方に着目して助言し合うこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 経験したこと,想像したことなどを基に,詩や短歌,俳句をつくったり,物語や随筆などを書いたりすること。 
イ 自分の課題について調べ,意見を記述した文章や活動を報告した文章などを書いたり編集したりすること。 
ウ 事物のよさを多くの人に伝えるための文章を書くこと。
C 読むこと
(1) 読むことの能力を育てるため,次の事項について指導する。
ア 自分の思いや考えが伝わるように音読や朗読をすること。
イ 目的に応じて,本や文章を比べて読むなど効果的な読み方を工夫すること。
ウ 目的に応じて,文章の内容を的確に押さえて要旨をとらえたり,事実と感想,意見などとの関係を押さえ,自分の考えを明確にしながら読んだりすること。
エ 登場人物の相互関係や心情,場面についての描写をとらえ,優れた叙述について自分の考えをまとめること。
オ 本や文章を読んで考えたことを発表し合い,自分の考えを広げたり深めたりすること。
カ 目的に応じて,複数の本や文章などを選んで比べて読むこと。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 伝記を読み,自分の生き方について考えること。
イ 自分の課題を解決するために,意見を述べた文章や解説の文章などを利用すること。
ウ 編集の仕方や記事の書き方に注意して新聞を読むこと。
エ 本を読んで推薦の文章を書くこと。
〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕
(1) 「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」の指導を通して,次の事項について指導する。
ア 伝統的な言語文化に関する事項
(ア) 親しみやすい古文や漢文,近代以降の文語調の文章について,内容の大体を知り,音読すること。
(イ) 古典について解説した文章を読み,昔の人のものの見方や感じ方を知ること。
イ 言葉の特徴やきまりに関する事項
(ア) 話し言葉と書き言葉との違いに気付くこと。
(イ) 時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いに気付くこと。
(ウ) 送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書くこと。
(エ) 語句の構成,変化などについての理解を深め,また,語句の由来などに関心をもつこと。
(オ) 文章の中での語句と語句との関係を理解すること。
(カ) 語感,言葉の使い方に対する感覚などについて関心をもつこと。
(キ) 文や文章にはいろいろな構成があることについて理解すること。
(ク) 日常よく使われる敬語の使い方に慣れること。
(ケ) 比喩《ゆ》や反復などの表現の工夫に気付くこと。
ウ 文字に関する事項
(ア) 第5学年及び第6学年の各学年においては,学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。また,当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き,文や文章の中で使うとともに,当該学年に配当されている漢字を漸次書き,文や文章の中で使うこと。
(イ) 仮名及び漢字の由来,特質などについて理解すること。
(2) 書写に関する次の事項について指導する。
ア 用紙全体との関係に注意し,文字の大きさや配列などを決めるとともに,書く速さを意識して書くこと。
イ 目的に応じて使用する筆記具を選び,その特徴を生かして書くこと。
ウ 毛筆を使用して,穂先の動きと点画のつながりを意識して書くこと。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学年の内容の指導については,必要に応じて当該学年より前の学年において初歩的な形で取り上げたり,その後の学年で程度を高めて取り上げたりして,弾力的に指導することができるようにすること。
(2) 第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」,「C読むこと」及び〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕に示す事項については,相互に密接に関連付けて指導するようにするとともに,それぞれの能力が偏りなく養われるようにすること。その際,学校図書館などを計画的...
(3) 第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」に関する指導については,意図的,計画的に指導する機会が得られるように,第1学年及び第2学年では年間35単位時間程度,第3学年及び第4学年では年間30単位時間程度,第5学年及び第6学年では年間25単位時間程度を配当すること。その際,...
(4) 第2の各学年の内容の「B書くこと」に関する指導については,第1学年及び第2学年では年間100単位時間程度,第3学年及び第4学年では年間85単位時間程度,第5学年及び第6学年では年間55単位時間程度を配当すること。その際,実際に文章を書く活動をなるべく多くすること。
(5) 第2の各学年の内容の「C読むこと」に関する指導については,読書意欲を高め,日常生活において読書活動を活発に行うようにするとともに,他の教科における読書の指導や学校図書館における指導との関連を考えて行うこと。学校図書館の利用に際しては,本の題名や種類などに注目したり,索引を利...
(6) 低学年においては,生活科などとの関連を積極的に図り,指導の効果を高めるようにすること。特に第1学年においては,幼稚園教育における言葉に関する内容などとの関連を考慮すること。
(7) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,国語科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の各学年の内容の〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕については,次のとおり取り扱うものとする。
(1) 〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕の(1)に示す事項については,次のとおり取り扱うこと。
ア 特定の事項をまとめて指導したり,繰り返して指導したりすることが必要な場合については,特にそれだけを取り上げて学習させるよう配慮すること。
イ 伝統的な言語文化に関する指導については,各学年で行い,古典に親しめるよう配慮すること。
ウ 漢字の指導については,第2の内容に定めるほか,次のとおり取り扱うこと。
(ア) 学年ごとに配当されている漢字は,児童の学習負担に配慮しつつ,必要に応じて,当該学年以前の学年又は当該学年以降の学年において指導することもできること。
(イ) 当該学年より後の学年に配当されている漢字及びそれ以外の漢字については,振り仮名を付けるなど,児童の学習負担に配慮しつつ提示することができること。
(ウ) 漢字の指導においては,学年別漢字配当表に示す漢字の字体を標準とすること。
(2) 硬筆を使用する書写の指導は各学年で行い,毛筆を使用する書写の指導は第3学年以上の各学年で行うこと。また,毛筆を使用する書写の指導は硬筆による書写の能力の基礎を養うよう指導し,文字を正しく整えて書くことができるようにするとともに,各学年年間30単位時間程度を配当すること。
3 教材については,次の事項に留意するものとする。
(1) 教材は,話すこと・聞くことの能力,書くことの能力及び読むことの能力などを偏りなく養うことや読書に親しむ態度の育成を通して読書習慣を形成することをねらいとし,児童の発達の段階に即して適切な話題や題材を精選して調和的に取り上げること。また,第2の各学年の内容の「A話すこと・聞く...
(2) 教材は,次のような観点に配慮して取り上げること。
ア 国語に対する関心を高め,国語を尊重する態度を育てるのに役立つこと。
イ 伝え合う力,思考力や想像力及び言語感覚を養うのに役立つこと。
ウ 公正かつ適切に判断する能力や態度を育てるのに役立つこと。
エ 科学的,論理的な見方や考え方をする態度を育て,視野を広げるのに役立つこと。
オ 生活を明るくし,強く正しく生きる意志を育てるのに役立つこと。
カ 生命を尊重し,他人を思いやる心を育てるのに役立つこと。
キ 自然を愛し,美しいものに感動する心を育てるのに役立つこと。
ク 我が国の伝統と文化に対する理解と愛情を育てるのに役立つこと。
ケ 日本人としての自覚をもって国を愛し,国家,社会の発展を願う態度を育てるのに役立つこと。
コ 世界の風土や文化などを理解し,国際協調の精神を養うのに役立つこと。
(3) 第2の各学年の内容の「C読むこと」の教材については,説明的な文章や文学的な文章などの文章形態を調和的に取り扱うこと。
別表 学 年 別 漢 字 配 当 表
第一学年(80字)
第二学年(160字)
西
第三学年(200字)
使
宿
調
第四学年(200字)
便
第五学年(185字)
退
貿
綿
領                   
第六学年(181字)
沿
姿
論                         
第2節 社   会
第1 目標  社会生活についての理解を図り,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て,国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。
第2 各学年の目標及び内容
〔第3学年及び第4学年〕
1 目標
(1) 地域の産業や消費生活の様子,人々の健康な生活や良好な生活環境及び安全を守るための諸活動について理解できるようにし,地域社会の一員としての自覚をもつようにする。
(2) 地域の地理的環境,人々の生活の変化や地域の発展に尽くした先人の働きについて理解できるようにし,地域社会に対する誇りと愛情を育てるようにする。
(3) 地域における社会的事象を観察,調査するとともに,地図や各種の具体的資料を効果的に活用し,地域社会の社会的事象の特色や相互の関連などについて考える力,調べたことや考えたことを表現する力を育てるようにする。
2 内容
(1) 自分たちの住んでいる身近な地域や市(区,町,村)について,次のことを観察,調査したり白地図にまとめたりして調べ,地域の様子は場所によって違いがあることを考えるようにする。
ア 身近な地域や市(区,町,村)の特色ある地形,土地利用の様子,主な公共施設などの場所と働き,交通の様子,古くから残る建造物など
(2) 地域の人々の生産や販売について,次のことを見学したり調査したりして調べ,それらの仕事に携わっている人々の工夫を考えるようにする。
ア 地域には生産や販売に関する仕事があり,それらは自分たちの生活を支えていること。
イ 地域の人々の生産や販売に見られる仕事の特色及び国内の他地域などとのかかわり
(3) 地域の人々の生活にとって必要な飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の処理について,次のことを見学,調査したり資料を活用したりして調べ,これらの対策や事業は地域の人々の健康な生活や良好な生活環境の維持と向上に役立っていることを考えるようにする。
ア 飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の処理と自分たちの生活や産業とのかかわり
イ これらの対策や事業は計画的,協力的に進められていること。
(4) 地域社会における災害及び事故の防止について,次のことを見学,調査したり資料を活用したりして調べ,人々の安全を守るための関係機関の働きとそこに従事している人々や地域の人々の工夫や努力を考えるようにする。
ア 関係機関は地域の人々と協力して,災害や事故の防止に努めていること。
イ 関係の諸機関が相互に連携して,緊急に対処する体制をとっていること。
(5) 地域の人々の生活について,次のことを見学,調査したり年表にまとめたりして調べ,人々の生活の変化や人々の願い,地域の人々の生活の向上に尽くした先人の働きや苦心を考えるようにする。
ア 古くから残る暮らしにかかわる道具,それらを使っていたころの暮らしの様子
イ 地域の人々が受け継いできた文化財や年中行事
ウ 地域の発展に尽くした先人の具体的事例
(6) 県(都,道,府)の様子について,次のことを資料を活用したり白地図にまとめたりして調べ,県(都,道,府)の特色を考えるようにする。
ア 県(都,道,府)内における自分たちの市(区,町,村)及び我が国における自分たちの県(都,道,府)の地理的位置,47都道府県の名称と位置
イ 県(都,道,府)全体の地形や主な産業の概要,交通網の様子や主な都市の位置
ウ 県(都,道,府)内の特色ある地域の人々の生活
エ 人々の生活や産業と国内の他地域や外国とのかかわり
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)については,方位や主な地図記号について扱うものとする。
(2) 内容の(2)のイについては,次のとおり取り扱うものとする。
ア 「生産」については,農家,工場などの中から選択して取り上げること。
イ 「販売」については,商店を取り上げ,販売者の側の工夫を消費者の側の工夫と関連付けて扱うようにすること。
ウ 「国内の他地域など」については,外国とのかかわりにも気付くよう配慮すること。
(3) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア 「飲料水,電気,ガス」については,それらの中から選択して取り上げ,節水や節電などの資源の有効な利用についても扱うこと。
イ 「廃棄物の処理」については,ごみ,下水のいずれかを選択して取り上げ,廃棄物を資源として活用していることについても扱うこと。
(4) 内容の(4)の「災害」については,火災,風水害,地震などの中から選択して取り上げ,「事故の防止」については,交通事故などの事故防止や防犯を取り上げるものとする。
(5) 内容の(3)及び(4)にかかわって,地域の社会生活を営む上で大切な法やきまりについて扱うものとする。
(6) 内容の(5)のウの「具体的事例」については,開発,教育,文化,産業などの地域の発展に尽くした先人の中から選択して取り上げるものとする。
(7) 内容の(6)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア ウについては,自然環境,伝統や文化などの地域の資源を保護・活用している地域を取り上げること。その際,伝統的な工業などの地場産業の盛んな地域を含めること。
イ エについては,我が国や外国には国旗があることを理解させ,それを尊重する態度を育てるよう配慮すること。
〔第5学年〕
1 目標
(1) 我が国の国土の様子,国土の環境と国民生活との関連について理解できるようにし,環境の保全や自然災害の防止の重要性について関心を深め,国土に対する愛情を育てるようにする。
(2) 我が国の産業の様子,産業と国民生活との関連について理解できるようにし,我が国の産業の発展や社会の情報化の進展に関心をもつようにする。
(3) 社会的事象を具体的に調査するとともに,地図や地球儀,統計などの各種の基礎的資料を効果的に活用し,社会的事象の意味について考える力,調べたことや考えたことを表現する力を育てるようにする。
2 内容
(1) 我が国の国土の自然などの様子について,次のことを地図や地球儀,資料などを活用して調べ,国土の環境が人々の生活や産業と密接な関連をもっていることを考えるようにする。
ア 世界の主な大陸と海洋,主な国の名称と位置,我が国の位置と領土
イ 国土の地形や気候の概要,自然条件から見て特色ある地域の人々の生活
ウ 公害から国民の健康や生活環境を守ることの大切さ
エ 国土の保全などのための森林資源の働き及び自然災害の防止
(2) 我が国の農業や水産業について,次のことを調査したり地図や地球儀,資料などを活用したりして調べ,それらは国民の食料を確保する重要な役割を果たしていることや自然環境と深いかかわりをもって営まれていることを考えるようにする。
ア 様々な食料生産が国民の食生活を支えていること,食料の中には外国から輸入しているものがあること。
イ 我が国の主な食料生産物の分布や土地利用の特色など
ウ 食料生産に従事している人々の工夫や努力,生産地と消費地を結ぶ運輸などの働き
(3) 我が国の工業生産について,次のことを調査したり地図や地球儀,資料などを活用したりして調べ,それらは国民生活を支える重要な役割を果たしていることを考えるようにする。
ア 様々な工業製品が国民生活を支えていること。
イ 我が国の各種の工業生産や工業地域の分布など
ウ 工業生産に従事している人々の工夫や努力,工業生産を支える貿易や運輸などの働き
(4) 我が国の情報産業や情報化した社会の様子について,次のことを調査したり資料を活用したりして調べ,情報化の進展は国民の生活に大きな影響を及ぼしていることや情報の有効な活用が大切であることを考えるようにする。
ア 放送,新聞などの産業と国民生活とのかかわり
イ 情報化した社会の様子と国民生活とのかかわり
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの「主な国」については,近隣の諸国を含めて取り上げるものとすること。その際,我が国や諸外国には国旗があることを理解するとともに,それを尊重する態度を育てるよう配慮すること。
イ イの「自然条件から見て特色ある地域」については,事例地を選択して取り上げ,自然環境に適応しながら生活している人々の工夫を具体的に扱うこと。
ウ ウについては,大気の汚染,水質の汚濁などの中から具体的事例を選択して取り上げること。
エ エについては,我が国の国土保全等の観点から扱うようにし,森林資源の育成や保護に従事している人々の工夫や努力及び環境保全のための国民一人一人の協力の必要性に気付くよう配慮すること。
(2) 内容の(2)のウについては,農業や水産業の盛んな地域の具体的事例を通して調べることとし,稲作のほか,野菜,果物,畜産物,水産物などの生産の中から一つを取り上げるものとする。
(3) 内容の(3)のウについては,工業の盛んな地域の具体的事例を通して調べることとし,金属工業,機械工業,石油化学工業,食料品工業などの中から一つを取り上げるものとする。
(4) 内容の(2)のウ及び(3)のウにかかわって,価格や費用,交通網について取り扱うものとする。
(5) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,放送,新聞などの中から選択して取り上げること。
イ イについては,情報ネットワークを有効に活用して公共サービスの向上に努めている教育,福祉,医療,防災などの中から選択して取り上げること。
〔第6学年〕
1 目標
(1) 国家・社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産について興味・関心と理解を深めるようにするとともに,我が国の歴史や伝統を大切にし,国を愛する心情を育てるようにする。
(2) 日常生活における政治の働きと我が国の政治の考え方及び我が国と関係の深い国の生活や国際社会における我が国の役割を理解できるようにし,平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きていくことが大切であることを自覚できるようにする。
(3) 社会的事象を具体的に調査するとともに,地図や地球儀,年表などの各種の基礎的資料を効果的に活用し,社会的事象の意味をより広い視野から考える力,調べたことや考えたことを表現する力を育てるようにする。
2 内容
(1) 我が国の歴史上の主な事象について,人物の働きや代表的な文化遺産を中心に遺跡や文化財,資料などを活用して調べ,歴史を学ぶ意味を考えるようにするとともに,自分たちの生活の歴史的背景,我が国の歴史や先人の働きについて理解と関心を深めるようにする。
ア 狩猟・採集や農耕の生活,古墳について調べ,大和朝廷による国土の統一の様子が分かること。その際,神話・伝承を調べ,国の形成に関する考え方などに関心をもつこと。
イ 大陸文化の摂取,大化の改新,大仏造営の様子,貴族の生活について調べ,天皇を中心とした政治が確立されたことや日本風の文化が起こったことが分かること。
ウ 源平の戦い,鎌倉《かまくら》幕府の始まり,元との戦いについて調べ,武士による政治が始まったことが分かること。
エ 京都の室町に幕府が置かれたころの代表的な建造物や絵画について調べ,室町文化が生まれたことが分かること。
オ キリスト教の伝来,織田《おだ》・豊臣《とよとみ》の天下統一,江戸幕府の始まり,参勤交代,鎖国について調べ,戦国の世が統一され,身分制度が確立し武士による政治が安定したことが分かること。
カ 歌舞伎《かぶき》や浮世絵,国学や蘭学《らんがく》について調べ,町人の文化が栄え新しい学問が起こったことが分かること。
キ 黒船の来航,明治維新,文明開化などについて調べ,廃藩置県や四民平等などの諸改革を行い,欧米の文化を取り入れつつ近代化を進めたことが分かること。
ク 大日本帝国憲法の発布,日清《にっしん》・日露の戦争,条約改正,科学の発展などについて調べ,我が国の国力が充実し国際的地位が向上したことが分かること。
ケ 日華事変,我が国にかかわる第二次世界大戦,日本国憲法の制定,オリンピックの開催などについて調べ,戦後我が国は民主的な国家として出発し,国民生活が向上し国際社会の中で重要な役割を果たしてきたことが分かること。
(2) 我が国の政治の働きについて,次のことを調査したり資料を活用したりして調べ,国民主権と関連付けて政治は国民生活の安定と向上を図るために大切な働きをしていること,現在の我が国の民主政治は日本国憲法の基本的な考え方に基づいていることを考えるようにする。
ア 国民生活には地方公共団体や国の政治の働きが反映していること。 
イ 日本国憲法は,国家の理想,天皇の地位,国民としての権利及び義務など国家や国民生活の基本を定めていること。
(3) 世界の中の日本の役割について,次のことを調査したり地図や地球儀,資料などを活用したりして調べ,外国の人々と共に生きていくためには異なる文化や習慣を理解し合うことが大切であること,世界平和の大切さと我が国が世界において重要な役割を果たしていることを考えるようにする。
ア 我が国と経済や文化などの面でつながりが深い国の人々の生活の様子
イ 我が国の国際交流や国際協力の様子及び平和な国際社会の実現に努力している国際連合の働き
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア 児童の興味・関心を重視し,取り上げる人物や文化遺産の重点の置き方に工夫を加えるなど,精選して具体的に理解できるようにすること。その際,ケの指導に当たっては,児童の発達の段階を考慮すること。
イ 歴史学習全体を通して,我が国は長い歴史をもち伝統や文化をはぐくんできたこと,我が国の歴史は政治の中心地や世の中の様子などによって幾つかの時期に分けられることに気付くようにすること。
ウ アの「神話・伝承」については,古事記,日本書紀,風土記などの中から適切なものを取り上げること。
エ アからクまでについては,例えば,次に掲げる人物を取り上げ,人物の働きを通して学習できるように指導すること。
卑弥呼《ひみこ》
聖徳太子《しょうとくたいし》
小野妹子《おののいもこ》
中大兄皇子《なかのおおえのおうじ》
中臣鎌足《なかとみのかまたり》
聖武《しょうむ》天皇
行基《ぎょうき》
鑑真《がんじん》
藤原道長《ふじわらのみちなが》
紫 式部《むらさきしきぶ》
清少納言《せいしょうなごん》
平 清盛《たいらのきよもり》
源 頼朝《みなもとのよりとも》
源 義経《みなもとのよしつね》
北条時宗《ほうじょうときむね》
足利義満《あしかがよしみつ》
足利義政《あしかがよしまさ》
雪舟《せっしゅう》
ザビエル
織田信長《おだのぶなが》
豊臣秀吉《とよとみひでよし》
徳川家康《とくがわいえやす》
徳川家光《とくがわいえみつ》
近松門左衛門《ちかまつもんざえもん》
歌川《うたがわ》(安藤《あんどう》)広重《ひろしげ》
本居宣長《もとおりのりなが》
杉田玄白《すぎたげんぱく》
伊能忠敬《いのうただたか》
ペリー
勝海舟《かつかいしゅう》
西郷隆盛《さいごうたかもり》
大久保利通《おおくぼとしみつ》
木戸孝允《きどたかよし》
明治天皇
福沢諭吉《ふくざわゆきち》
大隈重信《おおくましげのぶ》
板垣退助《いたがきたいすけ》
伊藤博文《いとうひろぶみ》
陸奥宗光《むつむねみつ》
東郷平八郎《とうごうへいはちろう》
小村寿太郎《こむらじゅたろう》
野口英世《のぐちひでよ》
オ アからケまでについては,例えば,国宝,重要文化財に指定されているものや,そのうち世界文化遺産に登録されているものなどを取り上げ,我が国の代表的な文化遺産を通して学習できるように配慮すること。
(2) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア 政治の働きと国民生活との関係を具体的に指導する際には,各々の国民の祝日に関心をもち,その意義を考えさせるよう配慮すること。
イ 国会などの議会政治や選挙の意味,国会と内閣と裁判所の三権相互の関連,国民の司法参加,租税の役割などについても扱うようにすること。
ウ アの「地方公共団体や国の政治の働き」については,社会保障,災害復旧の取組,地域の開発などの中から選択して取り上げ,具体的に調べられるようにすること。
エ イの「天皇の地位」については,日本国憲法に定める天皇の国事に関する行為など児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げ,歴史に関する学習との関連も図りながら,天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにすること。また,イの「国民としての権利及び義務」については,参政権,納税の義務など...
(3) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,我が国とつながりが深い国から数か国を取り上げること。その際,それらの中から児童が一か国を選択して調べるよう配慮し,様々な外国の文化を具体的に理解できるようにするとともに,我が国や諸外国の伝統や文化を尊重しようとする態度を養うこと。 
イ イの「国際交流」についてはスポーツ,文化の中から,「国際協力」については教育,医学,農業などの分野で世界に貢献している事例の中から,それぞれ選択して取り上げ,国際社会における我が国の役割を具体的に考えるようにすること。
ウ イの「国際連合の働き」については,網羅的,抽象的な扱いにならないよう,ユニセフやユネスコの身近な活動を取り上げて具体的に調べるようにすること。
エ ア及びイについては,我が国の国旗と国歌の意義を理解させ,これを尊重する態度を育てるとともに,諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てるよう配慮すること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各学校においては,地域の実態を生かし,児童が興味・関心をもって学習に取り組めるようにするとともに,観察や調査・見学などの体験的な活動やそれに基づく表現活動の一層の充実を図ること。
(2) 博物館や郷土資料館等の施設の活用を図るとともに,身近な地域及び国土の遺跡や文化財などの観察や調査を取り入れるようにすること。
(3) 学校図書館や公共図書館,コンピュータなどを活用して,資料の収集・活用・整理などを行うようにすること。また,第4学年以降においては,教科用図書「地図」を活用すること。
(4) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,社会科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各学年の指導については,児童の発達の段階を考慮し社会的事象を公正に判断できるようにするとともに,個々の児童に社会的な見方や考え方が養われるようにすること。
(2) 各学年において,地図や統計資料などを効果的に活用し,我が国の都道府県の名称と位置を身に付けることができるように工夫して指導すること。
第3節 算   数
第1 目標  算数的活動を通して,数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け,日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え,表現する能力を育てるとともに,算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き,進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年〕
1 目標
(1) 具体物を用いた活動などを通して,数についての感覚を豊かにする。数の意味や表し方について理解できるようにするとともに,加法及び減法の意味について理解し,それらの計算の仕方を考え,用いることができるようにする。
(2) 具体物を用いた活動などを通して,量とその測定についての理解の基礎となる経験を重ね,量の大きさについての感覚を豊かにする。
(3) 具体物を用いた活動などを通して,図形についての理解の基礎となる経験を重ね,図形についての感覚を豊かにする。
(4) 具体物を用いた活動などを通して,数量やその関係を言葉,数,式,図などに表したり読み取ったりすることができるようにする。
2 内容
A 数と計算
(1) ものの個数を数えることなどの活動を通して,数の意味について理解し,数を用いることができるようにする。
ア ものとものとを対応させることによって,ものの個数を比べること。
イ 個数や順番を正しく数えたり表したりすること。
ウ 数の大小や順序を考えることによって,数の系列を作ったり,数直線の上に表したりすること。
エ 一つの数をほかの数の和や差としてみるなど,ほかの数と関係付けてみること。
オ 2位数の表し方について理解すること。
カ 簡単な場合について,3位数の表し方を知ること。
キ 数を十を単位としてみること。
(2) 加法及び減法の意味について理解し,それらを用いることができるようにする。
ア 加法及び減法が用いられる場合について知ること。
イ 1位数と1位数との加法及びその逆の減法の計算の仕方を考え,それらの計算が確実にできること。
ウ 簡単な場合について,2位数などの加法及び減法の計算の仕方を考えること。
B 量と測定
(1) 大きさを比較するなどの活動を通して,量とその測定についての理解の基礎となる経験を豊かにする。
ア 長さ,面積,体積を直接比べること。
イ 身の回りにあるものの大きさを単位として,その幾つ分かで大きさを比べること。
(2) 日常生活の中で時刻を読むことができるようにする。
C 図 形
(1) 身の回りにあるものの形についての観察や構成などの活動を通して,図形についての理解の基礎となる経験を豊かにする。
ア ものの形を認めたり,形の特徴をとらえたりすること。
イ 前後,左右,上下など方向や位置に関する言葉を正しく用いて,ものの位置を言い表すこと。
D 数量関係
(1) 加法及び減法が用いられる場面を式に表したり,式を読み取ったりすることができるようにする。
(2) ものの個数を絵や図などを用いて表したり読み取ったりすることができるようにする。
〔算数的活動〕
(1) 内容の「A数と計算」,「B量と測定」,「C図形」及び「D数量関係」に示す事項については,例えば,次のような算数的活動を通して指導するものとする。
ア 具体物をまとめて数えたり等分したりし,それを整理して表す活動
イ 計算の意味や計算の仕方を,具体物を用いたり,言葉,数,式,図を用いたりして表す活動
ウ 身の回りにあるものの長さ,面積,体積を直接比べたり,他のものを用いて比べたりする活動
エ 身の回りから,いろいろな形を見付けたり,具体物を用いて形を作ったり分解したりする活動
オ 数量についての具体的な場面を式に表したり,式を具体的な場面に結び付けたりする活動
〔用語・記号〕
一の位 
十の位 
〔第2学年〕
1 目標
(1) 具体物を用いた活動などを通して,数についての感覚を豊かにする。数の意味や表し方についての理解を深めるとともに,加法及び減法についての理解を深め,用いることができるようにする。また,乗法の意味について理解し,その計算の仕方を考え,用いることができるようにする。
(2) 具体物を用いた活動などを通して,長さや体積などの単位と測定について理解できるようにし,量の大きさについての感覚を豊かにする。
(3) 具体物を用いた活動などを通して,三角形や四角形などの図形について理解できるようにし,図形についての感覚を豊かにする。
(4) 具体物を用いた活動などを通して,数量やその関係を言葉,数,式,図,表,グラフなどに表したり読み取ったりすることができるようにする。
2 内容
A 数と計算
(1) 数の意味や表し方について理解し,数を用いる能力を伸ばす。
ア 同じ大きさの集まりにまとめて数えたり,分類して数えたりすること。
イ 4位数までについて,十進位取り記数法による数の表し方及び数の大小や順序について理解すること。
ウ 数を十や百を単位としてみるなど,数の相対的な大きさについて理解すること。
エ 一つの数をほかの数の積としてみるなど,ほかの数と関係付けてみること。
オ 1/2,1/4など簡単な分数について知ること。
(2) 加法及び減法についての理解を深め,それらを用いる能力を伸ばす。
ア 2位数の加法及びその逆の減法の計算の仕方を考え,それらの計算が1位数などについての基本的な計算を基にしてできることを理解し,それらの計算が確実にできること。また,それらの筆算の仕方について理解すること。
イ 簡単な場合について,3位数などの加法及び減法の計算の仕方を考えること。
ウ 加法及び減法に関して成り立つ性質を調べ,それを計算の仕方を考えたり計算の確かめをしたりすることに生かすこと。
(3) 乗法の意味について理解し,それを用いることができるようにする。
ア 乗法が用いられる場合について知ること。
イ 乗法に関して成り立つ簡単な性質を調べ,それを乗法九九を構成したり計算の確かめをしたりすることに生かすこと。        
ウ 乗法九九について知り,1位数と1位数との乗法の計算が確実にできること。
エ 簡単な場合について,2位数と1位数との乗法の計算の仕方を考えること。
B 量と測定                            
(1) 長さについて単位と測定の意味を理解し,長さの測定ができるようにする。
ア 長さの単位(ミリメートル(mm),センチメートル(cm),メートル(m))について知ること。
(2) 体積について単位と測定の意味を理解し,体積の測定ができるようにする。
ア 体積の単位(ミリリットル(ml),デシリットル(dl),リットル(l))について知ること。
(3) 時間について理解し,それを用いることができるようにする。
ア 日,時,分について知り,それらの関係を理解すること。
C 図 形
(1) ものの形についての観察や構成などの活動を通して,図形を構成する要素に着目し,図形について理解できるようにする。
ア 三角形,四角形について知ること。
イ 正方形,長方形,直角三角形について知ること。
ウ 箱の形をしたものについて知ること。
D 数量関係
(1) 加法と減法の相互関係について理解し,式を用いて説明できるようにする。
(2) 乗法が用いられる場面を式に表したり,式を読み取ったりすることができるようにする。
(3) 身の回りにある数量を分類整理し,簡単な表やグラフを用いて表したり読み取ったりすることができるようにする。
〔算数的活動〕
(1) 内容の「A数と計算」,「B量と測定」,「C図形」及び「D数量関係」に示す事項については,例えば,次のような算数的活動を通して指導するものとする。
ア 身の回りから,整数が使われている場面を見付ける活動
イ 乗法九九の表を構成したり観察したりして,計算の性質やきまりを見付ける活動
ウ 身の回りにあるものの長さや体積について,およその見当を付けたり,単位を用いて測定したりする活動
エ 正方形,長方形,直角三角形をかいたり,作ったり,それらで平面を敷き詰めたりする活動
オ 加法と減法の相互関係を図や式に表し,説明する活動
〔用語・記号〕
単位 
直線 
直角 
頂点 
辺 
面 
× 
> 
< 
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と計算」の(1)については,1万についても取り扱うものとする。
(2) 内容の「A数と計算」の(2)及び「D数量関係」の(1)については,必要な場合には,( )や□などを用いることができる。
(3) 内容の「A数と計算」の(2)のウについては,交換法則や結合法則を取り扱うものとする。
(4) 内容の「A数と計算」の(3)のイについては,乗数が1ずつ増えるときの積の増え方や交換法則を取り扱うものとする。
〔第3学年〕
1 目標
(1) 加法及び減法を適切に用いることができるようにするとともに,乗法についての理解を深め,適切に用いることができるようにする。また,除法の意味について理解し,その計算の仕方を考え,用いることができるようにする。さらに,小数及び分数の意味や表し方について理解できるようにする。
(2) 長さ,重さ及び時間の単位と測定について理解できるようにする。
(3) 図形を構成する要素に着目して,二等辺三角形や正三角形などの図形について理解できるようにする。
(4) 数量やその関係を言葉,数,式,図,表,グラフなどに表したり読み取ったりすることができるようにする。
2 内容
A 数と計算
(1) 整数の表し方についての理解を深め,数を用いる能力を伸ばす。
ア 万の単位について知ること。
イ 10倍,100倍,1/10の大きさの数及びその表し方について知ること。
ウ 数の相対的な大きさについての理解を深めること。
(2) 加法及び減法の計算が確実にできるようにし,それらを適切に用いる能力を伸ばす。
ア 3位数や4位数の加法及び減法の計算の仕方を考え,それらの計算が2位数などについての基本的な計算を基にしてできることを理解すること。また,それらの筆算の仕方について理解すること。
イ 加法及び減法の計算が確実にでき,それらを適切に用いること。 
ウ 加法及び減法に関して成り立つ性質を調べ,それを計算の仕方を考えたり計算の確かめをしたりすることに生かすこと。
(3) 乗法についての理解を深め,その計算が確実にできるようにし,それを適切に用いる能力を伸ばす。
ア 2位数や3位数に1位数や2位数をかける乗法の計算の仕方を考え,それらの計算が乗法九九などの基本的な計算を基にしてできることを理解すること。また,その筆算の仕方について理解すること。
イ 乗法の計算が確実にでき,それを適切に用いること。     
ウ 乗法に関して成り立つ性質を調べ,それを計算の仕方を考えたり計算の確かめをしたりすることに生かすこと。          
(4) 除法の意味について理解し,それを用いることができるようにする。
ア 除法が用いられる場合について知ること。また,余りについて知ること。
イ 除法と乗法や減法との関係について理解すること。
ウ 除数と商が共に1位数である除法の計算が確実にできること。
エ 簡単な場合について,除数が1位数で商が2位数の除法の計算の仕方を考えること。 
(5) 小数の意味や表し方について理解できるようにする。
ア 端数部分の大きさを表すのに小数を用いること。また,小数の表し方及び1/10の位について知ること。
イ 1/10の位までの小数の加法及び減法の意味について理解し,計算のの仕方を考え,それらの計算ができること。
(6) 分数の意味や表し方について理解できるようにする。
ア 等分してできる部分の大きさや端数部分の大きさを表すのに分数を用いること。また,分数の表し方について知ること。
イ 分数は,単位分数の幾つ分かで表せることを知ること。
ウ 簡単な場合について,分数の加法及び減法の意味について理解し,計算の仕方を考えること。
(7) そろばんによる数の表し方について知り,そろばんを用いて簡単な加法及び減法の計算ができるようにする。
ア そろばんによる数の表し方について知ること。         
イ 加法及び減法の計算の仕方について知ること。
B 量と測定
(1) 長さについての理解を深めるとともに,重さについて単位と測定の意味を理解し,重さの測定ができるようにする。
ア 長さの単位(キロメートル(km))について知ること。
イ 重さの単位(グラム(g),キログラム(kg))について知ること。
(2) 長さや重さについて,およその見当を付けたり,目的に応じて単位や計器を適切に選んで測定したりできるようにする。
(3) 時間について理解できるようにする。
ア 秒について知ること。
イ 日常生活の中で必要となる時刻や時間を求めること。
C 図 形                             
(1) 図形についての観察や構成などの活動を通して,図形を構成する要素に着目し,図形について理解できるようにする。
ア 二等辺三角形,正三角形について知ること。
イ 角について知ること。
ウ 円,球について知ること。また,それらの中心,半径,直径について知ること。
D 数量関係
(1) 除法が用いられる場面を式に表したり,式を読み取ったりすることができるようにする。
(2) 数量の関係を表す式について理解し,式を用いることができるようにする。
ア 数量の関係を式に表したり,式と図を関連付けたりすること。
イ 数量を□などを用いて表し,その関係を式に表したり,□などに数を当てはめて調べたりすること。
(3) 資料を分類整理し,表やグラフを用いて分かりやすく表したり読み取ったりすることができるようにする。 
ア 棒グラフの読み方やかき方について知ること。
〔算数的活動〕
(1) 内容の「A数と計算」,「B量と測定」,「C図形」及び「D数量関係」に示す事項については,例えば,次のような算数的活動を通して指導するものとする。                 
ア 整数,小数及び分数についての計算の意味や計算の仕方を,具体物を用いたり,言葉,数,式,図を用いたりして考え,説明する活動
イ 小数や分数を具体物,図,数直線を用いて表し,大きさを比べる活動
ウ 長さ,体積,重さのそれぞれについて単位の関係を調べる活動
エ 二等辺三角形や正三角形を定規とコンパスを用いて作図する活動
オ 日時や場所などの観点から資料を分類整理し,表を用いて表す活動
〔用語・記号〕
等号
不等号
小数点 
1/10の位  
数直線
分母 
分子 
÷ 
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と計算」の(1)については,1億についても取り扱うものとする。
(2) 内容の「A数と計算」の(2)及び(3)については,簡単な計算は暗算でできるよう配慮するものとする。                   
(3) 内容の「A数と計算」の(2)のウについては,交換法則や結合法則を取り扱うものとする。
(4) 内容の「A数と計算」の(3)については,乗数又は被乗数が0の場合の計算についても取り扱うものとする。
(5) 内容の「A数と計算」の(3)のウについては,交換法則,結合法則や分配法則を取り扱うものとする。
(6) 内容の「A数と計算」の(5)及び(6)については,小数の0.1と分数の1/10などを数直線を用いて関連付けて取り扱うものとする。
(7) 内容の「B量と測定」の(1)のイについては,トン(t)の単位についても触れるものとする。
〔第4学年〕
1 目標
(1) 除法についての理解を深め,適切に用いることができるようにする。また,小数及び分数の意味や表し方についての理解を深め,小数及び分数についての加法及び減法の意味を理解し,それらの計算の仕方を考え,用いることができるようにする。さらに,概数について理解し,目的に応じて用いることが...
(2) 面積の単位と測定について理解し,図形の面積を求めることができるようにするとともに,角の大きさの単位と測定について理解できるようにする。
(3) 図形を構成要素及びそれらの位置関係に着目して考察し,平行四辺形やひし形などの平面図形及び直方体などの立体図形について理解できるようにする。
(4) 数量やその関係を言葉,数,式,図,表,グラフなどに表したり調べたりすることができるようにする。
2 内容
A 数と計算
(1) 整数が十進位取り記数法によって表されていることについての理解を深める。 
ア 億,兆の単位について知り,十進位取り記数法についてまとめること。
(2) 概数について理解し,目的に応じて用いることができるようにする。
ア 概数が用いられる場合について知ること。
イ 四捨五入について知ること。
ウ 目的に応じて四則計算の結果の見積りをすること。
(3) 整数の除法についての理解を深め,その計算が確実にできるようにし,それを適切に用いる能力を伸ばす。
ア 除数が1位数や2位数で被除数が2位数や3位数の場合の計算の仕方を考え,それらの計算が基本的な計算を基にしてできることを理解すること。また,その筆算の仕方について理解すること。
イ 除法の計算が確実にでき,それを適切に用いること。
ウ 除法について,被除数,除数,商及び余りの間の関係を調べ,次の式にまとめること。 (被除数)=(除数)×(商)+(余り)
エ 除法に関して成り立つ性質を調べ,それを計算の仕方を考えたり計算の確かめをしたりすることに生かすこと。
(4) 整数の計算の能力を定着させ,それを用いる能力を伸ばす。
(5) 小数とその加法及び減法についての理解を深めるとともに,小数の乗法及び除法の意味について理解し,それらを用いることができるようにする。
ア 小数が整数と同じ仕組みで表されていることを知るとともに,数の相対的な大きさについての理解を深めること。
イ 小数の加法及び減法の計算の仕方を考え,それらの計算ができること。
ウ 乗数や除数が整数である場合の小数の乗法及び除法の計算の仕方を考え,それらの計算ができること。
(6) 分数についての理解を深めるとともに,同分母の分数の加法及び減法の意味について理解し,それらを用いることができるようにする。
ア 簡単な場合について,大きさの等しい分数があることに着目すること。
イ 同分母の分数の加法及び減法の計算の仕方を考え,それらの計算ができること。
(7) そろばんを用いて,加法及び減法の計算ができるようにする。
B 量と測定
(1) 面積について単位と測定の意味を理解し,面積を計算によって求めることができるようにする。
ア 面積の単位(平方センチメートル(cm2),平方メートル(m2),平方キロメートル(km2))について知ること。
イ 正方形及び長方形の面積の求め方を考えること。
(2) 角の大きさについて単位と測定の意味を理解し,角の大きさの測定ができるようにする。
ア 角の大きさを回転の大きさとしてとらえること。
イ 角の大きさの単位(度(°))について知ること。
C 図 形                             
(1) 図形についての観察や構成などの活動を通して,図形の構成要素及びそれらの位置関係に着目し,図形についての理解を深める。
ア 直線の平行や垂直の関係について理解すること。
イ 平行四辺形,ひし形,台形について知ること。
(2) 図形についての観察や構成などの活動を通して,立体図形について理解できるようにする。
ア 立方体,直方体について知ること。
イ 直方体に関連して,直線や平面の平行や垂直の関係について理解すること。
(3) ものの位置の表し方について理解できるようにする。
D 数量関係
(1) 伴って変わる二つの数量の関係を表したり調べたりすることができるようにする。
ア 変化の様子を折れ線グラフを用いて表したり,変化の特徴を読み取ったりすること。
(2) 数量の関係を表す式について理解し,式を用いることができるようにする。
ア 四則の混合した式や( )を用いた式について理解し,正しく計算すること。
イ 公式についての考え方を理解し,公式を用いること。
ウ 数量を□,△などを用いて表し,その関係を式に表したり,□,△などに数を当てはめて調べたりすること。
(3) 四則に関して成り立つ性質についての理解を深める。
ア 交換法則,結合法則,分配法則についてまとめること。
(4) 目的に応じて資料を集めて分類整理し,表やグラフを用いて分かりやすく表したり,特徴を調べたりすることができるようにする。
ア 資料を二つの観点から分類整理して特徴を調べること。
イ 折れ線グラフの読み方やかき方について知ること。
〔算数的活動〕
(1) 内容の「A数と計算」,「B量と測定」,「C図形」及び「D数量関係」に示す事項については,例えば,次のような算数的活動を通して指導するものとする。
ア 目的に応じて計算の結果の見積りをし,計算の仕方や結果について適切に判断する活動
イ 長方形を組み合わせた図形の面積の求め方を,具体物を用いたり,言葉,数,式,図を用いたりして考え,説明する活動
ウ 身の回りにあるものの面積を実際に測定する活動
エ 平行四辺形,ひし形,台形で平面を敷き詰めて,図形の性質を調べる活動
オ 身の回りから,伴って変わる二つの数量を見付け,数量の関係を表やグラフを用いて表し,調べる活動
〔用語・記号〕
和 
差 
積 
商 
以上 
以下 
未満 
真分数 
仮分数 
帯分数 
平行 
垂直 
対角線 
平面
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と計算」の(1)については,大きな数を表す際に,3桁《けた》ごとに区切りを用いる場合があることに触れるものとする。
(2) 内容の「A数と計算」の(2)のウ,(3),(4)については,簡単な計算は暗算でできるよう配慮するものとする。また,暗算を筆算や見積りに生かすよう配慮するものとする。
(3) 内容の「A数と計算」の(3)のエについては,除数及び被除数に同じ数をかけても,同じ数で割っても商は変わらないという性質を取り扱うものとする。
(4) 内容の「A数と計算」の(5)のウについては,整数を整数で割って商が小数になる場合も含めるものとする。
(5) 内容の「B量と測定」の(1)のアについては,アール(a),ヘクタール(ha)の単位についても触れるものとする。
(6) 内容の「C図形」の(2)のアについては,見取図や展開図をかくことを取り扱うものとする。
(7) 内容の「D数量関係」の(4)のアについては,資料を調べるときに,落ちや重なりがないようにすることを取り扱うものとする。
〔第5学年〕
1 目標
(1) 整数の性質についての理解を深める。また,小数の乗法及び除法や分数の加法及び減法の意味についての理解を深め,それらの計算の仕方を考え,用いることができるようにする。
(2) 三角形や平行四辺形などの面積及び直方体などの体積を求めることができるようにする。また,測定値の平均及び異種の二つの量の割合について理解できるようにする。
(3) 平面図形についての理解を深めるとともに,角柱などの立体図形について理解できるようにする。
(4) 数量の関係を考察するとともに,百分率や円グラフなどを用いて資料の特徴を調べることができるようにする。
2 内容
A 数と計算
(1) 整数の性質についての理解を深める。
ア 整数は,観点を決めると偶数,奇数に類別されることを知ること。
イ 約数,倍数について知ること。
(2) 記数法の考えを通して整数及び小数についての理解を深め,それを計算などに有効に用いることができるようにする。
ア 10倍,100倍,1/10,1/100などの大きさの数をつくり,それらの関係を調べること。
(3) 小数の乗法及び除法の意味についての理解を深め,それらを用いることができるようにする。
ア 乗数や除数が整数である場合の計算の考え方を基にして,乗数や除数が小数である場合の乗法及び除法の意味について理解すること。
イ 小数の乗法及び除法の計算の仕方を考え,それらの計算ができること。また,余りの大きさについて理解すること。
ウ 小数の乗法及び除法についても,整数の場合と同じ関係や法則が成り立つことを理解すること。
(4) 分数についての理解を深めるとともに,異分母の分数の加法及び減法の意味について理解し,それらを用いることができるようにする。
ア 整数及び小数を分数の形に直したり,分数を小数で表したりすること。
イ 整数の除法の結果は,分数を用いると常に一つの数として表すことができることを理解すること。
ウ 一つの分数の分子及び分母に同じ数を乗除してできる分数は,元の分数と同じ大きさを表すことを理解すること。
エ 分数の相等及び大小について考え,大小の比べ方をまとめること。
オ 異分母の分数の加法及び減法の計算の仕方を考え,それらの計算ができること。
カ 乗数や除数が整数である場合の分数の乗法及び除法の意味について理解し,計算の仕方を考え,それらの計算ができること。
B 量と測定
(1) 図形の面積を計算によって求めることができるようにする。
ア 三角形,平行四辺形,ひし形及び台形の面積の求め方を考えること。
(2) 体積について単位と測定の意味を理解し,体積を計算によって求めることができるようにする。
ア 体積の単位(立方センチメートル(cm3),立方メートル(m3))について知ること。
イ 立方体及び直方体の体積の求め方を考えること。
(3) 量の大きさの測定値について理解できるようにする。
ア 測定値の平均について知ること。
(4) 異種の二つの量の割合としてとらえられる数量について,その比べ方や表し方を理解できるようにする。
ア 単位量当たりの大きさについて知ること。
C 図 形
(1) 図形についての観察や構成などの活動を通して,平面図形についての理解を深める。
ア 多角形や正多角形について知ること。
イ 図形の合同について理解すること。
ウ 図形の性質を見いだし,それを用いて図形を調べたり構成したりすること。
エ 円周率について理解すること。
(2) 図形についての観察や構成などの活動を通して,立体図形について理解できるようにする。
ア 角柱や円柱について知ること。
D 数量関係
(1) 表を用いて,伴って変わる二つの数量の関係を考察できるようにする。
ア 簡単な場合について,比例の関係があることを知ること。
(2) 数量の関係を表す式についての理解を深め,簡単な式で表されている関係について,二つの数量の対応や変わり方に着目できるようにする。
(3) 百分率について理解できるようにする。
(4) 目的に応じて資料を集めて分類整理し,円グラフや帯グラフを用いて表したり,特徴を調べたりすることができるようにする。
〔算数的活動〕
(1) 内容の「A数と計算」,「B量と測定」,「C図形」及び「D数量関係」に示す事項については,例えば,次のような算数的活動を通して指導するものとする。
ア 小数についての計算の意味や計算の仕方を,言葉,数,式,図,数直線を用いて考え,説明する活動
イ 三角形,平行四辺形,ひし形及び台形の面積の求め方を,具体物を用いたり,言葉,数,式,図を用いたりして考え,説明する活動
ウ 合同な図形をかいたり,作ったりする活動
エ 三角形の三つの角の大きさの和が180°になることを帰納的に考え,説明する活動。四角形の四つの角の大きさの和が360°になることを演繹《えき》的に考え,説明する活動
オ 目的に応じて表やグラフを選び,活用する活動
〔用語・記号〕
最大公約数  
最小公倍数 
通分 
約分 
底面 
側面 
比例 
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と計算」の(1)のイについては,最大公約数や最小公倍数を形式的に求めることに偏ることなく,具体的な場面に即して取り扱うものとする。また,約数を調べる過程で素数について触れるものとする。
(2) 内容の「C図形」の(1)のエについては,円周率は3.14を用いるものとする。
(3) 内容の「C図形」の(2)のアについては,見取図や展開図をかくことを取り扱うものとする。
(4) 内容の「D数量関係」の(3)については,歩合の表し方について触れるものとする。
〔第6学年〕
1 目標
(1) 分数の乗法及び除法の意味についての理解を深め,それらの計算の仕方を考え,用いることができるようにする。
(2) 円の面積及び角柱などの体積を求めることができるようにするとともに,速さについて理解し,求めることができるようにする。
(3) 縮図や拡大図,対称な図形について理解し,図形についての理解を深める。
(4) 比や比例について理解し,数量の関係の考察に関数の考えを用いることができるようにするとともに,文字を用いて式に表すことができるようにする。また,資料の散らばりを調べ統計的に考察することができるようにする。
2 内容
A 数と計算
(1) 分数の乗法及び除法の意味についての理解を深め,それらを用いることができるようにする。
ア 乗数や除数が整数や小数である場合の計算の考え方を基にして,乗数や除数が分数である場合の乗法及び除法の意味について理解すること。
イ 分数の乗法及び除法の計算の仕方を考え,それらの計算ができること。
ウ 分数の乗法及び除法についても,整数の場合と同じ関係や法則が成り立つことを理解すること。
(2) 小数及び分数の計算の能力を定着させ,それらを用いる能力を伸ばす。
B 量と測定                            
(1) 身の回りにある形について,その概形をとらえ,およその面積などを求めることができるようにする。
(2) 図形の面積を計算によって求めることができるようにする。
ア 円の面積の求め方を考えること。
(3) 図形の体積を計算によって求めることができるようにする。
ア 角柱及び円柱の体積の求め方を考えること。
(4) 速さについて理解し,求めることができるようにする。
(5) メートル法の単位の仕組みについて理解できるようにする。
C 図 形                             
(1) 図形についての観察や構成などの活動を通して,平面図形についての理解を深める。
ア 縮図や拡大図について理解すること。
イ 対称な図形について理解すること。
D 数量関係
(1) 比について理解できるようにする。
(2) 伴って変わる二つの数量の関係を考察することができるようにする。
ア 比例の関係について理解すること。また,式,表,グラフを用いてその特徴を調べること。
イ 比例の関係を用いて,問題を解決すること。
ウ 反比例の関係について知ること。
(3) 数量の関係を表す式についての理解を深め,式を用いることができるようにする。
ア 数量を表す言葉や□,△などの代わりに,a,xなどの文字を用いて式に表したり,文字に数を当てはめて調べたりすること。
(4) 資料の平均や散らばりを調べ,統計的に考察したり表現したりすることができるようにする。
ア 資料の平均について知ること。
イ 度数分布を表す表やグラフについて知ること。 
(5) 具体的な事柄について,起こり得る場合を順序よく整理して調べることができるようにする。
〔算数的活動〕
(1) 内容の「A数と計算」,「B量と測定」,「C図形」及び「D数量関係」に示す事項については,例えば,次のような算数的活動を通して指導するものとする。
ア 分数についての計算の意味や計算の仕方を,言葉,数,式,図,数直線を用いて考え,説明する活動
イ 身の回りで使われている量の単位を見付けたり,それがこれまでに学習した単位とどのような関係にあるかを調べたりする活動
ウ 身の回りから,縮図や拡大図,対称な図形を見付ける活動
エ 身の回りから,比例の関係にある二つの数量を見付けたり,比例の関係を用いて問題を解決したりする活動
〔用語・記号〕
線対称 
点対称 
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と計算」の(1)については,逆数を用いて除法を乗法の計算としてみることや,整数や小数の乗法や除法を分数の場合の計算にまとめることも取り扱うものとする。
(2) 内容の「B量と測定」の(2)のアについては,円周率は3.14を用いるものとする。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学年の内容は,次の学年以降においても必要に応じて継続して指導すること。数量や図形についての基礎的な能力の習熟や維持を図るため,適宜練習の機会を設けて計画的に指導すること。また,学年間の指導内容を円滑に接続させるため,適切な反復による学習指導を進めるようにすること。
(2) 第2の各学年の内容の「A数と計算」,「B量と測定」,「C図形」及び「D数量関係」の間の指導の関連を図ること。
(3) 算数的活動は,基礎的・基本的な知識及び技能を確実に身に付けたり,思考力,判断力,表現力等を高めたり,算数を学ぶことの楽しさや意義を実感したりするために,重要な役割を果たすものであることから,各学年の内容の「A数と計算」,「B量と測定」,「C図形」及び「D数量関係」に示す事項...
(4) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,算数科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 数量や図形についての豊かな感覚を育てるとともに,およその大きさや形をとらえ,それらに基づいて適切に判断したり,能率的な処理の仕方を考え出したりすることができるようにすること。
(2) 思考力,判断力,表現力等を育成するため,各学年の内容の指導に当たっては,言葉,数,式,図,表,グラフを用いて考えたり,説明したり,互いに自分の考えを表現し伝え合ったりするなどの学習活動を積極的に取り入れるようにすること。
(3) 各学年の内容に示す〔用語・記号〕は,当該学年で取り上げる内容の程度や範囲を明確にするために示したものであり,その指導に当たっては,各学年の内容と密接に関連させて取り上げるようにし,それらを用いて表したり考えたりすることのよさが分かるようにすること。
(4) 筆算による計算の技能を確実に身に付けることを重視するとともに,目的に応じて計算の結果の見積りをして,計算の仕方や結果について適切に判断できるようにすること。また,低学年の「A数と計算」の指導に当たっては,そろばんや具体物などの教具を適宜用いて,数と計算についての意味の理解を...
(5) 数量や図形についての感覚を豊かにしたり,表やグラフを用いて表現する力を高めたりするなどのため,必要な場面においてコンピュータなどを適切に活用すること。
第4節 理科
第1 目標 自然に親しみ,見通しをもって観察,実験などを行い,問題解決の能力と自然を愛する心情を育てるとともに,自然の事物・現象についての実感を伴った理解を図り,科学的な見方や考え方を養う。
第2 各学年の目標及び内容
〔第3学年〕
1 目標
(1) 物の重さ,風やゴムの力並びに光,磁石及び電気を働かせたときの現象を比較しながら調べ,見いだした問題を興味・関心をもって追究したりものづくりをしたりする活動を通して,それらの性質や働きについての見方や考え方を養う。
(2) 身近に見られる動物や植物,日なたと日陰の地面を比較しながら調べ,見いだした問題を興味・関心をもって追究する活動を通して,生物を愛護する態度を育てるとともに,生物の成長のきまりや体のつくり,生物と環境とのかかわり,太陽と地面の様子との関係についての見方や考え方を養う。
2 内容
A 物質・エネルギー
(1) 物と重さ  粘土などを使い,物の重さや体積を調べ,物の性質についての考えをもつことができるようにする。
ア 物は,形が変わっても重さは変わらないこと。
イ 物は,体積が同じでも重さは違うことがあること。
(2) 風やゴムの働き  風やゴムで物が動く様子を調べ,風やゴムの働きについての考えをもつことができるようにする。
ア 風の力は,物を動かすことができること。
イ ゴムの力は,物を動かすことができること。
(3) 光の性質  鏡などを使い,光の進み方や物に光が当たったときの明るさや暖かさを調べ,光の性質についての考えをもつことができるようにする。
ア 日光は集めたり反射させたりできること。
イ 物に日光を当てると,物の明るさや暖かさが変わること。
(4) 磁石の性質  磁石に付く物や磁石の働きを調べ,磁石の性質についての考えをもつことができるようにする。
ア 物には,磁石に引き付けられる物と引き付けられない物があること。また,磁石に引き付けられる物には,磁石に付けると磁石になる物があること。
イ 磁石の異極は引き合い,同極は退け合うこと。
(5) 電気の通り道  乾電池に豆電球などをつなぎ,電気を通すつなぎ方や電気を通す物を調べ,電気の回路についての考えをもつことができるようにする。
ア 電気を通すつなぎ方と通さないつなぎ方があること。
イ 電気を通す物と通さない物があること。
B 生命・地球
(1) 昆虫と植物  身近な昆虫や植物を探したり育てたりして,成長の過程や体のつくりを調べ,それらの成長のきまりや体のつくりについての考えをもつことができるようにする。
ア 昆虫の育ち方には一定の順序があり,成虫の体は頭,胸及び腹からできていること。
イ 植物の育ち方には一定の順序があり,その体は根,茎及び葉からできていること。
(2) 身近な自然の観察  身の回りの生物の様子を調べ,生物とその周辺の環境との関係についての考えをもつことができるようにする。
ア 生物は,色,形,大きさなどの姿が違うこと。
イ 生物は,その周辺の環境とかかわって生きていること。
(3) 太陽と地面の様子  日陰の位置の変化や,日なたと日陰の地面の様子を調べ,太陽と地面の様子との関係についての考えをもつことができるようにする。
ア 日陰は太陽の光を遮るとでき,日陰の位置は太陽の動きによって変わること。
イ 地面は太陽によって暖められ,日なたと日陰では地面の暖かさや湿り気に違いがあること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A物質・エネルギー」の指導に当たっては,3種類以上のものづくりを行うものとする。
(2) 内容の「B生命・地球」の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア ア及びイについては,飼育,栽培を通して行うこと。
イ イの「植物の育ち方」については,夏生一年生の双子葉植物を扱うこと。
(3) 内容の「B生命・地球」の(3)のアの「太陽の動き」については,太陽が東から南を通って西に動くことを取り扱うものとする。また,太陽の動きを調べるときの方位は東,西,南,北を扱うものとする。
〔第4学年〕
1 目標
(1) 空気や水,物の状態の変化,電気による現象を力,熱,電気の働きと関係付けながら調べ,見いだした問題を興味・関心をもって追究したりものづくりをしたりする活動を通して,それらの性質や働きについての見方や考え方を養う。
(2) 人の体のつくり,動物の活動や植物の成長,天気の様子,月や星の位置の変化を運動,季節,気温,時間などと関係付けながら調べ,見いだした問題を興味・関心をもって追究する活動を通して,生物を愛護する態度を育てるとともに,人の体のつくりと運動,動物の活動や植物の成長と環境とのかかわり...
2 内容
A 物質・エネルギー
(1) 空気と水の性質  閉じ込めた空気及び水に力を加え,その体積や圧《お》し返す力の変化を調べ,空気及び水の性質についての考えをもつことができるようにする。
ア 閉じ込めた空気を圧《お》すと,体積は小さくなるが,圧《お》し返す力は大きくなること。
イ 閉じ込めた空気は圧《お》し縮められるが,水は圧《お》し縮められないこと。
(2) 金属,水,空気と温度  金属,水及び空気を温めたり冷やしたりして,それらの変化の様子を調べ,金属,水及び空気の性質についての考えをもつことができるようにする。
ア 金属,水及び空気は,温めたり冷やしたりすると,その体積が変わること。
イ 金属は熱せられた部分から順に温まるが,水や空気は熱せられた部分が移動して全体が温まること。
ウ 水は,温度によって水蒸気や氷に変わること。また,水が氷になると体積が増えること。
(3) 電気の働き  乾電池や光電池に豆電球やモーターなどをつなぎ,乾電池や光電池の働きを調べ,電気の働きについての考えをもつことができるようにする。
ア 乾電池の数やつなぎ方を変えると,豆電球の明るさやモーターの回り方が変わること。
イ 光電池を使ってモーターを回すことなどができること。
B 生命・地球
(1) 人の体のつくりと運動  人や他の動物の体の動きを観察したり資料を活用したりして,骨や筋肉の動きを調べ,人の体のつくりと運動とのかかわりについての考えをもつことができるようにする。
ア 人の体には骨と筋肉があること。
イ 人が体を動かすことができるのは,骨,筋肉の働きによること。
(2) 季節と生物 身近な動物や植物を探したり育てたりして,季節ごとの動物の活動や植物の成長を調べ,それらの活動や成長と環境とのかかわりについての考えをもつことができるようにする。
ア 動物の活動は,暖かい季節,寒い季節などによって違いがあること。
イ 植物の成長は,暖かい季節,寒い季節などによって違いがあること。
(3) 天気の様子  1日の気温の変化や水が蒸発する様子などを観察し,天気や気温の変化,水と水蒸気との関係を調べ,天気の様子や自然界の水の変化についての考えをもつことができるようにする。
ア 天気によって1日の気温の変化の仕方に違いがあること。
イ 水は,水面や地面などから蒸発し,水蒸気になって空気中に含まれていくこと。また,空気中の水蒸気は,結露して再び水になって現れることがあること。
(4) 月と星  月や星を観察し,月の位置と星の明るさや色及び位置を調べ,月や星の特徴や動きについての考えをもつことができるようにする。
ア 月は日によって形が変わって見え,1日のうちでも時刻によって位置が変わること。
イ 空には,明るさや色の違う星があること。
ウ 星の集まりは,1日のうちでも時刻によって,並び方は変わらないが,位置が変わること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A物質・エネルギー」の(3)のアについては,直列つなぎと並列つなぎを扱うものとする。
(2) 内容の「A物質・エネルギー」の指導に当たっては,2種類以上のものづくりを行うものとする。
(3) 内容の「B生命・地球」の(1)のイについては,関節の働きを扱うものとする。
(4) 内容の「B生命・地球」の(2)については,1年を通して動物の活動や植物の成長をそれぞれ2種類以上観察するものとする。
〔第5学年〕
1 目標
(1) 物の溶け方,振り子の運動,電磁石の変化や働きをそれらにかかわる条件に目を向けながら調べ,見いだした問題を計画的に追究したりものづくりをしたりする活動を通して,物の変化の規則性についての見方や考え方を養う。
(2) 植物の発芽から結実までの過程,動物の発生や成長,流水の様子,天気の変化を条件,時間,水量,自然災害などに目を向けながら調べ,見いだした問題を計画的に追究する活動を通して,生命を尊重する態度を育てるとともに,生命の連続性,流水の働き,気象現象の規則性についての見方や考え方を養...
2 内容
A 物質・エネルギー
(1) 物の溶け方  物を水に溶かし,水の温度や量による溶け方の違いを調べ,物の溶け方の規則性についての考えをもつことができるようにする。
ア 物が水に溶ける量には限度があること。
イ 物が水に溶ける量は水の温度や量,溶ける物によって違うこと。また,この性質を利用して,溶けている物を取り出すことができること。
ウ 物が水に溶けても,水と物とを合わせた重さは変わらないこと。
(2) 振り子の運動  おもりを使い,おもりの重さや糸の長さなどを変えて振り子の動く様子を調べ,振り子の運動の規則性についての考えをもつことができるようにする。
ア 糸につるしたおもりが1往復する時間は,おもりの重さなどによっては変わらないが,糸の長さによって変わること。
(3) 電流の働き  電磁石の導線に電流を流し,電磁石の強さの変化を調べ,電流の働きについての考えをもつことができるようにする。
ア 電流の流れているコイルは,鉄心を磁化する働きがあり,電流の向きが変わると,電磁石の極が変わること。
イ 電磁石の強さは,電流の強さや導線の巻数によって変わること。
B 生命・地球
(1) 植物の発芽,成長,結実  植物を育て,植物の発芽,成長及び結実の様子を調べ,植物の発芽,成長及び結実とその条件についての考えをもつことができるようにする。
ア 植物は,種子の中の養分を基にして発芽すること。
イ 植物の発芽には,水,空気及び温度が関係していること。
ウ 植物の成長には,日光や肥料などが関係していること。
エ 花にはおしべやめしべなどがあり,花粉がめしべの先に付くとめしべのもとが実になり,実の中に種子ができること。
(2) 動物の誕生  魚を育てたり人の発生についての資料を活用したりして,卵の変化の様子や水中の小さな生物を調べ,動物の発生や成長についての考えをもつことができるようにする。
ア 魚には雌雄があり,生まれた卵は日がたつにつれて中の様子が変化してかえること。
イ 魚は,水中の小さな生物を食べ物にして生きていること。
ウ 人は,母体内で成長して生まれること。
(3) 流水の働き  地面を流れる水や川の様子を観察し,流れる水の速さや量による働きの違いを調べ,流れる水の働きと土地の変化の関係についての考えをもつことができるようにする。
ア 流れる水には,土地を侵食したり,石や土などを運搬したり堆《たい》積させたりする働きがあること。
イ 川の上流と下流によって,川原の石の大きさや形に違いがあること。
ウ 雨の降り方によって,流れる水の速さや水の量が変わり,増水により土地の様子が大きく変化する場合があること。
(4) 天気の変化  1日の雲の様子を観測したり,映像などの情報を活用したりして,雲の動きなどを調べ,天気の変化の仕方についての考えをもつことができるようにする。
ア 雲の量や動きは,天気の変化と関係があること。
イ 天気の変化は,映像などの気象情報を用いて予想できること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A物質・エネルギー」の指導に当たっては,2種類以上のものづくりを行うものとする。
(2) 内容の「B生命・地球」の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの「種子の中の養分」については,でんぷんを扱うこと。
イ エについては,おしべ,めしべ,がく及び花びらを扱うこと。また,受粉については,風や昆虫などが関係していることにも触れること。
(3) 内容の「B生命・地球」の(2)のウについては,受精に至る過程は取り扱わないものとする。
(4) 内容の「B生命・地球」の(4)のイについては,台風の進路による天気の変化や台風と降雨との関係についても触れるものとする。
〔第6学年〕
1 目標
(1) 燃焼,水溶液,てこ及び電気による現象についての要因や規則性を推論しながら調べ,見いだした問題を計画的に追究したりものづくりをしたりする活動を通して,物の性質や規則性についての見方や考え方を養う。
(2) 生物の体のつくりと働き,生物と環境,土地のつくりと変化の様子,月と太陽の関係を推論しながら調べ,見いだした問題を計画的に追究する活動を通して,生命を尊重する態度を育てるとともに,生物の体の働き,生物と環境とのかかわり,土地のつくりと変化のきまり,月の位置や特徴についての見方...
2 内容
A 物質・エネルギー
(1) 燃焼の仕組み  物を燃やし,物や空気の変化を調べ,燃焼の仕組みについての考えをもつことができるようにする。
ア 植物体が燃えるときには,空気中の酸素が使われて二酸化炭素ができること。
(2) 水溶液の性質  いろいろな水溶液を使い,その性質や金属を変化させる様子を調べ,水溶液の性質や働きについての考えをもつことができるようにする。
ア 水溶液には,酸性,アルカリ性及び中性のものがあること。
イ 水溶液には,気体が溶けているものがあること。
ウ 水溶液には,金属を変化させるものがあること。
(3) てこの規則性  てこを使い,力の加わる位置や大きさを変えて,てこの仕組みや働きを調べ,てこの規則性についての考えをもつことができるようにする。
ア 水平につり合った棒の支点から等距離に物をつるして棒が水平になったとき,物の重さは等しいこと。
イ 力を加える位置や力の大きさを変えると,てこを傾ける働きが変わり,てこがつり合うときにはそれらの間に規則性があること。
ウ 身の回りには,てこの規則性を利用した道具があること。
(4) 電気の利用  手回し発電機などを使い,電気の利用の仕方を調べ,電気の性質や働きについての考えをもつことができるようにする。
ア 電気は,つくりだしたり蓄えたりすることができること。
イ 電気は,光,音,熱などに変えることができること。
ウ 電熱線の発熱は,その太さによって変わること。
エ 身の回りには,電気の性質や働きを利用した道具があること。
B 生命・地球
(1) 人の体のつくりと働き  人や他の動物を観察したり資料を活用したりして,呼吸,消化,排出及び循環の働きを調べ,人や他の動物の体のつくりと働きについての考えをもつことができるようにする。
ア 体内に酸素が取り入れられ,体外に二酸化炭素などが出されていること。
イ 食べ物は,口,胃,腸などを通る間に消化,吸収され,吸収されなかった物は排出されること。
ウ 血液は,心臓の働きで体内を巡り,養分,酸素及び二酸化炭素などを運んでいること。
エ 体内には,生命活動を維持するための様々な臓器があること。
(2) 植物の養分と水の通り道  植物を観察し,植物の体内の水などの行方や葉で養分をつくる働きを調べ,植物の体のつくりと働きについての考えをもつことができるようにする。
ア 植物の葉に日光が当たるとでんぷんができること。
イ 根,茎及び葉には,水の通り道があり,根から吸い上げられた水は主に葉から蒸散していること。
(3) 生物と環境  動物や植物の生活を観察したり,資料を活用したりして調べ,生物と環境とのかかわりについての考えをもつことができるようにする。
ア 生物は,水及び空気を通して周囲の環境とかかわって生きていること。
イ 生物の間には,食う食われるという関係があること。
(4) 土地のつくりと変化  土地やその中に含まれる物を観察し,土地のつくりや土地のでき方を調べ,土地のつくりと変化についての考えをもつことができるようにする。
ア 土地は,礫《れき》,砂,泥,火山灰及び岩石からできており,層をつくって広がっているものがあること。
イ 地層は,流れる水の働きや火山の噴火によってでき,化石が含まれているものがあること。
ウ 土地は,火山の噴火や地震によって変化すること。
(5) 月と太陽  月と太陽を観察し,月の位置や形と太陽の位置を調べ,月の形の見え方や表面の様子についての考えをもつことができるようにする。
ア 月の輝いている側に太陽があること。また,月の形の見え方は,太陽と月の位置関係によって変わること。
イ 月の表面の様子は,太陽と違いがあること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A物質・エネルギー」の指導に当たっては,2種類以上のものづくりを行うものとする。
(2) 内容の「B生命・地球」の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア ウについては,心臓の拍動と脈拍が関係することにも触れること。
イ エについては,主な臓器として,肺,胃,小腸,大腸,肝臓,腎《じん》臓,心臓を扱うこと。
(3) 内容の「B生命・地球」の(3)のアについては,水が循環していることにも触れるものとする。
(4) 内容の「B生命・地球」の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,岩石として礫《れき》岩,砂岩及び泥岩を扱うこと。
イ イの「化石」については,地層が流れる水の働きによって堆《たい》積したことを示す証拠として扱うこと。
(5) 内容の「B生命・地球」の(5)のアについては,地球から見た太陽と月の位置関係で扱うものとする。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学年の内容を通じて観察,実験や自然体験,科学的な体験を充実させることによって,科学的な知識や概念の定着を図り,科学的な見方や考え方を育成するよう配慮すること。
(2) 観察,実験の結果を整理し考察する学習活動や,科学的な言葉や概念を使用して考えたり説明したりするなどの学習活動が充実するよう配慮すること。
(3) 博物館や科学学習センターなどと連携,協力を図りながら,それらを積極的に活用するよう配慮すること。
(4) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,理科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 観察,実験,栽培,飼育及びものづくりの指導については,指導内容に応じてコンピュータ,視聴覚機器などを適切に活用できるようにすること。また,事故の防止に十分留意すること。
(2) 生物,天気,川,土地などの指導については,野外に出掛け地域の自然に親しむ活動や体験的な活動を多く取り入れるとともに,自然環境を大切にし,その保全に寄与しようとする態度を育成するようにすること。
(3) 個々の児童が主体的に問題解決活動を進めるとともに,学習の成果と日常生活との関連を図り,自然の事物・現象について実感を伴って理解できるようにすること。
第5節 生活
第1 目標  具体的な活動や体験を通して,自分と身近な人々,社会及び自然とのかかわりに関心をもち,自分自身や自分の生活について考えさせるとともに,その過程において生活上必要な習慣や技能を身に付けさせ,自立への基礎を養う。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年及び第2学年〕
1 目標
(1) 自分と身近な人々及び地域の様々な場所,公共物などとのかかわりに関心をもち,地域のよさに気付き,愛着をもつことができるようにするとともに,集団や社会の一員として自分の役割や行動の仕方について考え,安全で適切な行動ができるようにする。
(2) 自分と身近な動物や植物などの自然とのかかわりに関心をもち,自然のすばらしさに気付き,自然を大切にしたり,自分たちの遊びや生活を工夫したりすることができるようにする。
(3) 身近な人々,社会及び自然とのかかわりを深めることを通して,自分のよさや可能性に気付き,意欲と自信をもって生活することができるようにする。
(4) 身近な人々,社会及び自然に関する活動の楽しさを味わうとともに,それらを通して気付いたことや楽しかったことなどについて,言葉,絵,動作,劇化などの方法により表現し,考えることができるようにする。
2 内容
(1) 学校の施設の様子及び先生など学校生活を支えている人々や友達のことが分かり,楽しく安心して遊びや生活ができるようにするとともに,通学路の様子やその安全を守っている人々などに関心をもち,安全な登下校ができるようにする。
(2) 家庭生活を支えている家族のことや自分でできることなどについて考え,自分の役割を積極的に果たすとともに,規則正しく健康に気を付けて生活することができるようにする。
(3) 自分たちの生活は地域で生活したり働いたりしている人々や様々な場所とかかわっていることが分かり,それらに親しみや愛着をもち,人々と適切に接することや安全に生活することができるようにする。 
(4) 公共物や公共施設を利用し,身の回りにはみんなで使うものがあることやそれを支えている人々がいることなどが分かり,それらを大切にし,安全に気を付けて正しく利用することができるようにする。
(5) 身近な自然を観察したり,季節や地域の行事にかかわる活動を行ったりなどして,四季の変化や季節によって生活の様子が変わることに気付き,自分たちの生活を工夫したり楽しくしたりできるようにする。
(6) 身近な自然を利用したり,身近にある物を使ったりなどして,遊びや遊びに使う物を工夫してつくり,その面白さや自然の不思議さに気付き,みんなで遊びを楽しむことができるようにする。
(7) 動物を飼ったり植物を育てたりして,それらの育つ場所,変化や成長の様子に関心をもち,また,それらは生命をもっていることや成長していることに気付き,生き物への親しみをもち,大切にすることができるようにする。
(8) 自分たちの生活や地域の出来事を身近な人々と伝え合う活動を行い,身近な人々とかかわることの楽しさが分かり,進んで交流することができるようにする。
(9) 自分自身の成長を振り返り,多くの人々の支えにより自分が大きくなったこと,自分でできるようになったこと,役割が増えたことなどが分かり,これまでの生活や成長を支えてくれた人々に感謝の気持ちをもつとともに,これからの成長への願いをもって,意欲的に生活することができるようにする。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 自分と地域の人々,社会及び自然とのかかわりが具体的に把握できるような学習活動を行うこととし,校外での活動を積極的に取り入れること。
(2) 第2の内容の(7)については,2学年にわたって取り扱うものとし,動物や植物へのかかわり方が深まるよう継続的な飼育,栽培を行うようにすること。
(3) 国語科,音楽科,図画工作科など他教科等との関連を積極的に図り,指導の効果を高めるようにすること。特に,第1学年入学当初においては,生活科を中心とした合科的な指導を行うなどの工夫をすること。
(4) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,生活科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 地域の人々,社会及び自然を生かすとともに,それらを一体的に扱うよう学習活動を工夫すること。
(2) 具体的な活動や体験を通して気付いたことを基に考えさせるため,見付ける,比べる,たとえるなどの多様な学習活動を工夫すること。
(3) 具体的な活動や体験を行うに当たっては,身近な幼児や高齢者,障害のある児童生徒などの多様な人々と触れ合うことができるようにすること。
(4) 生活上必要な習慣や技能の指導については,人,社会,自然及び自分自身にかかわる学習活動の展開に即して行うようにすること。
第6節 音楽
第1 目標  表現及び鑑賞の活動を通して,音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育てるとともに,音楽活動の基礎的な能力を培い,豊かな情操を養う。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年及び第2学年〕
1 目標
(1) 楽しく音楽にかかわり,音楽に対する興味・関心をもち,音楽経験を生かして生活を明るく潤いのあるものにする態度と習慣を育てる。
(2) 基礎的な表現の能力を育て,音楽表現の楽しさに気付くようにする。
(3) 様々な音楽に親しむようにし,基礎的な鑑賞の能力を育て,音楽を味わって聴くようにする。
2 内容
A 表現
(1) 歌唱の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 範唱を聴いて歌ったり,階名で模唱したり暗唱したりすること。
イ 歌詞の表す情景や気持ちを想像したり,楽曲の気分を感じ取ったりし,思いをもって歌うこと。
ウ 自分の歌声及び発音に気を付けて歌うこと。
エ 互いの歌声や伴奏を聴いて,声を合わせて歌うこと。
(2) 器楽の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 範奏を聴いたり,リズム譜などを見たりして演奏すること。
イ 楽曲の気分を感じ取り,思いをもって演奏すること。
ウ 身近な楽器に親しみ,音色に気を付けて簡単なリズムや旋律を演奏すること。
エ 互いの楽器の音や伴奏を聴いて,音を合わせて演奏すること。
(3) 音楽づくりの活動を通して,次の事項を指導する。
ア 声や身の回りの音の面白さに気付いて音遊びをすること。
イ 音を音楽にしていくことを楽しみながら,音楽の仕組みを生かし,思いをもって簡単な音楽をつくること。 
(4) 表現教材は次に示すものを取り扱う。
ア 主となる歌唱教材については,各学年ともウの共通教材を含めて,斉唱及び輪唱で歌う楽曲
イ 主となる器楽教材については,既習の歌唱教材を含めて,主旋律に簡単なリズム伴奏や低声部などを加えた楽曲
ウ 共通教材
〔第1学年〕
「うみ」       (文部省唱歌)林 柳波《はやしりゅうは》作詞 井上武士《いのうえたけし》作曲
「かたつむり」    (文部省唱歌)
「日のまる」     (文部省唱歌)高野辰之《たかのたつゆき》作詞 岡野貞一《おかのていいち》作曲
「ひらいたひらいた」 (わらべうた)
〔第2学年〕
「かくれんぼ」    (文部省唱歌)林 柳波《はやしりゅうは》作詞 下総皖一《しもふさかんいち》作曲
「春がきた」     (文部省唱歌)高野辰之《たかのたつゆき》作詞 岡野貞一《おかのていいち》作曲
「虫のこえ」     (文部省唱歌)
「夕やけこやけ」   中村雨紅《なかむらうこう》作詞 草川信《くさかわしん》作曲
B 鑑賞
(1) 鑑賞の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 楽曲の気分を感じ取って聴くこと。
イ 音楽を形づくっている要素のかかわり合いを感じ取って聴くこと。
ウ 楽曲を聴いて想像したことや感じ取ったことを言葉で表すなどして,楽曲や演奏の楽しさに気付くこと。
(2) 鑑賞教材は次に示すものを取り扱う。
ア 我が国及び諸外国のわらべうたや遊びうた,行進曲や踊りの音楽など身体反応の快さを感じ取りやすい音楽,日常の生活に関連して情景を思い浮かべやすい楽曲
イ 音楽を形づくっている要素の働きを感じ取りやすく,親しみやすい楽曲
ウ 楽器の音色や人の声の特徴を感じ取りやすく親しみやすい,いろいろな演奏形態による楽曲
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を指導する。
ア 音楽を形づくっている要素のうち次の(ア)及び(イ)を聴き取り,それらの働きが生み出すよさや面白さ,美しさを感じ取ること。
(ア) 音色,リズム,速度,旋律,強弱,拍の流れやフレーズなどの音楽を特徴付けている要素
(イ) 反復,問いと答えなどの音楽の仕組み
イ 身近な音符,休符,記号や音楽にかかわる用語について,音楽活動を通して理解すること。
〔第3学年及び第4学年〕
1 目標
(1) 進んで音楽にかかわり,音楽活動への意欲を高め,音楽経験を生かして生活を明るく潤いのあるものにする態度と習慣を育てる。
(2) 基礎的な表現の能力を伸ばし,音楽表現の楽しさを感じ取るようにする。
(3) 様々な音楽に親しむようにし,基礎的な鑑賞の能力を伸ばし,音楽を味わって聴くようにする。
2 内容
A 表現
(1) 歌唱の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 範唱を聴いたり,ハ長調の楽譜を見たりして歌うこと。
イ 歌詞の内容,曲想にふさわしい表現を工夫し,思いや意図をもって歌うこと。
ウ 呼吸及び発音の仕方に気を付けて,自然で無理のない歌い方で歌うこと。
エ 互いの歌声や副次的な旋律,伴奏を聴いて,声を合わせて歌うこと。
(2) 器楽の活動を通して,次の事項を指導する。 
ア 範奏を聴いたり,ハ長調の楽譜を見たりして演奏すること。
イ 曲想にふさわしい表現を工夫し,思いや意図をもって演奏すること。
ウ 音色に気を付けて旋律楽器及び打楽器を演奏すること。
エ 互いの楽器の音や副次的な旋律,伴奏を聴いて,音を合わせて演奏すること。
(3) 音楽づくりの活動を通して,次の事項を指導する。
ア いろいろな音の響きやその組合せを楽しみ,様々な発想をもって即興的に表現すること。
イ 音を音楽に構成する過程を大切にしながら,音楽の仕組みを生かし,思いや意図をもって音楽をつくること。
(4) 表現教材は次に示すものを取り扱う。 
ア 主となる歌唱教材については,各学年ともウの共通教材を含めて,斉唱及び簡単な合唱で歌う楽曲
イ 主となる器楽教材については,既習の歌唱教材を含めて,簡単な重奏や合奏にした楽曲
ウ 共通教材
〔第3学年〕
「うさぎ」     (日本古謡)
「茶つみ」     (文部省唱歌)
「春の小川」    (文部省唱歌)高野辰之《たかのたつゆき》作詞 岡野貞一《おかのていいち》作曲
「ふじ山」     (文部省唱歌)巌谷小波《いわやさざなみ》作詞
〔第4学年〕
「さくらさくら」  (日本古謡)
「とんび」     葛原《くずはら》しげる作詞 簗田貞《やなだただし》作曲
「まきばの朝」   (文部省唱歌)船橋栄吉《ふなばしえいきち》作曲
「もみじ」     (文部省唱歌)高野辰之《たかのたつゆき》作詞 岡野貞一《おかのていいち》作曲
B 鑑賞
(1) 鑑賞の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 曲想とその変化を感じ取って聴くこと。
イ 音楽を形づくっている要素のかかわり合いを感じ取り,楽曲の構造に気を付けて聴くこと。
ウ 楽曲を聴いて想像したことや感じ取ったことを言葉で表すなどして,楽曲の特徴や演奏のよさに気付くこと。
(2) 鑑賞教材は次に示すものを取り扱う。
ア 和楽器の音楽を含めた我が国の音楽,郷土の音楽,諸外国に伝わる民謡など生活とのかかわりを感じ取りやすい音楽,劇の音楽,人々に長く親しまれている音楽など,いろいろな種類の楽曲
イ 音楽を形づくっている要素の働きを感じ取りやすく,聴く楽しさを得やすい楽曲
ウ 楽器や人の声による演奏表現の違いを感じ取りやすい,独奏,重奏,独唱,重唱を含めたいろいろな演奏形態による楽曲
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を指導する。
ア 音楽を形づくっている要素のうち次の(ア)及び(イ)を聴き取り,それらの働きが生み出すよさや面白さ,美しさを感じ取ること。
(ア) 音色,リズム,速度,旋律,強弱,音の重なり,音階や調,拍の流れやフレーズなどの音楽を特徴付けている要素
(イ) 反復,問いと答え,変化などの音楽の仕組み
イ 音符,休符,記号や音楽にかかわる用語について,音楽活動を通して理解すること。
〔第5学年及び第6学年〕 
1 目標
(1) 創造的に音楽にかかわり,音楽活動への意欲を高め,音楽経験を生かして生活を明るく潤いのあるものにする態度と習慣を育てる。
(2) 基礎的な表現の能力を高め,音楽表現の喜びを味わうようにする。
(3) 様々な音楽に親しむようにし,基礎的な鑑賞の能力を高め,音楽を味わって聴くようにする。
2 内容
A 表現
(1) 歌唱の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 範唱を聴いたり,ハ長調及びイ短調の楽譜を見たりして歌うこと。
イ 歌詞の内容,曲想を生かした表現を工夫し,思いや意図をもって歌うこと。
ウ 呼吸及び発音の仕方を工夫して,自然で無理のない,響きのある歌い方で歌うこと。
エ 各声部の歌声や全体の響き,伴奏を聴いて,声を合わせて歌うこと。
(2) 器楽の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 範奏を聴いたり,ハ長調及びイ短調の楽譜を見たりして演奏すること。
イ 曲想を生かした表現を工夫し,思いや意図をもって演奏すること。
ウ 楽器の特徴を生かして旋律楽器及び打楽器を演奏すること。
エ 各声部の楽器の音や全体の響き,伴奏を聴いて,音を合わせて演奏すること。
(3) 音楽づくりの活動を通して,次の事項を指導する。
ア いろいろな音楽表現を生かし,様々な発想をもって即興的に表現すること。
イ 音を音楽に構成する過程を大切にしながら,音楽の仕組みを生かし,見通しをもって音楽をつくること。
(4) 表現教材は次に示すものを取り扱う。
ア 主となる歌唱教材については,各学年ともウの共通教材の中の3曲を含めて,斉唱及び合唱で歌う楽曲
イ 主となる器楽教材については,楽器の演奏効果を考慮し,簡単な重奏や合奏にした楽曲
ウ 共通教材
〔第5学年〕
「こいのぼり」 (文部省唱歌)
「子もり歌」  (日本古謡)
「スキーの歌」 (文部省唱歌) 林柳波《はやしりゅうは》作詞 橋本国彦《はしもとくにひこ》作曲
「冬げしき」  (文部省唱歌)
〔第6学年〕
「越天楽今様《えてんらくいまよう》(歌詞は第2節まで)」(日本古謡) 慈鎮《じちん》和尚作歌
「おぼろ月夜」 (文部省唱歌) 高野辰之《たかのたつゆき》作詞 岡野貞一《おかのていいち》作曲
「ふるさと」  (文部省唱歌) 高野辰之《たかのたつゆき》作詞 岡野貞一《おかのていいち》作曲
「われは海の子(歌詞は第3節まで)」(文部省唱歌)
B 鑑賞
(1) 鑑賞の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 曲想とその変化などの特徴を感じ取って聴くこと。
イ 音楽を形づくっている要素のかかわり合いを感じ取り,楽曲の構造を理解して聴くこと。
ウ 楽曲を聴いて想像したことや感じ取ったことを言葉で表すなどして,楽曲の特徴や演奏のよさを理解すること。
(2) 鑑賞教材は次に示すものを取り扱う。
ア 和楽器の音楽を含めた我が国の音楽や諸外国の音楽など文化とのかかわりを感じ取りやすい音楽,人々に長く親しまれている音楽など,いろいろな種類の楽曲
イ 音楽を形づくっている要素の働きを感じ取りやすく,聴く喜びを深めやすい楽曲
ウ 楽器の音や人の声が重なり合う響きを味わうことができる,合奏,合唱を含めたいろいろな演奏形態による楽曲
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を指導する。
ア 音楽を形づくっている要素のうち次の(ア)及び(イ)を聴き取り,それらの働きが生み出すよさや面白さ,美しさを感じ取ること。
(ア) 音色,リズム,速度,旋律,強弱,音の重なりや和声の響き,音階や調,拍の流れやフレーズなどの音楽を特徴付けている要素
(イ) 反復,問いと答え,変化,音楽の縦と横の関係などの音楽の仕組み
イ 音符,休符,記号や音楽にかかわる用語について,音楽活動を通して理解すること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。 
(1) 第2の各学年の内容の〔共通事項〕は表現及び鑑賞に関する能力を育成する上で共通に必要となるものであり,表現及び鑑賞の各活動において十分な指導が行われるよう工夫すること。
(2) 第2の第5学年及び第6学年の内容の「A表現」の指導に当たっては,学校や児童の実態等に応じて,合唱や合奏,重唱や重奏などの表現形態を選んで学習できるようにすること。
(3) 国歌「君が代」は,いずれの学年においても歌えるよう指導すること。
(4) 低学年においては,生活科などとの関連を積極的に図り,指導の効果を高めるようにすること。特に第1学年においては,幼稚園教育における表現に関する内容などとの関連を考慮すること。
(5) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,音楽科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各学年の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,音楽との一体感を味わい,想像力を働かせて音楽とかかわることができるよう,指導のねらいに即して体を動かす活動を取り入れること。
(2) 和音及び和声の指導については,合唱や合奏の活動を通して和音のもつ表情を感じ取ることができるようにすること。また,長調及び短調の楽曲においては,Ⅰ,Ⅳ,Ⅴ及びⅤ7などの和音を中心に指導すること。
(3) 歌唱の指導については,次のとおり取り扱うこと。
ア 相対的な音程感覚を育てるために,適宜,移動ド唱法を用いること。
イ 歌唱教材については,共通教材のほか,長い間親しまれてきた唱歌,それぞれの地方に伝承されているわらべうたや民謡など日本のうたを含めて取り上げるようにすること。
ウ 変声以前から自分の声の特徴に関心をもたせるとともに,変声期の児童に対して適切に配慮すること。
(4) 各学年の「A表現」の(2)の楽器については,次のとおり取り扱うこと。
ア 各学年で取り上げる打楽器は,木琴,鉄琴,和楽器,諸外国に伝わる様々な楽器を含めて,演奏の効果,学校や児童の実態を考慮して選択すること。
イ 第1学年及び第2学年で取り上げる身近な楽器は,様々な打楽器,オルガン,ハーモニカなどの中から学校や児童の実態を考慮して選択すること。
ウ 第3学年及び第4学年で取り上げる旋律楽器は,既習の楽器を含めて,リコーダーや鍵《けん》盤楽器などの中から学校や児童の実態を考慮して選択すること。
エ 第5学年及び第6学年で取り上げる旋律楽器は,既習の楽器を含めて,電子楽器,和楽器,諸外国に伝わる楽器などの中から学校や児童の実態を考慮して選択すること。
(5) 音楽づくりの指導については,次のとおり取り扱うこと。 
ア 音遊びや即興的な表現では,リズムや旋律を模倣したり,身近なものから多様な音を探したりして,音楽づくりのための様々な発想ができるように指導すること。
イ つくった音楽の記譜の仕方について,必要に応じて指導すること。
ウ 拍節的でないリズム,我が国の音楽に使われている音階や調性にとらわれない音階などを児童の実態に応じて取り上げるようにすること。
(6) 各学年の〔共通事項〕のイの「音符,休符,記号や音楽にかかわる用語」については,児童の学習状況を考慮して,次に示すものを取り扱うこと。
全音符
付点二分音符
二分音符
付点四分音符
四分音符
付点八分音符
八分音符
十六分音符
付点八分音符と十六分音符
四分休符
八分休符
ト音記号
へ音記号
五線と加線
縦線
終止線
シャープ
フラット
ナチュラル
フォルテ
メッゾ・フォルテ
ピアノ
メッゾ・ピアノ
ブレス
四分の二拍子
四分の三拍子
四分の四拍子
八分の六拍子
クレシェンド
デクレシェンド
反復記号
反復記号(1番かっこ・2番かっこ)
タイ
スラー
アクセント
スタッカート
速度記号
第7節 図画工作
第1 目標  表現及び鑑賞の活動を通して,感性を働かせながら,つくりだす喜びを味わうようにするとともに,造形的な創造活動の基礎的な能力を培い,豊かな情操を養う。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年及び第2学年〕
1 目標
(1) 進んで表したり見たりする態度を育てるとともに,つくりだす喜びを味わうようにする。
(2) 造形活動を楽しみ,豊かな発想をするなどして,体全体の感覚や技能などを働かせるようにする。
(3) 身の回りの作品などから,面白さや楽しさを感じ取るようにする。
2 内容
A 表現
(1) 材料を基に造形遊びをする活動を通して,次の事項を指導する。
ア 身近な自然物や人工の材料の形や色などを基に思い付いてつくること。
イ 感覚や気持ちを生かしながら楽しくつくること。
ウ 並べたり,つないだり,積んだりするなど体全体を働かせてつくること。
(2) 感じたことや想像したことを絵や立体,工作に表す活動を通して,次の事項を指導する。
ア 感じたことや想像したことから,表したいことを見付けて表すこと。
イ 好きな色を選んだり,いろいろな形をつくって楽しんだりしながら表すこと。
ウ 身近な材料や扱いやすい用具を手を働かせて使うとともに,表し方を考えて表すこと。
B 鑑賞
(1) 身の回りの作品などを鑑賞する活動を通して,次の事項を指導する。
ア 自分たちの作品や身近な材料などを楽しく見ること。
イ 感じたことを話したり,友人の話を聞いたりするなどして,形や色,表し方の面白さ,材料の感じなどに気付くこと。
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を指導する。
ア 自分の感覚や活動を通して,形や色などをとらえること。
イ 形や色などを基に,自分のイメージをもつこと。
〔第3学年及び第4学年〕
1 目標
(1) 進んで表現したり鑑賞したりする態度を育てるとともに,つくりだす喜びを味わうようにする。
(2) 材料などから豊かな発想をし,手や体全体を十分に働かせ,表し方を工夫し,造形的な能力を伸ばすようにする。
(3) 身近にある作品などから,よさや面白さを感じ取るようにする。
2 内容
A 表現
(1) 材料や場所などを基に造形遊びをする活動を通して,次の事項を指導する。
ア 身近な材料や場所などを基に発想してつくること。
イ 新しい形をつくるとともに,その形から発想したりみんなで話し合って考えたりしながらつくること。
ウ 前学年までの材料や用具についての経験を生かし,組み合わせたり,切ってつないだり,形を変えたりするなどしてつくること。
(2) 感じたこと,想像したこと,見たことを絵や立体,工作に表す活動を通して,次の事項を指導する。
ア 感じたこと,想像したこと,見たことから,表したいことを見付けて表すこと。
イ 表したいことや用途などを考えながら,形や色,材料などを生かし,計画を立てるなどして表すこと。
ウ 表したいことに合わせて,材料や用具の特徴を生かして使うとともに,表し方を考えて表すこと。
B 鑑賞
(1) 身近にある作品などを鑑賞する活動を通して,次の事項を指導する。
ア 自分たちの作品や身近な美術作品や製作の過程などを鑑賞して,よさや面白さを感じ取ること。
イ 感じたことや思ったことを話したり,友人と話し合ったりするなどして,いろいろな表し方や材料による感じの違いなどが分かること。
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を指導する。
ア 自分の感覚や活動を通して,形や色,組合せなどの感じをとらえること。
イ 形や色などの感じを基に,自分のイメージをもつこと。
〔第5学年及び第6学年〕
1 目標
(1) 創造的に表現したり鑑賞したりする態度を育てるとともに,つくりだす喜びを味わうようにする。
(2) 材料などの特徴をとらえ,想像力を働かせて発想し,主題の表し方を構想するとともに,様々な表し方を工夫し,造形的な能力を高めるようにする。
(3) 親しみのある作品などから,よさや美しさを感じ取るとともに,それらを大切にするようにする。
2 内容
A 表現
(1) 材料や場所などの特徴を基に造形遊びをする活動を通して,次の事項を指導する。
ア 材料や場所などの特徴を基に発想し想像力を働かせてつくること。
イ 材料や場所などに進んでかかわり合い,それらを基に構成したり周囲の様子を考え合わせたりしながらつくること。
ウ 前学年までの材料や用具などについての経験や技能を総合的に生かしてつくること。
(2) 感じたこと,想像したこと,見たこと,伝え合いたいことを絵や立体,工作に表す活動を通して,次の事項を指導する。
ア 感じたこと,想像したこと,見たこと,伝え合いたいことから,表したいことを見付けて表すこと。
イ 形や色,材料の特徴や構成の美しさなどの感じ,用途などを考えながら,表し方を構想して表すこと。
ウ 表したいことに合わせて,材料や用具の特徴を生かして使うとともに,表現に適した方法などを組み合わせて表すこと。
B 鑑賞
(1) 親しみのある作品などを鑑賞する活動を通して,次の事項を指導する。
ア 自分たちの作品,我が国や諸外国の親しみのある美術作品,暮らしの中の作品などを鑑賞して,よさや美しさを感じ取ること。
イ 感じたことや思ったことを話したり,友人と話し合ったりするなどして,表し方の変化,表現の意図や特徴などをとらえること。
〔共通事項〕
(1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を指導する。
ア 自分の感覚や活動を通して,形や色,動きや奥行きなどの造形的な特徴をとらえること。
イ 形や色などの造形的な特徴を基に,自分のイメージをもつこと。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学年の内容の〔共通事項〕は表現及び鑑賞に関する能力を育成する上で共通に必要となるものであり,表現及び鑑賞の各活動において十分な指導が行われるよう工夫すること。
(2) 第2の各学年の内容の「A表現」の(2)の指導に配当する授業時数については,工作に表すことの内容に配当する授業時数が,絵や立体に表すことの内容に配当する授業時数とおよそ等しくなるように計画すること。
(3) 第2の各学年の内容の「B鑑賞」の指導については,「A表現」との関連を図るようにすること。ただし,指導の効果を高めるため必要がある場合には,児童や学校の実態に応じて,独立して行うようにすること。
(4) 第2の各学年の内容の「A表現」の指導については,適宜共同してつくりだす活動を取り上げるようにすること。
(5) 低学年においては,生活科などとの関連を積極的に図り,指導の効果を高めるようにすること。特に第1学年においては,幼稚園教育における表現に関する内容などとの関連を考慮すること。
(6) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,図画工作科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 個々の児童が特性を生かした活動ができるようにするため,学習活動や表現方法などに幅をもたせるようにすること。
(2) 各学年の「A表現」の(2)については,児童や学校の実態に応じて,児童が工夫して楽しめる程度の版に表す経験や焼成する経験ができるようにすること。
(3) 材料や用具については,次のとおり取り扱うこととし,必要に応じて,当該学年より前の学年において初歩的な形で取り上げたり,その後の学年で繰り返し取り上げたりすること。
ア 第1学年及び第2学年においては,土,粘土,木,紙,クレヨン,パス,はさみ,のり,簡単な小刀類など身近で扱いやすいものを用いることとし,児童がこれらに十分に慣れることができるようにすること。
イ 第3学年及び第4学年においては,木切れ,板材,釘《くぎ》,水彩絵の具,小刀,使いやすいのこぎり,金づちなどを用いることとし,児童がこれらを適切に扱うことができるようにすること。
ウ 第5学年及び第6学年においては,針金,糸のこぎりなどを用いることとし,児童が表現方法に応じてこれらを活用できるようにすること。
(4) 事故防止に留意すること。
(5) 各学年の「B鑑賞」の指導に当たっては,児童や学校の実態に応じて,地域の美術館などを利用したり,連携を図ったりすること。
3 校内の適切な場所に作品を展示するなどし,平素の学校生活においてそれを鑑賞できるよう配慮するものとする。
第8節 家   庭
第1 目標  衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して,日常生活に必要な基礎的・基本的な知識及び技能を身に付けるとともに,家庭生活を大切にする心情をはぐくみ,家族の一員として生活をよりよくしようとする実践的な態度を育てる。
第2 各学年の目標及び内容
〔第5学年及び第6学年〕
1  目標
(1) 衣食住や家族の生活などに関する実践的・体験的な活動を通して,自分の成長を自覚するとともに,家庭生活への関心を高め,その大切さに気付くようにする。
(2) 日常生活に必要な基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け,身近な生活に活用できるようにする。
(3) 自分と家族などとのかかわりを考えて実践する喜びを味わい,家庭生活をよりよくしようとする実践的な態度を育てる。
2 内容
A 家庭生活と家族 
(1) 自分の成長と家族について,次の事項を指導する。
ア 自分の成長を自覚することを通して,家庭生活と家族の大切さに気付くこと。
(2) 家庭生活と仕事について,次の事項を指導する。
ア 家庭には自分や家族の生活を支える仕事があることが分かり,自分の分担する仕事ができること。
イ 生活時間の有効な使い方を工夫し,家族に協力すること。
(3) 家族や近隣の人々とのかかわりについて,次の事項を指導する。
ア 家族との触れ合いや団らんを楽しくする工夫をすること。
イ 近隣の人々とのかかわりを考え,自分の家庭生活を工夫すること。
B 日常の食事と調理の基礎
(1) 食事の役割について,次の事項を指導する。
ア 食事の役割を知り,日常の食事の大切さに気付くこと。
イ 楽しく食事をするための工夫をすること。 
(2) 栄養を考えた食事について,次の事項を指導する。
ア 体に必要な栄養素の種類と働きについて知ること。
イ 食品の栄養的な特徴を知り,食品を組み合わせてとる必要があることが分かること。
ウ 1食分の献立を考えること。
(3) 調理の基礎について,次の事項を指導する。
ア 調理に関心をもち,必要な材料の分量や手順を考えて,調理計画を立てること。
イ 材料の洗い方,切り方,味の付け方,盛り付け,配膳《ぜん》及び後片付けが適切にできること。
ウ ゆでたり,いためたりして調理ができること。
エ 米飯及びみそ汁の調理ができること。
オ 調理に必要な用具や食器の安全で衛生的な取扱い及びこんろの安全な取扱いができること。
C 快適な衣服と住まい
(1) 衣服の着用と手入れについて,次の事項を指導する。
ア 衣服の働きが分かり,衣服に関心をもって日常着の快適な着方を工夫できること。
イ 日常着の手入れが必要であることが分かり,ボタン付けや洗濯ができること。
(2) 快適な住まい方について,次の事項を指導する。
ア 住まい方に関心をもって,整理・整頓《とん》や清掃の仕方が分かり工夫できること。
イ 季節の変化に合わせた生活の大切さが分かり,快適な住まい方を工夫できること。
(3) 生活に役立つ物の製作について,次の事項を指導する。
ア 布を用いて製作する物を考え,形などを工夫し,製作計画を立てること。                
イ 手縫いや,ミシンを用いた直線縫いにより目的に応じた縫い方を考えて製作し,活用できること。
ウ 製作に必要な用具の安全な取扱いができること。
D 身近な消費生活と環境
(1) 物や金銭の使い方と買物について,次の事項を指導する。
ア 物や金銭の大切さに気付き,計画的な使い方を考えること。
イ 身近な物の選び方,買い方を考え,適切に購入できること。
(2) 環境に配慮した生活の工夫について,次の事項を指導する。
ア 自分の生活と身近な環境とのかかわりに気付き,物の使い方などを工夫できること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 題材の構成に当たっては,児童の実態を的確にとらえるとともに,内容相互の関連を図り,指導の効果を高めるようにすること。
(2) 「A家庭生活と家族」の(1)のアについては,第4学年までの学習を踏まえ2学年間の学習の見通しを立てさせるために,第5学年の最初に履修させるとともに,「A家庭生活と家族」から「D身近な消費生活と環境」までの学習と関連させるようにすること。
(3) 「B日常の食事と調理の基礎」の(3)及び「C快適な衣服と住まい」の(3)については,学習の効果を高めるため,2学年にわたって取り扱い,平易なものから段階的に学習できるよう計画すること。
(4) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,家庭科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 「B日常の食事と調理の基礎」については,次のとおり取り扱うこと。
ア (2)のア及びイについては,五大栄養素と食品の体内での主な働きを中心に扱うこと。
イ (3)のエについては,米飯やみそ汁が我が国の伝統的な日常食であることにも触れること。
ウ 食に関する指導については,家庭科の特質に応じて,食育の充実に資するよう配慮すること。
(2) 「C快適な衣服と住まい」の(2)のイについては,主として暑さ・寒さ,通風・換気及び採光を取り上げること。
(3) 「D身近な消費生活と環境」については,次のとおり取り扱うこと。
ア (1)のイについては,「A家庭生活と家族」の(3),「B日常の食事と調理の基礎」の(3)並びに「C快適な衣服と住まい」の(2)及び(3)で扱う用具や実習材料などの身近な物を取り上げること。
イ (2)については,「B日常の食事と調理の基礎」又は「C快適な衣服と住まい」との関連を図り,実践的に学習できるようにすること。
3 実習の指導については,次の事項に配慮するものとする。
(1) 服装を整え,用具の手入れや保管を適切に行うこと。
(2) 事故の防止に留意して,熱源や用具,機械などを取り扱うこと。
(3) 調理に用いる食品については,生の魚や肉は扱わないなど,安全・衛生に留意すること。
4 家庭との連携を図り,児童が身に付けた知識及び技能などを日常生活に活用するよう配慮するものとする。
5 各内容の指導に当たっては,衣食住など生活の中の様々な言葉を実感を伴って理解する学習活動や,自分の生活における課題を解決するために言葉や図表などを用いて生活をよりよくする方法を考えたり,説明したりするなどの学習活動が充実するよう配慮するものとする。
第9節 体   育
第1 目標  心と体を一体としてとらえ,適切な運動の経験と健康・安全についての理解を通して,生涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育てるとともに健康の保持増進と体力の向上を図り,楽しく明るい生活を営む態度を育てる。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年及び第2学年〕
1 目標
(1) 簡単なきまりや活動を工夫して各種の運動を楽しくできるようにするとともに,その基本的な動きを身に付け,体力を養う。
(2) だれとでも仲よくし,健康・安全に留意して意欲的に運動をする態度を育てる。
2 内容
A 体つくり運動
(1) 次の運動を行い,体を動かす楽しさや心地よさを味わうとともに,体の基本的な動きができるようにする。
ア 体ほぐしの運動では,心と体の変化に気付いたり,体の調子を整えたり,みんなでかかわり合ったりするための手軽な運動や律動的な運動をすること。
イ 多様な動きをつくる運動遊びでは,体のバランスをとったり移動をしたりするとともに,用具の操作などをすること。
(2) 運動に進んで取り組み,きまりを守り仲よく運動をしたり,場の安全に気を付けたりすることができるようにする。
(3) 体つくりのための簡単な運動の行い方を工夫できるようにする。
B 器械・器具を使っての運動遊び
(1) 次の運動を楽しく行い,その動きができるようにする。
ア 固定施設を使った運動遊びでは,登り下りや懸垂移行,渡り歩きや跳び下りをすること。
イ マットを使った運動遊びでは,いろいろな方向への転がり,手で支えての体の保持や回転をすること。
ウ 鉄棒を使った運動遊びでは,支持しての上がり下り,ぶら下がりや易しい回転をすること。
エ 跳び箱を使った運動遊びでは,跳び乗りや跳び下り,手を着いてのまたぎ乗りや跳び乗りをすること。
(2) 運動に進んで取り組み,きまりを守り仲よく運動をしたり,場の安全に気を付けたりすることができるようにする。
(3) 器械・器具を用いた簡単な遊び方を工夫できるようにする。
C 走・跳の運動遊び
(1) 次の運動を楽しく行い,その動きができるようにする。
ア 走の運動遊びでは,いろいろな方向に走ったり,低い障害物を走り越えたりすること。
イ 跳の運動遊びでは,前方や上方に跳んだり,連続して跳んだりすること。
(2) 運動に進んで取り組み,きまりを守り仲よく運動をしたり,勝敗を受け入れたり,場の安全に気を付けたりすることができるようにする。
(3) 走ったり跳んだりする簡単な遊び方を工夫できるようにする。
D 水遊び
(1) 次の運動を楽しく行い,その動きができるようにする。
ア 水に慣れる遊びでは,水につかったり移動したりすること。
イ 浮く・もぐる遊びでは,水に浮いたりもぐったり,水中で息を吐いたりすること。
(2) 運動に進んで取り組み,仲よく運動をしたり,水遊びの心得を守って安全に気を付けたりすることができるようにする。
(3) 水中での簡単な遊び方を工夫できるようにする。
E ゲーム
(1) 次の運動を楽しく行い,その動きができるようにする。
ア ボールゲームでは,簡単なボール操作やボールを持たないときの動きによって,的に当てるゲームや攻めと守りのあるゲームをすること。
イ 鬼遊びでは,一定の区域で,逃げる,追いかける,陣地を取り合うなどをすること。
(2) 運動に進んで取り組み,きまりを守り仲よく運動をしたり,勝敗を受け入れたり,場の安全に気を付けたりすることができるようにする。
(3) 簡単な規則を工夫したり,攻め方を決めたりすることができるようにする。
F 表現リズム遊び
(1) 次の運動を楽しく行い,題材になりきったりリズムに乗ったりして踊ることができるようにする。
ア 表現遊びでは,身近な題材の特徴をとらえ全身で踊ること。
イ リズム遊びでは,軽快なリズムに乗って踊ること。
(2) 運動に進んで取り組み,だれとでも仲よく踊ったり,場の安全に気を付けたりすることができるようにする。
(3) 簡単な踊り方を工夫できるようにする。
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A体つくり運動」については,2学年にわたって指導するものとする。
(2) 内容の「F表現リズム遊び」の(1)のイについては,簡単なフォークダンスを含めて指導することができる。
(3) 地域や学校の実態に応じて歌や運動を伴う伝承遊び及び自然の中での運動遊びを加えて指導することができる。
(4) 各領域の各内容については,運動と健康がかかわっていることの具体的な考えがもてるよう指導すること。
〔第3学年及び第4学年〕
1 目標
(1) 活動を工夫して各種の運動を楽しくできるようにするとともに,その基本的な動きや技能を身に付け,体力を養う。
(2) 協力,公正などの態度を育てるとともに,健康・安全に留意し,最後まで努力して運動をする態度を育てる。
(3) 健康な生活及び体の発育・発達について理解できるようにし,身近な生活において健康で安全な生活を営む資質や能力を育てる。
2 内容
A 体つくり運動
(1) 次の運動を行い,体を動かす楽しさや心地よさを味わうとともに,体の基本的な動きができるようにする。
ア 体ほぐしの運動では,心と体の変化に気付いたり,体の調子を整えたり,みんなでかかわり合ったりするための手軽な運動や律動的な運動をすること。
イ 多様な動きをつくる運動では,体のバランスや移動,用具の操作などとともに,それらを組み合わせること。
(2) 運動に進んで取り組み,きまりを守り仲よく運動をしたり,場や用具の安全に気を付けたりすることができるようにする。
(3) 体つくりのための運動の行い方を工夫できるようにする。
B 器械運動
(1) 次の運動の楽しさや喜びに触れ,その技ができるようにする。
ア マット運動では,基本的な回転技や倒立技をすること。
イ 鉄棒運動では,基本的な上がり技や支持回転技,下り技をすること。
ウ 跳び箱運動では,基本的な支持跳び越し技をすること。
(2) 運動に進んで取り組み,きまりを守り仲よく運動をしたり,場や器械・器具の安全に気を付けたりすることができるようにする。
(3) 自己の能力に適した課題をもち,技ができるようにするための活動を工夫できるようにする。
C 走・跳の運動
(1) 次の運動を楽しく行い,その動きができるようにする。
ア かけっこ・リレーでは,調子よく走ること。
イ 小型ハードル走では,小型ハードルを調子よく走り越えること。
ウ 幅跳びでは,短い助走から踏み切って跳ぶこと。
エ 高跳びでは,短い助走から踏み切って跳ぶこと。
(2) 運動に進んで取り組み,きまりを守り仲よく運動をしたり,勝敗を受け入れたり,場や用具の安全に気を付けたりすることができるようにする。
(3) 自己の能力に適した課題をもち,動きを身に付けるための活動や競争の仕方を工夫できるようにする。
D 浮く・泳ぐ運動
(1) 次の運動を楽しく行い,その動きができるようにする。
ア 浮く運動では,いろいろな浮き方やけ伸びをすること。
イ 泳ぐ運動では,補助具を使ってのキックやストローク,呼吸をしながらの初歩的な泳ぎをすること。
(2) 運動に進んで取り組み,仲よく運動をしたり,浮く・泳ぐ運動の心得を守って安全に気を付けたりすることができるようにする。
(3) 自己の能力に適した課題をもち,動きを身に付けるための活動を工夫できるようにする。
E ゲーム
(1) 次の運動を楽しく行い,その動きができるようにする。
ア ゴール型ゲームでは,基本的なボール操作やボールを持たないときの動きによって,易しいゲームをすること。
イ ネット型ゲームでは,ラリーを続けたり,ボールをつないだりして易しいゲームをすること。
ウ ベースボール型ゲームでは,蹴《け》る,打つ,捕る,投げるなどの動きによって,易しいゲームをすること。
(2) 運動に進んで取り組み,規則を守り仲よく運動をしたり,勝敗を受け入れたり,場や用具の安全に気を付けたりすることができるようにする。
(3) 規則を工夫したり,ゲームの型に応じた簡単な作戦を立てたりすることができるようにする。
F 表現運動
(1) 次の運動の楽しさや喜びに触れ,表したい感じを表現したりリズムの特徴をとらえたりして踊ることができるようにする。
ア 表現では,身近な生活などの題材からその主な特徴をとらえ,対比する動きを組み合わせたり繰り返したりして踊ること。
イ リズムダンスでは,軽快なリズムに乗って全身で踊ること。
(2) 運動に進んで取り組み,だれとでも仲よく練習や発表をしたり,場の安全に気を付けたりすることができるようにする。
(3) 自己の能力に適した課題を見付け,練習や発表の仕方を工夫できるようにする。
G 保 健
(1) 健康の大切さを認識するとともに,健康によい生活について理解できるようにする。
ア 心や体の調子がよいなどの健康の状態は,主体の要因や周囲の環境の要因がかかわっていること。
イ 毎日を健康に過ごすには,食事,運動,休養及び睡眠の調和のとれた生活を続けること,また,体の清潔を保つことなどが必要であること。
ウ 毎日を健康に過ごすには,明るさの調節,換気などの生活環境を整えることなどが必要であること。
(2) 体の発育・発達について理解できるようにする。
ア 体は,年齢に伴って変化すること。また,体の発育・発達には,個人差があること。
イ 体は,思春期になると次第に大人の体に近づき,体つきが変わったり,初経,精通などが起こったりすること。また,異性への関心が芽生えること。
ウ 体をよりよく発育・発達させるには,調和のとれた食事,適切な運動,休養及び睡眠が必要であること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A体つくり運動」については,2学年にわたって指導するものとする。
(2) 内容の「F表現運動」の(1)については,地域や学校の実態に応じてフォークダンスを加えて指導することができる。
(3) 内容の「G保健」については,(1)を第3学年,(2)を第4学年で指導するものとする。
(4) 内容の「G保健」の(1)については,学校でも,健康診断や学校給食など様々な活動が行われていることについて触れるものとする。
(5) 内容の「G保健」の(2)については,自分と他の人では発育・発達などに違いがあることに気付き,それらを肯定的に受け止めることが大切であることについて触れるものとする。
〔第5学年及び第6学年〕
1 目標
(1) 活動を工夫して各種の運動の楽しさや喜びを味わうことができるようにするとともに,その特性に応じた基本的な技能を身に付け,体力を高める。
(2) 協力,公正などの態度を育てるとともに,健康・安全に留意し,自己の最善を尽くして運動をする態度を育てる。
(3) 心の健康,けがの防止及び病気の予防について理解できるようにし,健康で安全な生活を営む資質や能力を育てる。
2 内容
A 体つくり運動
(1) 次の運動を行い,体を動かす楽しさや心地よさを味わうとともに,体力を高めることができるようにする。
ア 体ほぐしの運動では,心と体の関係に気付いたり,体の調子を整えたり,仲間と交流したりするための手軽な運動や律動的な運動をすること。
イ 体力を高める運動では,ねらいに応じて,体の柔らかさ及び巧みな動きを高めるための運動,力強い動き及び動きを持続する能力を高めるための運動をすること。
(2) 運動に進んで取り組み,助け合って運動をしたり,場や用具の安全に気を配ったりすることができるようにする。
(3) 自己の体の状態や体力に応じて,運動の行い方を工夫できるようにする。
B 器械運動
(1) 次の運動の楽しさや喜びに触れ,その技ができるようにする。
ア マット運動では,基本的な回転技や倒立技を安定して行うとともに,その発展技を行ったり,それらを繰り返したり組み合わせたりすること。
イ 鉄棒運動では,基本的な上がり技や支持回転技,下り技を安定して行うとともに,その発展技を行ったり,それらを繰り返したり組み合わせたりすること。
ウ 跳び箱運動では,基本的な支持跳び越し技を安定して行うとともに,その発展技を行うこと。
(2) 運動に進んで取り組み,約束を守り助け合って運動をしたり,場や器械・器具の安全に気を配ったりすることができるようにする。
(3) 自己の能力に適した課題の解決の仕方や技の組み合わせ方を工夫できるようにする。
C 陸上運動
(1) 次の運動の楽しさや喜びに触れ,その技能を身に付けることができるようにする。
ア 短距離走・リレーでは,一定の距離を全力で走ること。
イ ハードル走では,ハードルをリズミカルに走り越えること。
ウ 走り幅跳びでは,リズミカルな助走から踏み切って跳ぶこと。
エ 走り高跳びでは,リズミカルな助走から踏み切って跳ぶこと。
(2) 運動に進んで取り組み,約束を守り助け合って運動をしたり,場や用具の安全に気を配ったりすることができるようにする。
(3) 自己の能力に適した課題の解決の仕方,競争や記録への挑戦の仕方を工夫できるようにする。
D 水 泳
(1) 次の運動の楽しさや喜びに触れ,その技能を身に付けることができるようにする。
ア クロールでは,続けて長く泳ぐこと。
イ 平泳ぎでは,続けて長く泳ぐこと。
(2) 運動に進んで取り組み,助け合って水泳をしたり,水泳の心得を守って安全に気を配ったりすることができるようにする。
(3) 自己の能力に適した課題の解決の仕方や記録への挑戦の仕方を工夫できるようにする。
E ボール運動
(1) 次の運動の楽しさや喜びに触れ,その技能を身に付けることができるようにする。
ア ゴール型では,簡易化されたゲームで,ボール操作やボールを受けるための動きによって,攻防をすること。
イ ネット型では,簡易化されたゲームで,チームの連係による攻撃や守備によって,攻防をすること。
ウ ベースボール型では,簡易化されたゲームで,ボールを打ち返す攻撃や隊形をとった守備によって,攻防をすること。
(2) 運動に進んで取り組み,ルールを守り助け合って運動をしたり,場や用具の安全に気を配ったりすることができるようにする。
(3) ルールを工夫したり,自分のチームの特徴に応じた作戦を立てたりすることができるようにする。
F 表現運動
(1) 次の運動の楽しさや喜びに触れ,表したい感じを表現したり踊りの特徴をとらえたりして踊ることができるようにする。
ア 表現では,いろいろな題材から表したいイメージをとらえ,即興的な表現や簡単なひとまとまりの表現で踊ること。
イ フォークダンスでは,踊り方の特徴をとらえ,音楽に合わせて簡単なステップや動きで踊ること。
(2) 運動に進んで取り組み,互いのよさを認め合い助け合って練習や発表をしたり,場の安全に気を配ったりすることができるようにする。
(3) 自分やグループの課題の解決に向けて,練習や発表の仕方を工夫できるようにする。
G 保 健
(1) 心の発達及び不安,悩みへの対処について理解できるようにする。
ア 心は,いろいろな生活経験を通して,年齢に伴って発達すること。
イ 心と体は,相互に影響し合うこと。
ウ 不安や悩みへの対処には,大人や友達に相談する,仲間と遊ぶ,運動をするなどいろいろな方法があること。
(2) けがの防止について理解するとともに,けがなどの簡単な手当ができるようにする。 
ア 交通事故や身の回りの生活の危険が原因となって起こるけがの防止には,周囲の危険に気付くこと,的確な判断の下に安全に行動すること,環境を安全に整えることが必要であること。
イ けがの簡単な手当は,速やかに行う必要があること。
(3) 病気の予防について理解できるようにする。
ア 病気は,病原体,体の抵抗力,生活行動,環境がかかわり合って起こること。
イ 病原体が主な要因となって起こる病気の予防には,病原体が体に入るのを防ぐことや病原体に対する体の抵抗力を高めることが必要であること。
ウ 生活習慣病など生活行動が主な要因となって起こる病気の予防には,栄養の偏りのない食事をとること,口腔《くう》の衛生を保つことなど,望ましい生活習慣を身に付ける必要があること。
エ 喫煙,飲酒,薬物乱用などの行為は,健康を損なう原因となること。
オ 地域では,保健にかかわる様々な活動が行われていること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A体つくり運動」については,2学年にわたって指導するものとする。また,(1)のイについては,体の柔らかさ及び巧みな動きを高めることに重点を置いて指導するものとする。
(2) 内容の「D水泳」の(1)については,水中からのスタートを指導するものとする。また,学校の実態に応じて背泳ぎを加えて指導することができる。
(3) 内容の「Eボール運動」の(1)については,アはバスケットボール及びサッカーを,イはソフトバレーボールを,ウはソフトボールを主として取り扱うものとするが,これらに替えてそれぞれの型に応じたハンドボールなどのその他のボール運動を指導することもできるものとする。なお,学校の実態に...
(4) 内容の「F表現運動」の(1)については,地域や学校の実態に応じてリズムダンスを加えて指導することができる。
(5) 内容の「G保健」については,(1)及び(2)を第5学年,(3)を第6学年で指導するものとする。
(6) 内容の「A体つくり運動」の(1)のアと「G保健」の(1)のウについては,相互の関連を図って指導するものとする。
(7) 内容の「G保健」の(3)のエの薬物については,有機溶剤の心身への影響を中心に取り扱うものとする。また,覚せい剤等についても触れるものとする。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 地域や学校の実態を考慮するとともに,個々の児童の運動経験や技能の程度などに応じた指導や児童自らが運動の課題の解決を目指す活動を行えるよう工夫すること。
(2) 一部の領域の指導に偏ることのないよう授業時数を配当すること。
(3) 第2の第3学年及び第4学年の内容の「G保健」に配当する授業時数は,2学年間で8単位時間程度,また,第2の第5学年及び第6学年の内容の「G保健」に配当する授業時数は,2学年間で16単位時間程度とすること。
(4) 第2の第3学年及び第4学年の内容の「G保健」並びに第5学年及び第6学年の内容の「G保健」(以下「保健」という。)については,効果的な学習が行われるよう適切な時期に,ある程度まとまった時間を配当すること。
(5) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,体育科の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 「A体つくり運動」の(1)のアについては,各学年の各領域においてもその趣旨を生かした指導ができること。
(2) 「D水遊び」,「D浮く・泳ぐ運動」及び「D水泳」の指導については,適切な水泳場の確保が困難な場合にはこれらを取り扱わないことができるが,これらの心得については,必ず取り上げること。
(3) 集合,整頓《とん》,列の増減などの行動の仕方を身に付け,能率的で安全な集団としての行動ができるようにするための指導については,「A体つくり運動」をはじめとして,各学年の各領域(保健を除く。)において適切に行うこと。
(4) 自然とのかかわりの深い雪遊び,氷上遊び,スキー,スケート,水辺活動などの指導については,地域や学校の実態に応じて積極的に行うことに留意すること。
(5) 保健の内容のうち食事,運動,休養及び睡眠については,食育の観点も踏まえつつ健康的な生活習慣の形成に結び付くよう配慮するとともに,保健を除く第3学年以上の各領域及び学校給食に関する指導においても関連した指導を行うよう配慮すること。
(6) 保健の指導に当たっては,知識を活用する学習活動を取り入れるなどの指導方法の工夫を行うこと。
第3章 特別の教科 道徳
第1 目標  第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため,道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の生き方についての考えを深める学習を通して,道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てる。...
第2 内容  学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の要である道徳科においては,以下に示す項目について扱う。
A 主として自分自身に関すること
[善悪の判断,自律,自由と責任]
〔第1学年及び第2学年〕  よいことと悪いこととの区別をし,よいと思うことを進んで行うこと。
〔第3学年及び第4学年〕  正しいと判断したことは,自信をもって行うこと。
〔第5学年及び第6学年〕  自由を大切にし,自律的に判断し,責任のある行動をすること。
[正直,誠実]
〔第1学年及び第2学年〕  うそをついたりごまかしをしたりしないで,素直に伸び伸びと生活すること。
〔第3学年及び第4学年〕  過ちは素直に改め,正直に明るい心で生活すること。
〔第5学年及び第6学年〕  誠実に,明るい心で生活すること。
[節度,節制]
〔第1学年及び第2学年〕  健康や安全に気を付け,物や金銭を大切にし,身の回りを整え,わがままをしないで,規則正しい生活をすること。
〔第3学年及び第4学年〕  自分でできることは自分でやり,安全に気を付け,よく考えて行動し,節度のある生活をすること。
〔第5学年及び第6学年〕  安全に気を付けることや,生活習慣の大切さについて理解し,自分の生活を見直し,節度を守り節制に心掛けること。
[個性の伸長]
〔第1学年及び第2学年〕  自分の特徴に気付くこと。
〔第3学年及び第4学年〕  自分の特徴に気付き,長所を伸ばすこと。
〔第5学年及び第6学年〕  自分の特徴を知って,短所を改め長所を伸ばすこと。
[希望と勇気, 努力と強い意志]
〔第1学年及び第2学年〕  自分のやるべき勉強や仕事をしっかりと行うこと。
〔第3学年及び第4学年〕  自分でやろうと決めた目標に向かって,強い意志をもち,粘り強くやり抜くこと。
〔第5学年及び第6学年〕  より高い目標を立て,希望と勇気をもち,困難があってもくじけずに努力して物事をやり抜くこと。
[真理の探究] 〔第5学年及び第6学年〕  真理を大切にし,物事を探究しようとする心をもつこと。
B 主として人との関わりに関すること
[親切,思いやり]
〔第1学年及び第2学年〕  身近にいる人に温かい心で接し,親切にすること。
〔第3学年及び第4学年〕  相手のことを思いやり,進んで親切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕  誰に対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にすること。
[感謝]
〔第1学年及び第2学年〕  家族など日頃世話になっている人々に感謝すること。
〔第3学年及び第4学年〕  家族など生活を支えてくれている人々や現在の生活を築いてくれた高齢者に,尊敬と感謝の気持ちをもって接すること。
〔第5学年及び第6学年〕  日々の生活が家族や過去からの多くの人々の支え合いや助け合いで成り立っていることに感謝し,それに応えること。
[礼儀]
〔第1学年及び第2学年〕  気持ちのよい挨拶,言葉遣い,動作などに心掛けて,明るく接すること。
〔第3学年及び第4学年〕  礼儀の大切さを知り,誰に対しても真心をもって接すること。
〔第5学年及び第6学年〕  時と場をわきまえて,礼儀正しく真心をもって接すること。
[友情,信頼]
〔第1学年及び第2学年〕  友達と仲よくし,助け合うこと。
〔第3学年及び第4学年〕  友達と互いに理解し,信頼し,助け合うこと。
〔第5学年及び第6学年〕  友達と互いに信頼し,学び合って友情を深め,異性についても理解しながら,人間関係を築いていくこと。
[相互理解,寛容]
〔第3学年及び第4学年〕  自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,相手のことを理解し,自分と異なる意見も大切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕  自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,謙虚な心をもち,広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること。
C 主として集団や社会との関わりに関すること
[規則の尊重]
〔第1学年及び第2学年〕  約束やきまりを守り,みんなが使う物を大切にすること。
〔第3学年及び第4学年〕  約束や社会のきまりの意義を理解し,それらを守ること。
〔第5学年及び第6学年〕  法やきまりの意義を理解した上で進んでそれらを守り,自他の権利を大切にし,義務を果たすこと。
[公正,公平,社会正義]
〔第1学年及び第2学年〕  自分の好き嫌いにとらわれないで接すること。
〔第3学年及び第4学年〕  誰に対しても分け隔てをせず,公正,公平な態度で接すること。
〔第5学年及び第6学年〕  誰に対しても差別をすることや偏見をもつことなく,公正,公平な態度で接し,正義の実現に努めること。
[勤労,公共の精神]
〔第1学年及び第2学年〕  働くことのよさを知り,みんなのために働くこと。
〔第3学年及び第4学年〕  働くことの大切さを知り,進んでみんなのために働くこと。
〔第5学年及び第6学年〕  働くことや社会に奉仕することの充実感を味わうとともに,その意義を理解し,公共のために役に立つことをすること。
[家族愛,家庭生活の充実]
〔第1学年及び第2学年〕  父母,祖父母を敬愛し,進んで家の手伝いなどをして,家族の役に立つこと。
〔第3学年及び第4学年〕  父母,祖父母を敬愛し,家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくること。
〔第5学年及び第6学年〕  父母,祖父母を敬愛し,家族の幸せを求めて,進んで役に立つことをすること。
[よりよい学校生活,集団生活の充実]
〔第1学年及び第2学年〕  先生を敬愛し,学校の人々に親しんで,学級や学校の生活を楽しくすること。
〔第3学年及び第4学年〕  先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合って楽しい学級や学校をつくること。
〔第5学年及び第6学年〕  先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合ってよりよい学級や学校をつくるとともに,様々な集団の中での自分の役割を自覚して集団生活の充実に努めること。
[伝統と文化の尊重, 国や郷土を愛する態度]
〔第1学年及び第2学年〕  我が国や郷土の文化と生活に親しみ,愛着をもつこと。
〔第3学年及び第4学年〕  我が国や郷土の伝統と文化を大切にし,国や郷土を愛する心をもつこと。
〔第5学年及び第6学年〕  我が国や郷土の伝統と文化を大切にし,先人の努力を知り,国や郷土を愛する心をもつこと。
[国際理解,国際親善]
〔第1学年及び第2学年〕  他国の人々や文化に親しむこと。
〔第3学年及び第4学年〕  他国の人々や文化に親しみ,関心をもつこと。
〔第5学年及び第6学年〕  他国の人々や文化について理解し,日本人としての自覚をもって国際親善に努めること。
D 主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること
[生命の尊さ]
〔第1学年及び第2学年〕  生きることのすばらしさを知り,生命を大切にすること。
〔第3学年及び第4学年〕  生命の尊さを知り,生命あるものを大切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕  生命が多くの生命のつながりの中にあるかけがえのないものであることを理解し,生命を尊重すること。
[自然愛護]
〔第1学年及び第2学年〕  身近な自然に親しみ,動植物に優しい心で接すること。
〔第3学年及び第4学年〕  自然のすばらしさや不思議さを感じ取り,自然や動植物を大切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕  自然の偉大さを知り,自然環境を大切にすること。
[感動,畏敬の念]
〔第1学年及び第2学年〕  美しいものに触れ,すがすがしい心をもつこと。
〔第3学年及び第4学年〕  美しいものや気高いものに感動する心をもつこと。
〔第5学年及び第6学年〕  美しいものや気高いものに感動する心や人間の力を超えたものに対する畏敬の念をもつこと。
[よりよく生きる喜び] 〔第5学年及び第6学年〕 よりよく生きようとする人間の強さや気高さを理解し,人間として生きる喜びを感じること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 各学校においては,道徳教育の全体計画に基づき,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動との関連を考慮しながら, 道徳科の年間指導計画を作成するものとする。 なお, 作成に当たっては, 第2に示す各学年段階の内容項目について, 相当する各学年において全て取り上げることと...
2 第2の内容の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 校長や教頭などの参加,他の教師との協力的な指導などについて工夫し,道徳教育推進教師を中心とした指導体制を充実すること。
(2) 道徳科が学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の要としての役割を果たすことができるよう,計画的・発展的な指導を行うこと。特に,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育としては取り扱う機会が十分でない内容項目に関わる指導を補うことや,児童や学校の実態...
(3) 児童が自ら道徳性を養う中で,自らを振り返って成長を実感したり,これからの課題や目標を見付けたりすることができるよう工夫すること。その際,道徳性を養うことの意義について,児童自らが考え,理解し,主体的に学習に取り組むことができるようにすること。
(4) 児童が多様な感じ方や考え方に接する中で,考えを深め,判断し,表現する力などを育むことができるよう,自分の考えを基に話し合ったり書いたりするなどの言語活動を充実すること。
(5) 児童の発達の段階や特性等を考慮し,指導のねらいに即して,問題解決的な学習,道徳的行為に関する体験的な学習等を適切に取り入れるなど,指導方法を工夫すること。その際,それらの活動を通じて学んだ内容の意義などについて考えることができるようにすること。また,特別活動等における多様な...
(6) 児童の発達の段階や特性等を考慮し,第2に示す内容との関連を踏まえつつ,情報モラルに関する指導を充実すること。また,児童の発達の段階や特性等を考慮し,例えば,社会の持続可能な発展などの現代的な課題の取扱いにも留意し,身近な社会的課題を自分との関係において考え,それらの解決に寄...
(7) 道徳科の授業を公開したり,授業の実施や地域教材の開発や活用などに家庭や地域の人々,各分野の専門家等の積極的な参加や協力を得たりするなど,家庭や地域社会との共通理解を深め,相互の連携を図ること。
3 教材については,次の事項に留意するものとする。
(1) 児童の発達の段階や特性,地域の実情等を考慮し,多様な教材の活用に努めること。特に,生命の尊厳,自然,伝統と文化,先人の伝記,スポーツ,情報化への対応等の現代的な課題などを題材とし,児童が問題意識をもって多面的・多角的に考えたり,感動を覚えたりするような充実した教材の開発や活...
(2) 教材については,教育基本法や学校教育法その他の法令に従い,次の観点に照らし適切と判断されるものであること。
ア 児童の発達の段階に即し,ねらいを達成するのにふさわしいものであること。
イ 人間尊重の精神にかなうものであって,悩みや葛藤等の心の揺れ,人間関係の理解等の課題も含め,児童が深く考えることができ,人間としてよりよく生きる喜びや勇気を与えられるものであること。
ウ 多様な見方や考え方のできる事柄を取り扱う場合には,特定の見方や考え方に偏った取扱いがなされていないものであること。
4 児童の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し,指導に生かすよう努める必要がある。ただし,数値などによる評価は行わないものとする。
第4章 外国語活動
第1 目標  外国語を通じて,言語や文化について体験的に理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら,コミュニケーション能力の素地を養う。
第2 内容
〔第5学年及び第6学年〕
1 外国語を用いて積極的にコミュニケーションを図ることができるよう,次の事項について指導する。
(1) 外国語を用いてコミュニケーションを図る楽しさを体験すること。
(2) 積極的に外国語を聞いたり,話したりすること。
(3) 言語を用いてコミュニケーションを図ることの大切さを知ること。
2 日本と外国の言語や文化について,体験的に理解を深めることができるよう,次の事項について指導する。
(1) 外国語の音声やリズムなどに慣れ親しむとともに,日本語との違いを知り,言葉の面白さや豊かさに気付くこと。
(2) 日本と外国との生活,習慣,行事などの違いを知り,多様なものの見方や考え方があることに気付くこと。
(3) 異なる文化をもつ人々との交流等を体験し,文化等に対する理解を深めること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 外国語活動においては,英語を取り扱うことを原則とすること。
(2) 各学校においては,児童や地域の実態に応じて,学年ごとの目標を適切に定め,2学年間を通して外国語活動の目標の実現を図るようにすること。
(3) 第2の内容のうち,主として言語や文化に関する2の内容の指導については,主としてコミュニケーションに関する1の内容との関連を図るようにすること。その際,言語や文化については体験的な理解を図ることとし,指導内容が必要以上に細部にわたったり,形式的になったりしないようにすること。...
(4) 指導内容や活動については,児童の興味・関心にあったものとし,国語科,音楽科,図画工作科などの他教科等で児童が学習したことを活用するなどの工夫により,指導の効果を高めるようにすること。
(5) 指導計画の作成や授業の実施については,学級担任の教師又は外国語活動を担当する教師が行うこととし,授業の実施に当たっては,ネイティブ・スピーカーの活用に努めるとともに,地域の実態に応じて,外国語に堪《たん》能な地域の人々の協力を得るなど,指導体制を充実すること。
(6) 音声を取り扱う場合には,CD,DVDなどの視聴覚教材を積極的に活用すること。その際,使用する視聴覚教材は,児童,学校及び地域の実態を考慮して適切なものとすること。
(7) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,外国語活動の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 2学年間を通じ指導に当たっては,次のような点に配慮するものとする。
ア 外国語でのコミュニケーションを体験させる際には,児童の発達の段階を考慮した表現を用い,児童にとって身近なコミュニケーションの場面を設定すること。
イ 外国語でのコミュニケーションを体験させる際には,音声面を中心とし,アルファベットなどの文字や単語の取扱いについては,児童の学習負担に配慮しつつ,音声によるコミュニケーションを補助するものとして用いること。
ウ 言葉によらないコミュニケーションの手段もコミュニケーションを支えるものであることを踏まえ,ジェスチャーなどを取り上げ,その役割を理解させるようにすること。
エ 外国語活動を通して,外国語や外国の文化のみならず,国語や我が国の文化についても併せて理解を深めることができるようにすること。
オ 外国語でのコミュニケーションを体験させるに当たり,主として次に示すようなコミュニケーションの場面やコミュニケーションの働きを取り上げるようにすること。
〔コミュニケーションの場面の例〕
(ア) 特有の表現がよく使われる場面
・ あいさつ   
・ 自己紹介   
・ 買物
・ 食事
・ 道案内
など
(イ) 児童の身近な暮らしにかかわる場面
・ 家庭での生活 
・ 学校での学習や活動
・ 地域の行事
・ 子どもの遊び
など
〔コミュニケーションの働きの例〕
(ア) 相手との関係を円滑にする
(イ) 気持ちを伝える
(ウ) 事実を伝える
(エ) 考えや意図を伝える
(オ) 相手の行動を促す
(2) 児童の学習段階を考慮して各学年の指導に当たっては,次のような点に配慮するものとする。
ア 第5学年における活動  外国語を初めて学習することに配慮し,児童に身近で基本的な表現を使いながら,外国語に慣れ親しむ活動や児童の日常生活や学校生活にかかわる活動を中心に,友達とのかかわりを大切にした体験的なコミュニケーション活動を行うようにすること。
イ 第6学年における活動  第5学年の学習を基礎として,友達とのかかわりを大切にしながら,児童の日常生活や学校生活に加え,国際理解にかかわる交流等を含んだ体験的なコミュニケーション活動を行うようにすること。
第5章 総合的な学習の時間
第1 目標  横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに,学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的,協同的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考える...
第2 各学校において定める目標及び内容
1 目標 各学校においては,第1の目標を踏まえ,各学校の総合的な学習の時間の目標を定める。
2 内容 各学校においては,第1の目標を踏まえ,各学校の総合的な学習の時間の内容を定める。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 全体計画及び年間指導計画の作成に当たっては,学校における全教育活動との関連の下に,目標及び内容,育てようとする資質や能力及び態度,学習活動,指導方法や指導体制,学習の評価の計画などを示すこと。
(2) 地域や学校,児童の実態等に応じて,教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習,探究的な学習,児童の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行うこと。
(3) 第2の各学校において定める目標及び内容については,日常生活や社会とのかかわりを重視すること。
(4) 育てようとする資質や能力及び態度については,例えば,学習方法に関すること,自分自身に関すること,他者や社会とのかかわりに関することなどの視点を踏まえること。
(5) 学習活動については,学校の実態に応じて,例えば国際理解,情報,環境,福祉・健康などの横断的・総合的な課題についての学習活動,児童の興味・関心に基づく課題についての学習活動,地域の人々の暮らし,伝統と文化など地域や学校の特色に応じた課題についての学習活動などを行うこと。
(6) 各教科,道徳科,外国語活動及び特別活動で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け,学習や生活において生かし,それらが総合的に働くようにすること。
(7) 各教科,道徳科,外国語活動及び特別活動の目標及び内容との違いに留意しつつ,第1の目標並びに第2の各学校において定める目標及び内容を踏まえた適切な学習活動を行うこと。
(8) 各学校における総合的な学習の時間の名称については,各学校において適切に定めること。
(9) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,総合的な学習の時間の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学校において定める目標及び内容に基づき,児童の学習状況に応じて教師が適切な指導を行うこと。
(2) 問題の解決や探究活動の過程においては,他者と協同して問題を解決しようとする学習活動や,言語により分析し,まとめたり表現したりするなどの学習活動が行われるようにすること。
(3) 自然体験やボランティア活動などの社会体験,ものづくり,生産活動などの体験活動,観察・実験,見学や調査,発表や討論などの学習活動を積極的に取り入れること。
(4) 体験活動については,第1の目標並びに第2の各学校において定める目標及び内容を踏まえ,問題の解決や探究活動の過程に適切に位置付けること。
(5) グループ学習や異年齢集団による学習などの多様な学習形態,地域の人々の協力も得つつ全教師が一体となって指導に当たるなどの指導体制について工夫を行うこと。
(6) 学校図書館の活用,他の学校との連携,公民館,図書館,博物館等の社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携,地域の教材や学習環境の積極的な活用などの工夫を行うこと。
(7) 国際理解に関する学習を行う際には,問題の解決や探究活動に取り組むことを通して,諸外国の生活や文化などを体験したり調査したりするなどの学習活動が行われるようにすること。
(8) 情報に関する学習を行う際には,問題の解決や探究活動に取り組むことを通して,情報を収集・整理・発信したり,情報が日常生活や社会に与える影響を考えたりするなどの学習活動が行われるようにすること。
第6章 特別活動
第1 目標  望ましい集団活動を通して,心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り,集団の一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的,実践的な態度を育てるとともに,自己の生き方についての考えを深め,自己を生かす能力を養う。
第2 各活動・学校行事の目標及び内容
〔学級活動〕 
1 目標  学級活動を通して,望ましい人間関係を形成し,集団の一員として学級や学校におけるよりよい生活づくりに参画し,諸問題を解決しようとする自主的,実践的な態度や健全な生活態度を育てる。
2 内容
〔第1学年及び第2学年〕 学級を単位として,仲良く助け合い学級生活を楽しくするとともに,日常の生活や学習に進んで取り組もうとする態度の育成に資する活動を行うこと。
〔第3学年及び第4学年〕 学級を単位として,協力し合って楽しい学級生活をつくるとともに,日常の生活や学習に意欲的に取り組もうとする態度の育成に資する活動を行うこと。
〔第5学年及び第6学年〕 学級を単位として,信頼し支え合って楽しく豊かな学級や学校の生活をつくるとともに,日常の生活や学習に自主的に取り組もうとする態度の向上に資する活動を行うこと。
〔共通事項〕
(1) 学級や学校の生活づくり
ア 学級や学校における生活上の諸問題の解決
イ 学級内の組織づくりや仕事の分担処理
ウ 学校における多様な集団の生活の向上
(2) 日常の生活や学習への適応及び健康安全
ア 希望や目標をもって生きる態度の形成
イ 基本的な生活習慣の形成
ウ 望ましい人間関係の形成
エ 清掃などの当番活動等の役割と働くことの意義の理解
オ 学校図書館の利用
カ 心身ともに健康で安全な生活態度の形成
キ 食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成
〔児童会活動〕
1 目標 児童会活動を通して,望ましい人間関係を形成し,集団の一員としてよりよい学校生活づくりに参画し,協力して諸問題を解決しようとする自主的,実践的な態度を育てる。
2 内容 学校の全児童をもって組織する児童会において,学校生活の充実と向上を図る活動を行うこと。 
(1) 児童会の計画や運営
(2) 異年齢集団による交流
(3) 学校行事への協力
〔クラブ活動〕
1 目標 クラブ活動を通して,望ましい人間関係を形成し,個性の伸長を図り,集団の一員として協力してよりよいクラブづくりに参画しようとする自主的,実践的な態度を育てる。
2 内容  学年や学級の所属を離れ,主として第4学年以上の同好の児童をもって組織するクラブにおいて,異年齢集団の交流を深め,共通の興味・関心を追求する活動を行うこと。
(1) クラブの計画や運営
(2) クラブを楽しむ活動
(3) クラブの成果の発表
〔学校行事〕
1 目標 学校行事を通して,望ましい人間関係を形成し,集団への所属感や連帯感を深め,公共の精神を養い,協力してよりよい学校生活を築こうとする自主的,実践的な態度を育てる。
2 内容 全校又は学年を単位として,学校生活に秩序と変化を与え,学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこと。
(1) 儀式的行事 学校生活に有意義な変化や折り目を付け,厳粛で清新な気分を味わい,新しい生活の展開への動機付けとなるような活動を行うこと。
(2) 文化的行事  平素の学習活動の成果を発表し,その向上の意欲を一層高めたり,文化や芸術に親しんだりするような活動を行うこと。
(3) 健康安全・体育的行事  心身の健全な発達や健康の保持増進などについての関心を高め,安全な行動や規律ある集団行動の体得,運動に親しむ態度の育成,責任感や連帯感の涵《かん》養,体力の向上などに資するような活動を行うこと。
(4) 遠足・集団宿泊的行事  自然の中での集団宿泊活動などの平素と異なる生活環境にあって,見聞を広め,自然や文化などに親しむとともに,人間関係などの集団生活の在り方や公衆道徳などについての望ましい体験を積むことができるような活動を行うこと。
(5) 勤労生産・奉仕的行事  勤労の尊さや生産の喜びを体得するとともに,ボランティア活動などの社会奉仕の精神を養う体験が得られるような活動を行うこと。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い                  
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。 
(1) 特別活動の全体計画や各活動・学校行事の年間指導計画の作成に当たっては,学校の創意工夫を生かすとともに,学級や学校の実態や児童の発達の段階などを考慮し,児童による自主的,実践的な活動が助長されるようにすること。また,各教科,道徳科,外国語活動及び総合的な学習の時間などの指導と...
(2) 〔学級活動〕などにおいて,児童が自ら現在及び将来の生き方を考えることができるよう工夫すること。
(3) 〔クラブ活動〕については,学校や地域の実態等を考慮しつつ児童の興味・関心を踏まえて計画し実施できるようにすること。
(4) 第1章総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,特別活動の特質に応じて適切な指導をすること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 〔学級活動〕,〔児童会活動〕及び〔クラブ活動〕の指導については,指導内容の特質に応じて,教師の適切な指導の下に,児童の自発的,自治的な活動が効果的に展開されるようにするとともに,内容相互の関連を図るよう工夫すること。また,よりよい生活を築くために集団としての意見をまとめるな...
(2) 〔学級活動〕については,学級,学校及び児童の実態,学級集団の育成上の課題や発達の課題及び第1章総則の第4の3の(2)に示す道徳教育の重点などを踏まえ,各学年段階において取り上げる指導内容の重点化を図るとともに,必要に応じて,内容間の関連や統合を図ったり,他の内容を加えたりす...
(3) 〔児童会活動〕の運営は,主として高学年の児童が行うこと。
(4) 〔学校行事〕については,学校や地域及び児童の実態に応じて,各種類ごとに,行事及びその内容を重点化するとともに,行事間の関連や統合を図るなど精選して実施すること。また,実施に当たっては,異年齢集団による交流,幼児,高齢者,障害のある人々などとの触れ合い,自然体験や社会体験など...
3 入学式や卒業式などにおいては,その意義を踏まえ,国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよう指導するものとする。
Classroom Activities
The Pupils’ Association
Club Activities
School Events
General Provisions
Japanese Language
Social Studies
Arithmetic
Science
Living Environment Studies
Music
Art and Handicraft
Home Economics
Physical Education
Subjects
Moral Education
Foreign Language Activities
the Period for Integrated Studies
Special Activities
Subjects (Common)