Upper Secondary School Curriculum Guideline 2009-03 Notification

https://w3id.org/jp-cos/UpperSecondary/2009/2009

Details

Issued Period
Published from 2008 to 2009
Name of the revision
Upper Secondary School Curriculum Guideline 2009-03 Notification
高等学校学習指導要領 2009年3月 告示
Reference
"Notification No. 34 in 2009 of the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology" (Official Gazette, 2009-03-09, Extra Edition No. 46, pp.4-64)
『平成21年 文部科学省告示第三十四号』(官報. 平成21年3月9日, 号外第46号, pp.4-64)
Fulltext URL
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/1304427.htm
https://erid.nier.go.jp/cer/database/YOURYO/AG00000149
Related links
http://id.ndl.go.jp/jpno/21668163
https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA9174643X
ISBN
9784827814781
Item identifier at the NIER Education Library
091213217
Call number at the NIER Education Library
375.94||1||2009c
Record identifier at the NIER Education Library
BB00507441
Date of Enforcement
2013-04-01
Date of announcement (date of revision)
2009-03-09
Type of School
Upper Secondary School
Dataset
【74V10】Code for Upper Secondary School Course of Guideline published in 2009, version 1.0 (2020-11-30 release)
Type
Course of Study Revision

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Upper Secondary School Curriculum Guideline 2009-03 Notification
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第1章 総則
第1款 教育課程編成の一般方針
1 各学校においては,教育基本法及び学校教育法その他の法令並びにこの章以下に示すところに従い,生徒の人間として調和のとれた育成を目指し,地域や学校の実態,課程や学科の特色,生徒の心身の発達の段階及び特性等を十分考慮して,適切な教育課程を編成するものとし,これらに掲げる目標を達成する...
2 学校における道徳教育は,生徒が自己探求と自己実現に努め国家・社会の一員としての自覚に基づき行為しうる発達の段階にあることを考慮し人間としての在り方生き方に関する教育を学校の教育活動全体を通じて行うことにより,その充実を図るものとし,各教科に属する科目,総合的な学習の時間及び特別...
3 学校における体育・健康に関する指導は,生徒の発達の段階を考慮して,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,学校における食育の推進並びに体力の向上に関する指導,安全に関する指導及び心身の健康の保持増進に関する指導については,保健体育科はもとより,家庭科,特別活動など...
4 学校においては,地域や学校の実態等に応じて,就業やボランティアにかかわる体験的な学習の指導を適切に行うようにし,勤労の尊さや創造することの喜びを体得させ,望ましい勤労観,職業観の育成や社会奉仕の精神の涵《かん》養に資するものとする。
第2款 各教科・科目及び単位数等
1 卒業までに履修させる単位数等  各学校においては,卒業までに履修させる下記2から5までに示す各教科に属する科目及びその単位数,総合的な学習の時間の単位数並びに特別活動及びその授業時数に関する事項を定めるものとする。この場合,各教科に属する科目(以下「各教科・科目」という。)及び...
2 各学科に共通する各教科・科目及び総合的な学習の時間並びに標準単位数  各学校においては,教育課程の編成に当たって,次の表に掲げる各教科・科目及び総合的な学習の時間並びにそれぞれの標準単位数を踏まえ,生徒に履修させる各教科・科目及び総合的な学習の時間並びにそれらの単位数について適...
【摘要】教科等(科目:標準単位数) 国語(国語総合:4,国語表現:3,現代文A:2,現代文B:4,古典A:2,古典B:4) 地理歴史(世界史A:2,世界史B:4,日本史A:2,日本史B:4,地理A:2,地理B:4) 公民(現代社会:2,倫理:2,政治・経済:2) 数学(数学Ⅰ:3,...
3 主として専門学科において開設される各教科・科目  各学校においては,教育課程の編成に当たって,次の表に掲げる主として専門学科(専門教育を主とする学科をいう。以下同じ。)において開設される各教科・科目及び設置者の定めるそれぞれの標準単位数を踏まえ,生徒に履修させる各教科・科目及び...
農業(農業と環境,課題研究,総合実習,農業情報処理,作物,野菜,果樹,草花,畜産,農業経営,農業機械,食品製造,食品化学,微生物利用,植物バイオテクノロジー,動物バイオテクノロジー,農業経済,食品流通,森林科学,森林経営,林産物利用,農業土木設計,農業土木施工,水循環,造園計画,造...
工業(工業技術基礎,課題研究,実習,製図,工業数理基礎,情報技術基礎,材料技術基礎,生産システム技術,工業技術英語,工業管理技術,環境工学基礎,機械工作,機械設計,原動機,電子機械,電子機械応用,自動車工学,自動車整備,電気基礎,電気機器,電力技術,電子技術,電子回路,電子計測制御...
商業(ビジネス基礎,課題研究,総合実践,ビジネス実務,マーケティング,商品開発,広告販売促進,ビジネス経済,ビジネス経済応用,経済活動と法,簿記,財務会計Ⅰ,財務会計Ⅱ,原価計算,管理会計,情報処理,ビジネス情報,電子商取引,プログラミング,ビジネス情報管理)
水産(水産海洋基礎,課題研究,総合実習,海洋情報技術,水産海洋科学,漁業,航海・計器,船舶運用,船用機関,機械設計工作,電気理論,移動体通信工学,海洋通信技術,資源増殖,海洋生物,海洋環境,小型船舶,食品製造,食品管理,水産流通,ダイビング,マリンスポーツ)
家庭(生活産業基礎,課題研究,生活産業情報,消費生活,子どもの発達と保育,子ども文化,生活と福祉,リビングデザイン,服飾文化,ファッション造形基礎,ファッション造形,ファッションデザイン,服飾手芸,フードデザイン,食文化,調理,栄養,食品,食品衛生,公衆衛生)
看護(基礎看護,人体と看護,疾病と看護,生活と看護,成人看護,老年看護,精神看護,在宅看護,母性看護,小児看護,看護の統合と実践,看護臨地実習,看護情報活用)
情報(情報産業と社会,課題研究,情報の表現と管理,情報と問題解決,情報テクノロジー,アルゴリズムとプログラム,ネットワークシステム,データベース,情報システム実習,情報メディア,情報デザイン,表現メディアの編集と表現,情報コンテンツ実習)
福祉(社会福祉基礎,介護福祉基礎,コミュニケーション技術,生活支援技術,介護過程,介護総合演習,介護実習,こころとからだの理解,福祉情報活用)
理数(理数数学Ⅰ,理数数学Ⅱ,理数数学特論,理数物理,理数化学,理数生物,理数地学,課題研究)
体育(スポーツ概論,スポーツⅠ,スポーツⅡ,スポーツⅢ,スポーツⅣ,スポーツⅤ,スポーツⅥ,スポーツ総合演習)
音楽(音楽理論,音楽史,演奏研究,ソルフェージュ,声楽,器楽,作曲,鑑賞研究)
美術(美術概論,美術史,素描,構成,絵画,版画,彫刻,ビジュアルデザイン,クラフトデザイン,情報メディアデザイン,映像表現,環境造形,鑑賞研究)
英語(総合英語,英語理解,英語表現,異文化理解,時事英語)
4 学校設定科目  学校においては,地域,学校及び生徒の実態,学科の特色等に応じ,特色ある教育課程の編成に資するよう,上記2及び3の表に掲げる教科について,これらに属する科目以外の科目(以下「学校設定科目」という。)を設けることができる。この場合において,学校設定科目の名称,目標,...
5 学校設定教科
(1) 学校においては,地域,学校及び生徒の実態,学科の特色等に応じ,特色ある教育課程の編成に資するよう,上記2及び3の表に掲げる教科以外の教科(以下「学校設定教科」という。)及び当該教科に関する科目を設けることができる。この場合において,学校設定教科及び当該教科に関する科目の名称...
(2) 学校においては,学校設定教科に関する科目として「産業社会と人間」を設けることができる。この科目の目標,内容,単位数等を各学校において定めるに当たっては,産業社会における自己の在り方生き方について考えさせ,社会に積極的に寄与し,生涯にわたって学習に取り組む意欲や態度を養うとと...
ア 社会生活や職業生活に必要な基本的な能力や態度及び望ましい勤労観,職業観の育成
イ 我が国の産業の発展とそれがもたらした社会の変化についての考察
ウ 自己の将来の生き方や進路についての考察及び各教科・科目の履修計画の作成
第3款 各教科・科目の履修等
1 各学科に共通する必履修教科・科目及び総合的な学習の時間
(1) すべての生徒に履修させる各教科・科目(以下「必履修教科・科目」という。)は次のとおりとし,その単位数は,第2款の2に標準単位数として示された単位数を下らないものとする。ただし,生徒の実態及び専門学科の特色等を考慮し,特に必要がある場合には,「国語総合」については3単位又は2...
ア 国語のうち「国語総合」
イ 地理歴史のうち「世界史A」及び「世界史B」のうちから1科目並びに「日本史A」,「日本史B」,「地理A」及び「地理B」のうちから1科目
ウ 公民のうち「現代社会」又は「倫理」・「政治・経済」
エ 数学のうち「数学Ⅰ」
オ 理科のうち「科学と人間生活」,「物理基礎」,「化学基礎」,「生物基礎」及び「地学基礎」のうちから2科目(うち1科目は「科学と人間生活」とする。)又は「物理基礎」,「化学基礎」,「生物基礎」及び「地学基礎」のうちから3科目
カ 保健体育のうち「体育」及び「保健」
キ 芸術のうち「音楽Ⅰ」,「美術Ⅰ」,「工芸Ⅰ」及び「書道Ⅰ」のうちから1科目
ク 外国語のうち「コミュニケーション英語Ⅰ」(英語以外の外国語を履修する場合は,学校設定科目として設ける1科目とし,その標準単位数は3単位とする。)
ケ 家庭のうち「家庭基礎」,「家庭総合」及び「生活デザイン」のうちから1科目
コ 情報のうち「社会と情報」及び「情報の科学」のうちから1科目
(2) 総合的な学習の時間については,すべての生徒に履修させるものとし,その単位数は,第2款の2に標準単位数として示された単位数の下限を下らないものとする。ただし,特に必要がある場合には,その単位数を2単位とすることができる。
2 専門学科における各教科・科目の履修  専門学科における各教科・科目の履修については,上記1のほか次のとおりとする。
(1) 専門学科においては,専門教科・科目(第2款の3の表に掲げる各教科・科目,同表の教科に属する学校設定科目及び専門教育に関する学校設定教科に関する科目をいう。以下同じ。)について,すべての生徒に履修させる単位数は,25単位を下らないこと。ただし,商業に関する学科においては,上記...
(2) 専門教科・科目の履修によって,上記1の必履修教科・科目の履修と同様の成果が期待できる場合においては,その専門教科・科目の履修をもって,必履修教科・科目の履修の一部又は全部に替えることができること。
(3) 職業教育を主とする専門学科においては,総合的な学習の時間の履修により,農業,工業,商業,水産,家庭若しくは情報の各教科に属する「課題研究」,「看護臨地実習」又は「介護総合演習」(以下この項において「課題研究等」という。)の履修と同様の成果が期待できる場合においては,総合的な...
3 総合学科における各教科・科目の履修等  総合学科における各教科・科目の履修等については,上記1のほか次のとおりとする。
(1) 総合学科においては,第2款の5の(2)に掲げる「産業社会と人間」をすべての生徒に原則として入学年次に履修させるものとし,標準単位数は2~4単位とすること。
(2) 総合学科においては,学年による教育課程の区分を設けない課程(以下「単位制による課程」という。)とすることを原則とするとともに,「産業社会と人間」及び専門教科・科目を合わせて25単位以上設け,生徒が多様な各教科・科目から主体的に選択履修できるようにすること。その際,生徒が選択...
第4款 各教科・科目,総合的な学習の時間及び特別活動の授業時数等
1 全日制の課程における各教科・科目及びホームルーム活動の授業は,年間35週行うことを標準とし,必要がある場合には,各教科・科目の授業を特定の学期又は特定の期間(夏季,冬季,学年末等の休業日の期間に授業日を設定する場合を含む。)に行うことができる。
2 全日制の課程における週当たりの授業時数は,30単位時間を標準とする。ただし,必要がある場合には,これを増加することができる。
3 定時制の課程における授業日数の季節的配分又は週若しくは1日当たりの授業時数については,生徒の勤労状況と地域の諸事情等を考慮して,適切に定めるものとする。
4 ホームルーム活動の授業時数については,原則として,年間35単位時間以上とするものとする。
5 生徒会活動及び学校行事については,学校の実態に応じて,それぞれ適切な授業時数を充てるものとする。
6 定時制の課程において,特別の事情がある場合には,ホームルーム活動の授業時数の一部を減じ,又はホームルーム活動及び生徒会活動の内容の一部を行わないものとすることができる。
7 各教科・科目,総合的な学習の時間及び特別活動(以下「各教科・科目等」という。)のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教科・科目等の授業時数を確保しつつ,生徒の実態及び各教科・科目等の特質を考慮して適切に定めるものとする。なお,10分間程度の短い時間を単位として特定の...
8 総合的な学習の時間における学習活動により,特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては,総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる。
第5款 教育課程の編成・実施に当たって配慮すべき事項
1 選択履修の趣旨を生かした適切な教育課程編成  教育課程の編成に当たっては,生徒の特性,進路等に応じた適切な各教科・科目の履修ができるようにし,このため,多様な各教科・科目を設け生徒が自由に選択履修することのできるよう配慮するものとする。また,教育課程の類型を設け,そのいずれかの...
2 各教科・科目等の内容等の取扱い
(1) 学校においては,第2章以下に示していない事項を加えて指導することができる。また,第2章以下に示す内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,当該科目を履修するすべての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において必要がある場合には,こ...
(2) 第2章以下に示す各教科・科目及び特別活動の内容に掲げる事項の順序は,特に示す場合を除き,指導の順序を示すものではないので,学校においては,その取扱いについて適切な工夫を加えるものとする。
(3) 学校においては,あらかじめ計画して,各教科・科目の内容及び総合的な学習の時間における学習活動を学期の区分に応じて単位ごとに分割して指導することができる。
(4) 学校においては,特に必要がある場合には,第2章及び第3章に示す教科及び科目の目標の趣旨を損なわない範囲内で,各教科・科目の内容に関する事項について,基礎的・基本的な事項に重点を置くなどその内容を適切に選択して指導することができる。
3 指導計画の作成に当たって配慮すべき事項  各学校においては,次の事項に配慮しながら,学校の創意工夫を生かし,全体として,調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。
(1) 各教科・科目等について相互の関連を図り,発展的,系統的な指導ができるようにすること。
(2) 各教科・科目の指導内容については,各事項のまとめ方及び重点の置き方に適切な工夫を加えて,効果的な指導ができるようにすること。
(3) 学校や生徒の実態等に応じ,必要がある場合には,例えば次のような工夫を行い,義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るようにすること。
ア 各教科・科目の指導に当たり,義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るための学習機会を設けること。
イ 義務教育段階での学習内容の確実な定着を図りながら,必履修教科・科目の内容を十分に習得させることができるよう,その単位数を標準単位数の標準の限度を超えて増加して配当すること。
ウ 義務教育段階での学習内容の確実な定着を図ることを目標とした学校設定科目等を履修させた後に,必履修教科・科目を履修させるようにすること。
(4) 全教師が協力して道徳教育を展開するため,第1款の2に示す道徳教育の目標を踏まえ,指導の方針や重点を明確にして,学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育について,その全体計画を作成すること。
4 職業教育に関して配慮すべき事項
(1) 普通科においては,地域や学校の実態,生徒の特性,進路等を考慮し,必要に応じて,適切な職業に関する各教科・科目の履修の機会の確保について配慮するものとする。
(2) 職業教育を主とする専門学科においては,次の事項に配慮するものとする。
ア 職業に関する各教科・科目については,実験・実習に配当する授業時数を十分確保するようにすること。
イ 生徒の実態を考慮し,職業に関する各教科・科目の履修を容易にするため特別な配慮が必要な場合には,各分野における基礎的又は中核的な科目を重点的に選択し,その内容については基礎的・基本的な事項が確実に身に付くように取り扱い,また,主として実験・実習によって指導するなどの工夫をこらすよ...
(3) 学校においては,キャリア教育を推進するために,地域や学校の実態,生徒の特性,進路等を考慮し,地域や産業界等との連携を図り,産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験の機会を積極的に設けるとともに,地域や産業界等の人々の協力を積極的に得るよう配慮するものとする。...
(4) 職業に関する各教科・科目については,次の事項に配慮するものとする。
ア 職業に関する各教科・科目については,就業体験をもって実習に替えることができること。この場合,就業体験は,その各教科・科目の内容に直接関係があり,かつ,その一部としてあらかじめ計画されるものであることを要すること。
イ 農業,水産及び家庭に関する各教科・科目の指導に当たっては,ホームプロジェクト並びに学校家庭クラブ及び学校農業クラブなどの活動を活用して,学習の効果を上げるよう留意すること。この場合,ホームプロジェクトについては,その各教科・科目の授業時数の10分の2以内をこれに充てることができ...
ウ 定時制及び通信制の課程において,職業に関する各教科・科目を履修する生徒が,現にその各教科・科目と密接な関係を有する職業(家事を含む。)に従事している場合で,その職業における実務等が,その各教科・科目の一部を履修した場合と同様の成果があると認められるときは,その実務等をもってその...
5 教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項  以上のほか,次の事項について配慮するものとする。
(1) 各教科・科目等の指導に当たっては,生徒の思考力,判断力,表現力等をはぐくむ観点から,基礎的・基本的な知識及び技能の活用を図る学習活動を重視するとともに,言語に対する関心や理解を深め,言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語環境を整え,生徒の言語活動を充実すること。
(2) 学校の教育活動全体を通じて,個々の生徒の特性等の的確な把握に努め,その伸長を図ること。また,生徒が適切な各教科・科目や類型を選択し学校やホームルームでの生活によりよく適応するとともに,現在及び将来の生き方を考え行動する態度や能力を育成することができるよう,ガイダンスの機能の...
(3) 教師と生徒の信頼関係及び生徒相互の好ましい人間関係を育てるとともに生徒理解を深め,生徒が主体的に判断,行動し積極的に自己を生かしていくことができるよう,生徒指導の充実を図ること。
(4) 生徒が自己の在り方生き方を考え,主体的に進路を選択することができるよう,学校の教育活動全体を通じ,計画的,組織的な進路指導を行い,キャリア教育を推進すること。
(5) 各教科・科目等の指導に当たっては,生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れるようにすること。
(6) 各教科・科目等の指導に当たっては,教師間の連携協力を密にするなど指導体制を確立するとともに,学校や生徒の実態に応じ,個別指導やグループ別指導,繰り返し指導,教師間の協力的な指導,生徒の学習内容の習熟の程度等に応じた弾力的な学級の編成など指導方法や指導体制を工夫改善し,個に応...
(7) 学習の遅れがちな生徒などについては,各教科・科目等の選択,その内容の取扱いなどについて必要な配慮を行い,生徒の実態に応じ,例えば義務教育段階の学習内容の確実な定着を図るための指導を適宜取り入れるなど,指導内容や指導方法を工夫すること。
(8) 障害のある生徒などについては,各教科・科目等の選択,その内容の取扱いなどについて必要な配慮を行うとともに,特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ,例えば指導についての計画又は家庭や医療,福祉,労働等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどによ...
(9) 海外から帰国した生徒などについては,学校生活への適応を図るとともに,外国における生活経験を生かすなど適切な指導を行うこと。
(10) 各教科・科目等の指導に当たっては,生徒が情報モラルを身に付け,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を適切かつ実践的,主体的に活用できるようにするための学習活動を充実するとともに,これらの情報手段に加え視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。...
(11) 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,生徒の主体的,意欲的な学習活動や読書活動を充実すること。
(12) 生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価するとともに,指導の過程や成果を評価し,指導の改善を行い学習意欲の向上に生かすようにすること。
(13) 生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツや文化及び科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵《かん》養等に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際,地域や学校の実態に応じ,地域の人々の協...
(14) 学校がその目的を達成するため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,高等学校間や中学校,特別支援学校及び大学などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒などとの交流及び共同学習や高齢者などとの交...
第6款 単位の修得及び卒業の認定
1 各教科・科目及び総合的な学習の時間の単位の修得の認定
(1) 学校においては,生徒が学校の定める指導計画に従って各教科・科目を履修し,その成果が教科及び科目の目標からみて満足できると認められる場合には,その各教科・科目について履修した単位を修得したことを認定しなければならない。
(2) 学校においては,生徒が学校の定める指導計画に従って総合的な学習の時間を履修し,その成果が第4章に定める目標からみて満足できると認められる場合には,総合的な学習の時間について履修した単位を修得したことを認定しなければならない。
(3) 学校においては,生徒が1科目又は総合的な学習の時間を2以上の年次にわたって分割履修したときは,各年次ごとにその各教科・科目又は総合的な学習の時間について履修した単位を修得したことを認定することを原則とする。また,単位の修得の認定を学期の区分ごとに行うことができる。
2 卒業までに修得させる単位数  学校においては,卒業までに修得させる単位数を定め,校長は,当該単位数を修得した者で,特別活動の成果がその目標からみて満足できると認められるものについて,高等学校の全課程の修了を認定するものとする。この場合,卒業までに修得させる単位数は,74単位以上...
3 各学年の課程の修了の認定  学校においては,各学年の課程の修了の認定については,単位制が併用されていることを踏まえ,弾力的に行うよう配慮するものとする。
第7款 通信制の課程における教育課程の特例  通信制の課程における教育課程については,第1款から第6款まで(第4款,第5款の1並びに第5款の4の(4)のア及びイを除く。)に定めるところによるほか,次に定めるところによる。
1 各教科・科目の添削指導の回数及び面接指導の単位時間(1単位時間は,50分として計算するものとする。以下同じ。)数の標準は,1単位につき次の表のとおりとするほか,学校設定教科に関する科目のうち専門教科・科目以外のものについては,各学校が定めるものとする。
国語,地理歴史,公民及び数学に属する科目(添削指導3回,面接指導1(単位時間)) 理科に属する科目(添削指導3回,面接指導4(単位時間)) 保健体育に属する科目のうち「体育」(添削指導1回,面接指導5(単位時間)) 保健体育に属する科目のうち「保健」(添削指導3回,面接指導1(単位...
2 総合的な学習の時間の添削指導の回数及び面接指導の単位時間数については,各学校において,学習活動に応じ適切に定めるものとする。
3 面接指導の授業の1単位時間は,各学校において,各教科・科目の面接指導の単位時間数を確保しつつ,生徒の実態及び各教科・科目等の特質を考慮して適切に定めるものとする。
4 学校が,その指導計画に,各教科・科目又は特別活動について計画的かつ継続的に行われるラジオ放送,テレビ放送その他の多様なメディアを利用して行う学習を取り入れた場合で,生徒がこれらの方法により学習し,報告課題の作成等により,その成果が満足できると認められるときは,その生徒について,...
5 特別活動については,ホームルーム活動を含めて,各々の生徒の卒業までに30単位時間以上指導するものとする。なお,特別の事情がある場合には,ホームルーム活動及び生徒会活動の内容の一部を行わないものとすることができる。
第2章 各学科に共通する各教科
第1節 国語
第1款 目標  国語を適切に表現し的確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力を伸ばし,心情を豊かにし,言語感覚を磨き,言語文化に対する関心を深め,国語を尊重してその向上を図る態度を育てる。
第2款 各 科 目
第1 国語総合
1 目標  国語を適切に表現し的確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力を伸ばし,心情を豊かにし,言語感覚を磨き,言語文化に対する関心を深め,国語を尊重してその向上を図る態度を育てる。
2 内容
A 話すこと・聞くこと
(1) 次の事項について指導する。
ア 話題について様々な角度から検討して自分の考えをもち,根拠を明確にするなど論理の構成や展開を工夫して意見を述べること。
イ 目的や場に応じて,効果的に話したり的確に聞き取ったりすること。
ウ 課題を解決したり考えを深めたりするために,相手の立場や考えを尊重し,表現の仕方や進行の仕方などを工夫して話し合うこと。
エ 話したり聞いたり話し合ったりしたことの内容や表現の仕方について自己評価や相互評価を行い,自分の話し方や言葉遣いに役立てるとともに,ものの見方,感じ方,考え方を豊かにすること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 状況に応じた話題を選んでスピーチしたり,資料に基づいて説明したりすること。
イ 調査したことなどをまとめて報告や発表をしたり,内容や表現の仕方を吟味しながらそれらを聞いたりすること。
ウ 反論を想定して発言したり疑問点を質問したりしながら,課題に応じた話合いや討論などを行うこと。
B 書くこと
(1) 次の事項について指導する。
ア 相手や目的に応じて題材を選び,文章の形態や文体,語句などを工夫して書くこと。
イ 論理の構成や展開を工夫し,論拠に基づいて自分の考えを文章にまとめること。
ウ 対象を的確に説明したり描写したりするなど,適切な表現の仕方を考えて書くこと。
エ 優れた表現に接してその条件を考えたり,書いた文章について自己評価や相互評価を行ったりして,自分の表現に役立てるとともに,ものの見方,感じ方,考え方を豊かにすること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 情景や心情の描写を取り入れて,詩歌をつくったり随筆などを書いたりすること。
イ 出典を明示して文章や図表などを引用し,説明や意見などを書くこと。
ウ 相手や目的に応じた語句を用い,手紙や通知などを書くこと。
C 読むこと
(1) 次の事項について指導する。
ア 文章の内容や形態に応じた表現の特色に注意して読むこと。
イ 文章の内容を叙述に即して的確に読み取ったり,必要に応じて要約や詳述をしたりすること。
ウ 文章に描かれた人物,情景,心情などを表現に即して読み味わうこと。
エ 文章の構成や展開を確かめ,内容や表現の仕方について評価したり,書き手の意図をとらえたりすること。
オ 幅広く本や文章を読み,情報を得て用いたり,ものの見方,感じ方,考え方を豊かにしたりすること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 文章を読んで脚本にしたり,古典を現代の物語に書き換えたりすること。
イ 文字,音声,画像などのメディアによって表現された情報を,課題に応じて読み取り,取捨選択してまとめること。
ウ 現代の社会生活で必要とされている実用的な文章を読んで内容を理解し,自分の考えをもって話し合うこと。
エ 様々な文章を読み比べ,内容や表現の仕方について,感想を述べたり批評する文章を書いたりすること。
〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕
(1) 「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」の指導を通して,次の事項について指導する。
ア 伝統的な言語文化に関する事項
(ア) 言語文化の特質や我が国の文化と外国の文化との関係について気付き,伝統的な言語文化への興味・関心を広げること。
(イ) 文語のきまり,訓読のきまりなどを理解すること。
イ 言葉の特徴やきまりに関する事項
(ア) 国語における言葉の成り立ち,表現の特色及び言語の役割などを理解すること。
(イ) 文や文章の組立て,語句の意味,用法及び表記の仕方などを理解し,語彙《い》を豊かにすること。
ウ 漢字に関する事項
(ア) 常用漢字の読みに慣れ,主な常用漢字が書けるようになること。
3 内容の取扱い
(1) 総合的な言語能力を養うため,内容のA,B,C及び〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕について相互に密接な関連を図り,効果的に指導するようにする。
(2) 内容のAに関する指導については,次の事項に配慮するものとする。
ア 話すこと・聞くことを主とする指導には15~25単位時間程度を配当するものとし,計画的に指導すること。
イ 口語のきまり,言葉遣い,敬語の用法などについて,必要に応じて扱うこと。
(3) 内容のBに関する指導については,次の事項に配慮するものとする。
ア 書くことを主とする指導には30~40単位時間程度を配当するものとし,計画的に指導すること。
(4) 内容のCに関する指導については,次の事項に配慮するものとする。
ア 古典を教材とした授業時数と近代以降の文章を教材とした授業時数との割合は,おおむね同等とすることを目安として,生徒の実態に応じて適切に定めること。なお,古典における古文と漢文との割合は,一方に偏らないようにすること。
イ 文章を読み深めるため,音読,朗読,暗唱などを取り入れること。
ウ 自分の読書生活を振り返り,読書の幅を広げ,読書の習慣を養うこと。
(5) 内容の〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕については,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校の指導の上に立って,内容のA,B及びCの指導の中で深めること。
イ (1)のアの(イ)については,読むことの指導に即して行うこと。
(6) 教材については,次の事項に留意するものとする。
ア 教材は,話すこと・聞くことの能力,書くことの能力,読むことの能力などを偏りなく養うことや読書に親しむ態度の育成をねらいとし,生徒の発達の段階に即して適切な話題や題材を精選して調和的に取り上げること。また,内容のA,B及びCのそれぞれの(2)に掲げる言語活動が十分行われるよう教材...
イ 古典の教材については,表記を工夫し,注釈,傍注,解説,現代語訳などを適切に用い,特に漢文については訓点を付け,必要に応じて書き下し文を用いるなど理解しやすいようにすること。また,古典に関連する近代以降の文章を含めること。
ウ 教材は,次のような観点に配慮して取り上げること。
(ア) 言語文化に対する関心や理解を深め,国語を尊重する態度を育てるのに役立つこと。
(イ) 日常の言葉遣いなど言語生活に関心をもち,伝え合う力を高めるのに役立つこと。
(ウ) 思考力や想像力を伸ばし,心情を豊かにし,言語感覚を磨くのに役立つこと。
(エ) 情報を活用して,公正かつ適切に判断する能力や創造的精神を養うのに役立つこと。
(オ) 科学的,論理的な見方や考え方を養い,視野を広げるのに役立つこと。
(カ) 生活や人生について考えを深め,人間性を豊かにし,たくましく生きる意志を培うのに役立つこと。
(キ) 人間,社会,自然などに広く目を向け,考えを深めるのに役立つこと。
(ク) 我が国の伝統と文化に対する関心や理解を深め,それらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。
(ケ) 広い視野から国際理解を深め,日本人としての自覚をもち,国際協調の精神を高めるのに役立つこと。
第2 国語表現
1 目標  国語で適切かつ効果的に表現する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力を伸ばし,言語感覚を磨き,進んで表現することによって国語の向上や社会生活の充実を図る態度を育てる。
2 内容
(1) 次の事項について指導する。
ア 話題や題材に応じて情報を収集し,分析して,自分の考えをまとめたり深めたりすること。
イ 相手の立場や異なる考えを尊重して課題を解決するために,論拠の妥当性を判断しながら話し合うこと。
ウ 主張や感動などが効果的に伝わるように,論理の構成や描写の仕方などを工夫して書くこと。
エ 目的や場に応じて,言葉遣いや文体など表現を工夫して効果的に話したり書いたりすること。
オ 様々な表現についてその効果を吟味したり,書いた文章を互いに読み合って批評したりして,自分の表現や推敲《こう》に役立てるとともに,ものの見方,感じ方,考え方を豊かにすること。
カ 国語における言葉の成り立ち,表現の特色及び言語の役割などについて理解を深めること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 様々な考え方ができる事柄について,幅広い情報を基に自分の考えをまとめ,発表したり討論したりすること。
イ 詩歌をつくったり小説などを書いたり,鑑賞したことをまとめたりすること。
ウ 関心をもった事柄について調査したことを整理して,解説や論文などにまとめること。
エ 相手や目的に応じて,紹介,連絡,依頼などのための話をしたり文章を書いたりすること。
オ 話題や題材などについて調べてまとめたことや考えたことを伝えるための資料を,図表や画像なども用いて編集すること。
3 内容の取扱い
(1) 生徒の実態等に応じて,話すこと・聞くこと又は書くことのいずれかに重点を置いて指導することができる。
(2) 内容の(1)のエについては,発声や発音の仕方,話す速度,文章の形式なども必要に応じて扱うようにする。
(3) 内容の(1)のカについては,文や文章,語句,語彙《い》及び文語の表現法なども必要に応じて関連的に扱うようにする。また,現代社会における言語生活の在り方について考えさせるようにする。
(4) 教材は,思考力や想像力を伸ばす学習活動に役立つもの,情報を活用して表現する学習活動に役立つもの,歴史的,国際的な視野から現代の国語を考える学習活動に役立つものを取り上げるようにする。
第3 現代文A
1 目標  近代以降の様々な文章を読むことによって,我が国の言語文化に対する理解を深め,生涯にわたって読書に親しみ,国語の向上や社会生活の充実を図る態度を育てる。
2 内容
(1) 次の事項について指導する。
ア 文章に表れたものの見方,感じ方,考え方を読み取り,人間,社会,自然などについて考察すること。
イ 文章特有の表現を味わったり,語句の用いられ方について理解を深めたりすること。
ウ 文章を読んで,言語文化の特質や我が国の文化と外国の文化との関係について理解すること。
エ 近代以降の言語文化についての課題を設定し,様々な資料を読んで探究して,言語文化について理解を深めること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 文章の調子などを味わいながら音読や朗読をしたり,印象に残った内容や場面について文章中の表現を根拠にして説明したりすること。
イ 外国の文化との関係なども視野に入れて,文章の内容や表現の特色を調べ,発表したり論文にまとめたりすること。
ウ 図書館を利用して同じ作者や同じテーマの文章を読み比べ,それについて話し合ったり批評したりすること。
3 内容の取扱い
(1) 文章を読む楽しさを味わったり,近代以降の言語文化に触れることの意義を理解したりすることを重視し,読書への関心を高め,読書の習慣を付けるようにする。
(2) 教材については,次の事項に留意するものとする。
ア 教材は,特定の文章や作品,文種や形態などについて,まとまりのあるものを中心として適切に取り上げること。
イ 教材は,近代以降の様々な種類の文章とすること。また,必要に応じて実用的な文章,翻訳の文章,近代以降の文語文及び演劇や映画の作品などを用いることができること。
第4 現代文B
1 目標  近代以降の様々な文章を的確に理解し,適切に表現する能力を高めるとともに,ものの見方,感じ方,考え方を深め,進んで読書することによって,国語の向上を図り人生を豊かにする態度を育てる。
2 内容
(1) 次の事項について指導する。
ア 文章を読んで,構成,展開,要旨などを的確にとらえ,その論理性を評価すること。
イ 文章を読んで,書き手の意図や,人物,情景,心情の描写などを的確にとらえ,表現を味わうこと。
ウ 文章を読んで批評することを通して,人間,社会,自然などについて自分の考えを深めたり発展させたりすること。
エ 目的や課題に応じて,収集した様々な情報を分析,整理して資料を作成し,自分の考えを効果的に表現すること。
オ 語句の意味,用法を的確に理解し,語彙《い》を豊かにするとともに,文体や修辞などの表現上の特色をとらえ,自分の表現や推敲《こう》に役立てること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 文学的な文章を読んで,人物の生き方やその表現の仕方などについて話し合うこと。
イ 論理的な文章を読んで,書き手の考えやその展開の仕方などについて意見を書くこと。
ウ 伝えたい情報を表現するためのメディアとしての文字,音声,画像などの特色をとらえて,目的に応じた表現の仕方を考えたり創作的な活動を行ったりすること。
エ 文章を読んで関心をもった事柄などについて課題を設定し,様々な資料を調べ,その成果をまとめて発表したり報告書や論文集などに編集したりすること。
3 内容の取扱い
(1) 総合的な言語能力を養うため,話すこと・聞くこと,書くこと及び読むことについて相互に密接な関連を図り,効果的に指導するようにする。
(2) 生徒の読書意欲を喚起し,読書の幅を一層広げ,文字・活字文化に対する理解が深まるようにする。
(3) 近代以降の文章や文学の変遷について,必要に応じて扱うようにする。
(4) 教材は,近代以降の様々な種類の文章とする。その際,現代の社会生活で必要とされている実用的な文章を含めるものとする。また,必要に応じて翻訳の文章や近代以降の文語文などを用いることができる。
第5 古典A
1 目標  古典としての古文と漢文,古典に関連する文章を読むことによって,我が国の伝統と文化に対する理解を深め,生涯にわたって古典に親しむ態度を育てる。
2 内容
(1) 次の事項について指導する。
ア 古典などに表れた思想や感情を読み取り,人間,社会,自然などについて考察すること。
イ 古典特有の表現を味わったり,古典の言葉と現代の言葉とのつながりについて理解したりすること。
ウ 古典などを読んで,言語文化の特質や我が国の文化と中国の文化との関係について理解すること。
エ 伝統的な言語文化についての課題を設定し,様々な資料を読んで探究して,我が国の伝統と文化について理解を深めること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 古文や漢文の調子などを味わいながら音読,朗読,暗唱をすること。
イ 日常の言語生活の中から我が国の伝統と文化に関連する表現を集め,その意味や特色,由来などについて調べたことを報告すること。
ウ 図書館を利用して古典などを読み比べ,そこに描かれた人物,情景,心情などについて,感じたことや考えたことを文章にまとめたり話し合ったりすること。
3 内容の取扱い
(1) 古文と漢文の両方又はいずれか一方を取り上げることができる。
(2) 古典を読む楽しさを味わったり,伝統的な言語文化に触れることの意義を理解したりすることを重視し,古典などへの関心を高めるようにする。
(3) 教材については,次の事項に留意するものとする。
ア 教材は,特定の文章や作品,文種や形態などについて,まとまりのあるものを中心として適切に取り上げること。
イ 教材には,古典に関連する近代以降の文章を含めること。また,必要に応じて日本漢文,近代以降の文語文や漢詩文などを用いることができること。
ウ 教材は,次のような観点に配慮して取り上げること。
(ア) 古典を進んで学習する意欲や態度を養うのに役立つこと。
(イ) 人間,社会,自然などに対する様々な時代の人々のものの見方,感じ方,考え方について理解を深めるのに役立つこと。
(ウ) 様々な時代の人々の生き方や自分の生き方について考えたり,我が国の伝統と文化について理解を深めたりするのに役立つこと。
(エ) 古典を読むのに必要な知識を身に付けるのに役立つこと。
(オ) 現代の国語について考えたり,言語感覚を豊かにしたりするのに役立つこと。
(カ) 中国など外国の文化との関係について理解を深めるのに役立つこと。
第6 古典B
1 目標  古典としての古文と漢文を読む能力を養うとともに,ものの見方,感じ方,考え方を広くし,古典についての理解や関心を深めることによって人生を豊かにする態度を育てる。
2 内容
(1) 次の事項について指導する。
ア 古典に用いられている語句の意味,用法及び文の構造を理解すること。
イ 古典を読んで,内容を構成や展開に即して的確にとらえること。
ウ 古典を読んで,人間,社会,自然などに対する思想や感情を的確にとらえ,ものの見方,感じ方,考え方を豊かにすること。
エ 古典の内容や表現の特色を理解して読み味わい,作品の価値について考察すること。
オ 古典を読んで,我が国の文化の特質や我が国の文化と中国の文化との関係について理解を深めること。
(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 辞書などを用いて古典の言葉と現代の言葉とを比較し,その変遷などについて分かったことを報告すること。
イ 同じ題材を取り上げた文章や同じ時代の文章などを読み比べ,共通点や相違点などについて説明すること。
ウ 古典に表れた人間の生き方や考え方などについて,文章中の表現を根拠にして話し合うこと。
エ 古典を読んで関心をもった事柄などについて課題を設定し,様々な資料を調べ,その成果を発表したり文章にまとめたりすること。
3 内容の取扱い
(1) 古文及び漢文の両方を取り上げるものとし,一方に偏らないようにする。
(2) 古典を読み深めるため,音読,朗読,暗唱などを取り入れるようにする。
(3) 文語文法の指導は読むことの学習に即して行い,必要に応じてある程度まとまった学習もできるようにする。
(4) 教材については,次の事項に留意するものとする。
ア 教材は,言語文化の変遷について理解を深める学習に資するよう,文種や形態,長短や難易などに配慮して適当な部分を取り上げること。
イ 教材には,日本漢文を含めること。また,必要に応じて近代以降の文語文や漢詩文,古典についての評論文などを用いることができること。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,「国語表現」,「現代文A」,「現代文B」,「古典A」及び「古典B」の各科目については,原則として,「国語総合」を履修した後に履修させるものとする。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 教材については,各科目の3の内容の取扱いに示す事項のほか,「国語表現」及び「現代文A」は「国語総合」の3の(6)のウに示す事項について,「現代文B」は「国語総合」の3の(6)のア及びウに示す事項について,「古典A」及び「古典B」は「国語総合」の3の(6)のイに示す事項につい...
(2) 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図ることなどを通して,読書意欲を喚起し幅広く読書する態度を育成するとともに,情報を適切に用いて,思考し,表現する能力を高めるようにすること。
(3) 音声言語や画像による教材,コンピュータや情報通信ネットワークなども適切に活用し,学習の効果を高めるようにすること。
第2節 地 理 歴 史
第1款 目標  我が国及び世界の形成の歴史的過程と生活・文化の地域的特色についての理解と認識を深め,国際社会に主体的に生き平和で民主的な国家・社会を形成する日本国民として必要な自覚と資質を養う。
第2款 各 科 目
第1 世界史A
1 目標  近現代史を中心とする世界の歴史を諸資料に基づき地理的条件や日本の歴史と関連付けながら理解させ,現代の諸課題を歴史的観点から考察させることによって,歴史的思考力を培い,国際社会に主体的に生きる日本国民としての自覚と資質を養う。
2 内容
(1) 世界史へのいざない  自然環境と歴史,日本の歴史と世界の歴史のつながりにかかわる適切な主題を設定し考察する活動を通して,世界史学習の基本的技能に触れさせるとともに,地理と歴史への関心を高め,世界史学習の意義に気付かせる。
ア 自然環境と歴史  歴史の舞台としての自然環境について,河川,海洋,草原,オアシス,森林などから適切な事例を取り上げ,地図や写真などを読み取る活動を通して,自然環境と人類の活動が相互に作用し合っていることに気付かせる。
イ 日本列島の中の世界の歴史  日本列島の中に見られる世界との関係や交流について,人,もの,技術,文化,宗教,生活などから適切な事例を取り上げ,年表や地図などに表す活動を通して,日本の歴史が世界の歴史とつながっていることに気付かせる。
(2) 世界の一体化と日本  近現代世界を理解するための前提として,ユーラシアの諸文明の特質に触れるとともに,16世紀以降の世界商業の進展及び資本主義の確立を中心に,世界が一体化に向かう過程を理解させる。その際,世界の動向と日本とのかかわりに着目させる。
ア ユーラシアの諸文明  自然環境,生活,宗教などに着目させながら,東アジア,南アジア,西アジア,ヨーロッパに形成された諸文明の特質とユーラシアの海,陸における交流を概観させる。
イ 結び付く世界と近世の日本  大航海時代のヨーロッパとアフリカ,アメリカ,アジアの接触と交流,アジアの諸帝国とヨーロッパの主権国家体制,大西洋世界の展開とアフリカ・アメリカ社会の変容を扱い,16世紀から18世紀までの世界の一体化の動きと近世の日本の対応を把握させる。
ウ ヨーロッパ・アメリカの工業化と国民形成  産業革命と資本主義の確立,フランス革命とアメリカ諸国の独立,自由主義と国民主義の進展を扱い,ヨーロッパ・アメリカにおける工業化と国民形成を理解させる。
エ アジア諸国の変貌《ぼう》と近代の日本  ヨーロッパの進出期におけるアジア諸国の状況,植民地化や従属化の過程での抵抗と挫《ざ》折,伝統文化の変容,その中での日本の動向を扱い,19世紀の世界の一体化と日本の近代化を理解させる。
(3) 地球社会と日本  地球規模で一体化した構造をもつ現代世界の特質と展開過程を理解させ,人類の課題について歴史的観点から考察させる。その際,世界の動向と日本とのかかわりに着目させる。
ア 急変する人類社会  科学技術の発達,企業や国家の巨大化,公教育の普及と国民統合,国際的な移民の増加,マスメディアの発達,社会の大衆化と政治や文化の変容などを理解させ,19世紀後期から20世紀前半までの社会の変化について,人類史的視野から考察させる。
イ 世界戦争と平和  帝国主義諸国の抗争とアジア・アフリカの対応,二つの世界大戦の原因と総力戦としての性格,それらが世界と日本に及ぼした影響を理解させ,19世紀後期から20世紀前半までの世界の動向と平和の意義について考察させる。
ウ 三つの世界と日本の動向  第二次世界大戦後の米ソ両陣営の対立と日本の動向,アジア・アフリカの民族運動と植民地支配からの独立を理解させ,核兵器問題やアジア・アフリカ諸国が抱える問題などについて考察させる。
エ 地球社会への歩みと課題  1970年代以降の市場経済のグローバル化,冷戦の終結,地域統合の進展,知識基盤社会への移行,地域紛争の頻発,環境や資源・エネルギーをめぐる問題などを理解させ,地球社会への歩みと地球規模で深刻化する課題について考察させる。
オ 持続可能な社会への展望  現代世界の特質や課題に関する適切な主題を設定させ,歴史的観点から資料を活用して探究し,その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して,世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について展望させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成するとともに,各時代において世界と日本を関連付けて扱うこと。また,地理的条件とも関連付けるようにすること。
イ 年表,地図その他の資料を積極的に活用したり,文化遺産,博物館や資料館の調査・見学を取り入れたりするなどして,具体的に学ばせるように工夫すること。
(2) 各項目については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)のアについては,近現代史を中心とするこの科目の特質を踏まえ,ユーラシアの諸文明を大観させるようにすること。
イ 内容の(3)については,単に知識を与えるだけでなく,現代世界が当面する課題について考察させること。その際,核兵器などの脅威に着目させ,戦争を防止し,平和で民主的な世界を実現することが重要な課題であることを認識させること。
(3) 主題を設定して行う学習については,次の事項に配慮するものとする。
ア 学習の実施に当たっては,適切な時間を確保し,年間指導計画の中に位置付けて指導すること。また,主題の設定や資料の選択に際しては,生徒の興味・関心や学校,地域の実態等に十分配慮して行うこと。
イ 内容の(1)については,中学校社会科の内容との連続性に配慮して,主題を設定すること。その際,アについては,この科目の導入として位置付け,内容の(2)のアと関連付けて指導すること。イについては,適切な時期に実施するようにすること。
ウ 内容の(3)のオについては,内容の(3)のアからエまでに示された事項を参考にして主題を設定させること。
(4) 近現代史の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 客観的かつ公正な資料に基づいて歴史の事実に関する理解を得させるようにすること。
イ 政治,経済,社会,文化,宗教,生活など様々な観点から歴史的事象を取り上げ,近現代世界に対する多角的で柔軟な見方を養うこと。
第2 世界史B
1 目標  世界の歴史の大きな枠組みと展開を諸資料に基づき地理的条件や日本の歴史と関連付けながら理解させ,文化の多様性・複合性と現代世界の特質を広い視野から考察させることによって,歴史的思考力を培い,国際社会に主体的に生きる日本国民としての自覚と資質を養う。
2 内容
(1) 世界史への扉  自然環境と人類のかかわり,日本の歴史と世界の歴史のつながり,日常生活にみる世界の歴史にかかわる適切な主題を設定し考察する活動を通して,地理と歴史への関心を高め,世界史学習の意義に気付かせる。
ア 自然環境と人類のかかわり  自然環境と人類のかかわりについて,生業や暮らし,交通手段,資源,災害などから適切な歴史的事例を取り上げて考察させ,世界史学習における地理的視点の重要性に気付かせる。
イ 日本の歴史と世界の歴史のつながり  日本と世界の諸地域の接触・交流について,人,もの,技術,文化,宗教,生活などから適切な歴史的事例を取り上げて考察させ,日本の歴史と世界の歴史のつながりに気付かせる。
ウ 日常生活にみる世界の歴史  日常生活にみる世界の歴史について,衣食住,家族,余暇,スポーツなどから適切な事例を取り上げて,その変遷を考察させ,日常生活からも世界の歴史がとらえられることに気付かせる。
(2) 諸地域世界の形成  人類は各地の自然環境に適応しながら農耕や牧畜を基礎とする諸文明を築き上げ,やがてそれらを基により大きな地域世界を形成したことを把握させる。
ア 西アジア世界・地中海世界  西アジアと地中海一帯の地理的特質,オリエント文明,イラン人の活動,ギリシア・ローマ文明に触れ,西アジア世界と地中海世界の形成過程を把握させる。
イ 南アジア世界・東南アジア世界  南アジアと東南アジアの地理的特質,インダス文明,アーリヤ人の進入以後の南アジアの文化,社会,国家の発展,東南アジアの国家形成に触れ,南アジア世界と東南アジア世界の形成過程を把握させる。
ウ 東アジア世界・内陸アジア世界  東アジアと内陸アジアの地理的特質,中華文明の起源と秦《しん》・漢帝国,遊牧国家の動向,唐帝国と東アジア諸民族の活動に触れ,日本を含む東アジア世界と内陸アジア世界の形成過程を把握させる。
エ 時間軸からみる諸地域世界  主題を設定し,それに関連する事項を年代順に並べたり,因果関係で結び付けたり,地域世界ごとに比較したりするなどの活動を通して,世界史を時間的なつながりに着目して整理し,表現する技能を習得させる。
(3) 諸地域世界の交流と再編  ユーラシアの海域及び内陸のネットワークを背景に,諸地域世界の交流が一段と活発化し,新たな地域世界の形成や再編を促したことを把握させる。
ア イスラーム世界の形成と拡大   アラブ人とイスラーム帝国の発展,トルコ系民族の活動,アフリカ・南アジアのイスラーム化に触れ,イスラーム世界の形成と拡大の過程を把握させる。
イ ヨーロッパ世界の形成と展開   ビザンツ帝国と東ヨーロッパの動向,西ヨーロッパの封建社会の成立と変動に触れ,キリスト教とヨーロッパ世界の形成と展開の過程を把握させる。
ウ 内陸アジアの動向と諸地域世界   内陸アジア諸民族と宋《そう》の抗争,モンゴル帝国の興亡とユーラシアの諸地域世界や日本の変動に触れ,内陸アジア諸民族が諸地域世界の交流と再編に果たした役割を把握させる。
エ 空間軸からみる諸地域世界   同時代性に着目して主題を設定し,諸地域世界の接触や交流などを地図上に表したり,世紀ごとに比較したりするなどの活動を通して,世界史を空間的なつながりに着目して整理し,表現する技能を習得させる。
(4) 諸地域世界の結合と変容  アジアの繁栄とヨーロッパの拡大を背景に,諸地域世界の結合が一層進展したこととともに,主権国家体制を整え工業化を達成したヨーロッパの進出により,世界の構造化が進み,社会の変容が促されたことを理解させる。
ア アジア諸地域の繁栄と日本  西アジア・南アジアのイスラーム諸帝国や東南アジア海域の動向,明《みん》・清《しん》帝国と日本や朝鮮などとの関係を扱い,16世紀から18世紀までのアジア諸地域の特質とその中での日本の位置付けを理解させる。
イ ヨーロッパの拡大と大西洋世界  ルネサンス,宗教改革,主権国家体制の成立,世界各地への進出と大西洋世界の形成を扱い,16世紀から18世紀までのヨーロッパ世界の特質とアメリカ・アフリカとの関係を理解させる。
ウ 産業社会と国民国家の形成  産業革命,フランス革命,アメリカ諸国の独立など,18世紀後半から19世紀までのヨーロッパ・アメリカの経済的,政治的変革を扱い,産業社会と国民国家の形成を理解させる。
エ 世界市場の形成と日本  世界市場の形成,ヨーロッパ諸国のアジア進出,オスマン,ムガル,清《しん》帝国及び日本などアジア諸国の動揺と改革を扱い,19世紀のアジアの特質とその中での日本の位置付けを理解させる。
オ 資料からよみとく歴史の世界  主題を設定し,その時代の資料を選択して,資料の内容をまとめたり,その意図やねらいを推測したり,資料への疑問を提起したりするなどの活動を通して,資料を多面的・多角的に考察し,よみとく技能を習得させる。
(5) 地球世界の到来  科学技術の発達や生産力の著しい発展を背景に,世界は地球規模で一体化し,二度の世界大戦や冷戦を経て相互依存を一層強めたことを理解させる。また,今日の人類が直面する課題を歴史的観点から考察させ,21世紀の世界について展望させる。
ア 帝国主義と社会の変容  科学技術の発達,企業・国家の巨大化,国民統合の進展,帝国主義諸国の抗争とアジア・アフリカの対応,国際的な移民の増加などを理解させ,19世紀後期から20世紀初期までの世界の動向と社会の特質について考察させる。
イ 二つの世界大戦と大衆社会の出現  総力戦としての二つの世界大戦,ロシア革命とソヴィエト連邦の成立,大衆社会の出現とファシズム,世界恐慌と資本主義の変容,アジア・アフリカの民族運動などを理解させ,20世紀前半の世界の動向と社会の特質について考察させる。
ウ 米ソ冷戦と第三世界  米ソ両陣営による冷戦の展開,戦後の復興と経済発展,アジア・アフリカ諸国の独立とその後の課題,平和共存の模索などを理解させ,第二次世界大戦後から1960年代までの世界の動向について考察させる。
エ グローバル化した世界と日本  市場経済のグローバル化とアジア経済の成長,冷戦の終結とソヴィエト連邦の解体,地域統合の進展,知識基盤社会への移行,地域紛争の頻発,環境や資源・エネルギーをめぐる問題などを理解させ,1970年代以降の世界と日本の動向及び社会の特質について考察させる。...
オ 資料を活用して探究する地球世界の課題  地球世界の課題に関する適切な主題を設定させ,歴史的観点から資料を活用して探究し,その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して,資料を活用し表現する技能を習得させるとともに,これからの世界と日本の在り方や世界の人々が協調し共存できる...
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成するとともに,各時代における世界と日本を関連付けて扱うこと。また,地理的条件とも関連付けるようにすること。
イ 年表,地図その他の資料を積極的に活用したり,文化遺産,博物館や資料館の調査・見学を取り入れたりするなどして,具体的に学ばせるように工夫すること。
(2) 各項目については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,各地域世界の人々の生活,宗教,意識などを具体的に把握できるようにし,政治史のみの学習にならないようにすること。
イ 内容の(5)については,単に知識を与えるだけでなく,地球世界の課題について考察させること。その際,核兵器などの脅威に着目させ,戦争を防止し,平和で民主的な世界を実現させることが重要な課題であることを認識させること。
(3) 主題を設定して行う学習については,次の事項に配慮するものとする。
ア 学習の実施に当たっては,適切な時間を確保し,年間指導計画の中に位置付けて段階的・継続的に指導すること。また,主題の設定や資料の選択に際しては,生徒の興味・関心や学校,地域の実態等に十分配慮して行うこと。
イ 内容の(1)については,中学校社会科の内容との連続性に配慮して,主題を設定すること。その際,アについては,この科目の導入として位置付けること。イ及びウについては,適切な時期に実施するようにすること。
ウ 内容の(2)のエ,(3)のエ及び(4)のオについては,次の事項に留意すること。
(ア) それぞれの項目の内容に示された事項を参考にして主題を設定し,生徒の主体的な追究を通して,歴史的思考力を培うようにすること。
(イ) 内容の(2)のエ及び(3)のエについては,年表や地図その他の資料を活用して説明するなどの活動を取り入れること。
(ウ) 内容の(4)のオについては,文字資料に加えて,絵画,風刺画,写真などの図像資料を取り入れるよう工夫すること。
エ 内容の(5)のオについては,内容の(5)のアからエまでに示された事項を参考にして主題を設定させること。
(4) 近現代史の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 客観的かつ公正な資料に基づいて歴史の事実に関する理解を得させるようにすること。
イ 各国史別の扱いにならないよう,広い視野から世界の動きをとらえさせるようにすること。
ウ 政治,経済,社会,文化,宗教,生活など様々な観点から歴史的事象を取り上げ,近現代世界に対する多角的で柔軟な見方を養うこと。
エ 日本と関連する諸国の歴史については,当該国の歴史から見た日本などにも着目させ,世界の歴史における日本の位置付けを明確にすること。
第3 日本史A
1 目標  我が国の近現代の歴史の展開を諸資料に基づき地理的条件や世界の歴史と関連付け,現代の諸課題に着目して考察させることによって,歴史的思考力を培い,国際社会に主体的に生きる日本国民としての自覚と資質を養う。
2 内容
(1) 私たちの時代と歴史  現代の社会やその諸課題が歴史的に形成されたものであるという観点から,近現代の歴史的事象と現在との結び付きを考える活動を通して,歴史への関心を高め,歴史を学ぶ意義に気付かせる。
(2) 近代の日本と世界  開国前後から第二次世界大戦終結までの政治や経済,国際環境,国民生活や文化の動向について,相互の関連を重視して考察させる。
ア 近代国家の形成と国際関係の推移
(ア) 近代の萌《ほう》芽や欧米諸国のアジア進出,文明開化などに見られる欧米文化の導入と明治政府による諸改革に伴う社会や文化の変容,自由民権運動と立憲体制の成立に着目して,開国から明治維新を経て近代国家が形成される過程について考察させる。
(イ) 条約改正や日清《にっしん》・日露戦争前後の対外関係の変化,政党の役割と社会的な基盤に着目して,国際環境や政党政治の推移について考察させる。
イ 近代産業の発展と両大戦をめぐる国際情勢
(ア) 産業革命の進行,都市や村落の生活の変化と社会問題の発生,学問・文化の進展と教育の普及,大衆社会と大衆文化の形成に着目して,近代産業の発展と国民生活の変化について考察させる。
(イ) 諸国家間の対立や協調関係と日本の立場,国内の経済・社会の動向,アジア近隣諸国との関係に着目して,二つの世界大戦とその間の内外情勢の変化について考察させる。
ウ 近代の追究  近代における政治や経済,国際環境,国民生活や文化の動向が相互に深くかかわっているという観点から,産業と生活,国際情勢と国民,地域社会の変化などについて,具体的な歴史的事象と関連させた適切な主題を設定して追究し表現する活動を通して,歴史的な見方や考え方を育てる。
(3) 現代の日本と世界  第二次世界大戦後の政治や経済,国際環境,国民生活や文化の動向について,現代の諸課題と近現代の歴史との関連を重視して考察させる。
ア 現代日本の政治と国際社会  占領政策と諸改革,新憲法の成立,平和条約と独立,国際交流や国際貢献の拡大などに着目して,我が国の再出発及びその後の政治や対外関係の推移について考察させる。
イ 経済の発展と国民生活の変化  戦後の経済復興,高度経済成長と科学技術の発達,経済の国際化,生活意識や価値観の変化などに着目して,日本経済の発展と国民生活の変化について考察させる。
ウ 現代からの探究  現代の社会やその諸課題が歴史的に形成されたものであるという観点から,近現代の歴史にかかわる身の回りの社会的事象と関連させた適切な主題を設定させ,資料を活用して探究し,その解決に向けた考えを表現する活動を通して,歴史的な見方や考え方を身に付けさせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 我が国の近現代の歴史の展開について国際環境や地理的条件などと関連付け,世界の中の日本という視点から考察させること。
イ 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成すること。
ウ 年表,地図その他の資料を一層活用させるとともに,地域の文化遺産,博物館や資料館の調査・見学などを取り入れるよう工夫すること。
エ 国民生活や文化の動向については,地域社会の様子などと関連付けるとともに,衣食住や風習・信仰などの生活文化についても扱うようにすること。
(2) この科目の指導に当たっては,客観的かつ公正な資料に基づいて,事実の正確な理解に導くようにするとともに,多面的・多角的に考察し公正に判断する能力を育成するようにする。その際,核兵器などの脅威に着目させ,戦争を防止し,平和で民主的な国際社会を実現することが重要な課題であることを...
(3) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,この科目の導入として位置付けること。また,近代,現代などの時代区分の持つ意味,近現代の歴史の考察に有効な諸資料についても扱うこと。
イ 内容の(2)のウ及び(3)のウについては,資料を活用して歴史を考察したりその結果を表現したりする技能を高めること。内容の(3)のウについては,この科目のまとめとして位置付けること。
第4 日本史B
1 目標  我が国の歴史の展開を諸資料に基づき地理的条件や世界の歴史と関連付けて総合的に考察させ,我が国の伝統と文化の特色についての認識を深めさせることによって,歴史的思考力を培い,国際社会に主体的に生きる日本国民としての自覚と資質を養う。
2 内容
(1) 原始・古代の日本と東アジア  原始社会の特色及び古代国家と社会や文化の特色について,国際環境と関連付けて考察させる。
ア 歴史と資料  遺跡や遺物,文書など様々な歴史資料の特性に着目し,資料に基づいて歴史が叙述されていることなど歴史を考察する基本的な方法を理解させ,歴史への関心を高めるとともに,文化財保護の重要性に気付かせる。
イ 日本文化の黎《れい》明と古代国家の形成  旧石器文化,縄文文化及び弥生《やよい》文化の時代を経て,我が国において国家が形成され律令《りつりょう》体制が確立する過程,隋《ずい》・唐など東アジア世界との関係,古墳文化,天平《てんぴょう》文化に着目して,古代国家の形成と展開,文化の特...
ウ 古代国家の推移と社会の変化  東アジア世界との関係の変化,荘園《しょうえん》・公領の動きや武士の台頭など諸地域の動向に着目して,古代国家の推移,文化の特色とその成立の背景及び中世社会の萌《ほう》芽について考察させる。
(2) 中世の日本と東アジア  中世国家と社会や文化の特色について,国際環境と関連付けて考察させる。
ア 歴史の解釈  歴史資料を含む諸資料を活用して,歴史的事象の推移や変化,相互の因果関係を考察するなどの活動を通して,歴史の展開における諸事象の意味や意義を解釈させる。
イ 中世国家の形成  武士の土地支配と公武関係,宋《そう》・元などとの関係,仏教の動向に着目して,中世国家の形成過程や社会の仕組み,文化の特色とその成立の背景について考察させる。
ウ 中世社会の展開  日本の諸地域の動向,日明《にちみん》貿易など東アジア世界との関係,産業経済の発展,庶民の台頭と下剋上《げこくじょう》,武家文化と公家《くげ》文化のかかわりや庶民文化の萌《ほう》芽に着目して,中世社会の多様な展開,文化の特色とその成立の背景について考察させる。
(3) 近世の日本と世界  近世国家と社会や文化の特色について,国際環境と関連付けて考察させる。
ア 歴史の説明  歴史的事象には複数の歴史的解釈が成り立つことに気付かせ,それぞれの根拠や論理を踏まえて,筋道立てて考えを説明させる。
イ 近世国家の形成  ヨーロッパ世界との接触やアジア各地との関係,織豊政権と幕藩体制下の政治・経済基盤,身分制度の形成や儒学の役割,文化の特色に着目して,近世国家の形成過程とその特色や社会の仕組みについて考察させる。
ウ 産業経済の発展と幕藩体制の変容  幕藩体制下の農業など諸産業や交通・技術の発展,町人文化の形成,欧米諸国のアジアへの進出,学問・思想の動きに着目して,近世の都市や農山漁村における生活や文化の特色とその成立の背景,幕藩体制の変容と近代化の基盤の形成について考察させる。
(4) 近代日本の形成と世界  近代国家の形成と社会や文化の特色について,国際環境と関連付けて考察させる。
ア 明治維新と立憲体制の成立  開国と幕府の滅亡,文明開化など欧米の文化・思想の影響や国際環境の変化,自由民権運動と立憲体制の成立に着目して,明治維新以降の我が国の近代化の推進過程について考察させる。
イ 国際関係の推移と立憲国家の展開  条約改正,日清《にっしん》・日露戦争とその前後のアジア及び欧米諸国との関係の推移に着目して,我が国の立憲国家としての展開について考察させる。
ウ 近代産業の発展と近代文化  国民生活の向上と社会問題の発生,学問の発展や教育制度の拡充に着目して,近代産業の発展の経緯や近代文化の特色とその成立の背景について考察させる。
(5) 両世界大戦期の日本と世界  近代国家の展開と社会や文化の特色について,国際環境と関連付けて考察させる。
ア 政党政治の発展と大衆社会の形成  政治や社会運動の動向,都市の発達と農山漁村の変化及び文化の大衆化に着目して,政党政治の発展,大衆社会の特色とその成立の背景について考察させる。
イ 第一次世界大戦と日本の経済・社会  国際社会の中の日本の立場に着目して,第一次世界大戦前後の対外政策の推移や大戦が国内の経済・社会に及ぼした影響について考察させる。
ウ 第二次世界大戦と日本  国際社会の動向,国内政治と経済の動揺,アジア近隣諸国との関係に着目して,対外政策の推移と戦時体制の強化など日本の動向と第二次世界大戦とのかかわりについて考察させる。
(6) 現代の日本と世界  現代の社会や国民生活の特色について,国際環境と関連付けて考察させ,世界の中での日本の立場について認識させる。
ア 現代日本の政治と国際社会  占領政策と諸改革,新憲法の成立,平和条約と独立,国際交流や国際貢献の拡大などに着目して,我が国の再出発及びその後の政治や対外関係の推移について考察させる。
イ 経済の発展と国民生活の変化  戦後の経済復興,高度経済成長と科学技術の発達,経済の国際化,生活意識や価値観の変化などに着目して,日本経済の発展と国民生活の変化について考察させる。
ウ 歴史の論述  社会と個人,世界の中の日本,地域社会の歴史と生活などについて,適切な主題を設定させ,資料を活用して探究し,考えを論述する活動を通して,歴史的な見方や考え方を身に付けさせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 我が国の歴史と文化について各時代の国際環境や地理的条件などと関連付け,世界の中の日本という視点から考察させること。
イ 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成すること。その際,各時代の特色を総合的に考察する学習及び前後の時代を比較してその移り変わりを考察する学習それぞれの充実を図ること。
ウ 年表,地図その他の資料を一層活用させるとともに,地域の文化遺産,博物館や資料館の調査・見学などを取り入れるよう工夫すること。
エ 文化に関する指導に当たっては,各時代の文化とそれを生み出した時代的背景との関連,外来の文化などとの接触や交流による文化の変容や発展の過程などに着目させ,我が国の伝統と文化の特色とそれを形成した様々な要因を総合的に考察させるようにすること。衣食住や風習・信仰などの生活文化について...
オ 地域社会の歴史と文化について扱うようにするとともに,祖先が地域社会の向上と文化の創造や発展に努力したことを具体的に理解させ,それらを尊重する態度を育てるようにすること。
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のア,(2)のア,(3)のア,(6)のウを通じて,資料を活用して歴史を考察したりその結果を表現したりする技能を段階的に高めていくこと。様々な資料の特性に着目させ複数の資料の活用を図って,資料に対する批判的な見方を養うとともに,因果関係を考察させたり解釈の多様性に気付...
イ 内容の(1)のアについては,この科目の導入として位置付けること。内容の(2)のア及び(3)のアについては,原則として各時代の学習内容と関連させて適切な時期に実施すること。内容の(6)のウについては,この科目のまとめとして位置付けること。
(3) 近現代史の指導に当たっては,客観的かつ公正な資料に基づいて,事実の正確な理解に導くようにするとともに,多面的・多角的に考察し公正に判断する能力を育成するようにする。その際,核兵器などの脅威に着目させ,戦争を防止し,平和で民主的な国際社会を実現することが重要な課題であることを...
第5 地理A
1 目標  現代世界の地理的な諸課題を地域性や歴史的背景,日常生活との関連を踏まえて考察し,現代世界の地理的認識を養うとともに,地理的な見方や考え方を培い,国際社会に主体的に生きる日本国民としての自覚と資質を養う。
2 内容
(1) 現代世界の特色と諸課題の地理的考察  世界諸地域の生活・文化及び地球的課題について,地域性や歴史的背景を踏まえて考察し,現代世界の地理的認識を深めるとともに,地理的技能及び地理的な見方や考え方を身に付けさせる。
ア 地球儀や地図からとらえる現代世界  地球儀と世界地図との比較,様々な世界地図の読図などを通して,地理的技能を身に付けさせるとともに,方位や時差,日本の位置と領域,国家間の結び付きなどについてとらえさせる。
イ 世界の生活・文化の多様性  世界諸地域の生活・文化を地理的環境や民族性と関連付けてとらえ,その多様性について理解させるとともに,異文化を理解し尊重することの重要性について考察させる。
ウ 地球的課題の地理的考察  環境,資源・エネルギー,人口,食料及び居住・都市問題を地球的及び地域的視野からとらえ,地球的課題は地域を越えた課題であるとともに地域によって現れ方が異なっていることを理解させ,それらの課題の解決には持続可能な社会の実現を目指した各国の取組や国際協力が必...
(2) 生活圏の諸課題の地理的考察  生活圏の諸課題について,地域性や歴史的背景を踏まえて考察し,地理的技能及び地理的な見方や考え方を身に付けさせる。
ア 日常生活と結び付いた地図  身の回りにある様々な地図の収集や地形図の読図,目的や用途に適した地図の作成などを通して,地理的技能を身に付けさせる。
イ 自然環境と防災  我が国の自然環境の特色と自然災害とのかかわりについて理解させるとともに,国内にみられる自然災害の事例を取り上げ,地域性を踏まえた対応が大切であることなどについて考察させる。
ウ 生活圏の地理的な諸課題と地域調査  生活圏の地理的な諸課題を地域調査やその結果の地図化などによってとらえ,その解決に向けた取組などについて探究する活動を通して,日常生活と結び付いた地理的技能及び地理的な見方や考え方を身に付けさせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成すること。
イ 地理的な見方や考え方及び地図の読図や作図,衛星画像や空中写真,景観写真の読み取りなど地理的技能を身に付けることができるよう系統性に留意して計画的に指導すること。その際,教科用図書「地図」を十分に活用するとともに,地図や統計などの地理情報の収集・分析には,情報通信ネットワークや地...
ウ 地図を有効に活用して事象を説明したり,自分の解釈を加えて論述したり,討論したりするなどの活動を充実させること。
エ 学習過程で政治,経済,生物,地学的な事象なども必要に応じて扱うことができるが,それらは空間的な傾向性や諸地域の特色を理解するのに必要な程度とすること。
オ 各項目の内容に応じて日本を含めて扱うとともに,日本と比較し関連付けて考察させること。
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,次の事項に留意すること。
(ア) アについては,球面上の世界のとらえ方に慣れ親しませるよう工夫すること。日本の位置と領域については,世界的視野から日本の位置をとらえるとともに,日本の領域をめぐる問題にも触れること。また,国家間の結び付きについては,世界の国家群,貿易,交通・通信,観光の現状と動向に関する諸事...
(イ) イについては,世界諸地域の生活・文化について世界を広く大観する学習と事例地域を通して考察する学習を組み合わせて扱うこと。その際,生活と宗教のかかわりなどについて考察させるとともに,日本との共通性や異質性に着目させ,異なる習慣や価値観などをもっている人々と共存していくことの意...
(ウ) ウについては,地球的課題ごとに世界を広く大観する学習と具体例を通して考察する学習を組み合わせて扱うこと。その際,環境,資源・エネルギー,人口,食料及び居住・都市問題は,それぞれ相互に関連し合っていることに留意して取扱いを工夫すること。
イ 内容の(2)については,次の事項に留意すること。
(ア) アからウまでの項目については,地図の読図や作図などを主とした作業的,体験的な学習を取り入れるとともに,各項目を関連付けて地理的技能が身に付くよう工夫すること。
(イ) アについては,日常生活の中でみられる様々な地図を取り上げ,目的や用途に適した地図表現の工夫などについて理解させ,日常生活と結び付いた地図の役割とその有用性について認識させるよう工夫すること。
(ウ) イについては,日本では様々な自然災害が多発することから,早くから自然災害への対応に努めてきたことなどを具体例を通して取り扱うこと。その際,地形図やハザードマップなどの主題図の読図など,日常生活と結び付いた地理的技能を身に付けさせるとともに,防災意識を高めるよう工夫すること。...
(エ) ウについては,生徒の特性や学校所在地の事情等を考慮し,地域調査を実施し,その方法が身に付くよう工夫すること。その際,これまでの学習成果を活用すること。
第6 地理B
1 目標  現代世界の地理的事象を系統地理的に,現代世界の諸地域を歴史的背景を踏まえて地誌的に考察し,現代世界の地理的認識を養うとともに,地理的な見方や考え方を培い,国際社会に主体的に生きる日本国民としての自覚と資質を養う。
2 内容
(1) 様々な地図と地理的技能  地球儀や様々な地図の活用及び地域調査などの活動を通して,地図の有用性に気付かせるとともに,地理的技能を身に付けさせる。
ア 地理情報と地図  地球儀の活用,様々な時代や種類の世界地図の読図,地理情報の地図化などの活動を通して,各時代の人々の世界観をとらえさせるとともに,地図の有用性に気付かせ,現代世界の地理的事象をとらえる地理的技能を身に付けさせる。
イ 地図の活用と地域調査  直接的に調査できる地域を地図を活用して多面的・多角的に調査し,生活圏の地域的特色をとらえる地理的技能を身に付けさせる。
(2) 現代世界の系統地理的考察  世界の自然環境,資源,産業,人口,都市・村落,生活文化,民族・宗教に関する諸事象の空間的な規則性,傾向性やそれらの要因などを系統地理的に考察させるとともに,現代世界の諸課題について地球的視野から理解させる。
ア 自然環境  世界の地形,気候,植生などに関する諸事象を取り上げ,それらの分布や人間生活とのかかわりなどについて考察させるとともに,現代世界の環境問題を大観させる。
イ 資源,産業  世界の資源・エネルギーや農業,工業,流通,消費などに関する諸事象を取り上げ,それらの分布や動向などについて考察させるとともに,現代世界の資源・エネルギー,食料問題を大観させる。
ウ 人口,都市・村落  世界の人口,都市・村落などに関する諸事象を取り上げ,それらの分布や動向などについて考察させるとともに,現代世界の人口,居住・都市問題を大観させる。
エ 生活文化,民族・宗教  世界の生活文化,民族・宗教に関する諸事象を取り上げ,それらの分布や民族と国家の関係などについて考察させるとともに,現代世界の民族,領土問題を大観させる。
(3) 現代世界の地誌的考察  現代世界の諸地域を多面的・多角的に考察し,各地域の多様な特色や課題を理解させるとともに,現代世界を地誌的に考察する方法を身に付けさせる。
ア 現代世界の地域区分  現代世界を幾つかの地域に区分する方法や地域の概念,地域区分の意義を理解させるとともに,その有用性に気付かせる。
イ 現代世界の諸地域  現代世界の諸地域を取り上げ,歴史的背景を踏まえて多面的・多角的に地域の変容や構造を考察し,それらの地域にみられる地域的特色や地球的課題について理解させるとともに,地誌的に考察する方法を身に付けさせる。
ウ 現代世界と日本  現代世界における日本の国土の特色について多面的・多角的に考察し,我が国が抱える地理的な諸課題を探究する活動を通して,その解決の方向性や将来の国土の在り方などについて展望させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成すること。
イ 地理的な見方や考え方及び地図の読図や作図,衛星画像や空中写真,景観写真の読み取りなど地理的技能を身に付けることができるよう系統性に留意して計画的に指導すること。その際,教科用図書「地図」を十分に活用するとともに,地図や統計などの地理情報の収集・分析には,情報通信ネットワークや地...
ウ 地図を有効に活用して事象を説明したり,自分の解釈を加えて論述したり,討論したりするなどの活動を充実させること。
エ 学習過程で政治,経済,生物,地学的な事象なども必要に応じて扱うことができるが,それらは空間的な傾向性や諸地域の特色を理解するのに必要な程度とすること。
オ 各項目の内容に応じて日本を含めて扱うとともに,日本と比較し関連付けて考察させること。
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,次の事項に留意すること。
(ア) 地球儀や地図の活用,観察や調査,統計,画像,文献などの地理情報の収集,選択,処理,諸資料の地理情報化や地図化などの作業的,体験的な学習を取り入れるとともに,各項目を関連付けて地理的技能が身に付くよう工夫すること。
(イ) アについては,地理的認識を深める上で地図を活用することが大切であることを理解させるとともに,地図に関する基礎的・基本的な知識や技能を習得することができるよう工夫すること。
(ウ) イについては,生徒の特性や学校所在地の事情等を考慮し,地域調査を実施し,その方法が身に付くよう工夫すること。
イ 内容の(2)については,分析,考察の過程を重視し,現代世界を系統地理的にとらえる視点や考察方法が身に付くよう工夫すること。エについては,領土問題の現状や動向を扱う際に日本の領土問題にも触れること。
ウ 内容の(3)については,次の事項に留意すること。
(ア) ア及びイについては,内容の(1)及び(2)の学習成果を活用するよう工夫すること。
(イ) アについては,現代世界が自然,政治,経済,文化などの指標によって様々に地域区分できることに着目させ,それらを比較対照させることによって,地域の概念,地域区分の意義などを理解させるようにすること。
(ウ) イについては,アで学習した地域区分を踏まえるとともに,様々な規模の地域を世界全体から偏りなく取り上げるようにすること。また,取り上げた地域の多様な事象を項目ごとに整理して考察する地誌,取り上げた地域の特色ある事象と他の事象を有機的に関連付けて考察する地誌,対照的又は類似的な...
(エ) ウについては,この科目のまとめとして位置付けること。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 地理歴史科の目標を達成するため,教科全体として調和のとれた指導が行われるよう,適切に留意すること。
(2) 中学校社会科及び公民科との関連並びに地理歴史科に属する科目相互の関連に留意すること。
2 各科目の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 情報を主体的に活用する学習活動を重視するとともに,作業的,体験的な学習を取り入れるよう配慮すること。そのため,地図や年表を読みかつ作成すること,各種の統計,年鑑,白書,画像,新聞,読み物その他の資料を収集・選択し,それらを読み取り解釈すること,観察,見学及び調査・研究したこ...
(2) 資料の収集,処理や発表などに当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的に活用するとともに,生徒が主体的に情報手段を活用できるようにすること。その際,情報モラルの指導にも留意すること。
3 内容の指導に当たっては,教育基本法第14条及び第15条の規定に基づき,適切に行うよう特に慎重に配慮して,政治及び宗教に関する教育を行うものとする。
第3節 公   民
第1款 目標  広い視野に立って,現代の社会について主体的に考察させ,理解を深めさせるとともに,人間としての在り方生き方についての自覚を育て,平和で民主的な国家・社会の有為な形成者として必要な公民としての資質を養う。
第2款 各 科 目
第1 現代社会
1 目標  人間の尊重と科学的な探究の精神に基づいて,広い視野に立って,現代の社会と人間についての理解を深めさせ,現代社会の基本的な問題について主体的に考察し公正に判断するとともに自ら人間としての在り方生き方について考察する力の基礎を養い,良識ある公民として必要な能力と態度を育てる...
2 内容
(1) 私たちの生きる社会  現代社会における諸課題を扱う中で,社会の在り方を考察する基盤として,幸福,正義,公正などについて理解させるとともに,現代社会に対する関心を高め,いかに生きるかを主体的に考察することの大切さを自覚させる。
(2) 現代社会と人間としての在り方生き方  現代社会について,倫理,社会,文化,政治,法,経済,国際社会など多様な角度から理解させるとともに,自己とのかかわりに着目して,現代社会に生きる人間としての在り方生き方について考察させる。
ア 青年期と自己の形成  生涯における青年期の意義を理解させ,自己実現と職業生活,社会参加,伝統や文化に触れながら自己形成の課題を考察させ,現代社会における青年の生き方について自覚を深めさせる。
イ 現代の民主政治と政治参加の意義  基本的人権の保障,国民主権,平和主義と我が国の安全について理解を深めさせ,天皇の地位と役割,議会制民主主義と権力分立など日本国憲法に定める政治の在り方について国民生活とのかかわりから認識を深めさせるとともに,民主政治における個人と国家について考...
ウ 個人の尊重と法の支配  個人の尊重を基礎として,国民の権利の保障,法の支配と法や規範の意義及び役割,司法制度の在り方について日本国憲法と関連させながら理解を深めさせるとともに,生命の尊重,自由・権利と責任・義務,人間の尊厳と平等などについて考察させ,他者と共に生きる倫理について...
エ 現代の経済社会と経済活動の在り方  現代の経済社会の変容などに触れながら,市場経済の機能と限界,政府の役割と財政・租税,金融について理解を深めさせ,経済成長や景気変動と国民福祉の向上の関連について考察させる。また,雇用,労働問題,社会保障について理解を深めさせるとともに,個人や...
オ 国際社会の動向と日本の果たすべき役割  グローバル化が進展する国際社会における政治や経済の動向に触れながら,人権,国家主権,領土に関する国際法の意義,人種・民族問題,核兵器と軍縮問題,我が国の安全保障と防衛及び国際貢献,経済における相互依存関係の深まり,地域的経済統合,南北問題...
(3) 共に生きる社会を目指して  持続可能な社会の形成に参画するという観点から課題を探究する活動を通して,現代社会に対する理解を深めさせるとともに,現代に生きる人間としての在り方生き方について考察を深めさせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校社会科及び道徳並びに公民科に属する他の科目,地理歴史科,家庭科,情報科及び特別活動などとの関連を図るとともに,項目相互の関連に留意しながら,全体としてのまとまりを工夫し,特定の事項だけに偏らないようにすること。
イ 社会的事象は相互に関連し合っていることに留意し,社会的事象に対する関心をもって多様な角度から考察させるとともに,できるだけ総合的にとらえることができるようにすること。また,生徒が自己の生き方にかかわって主体的に考察できるよう学習指導の展開を工夫すること。
ウ 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成すること。
エ 的確な資料に基づいて,社会的事象に対する客観的かつ公正なものの見方や考え方を育成するとともに,学び方の習得を図ること。その際,統計などの資料の見方やその意味,情報の検索や処理の仕方,簡単な社会調査の方法などについて指導するよう留意すること。また,学習の過程で考察したことや学習の...
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,次の事項に留意すること。
(ア) 内容の(1)は,この科目の導入として位置付けること。
(イ) 「現代社会における諸課題」としては,生命,情報,環境などを扱うこと。
イ 内容の(2)については,次の事項に留意すること。
(ア) 項目ごとに課題を設定し,内容の(1)で取り上げた幸福,正義,公正などを用いて考察させること。
(イ) アの「生涯における青年期の意義」と「自己形成の課題」については,生涯にわたる学習の意義についても考察させること。また,男女が共同して社会に参画することの重要性にも触れること。
(ウ) イについては,地方自治に触れながら政治と生活との関連について認識を深めさせること。「政治参加の重要性」については,世論の形成の意義についても理解させること。また,「民主社会において自ら生きる倫理」については,個人と社会との関係に着目して考察させること。
(エ) ウについては,法に関する基本的な見方や考え方を身に付けさせるとともに裁判員制度についても扱うこと。
(オ) エの「市場経済の機能と限界」については,経済活動を支える私法に関する基本的な考え方についても触れること。「金融」については,金融制度や資金の流れの変化などにも触れること。また,「個人や企業の経済活動における役割と責任」については,公害の防止と環境保全,消費者に関する問題など...
(カ) オの「人種・民族問題」については,文化や宗教の多様性についても触れ,それぞれの固有の文化などを尊重する寛容の態度を養うこと。
ウ 内容の(3)については,この科目のまとめとして位置付け,内容の(1)及び(2)で学習した成果を活用させること。地域や学校,生徒の実態等に応じて課題を設定し,個人と社会の関係,社会と社会の関係,現役世代と将来世代の関係のいずれかに着目させること。
第2 倫 理
1 目標  人間尊重の精神と生命に対する畏《い》敬の念に基づいて,青年期における自己形成と人間としての在り方生き方について理解と思索を深めさせるとともに,人格の形成に努める実践的意欲を高め,他者と共に生きる主体としての自己の確立を促し,良識ある公民として必要な能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 現代に生きる自己の課題  自らの体験や悩みを振り返ることを通して,青年期の意義と課題を理解させ,豊かな自己形成に向けて,他者と共に生きる自己の生き方について考えさせるとともに,自己の生き方が現代の倫理的課題と結び付いていることをとらえさせる。
(2) 人間としての在り方生き方  自己の生きる課題とのかかわりにおいて,先哲の基本的な考え方を手掛かりとして,人間の存在や価値について思索を深めさせる。
ア 人間としての自覚  人生における哲学,宗教,芸術のもつ意義などについて理解させ,人間の存在や価値にかかわる基本的な課題について思索させることを通して,人間としての在り方生き方について考えを深めさせる。
イ 国際社会に生きる日本人としての自覚  日本人にみられる人間観,自然観,宗教観などの特質について,我が国の風土や伝統,外来思想の受容に触れながら,自己とのかかわりにおいて理解させ,国際社会に生きる主体性のある日本人としての在り方生き方について自覚を深めさせる。
(3) 現代と倫理  現代に生きる人間の倫理的課題について思索を深めさせ,自己の生き方の確立を促すとともに,よりよい国家・社会を形成し,国際社会に主体的に貢献しようとする人間としての在り方生き方について自覚を深めさせる。
ア 現代に生きる人間の倫理  人間の尊厳と生命への畏《い》敬,自然や科学技術と人間とのかかわり,民主社会における人間の在り方,社会参加と奉仕,自己実現と幸福などについて,倫理的な見方や考え方を身に付けさせ,他者と共に生きる自己の生き方にかかわる課題として考えを深めさせる。
イ 現代の諸課題と倫理   生命,環境,家族,地域社会,情報社会,文化と宗教,国際平和と人類の福祉などにおける倫理的課題を自己の課題とつなげて探究する活動を通して,論理的思考力や表現力を身に付けさせるとともに,現代に生きる人間としての在り方生き方について自覚を深めさせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校社会科及び道徳並びに公民科に属する他の科目,地理歴史科,家庭科,情報科及び特別活動などとの関連を図るとともに,全体としてのまとまりを工夫し,特定の事項だけに偏らないようにすること。
イ 先哲の基本的な考え方を取り上げるに当たっては,内容と関連が深く生徒の発達や学習段階に適した代表的な先哲の言説等を精選すること。また,生徒自らが人生観,世界観を確立するための手掛かりを得させるよう様々な工夫を行うこと。
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,この科目の導入として位置付け,生徒自身の課題を他者,集団や社会,生命や自然などとのかかわりを視点として考えさせ,以後の学習への意欲を喚起すること。
イ 内容の(2)については,次の事項に留意すること。
(ア) アについては,ギリシアの思想,キリスト教,イスラム教,仏教,儒教などの基本的な考え方を代表する先哲の思想,芸術家とその作品を,倫理的な観点を明確にして取り上げるなど工夫すること。
(イ) イについては,古来の日本人の考え方や代表的な日本の先哲の思想を手掛かりにして,自己の課題として学習させること。
ウ 内容の(3)については,次の事項に留意すること。
(ア) アについては,倫理的な見方や考え方を身に付けさせ,自己の課題として考えを深めていく主体的な学習への意欲を喚起すること。
(イ) イについては,アの学習を基礎として,学校や生徒の実態等に応じて課題を選択し,主体的に探究する学習を行うよう工夫すること。その際,イに示された倫理的課題が相互に関連していることを踏まえて,学習が効果的に展開するよう留意するとともに,論述したり討論したりするなどの活動を通して,...
第3 政治・経済
1 目標  広い視野に立って,民主主義の本質に関する理解を深めさせ,現代における政治,経済,国際関係などについて客観的に理解させるとともに,それらに関する諸課題について主体的に考察させ,公正な判断力を養い,良識ある公民として必要な能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 現代の政治  現代の日本の政治及び国際政治の動向について関心を高め,基本的人権と議会制民主主義を尊重し擁護することの意義を理解させるとともに,民主政治の本質について把握させ,政治についての基本的な見方や考え方を身に付けさせる。
ア 民主政治の基本原理と日本国憲法  日本国憲法における基本的人権の尊重,国民主権,天皇の地位と役割,国会,内閣,裁判所などの政治機構を概観させるとともに,政治と法の意義と機能,基本的人権の保障と法の支配,権利と義務の関係,議会制民主主義,地方自治などについて理解させ,民主政治の本...
イ 現代の国際政治  国際社会の変遷,人権,国家主権,領土などに関する国際法の意義,国際連合をはじめとする国際機構の役割,我が国の安全保障と防衛及び国際貢献について理解させ,国際政治の特質や国際紛争の諸要因について把握させ,国際平和と人類の福祉に寄与する日本の役割について考察させる...
(2) 現代の経済  現代の日本経済及び世界経済の動向について関心を高め,日本経済のグローバル化をはじめとする経済生活の変化,現代経済の仕組みや機能について理解させるとともに,その特質を把握させ,経済についての基本的な見方や考え方を身に付けさせる。
ア 現代経済の仕組みと特質  経済活動の意義,国民経済における家計,企業,政府の役割,市場経済の機能と限界,物価の動き,経済成長と景気変動,財政の仕組みと働き及び租税の意義と役割,金融の仕組みと働きについて理解させ,現代経済の特質について把握させ,経済活動の在り方と福祉の向上との関...
イ 国民経済と国際経済  貿易の意義,為替相場や国際収支の仕組み,国際協調の必要性や国際経済機関の役割について理解させ,グローバル化が進む国際経済の特質について把握させ,国際経済における日本の役割について考察させる。
(3) 現代社会の諸課題  政治や経済などに関する基本的な理解を踏まえ,持続可能な社会の形成が求められる現代社会の諸課題を探究する活動を通して,望ましい解決の在り方について考察を深めさせる。
ア 現代日本の政治や経済の諸課題  少子高齢社会と社会保障,地域社会の変貌《ぼう》と住民生活,雇用と労働を巡る問題,産業構造の変化と中小企業,農業と食料問題などについて,政治と経済とを関連させて探究させる。
イ 国際社会の政治や経済の諸課題  地球環境と資源・エネルギー問題,国際経済格差の是正と国際協力,人種・民族問題と地域紛争,国際社会における日本の立場と役割などについて,政治と経済とを関連させて探究させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校社会科,公民科に属する他の科目,地理歴史科,家庭科及び情報科などとの関連を図るとともに,全体としてのまとまりを工夫し,特定の事項だけに偏らないようにすること。
イ 1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成すること。また,客観的な資料と関連させて政治や経済の諸課題を考察させるとともに,政治や経済についての公正かつ客観的な見方や考え方を深めさせること。
ウ 政治や経済について考察した過程や結果について適切に表現する能力と態度を育てるようにすること。
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,次の事項に留意すること。
(ア) アの「法の意義と機能」,「基本的人権の保障と法の支配」,「権利と義務の関係」については,法に関する基本的な見方や考え方を身に付けさせるとともに,裁判員制度を扱うこと。「民主政治の本質」については,世界の主な政治体制と関連させて扱うこと。また,「現代政治の特質」については,世...
(イ) イについては,文化や宗教の多様性についても理解させること。また,「国際紛争の諸要因」については,多様な角度から考察させるとともに,軍縮や核兵器廃絶などに関する国際的な取組についても扱うこと。
イ 内容の(2)については,次の事項に留意すること。  アについては,マクロ経済の観点を中心に扱うこと。「市場経済の機能と限界」については,公害防止と環境保全,消費者に関する問題も扱うこと。また,「金融の仕組みと働き」については,金融に関する環境の変化にも触れること。
ウ 内容の(3)については,次の事項に留意すること。
(ア) 内容の(3)については,この科目のまとめとして位置付け,内容の(1)及び(2)で学習した成果を生かし,地域や学校,生徒の実態等に応じて,ア及びイのそれぞれにおいて課題を選択させること。その際,政治や経済の基本的な概念や理論の理解の上に立って,事実に基づいて多様な角度から探究...
(イ) アについては,国際社会の動向に着目させたり,諸外国における取組なども参考にさせたりすること。
第3款 各科目にわたる内容の取扱い
1 各科目の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 情報を主体的に活用する学習活動を重視するとともに,作業的,体験的な学習を取り入れるよう配慮すること。そのため,各種の統計,年鑑,白書,新聞,読み物,地図その他の資料を収集,選択し,それらを読み取り解釈すること,観察,見学及び調査・研究したことを発表したり報告書にまとめたりす...
(2) 資料の収集,処理や発表などに当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的に活用するとともに,生徒が主体的に情報手段を活用できるようにすること。その際,情報モラルの指導にも留意すること。
2 内容の指導に当たっては,教育基本法第14条及び第15条の規定に基づき,適切に行うよう特に慎重に配慮して,政治及び宗教に関する教育を行うものとする。
第4節 数   学
第1款 目標  数学的活動を通して,数学における基本的な概念や原理・法則の体系的な理解を深め,事象を数学的に考察し表現する能力を高め,創造性の基礎を培うとともに,数学のよさを認識し,それらを積極的に活用して数学的論拠に基づいて判断する態度を育てる。
第2款 各 科 目
第1 数学Ⅰ
1 目標  数と式,図形と計量,二次関数及びデータの分析について理解させ,基礎的な知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察する能力を培い,数学のよさを認識できるようにするとともに,それらを活用する態度を育てる。
2 内容
(1) 数と式  数を実数まで拡張する意義や集合と命題に関する基本的な概念を理解できるようにする。また,式を多面的にみたり処理したりするとともに,一次不等式を事象の考察に活用できるようにする。
ア 数と集合
(ア) 実数  数を実数まで拡張する意義を理解し,簡単な無理数の四則計算をすること。
(イ) 集合  集合と命題に関する基本的な概念を理解し,それを事象の考察に活用すること。
イ 式
(ア) 式の展開と因数分解  二次の乗法公式及び因数分解の公式の理解を深め,式を多面的にみたり目的に応じて式を適切に変形したりすること。
(イ) 一次不等式  不等式の解の意味や不等式の性質について理解し,一次不等式の解を求めたり一次不等式を事象の考察に活用したりすること。
(2) 図形と計量  三角比の意味やその基本的な性質について理解し,三角比を用いた計量の考えの有用性を認識するとともに,それらを事象の考察に活用できるようにする。
ア 三角比
(ア) 鋭角の三角比  鋭角の三角比の意味と相互関係について理解すること。
(イ) 鈍角の三角比  三角比を鈍角まで拡張する意義を理解し,鋭角の三角比の値を用いて鈍角の三角比の値を求めること。
(ウ) 正弦定理・余弦定理  正弦定理や余弦定理について理解し,それらを用いて三角形の辺の長さや角の大きさを求めること。
イ 図形の計量  三角比を平面図形や空間図形の考察に活用すること。
[用語・記号]
正弦
sin
余弦
cos
正接
tan
(3) 二次関数  二次関数とそのグラフについて理解し,二次関数を用いて数量の関係や変化を表現することの有用性を認識するとともに,それらを事象の考察に活用できるようにする。
ア 二次関数とそのグラフ  事象から二次関数で表される関係を見いだすこと。また,二次関数のグラフの特徴について理解すること。
イ 二次関数の値の変化
(ア) 二次関数の最大・最小  二次関数の値の変化について,グラフを用いて考察したり最大値や最小値を求めたりすること。
(イ) 二次方程式・二次不等式  二次方程式の解と二次関数のグラフとの関係について理解するとともに,数量の関係を二次不等式で表し二次関数のグラフを利用してその解を求めること。
(4) データの分析  統計の基本的な考えを理解するとともに,それを用いてデータを整理・分析し傾向を把握できるようにする。
ア データの散らばり  四分位偏差,分散及び標準偏差などの意味について理解し,それらを用いてデータの傾向を把握し,説明すること。
イ データの相関  散布図や相関係数の意味を理解し,それらを用いて二つのデータの相関を把握し説明すること。
〔課題学習〕  (1),(2),(3)及び(4)の内容又はそれらを相互に関連付けた内容を生活と関連付けたり発展させたりするなどして,生徒の関心や意欲を高める課題を設け,生徒の主体的な学習を促し,数学のよさを認識できるようにする。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)のアの(イ)については,簡単な命題の証明も扱うものとする。
(2) 内容の(2)のアの(イ)については,関連して0°,90°,180°の三角比を扱うものとする。
(3) 課題学習については,それぞれの内容との関連を踏まえ,学習効果を高めるよう適切な時期や場面に実施するとともに,実施に当たっては数学的活動を一層重視するものとする。
第2 数学Ⅱ
1 目標  いろいろな式,図形と方程式,指数関数・対数関数,三角関数及び微分・積分の考えについて理解させ,基礎的な知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察し表現する能力を養うとともに,それらを活用する態度を育てる。
2 内容
(1) いろいろな式  整式の乗法・除法及び分数式の四則計算について理解できるようにするとともに,等式や不等式が成り立つことを証明できるようにする。また,方程式についての理解を深め,数の範囲を複素数まで拡張して二次方程式を解くこと及び因数分解を利用して高次方程式を解くことができるよ...
ア 式と証明
(ア) 整式の乗法・除法,分数式の計算  三次の乗法公式及び因数分解の公式を理解し,それらを用いて式の展開や因数分解をすること。また,整式の除法や分数式の四則計算について理解し,簡単な場合について計算をすること。
(イ) 等式と不等式の証明  等式や不等式が成り立つことを,それらの基本的な性質や実数の性質などを用いて証明すること。
イ 高次方程式
(ア) 複素数と二次方程式  数を複素数まで拡張する意義を理解し,複素数の四則計算をすること。また,二次方程式の解の種類の判別及び解と係数の関係について理解すること。
(イ) 因数定理と高次方程式  因数定理について理解し,簡単な高次方程式の解を因数定理などを用いて求めること。
[用語・記号] 
虚数
i
(2) 図形と方程式  座標や式を用いて,直線や円などの基本的な平面図形の性質や関係を数学的に表現し,その有用性を認識するとともに,事象の考察に活用できるようにする。
ア 直線と円
(ア) 点と直線  座標を用いて,平面上の線分を内分する点,外分する点の位置や二点間の距離を表すこと。また,座標平面上の直線を方程式で表し,それを二直線の位置関係などの考察に活用すること。
(イ) 円の方程式  座標平面上の円を方程式で表し,それを円と直線の位置関係などの考察に活用すること。
イ 軌跡と領域  軌跡について理解し,簡単な場合について軌跡を求めること。また,簡単な場合について,不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表したりすること。
(3) 指数関数・対数関数  指数関数及び対数関数について理解し,それらを事象の考察に活用できるようにする。
ア 指数関数
(ア) 指数の拡張  指数を正の整数から有理数へ拡張する意義を理解すること。
(イ) 指数関数とそのグラフ  指数関数とそのグラフの特徴について理解し,それらを事象の考察に活用すること。
イ 対数関数
(ア) 対数  対数の意味とその基本的な性質について理解し,簡単な対数の計算をすること。
(イ) 対数関数とそのグラフ  対数関数とそのグラフの特徴について理解し,それらを事象の考察に活用すること。
[用語・記号] 
累乗根
logax
(4) 三角関数  角の概念を一般角まで拡張して,三角関数及び三角関数の加法定理について理解し,それらを事象の考察に活用できるようにする。
ア 角の拡張  角の概念を一般角まで拡張する意義や弧度法による角度の表し方について理解すること。
イ 三角関数
(ア) 三角関数とそのグラフ  三角関数とそのグラフの特徴について理解すること。
(イ) 三角関数の基本的な性質  三角関数について,相互関係などの基本的な性質を理解すること。
ウ 三角関数の加法定理  三角関数の加法定理を理解し,それを用いて2倍角の公式を導くこと。
(5) 微分・積分の考え  微分・積分の考えについて理解し,それらの有用性を認識するとともに,事象の考察に活用できるようにする。
ア 微分の考え
(ア) 微分係数と導関数  微分係数や導関数の意味について理解し,関数の定数倍,和及び差の導関数を求めること。
(イ) 導関数の応用  導関数を用いて関数の値の増減や極大・極小を調べ,グラフの概形をかくこと。また,微分の考えを事象の考察に活用すること。
イ 積分の考え
(ア) 不定積分と定積分  不定積分及び定積分の意味について理解し,関数の定数倍,和及び差の不定積分や定積分を求めること。
(イ) 面積  定積分を用いて直線や関数のグラフで囲まれた図形の面積を求めること。
[用語・記号] 
極限値
lim
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)のアについては,関連して二項定理を扱うものとする。
(2) 内容の(3)のイについては,常用対数も扱うものとする。
(3) 内容の(4)のウについては,関連して三角関数の合成を扱うものとする。
(4) 内容の(5)のアについては,三次までの関数を中心に扱い,イについては,二次までの関数を中心に扱うものとする。アの(ア)の微分係数については,関数のグラフの接線に関連付けて扱うものとする。また,極限については,直観的に理解させるよう扱うものとする。
第3 数学Ⅲ
1 目標  平面上の曲線と複素数平面,極限,微分法及び積分法についての理解を深め,知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察し表現する能力を伸ばすとともに,それらを積極的に活用する態度を育てる。
2 内容
(1) 平面上の曲線と複素数平面  平面上の曲線がいろいろな式で表されること及び複素数平面について理解し,それらを事象の考察に活用できるようにする。
ア 平面上の曲線
(ア) 直交座標による表示  放物線,楕《だ》円,双曲線が二次式で表されること及びそれらの二次曲線の基本的な性質について理解すること。
(イ) 媒介変数による表示  媒介変数の意味及び曲線が媒介変数を用いて表されることを理解し,それらを事象の考察に活用すること。
(ウ) 極座標による表示  極座標の意味及び曲線が極方程式で表されることを理解し,それらを事象の考察に活用すること。
イ 複素数平面
(ア) 複素数の図表示  複素数平面と複素数の極形式,複素数の実数倍,和,差,積及び商の図形的な意味を理解し,それらを事象の考察に活用すること。
(イ) ド・モアブルの定理  ド・モアブルの定理について理解すること。
[用語・記号] 
焦点
準線
(2) 極限  数列や関数値の極限の概念を理解し,それらを事象の考察に活用できるようにする。
ア 数列とその極限
(ア) 数列の極限  数列の極限について理解し,数列{rn}の極限などを基に簡単な数列の極限を求めること。また,数列の極限を事象の考察に活用すること。
(イ) 無限等比級数の和  無限級数の収束,発散について理解し,無限等比級数などの簡単な無限級数の和を求めること。また,それらを事象の考察に活用すること。
イ 関数とその極限
(ア) 分数関数と無理関数  簡単な分数関数と無理関数及びそれらのグラフの特徴について理解すること。
(イ) 合成関数と逆関数  合成関数や逆関数の意味を理解し,簡単な場合についてそれらを求めること。
(ウ) 関数値の極限  関数値の極限について理解し,それを事象の考察に活用すること。
[用語・記号]
(3) 微分法  微分法についての理解を深めるとともに,その有用性を認識し,事象の考察に活用できるようにする。
ア 導関数
(ア) 関数の和・差・積・商の導関数  関数の積及び商の導関数について理解し,関数の和,差,積及び商の導関数を求めること。
(イ) 合成関数の導関数  合成関数の導関数について理解し,合成関数の導関数を求めること。
(ウ) 三角関数・指数関数・対数関数の導関数  三角関数,指数関数及び対数関数の導関数を求めること。
イ 導関数の応用  導関数を用いて,いろいろな曲線の接線の方程式を求めたり,いろいろな関数の値の増減,極大・極小,グラフの凹凸などを調べグラフの概形をかいたりすること。また,それらを事象の考察に活用すること。
[用語・記号] 
自然対数
e
第二次導関数
変曲点
(4) 積分法  積分法についての理解を深めるとともに,その有用性を認識し,事象の考察に活用できるようにする。
ア 不定積分と定積分
(ア) 積分とその基本的な性質  不定積分及び定積分の基本的な性質についての理解を深め,それらを用いて不定積分や定積分を求めること。
(イ) 置換積分法・部分積分法  置換積分法及び部分積分法について理解し,簡単な場合についてそれらを用いて不定積分や定積分を求めること。
(ウ) いろいろな関数の積分  いろいろな関数について,工夫して不定積分や定積分を求めること。
イ 積分の応用  いろいろな曲線で囲まれた図形の面積や立体の体積及び曲線の長さなどを定積分を利用して求めること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)のアの(イ)及び(ウ)については,二次曲線や内容の(3)及び(4)で取り上げる曲線を中心に扱うものとし,描画においてはコンピュータなどを積極的に活用するものとする。
(2) 内容の(2)のイの(ウ)については,関連して関数の連続性を扱うものとする。
(3) 内容の(3)のイについては,関連して直線上の点の運動や平面上の点の運動の速度及び加速度を扱うものとする。
(4) 内容の(4)のアの(イ)については,置換積分法は と置き換えるものを中心に扱うものとする。また,部分積分法は,簡単な関数について1回の適用で結果が得られるものを中心に扱うものとする。
第4 数学A
1 目標  場合の数と確率,整数の性質又は図形の性質について理解させ,基礎的な知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察する能力を養い,数学のよさを認識できるようにするとともに,それらを活用する態度を育てる。
2 内容
(1) 場合の数と確率  場合の数を求めるときの基本的な考え方や確率についての理解を深め,それらを事象の考察に活用できるようにする。
ア 場合の数
(ア) 数え上げの原則  集合の要素の個数に関する基本的な関係や和の法則,積の法則について理解すること。
(イ) 順列・組合せ  具体的な事象の考察を通して順列及び組合せの意味について理解し,それらの総数を求めること。
イ 確率
(ア) 確率とその基本的な法則  確率の意味や基本的な法則についての理解を深め,それらを用いて事象の確率を求めること。また,確率を事象の考察に活用すること。
(イ) 独立な試行と確率  独立な試行の意味を理解し,独立な試行の確率を求めること。また,それを事象の考察に活用すること。
(ウ) 条件付き確率  条件付き確率の意味を理解し,簡単な場合について条件付き確率を求めること。また,それを事象の考察に活用すること。
[用語・記号]
nPr
nCr
階乗
n!
排反
(2) 整数の性質  整数の性質についての理解を深め,それを事象の考察に活用できるようにする。
ア 約数と倍数  素因数分解を用いた公約数や公倍数の求め方を理解し,整数に関連した事象を論理的に考察し表現すること。
イ ユークリッドの互除法  整数の除法の性質に基づいてユークリッドの互除法の仕組みを理解し,それを用いて二つの整数の最大公約数を求めること。また,二元一次不定方程式の解の意味について理解し,簡単な場合についてその整数解を求めること。
ウ 整数の性質の活用  二進法などの仕組みや分数が有限小数又は循環小数で表される仕組みを理解し,整数の性質を事象の考察に活用すること。
(3) 図形の性質  平面図形や空間図形の性質についての理解を深め,それらを事象の考察に活用できるようにする。
ア 平面図形
(ア) 三角形の性質  三角形に関する基本的な性質について,それらが成り立つことを証明すること。
(イ) 円の性質  円に関する基本的な性質について,それらが成り立つことを証明すること。
(ウ) 作図  基本的な図形の性質などをいろいろな図形の作図に活用すること。
イ 空間図形  空間における直線や平面の位置関係やなす角についての理解を深めること。また,多面体などに関する基本的な性質について理解し,それらを事象の考察に活用すること。
〔課題学習〕  (1),(2)及び(3)の内容又はそれらを相互に関連付けた内容を生活と関連付けたり発展させたりするなどして,生徒の関心や意欲を高める課題を設け,生徒の主体的な学習を促し,数学のよさを認識できるようにする。
3 内容の取扱い
(1) この科目は,内容の(1)から(3)までの中から適宜選択させるものとする。
(2) 課題学習については,それぞれの内容との関連を踏まえ,学習効果を高めるよう適切な時期や場面に実施するとともに,実施に当たっては数学的活動を一層重視するものとする。
第5 数学B
1 目標  確率分布と統計的な推測,数列又はベクトルについて理解させ,基礎的な知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察し表現する能力を伸ばすとともに,それらを活用する態度を育てる。
2 内容
(1) 確率分布と統計的な推測  確率変数とその分布,統計的な推測について理解し,それらを不確定な事象の考察に活用できるようにする。
ア 確率分布
(ア) 確率変数と確率分布  確率変数及び確率分布について理解し,確率変数の平均,分散及び標準偏差を用いて確率分布の特徴をとらえること。
(イ) 二項分布  二項分布について理解し,それを事象の考察に活用すること。
イ 正規分布  正規分布について理解し,二項分布が正規分布で近似できることを知ること。また,それらを事象の考察に活用すること。
ウ 統計的な推測
(ア) 母集団と標本  標本調査の考え方について理解し,標本を用いて母集団の傾向を推測できることを知ること。
(イ) 統計的な推測の考え  母平均の統計的な推測について理解し,それを事象の考察に活用すること。
(2) 数列  簡単な数列とその和及び漸化式と数学的帰納法について理解し,それらを事象の考察に活用できるようにする。
ア 数列とその和
(ア) 等差数列と等比数列  等差数列と等比数列について理解し,それらの一般項及び和を求めること。
(イ) いろいろな数列  いろいろな数列の一般項や和について,その求め方を理解し,事象の考察に活用すること。
イ 漸化式と数学的帰納法
(ア) 漸化式と数列  漸化式について理解し,簡単な漸化式で表された数列について,一般項を求めること。また,漸化式を事象の考察に活用すること。
(イ) 数学的帰納法  数学的帰納法について理解し,それを用いて簡単な命題を証明するとともに,事象の考察に活用すること。
[用語・記号]
Σ
(3) ベクトル  ベクトルの基本的な概念について理解し,その有用性を認識するとともに,事象の考察に活用できるようにする。
ア 平面上のベクトル
(ア) ベクトルとその演算  ベクトルの意味,相等,和,差,実数倍,位置ベクトル及びベクトルの成分表示について理解すること。
(イ) ベクトルの内積  ベクトルの内積及びその基本的な性質について理解し,それらを平面図形の性質などの考察に活用すること。
イ 空間座標とベクトル  座標及びベクトルの考えが平面から空間に拡張できることを知ること。
3 内容の取扱い
(1) この科目は,内容の(1)から(3)までの中から適宜選択させるものとする。
第6 数学活用
1 目標  数学と人間とのかかわりや数学の社会的有用性についての認識を深めるとともに,事象を数理的に考察する能力を養い,数学を積極的に活用する態度を育てる。
2 内容
(1) 数学と人間の活動  数学が人間の活動にかかわってつくられ発展してきたことやその方法を理解するとともに,数学と文化とのかかわりについての認識を深める。
ア 数や図形と人間の活動  数量や図形に関する概念などと人間の活動や文化とのかかわりについて理解すること。
イ 遊びの中の数学  数理的なゲームやパズルなどを通して論理的に考えることのよさを認識し,数学と文化とのかかわりについて理解すること。
(2) 社会生活における数理的な考察  社会生活において数学が活用されている場面や身近な事象を数理的に考察するとともに,それらの活動を通して数学の社会的有用性についての認識を深める。
ア 社会生活と数学  社会生活などの場面で,事象を数学化し考察すること。
イ 数学的な表現の工夫  図,表,行列及び離散グラフなどを用いて,事象を数学的に表現し考察すること。
ウ データの分析  目的に応じてデータを収集し,表計算用のソフトウェアなどを用いて処理しデータ間の傾向をとらえ予測や判断をすること。
3 内容の取扱い
(1) この科目の指導に当たっては,数学的活動を一層重視し,身近な事例を取り上げるなど生徒の主体的活動を促すとともに,コンピュータなどを積極的に活用した学習が行われるよう配慮するものとする。
(2) 内容の(1)のアについては,数学における概念の形成や原理・法則の認識の過程と人間の活動や文化とのかかわりを中心として,数学史的な話題及びコンピュータを活用した問題の解決などを取り上げるものとする。
(3) 内容の(2)のアについては,経済にかかわる話題なども取り上げるものとする。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 「数学Ⅱ」,「数学Ⅲ」を履修させる場合は,「数学Ⅰ」,「数学Ⅱ」,「数学Ⅲ」の順に履修させることを原則とすること。
(2) 「数学A」については,「数学Ⅰ」と並行してあるいは「数学Ⅰ」を履修した後に履修させ,「数学B」については,「数学Ⅰ」を履修した後に履修させることを原則とすること。
(3) 各科目を履修させるに当たっては,当該科目や他の科目の内容及び理科,情報科,家庭科等の内容を踏まえ,相互の関連を図るとともに,学習内容の系統性に留意すること。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各科目の内容の[用語・記号]は,当該科目で扱う内容の程度や範囲を明確にするために示したものであり,内容と密接に関連させて扱うこと。
(2) 各科目の指導に当たっては,必要に応じて,コンピュータや情報通信ネットワークなどを適切に活用し,学習の効果を高めるようにすること。
3 指導に当たっては,各科目の特質に応じ数学的活動を重視し,数学を学習する意義などを実感できるようにするとともに,次の事項に配慮するものとする。
(1) 自ら課題を見いだし,解決するための構想を立て,考察・処理し,その過程を振り返って得られた結果の意義を考えたり,それを発展させたりすること。
(2) 学習した内容を生活と関連付け,具体的な事象の考察に活用すること。
(3) 自らの考えを数学的に表現し根拠を明らかにして説明したり,議論したりすること。
第5節 理科
第1款 目標  自然の事物・現象に対する関心や探究心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,科学的に探究する能力と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め,科学的な自然観を育成する。
第2款 各 科 目
第1 科学と人間生活
1 目標  自然と人間生活とのかかわり及び科学技術が人間生活に果たしてきた役割について,身近な事物・現象に関する観察,実験などを通して理解させ,科学的な見方や考え方を養うとともに,科学に対する興味・関心を高める。
2 内容
(1) 科学技術の発展  科学技術の発展が今日の人間生活に対してどのように貢献してきたかについて理解させる。
(2) 人間生活の中の科学  身近な自然の事物・現象及び日常生活や社会の中で利用されている科学技術を取り上げ,科学と人間生活とのかかわりについて認識を深めさせる。
ア 光や熱の科学
(ア) 光の性質とその利用  光を中心とした電磁波の性質とその利用について理解すること。
(イ) 熱の性質とその利用  熱の性質,エネルギーの変換と保存及び有効利用について理解すること。
イ 物質の科学
(ア) 材料とその再利用  身近な材料であるプラスチックや金属の種類,性質及び用途と資源の再利用について理解すること。
(イ) 衣料と食品  身近な衣料材料の性質や用途,食品中の主な成分の性質について理解すること。
ウ 生命の科学
(ア) 生物と光  植物の生育,動物の行動及びヒトの視覚と光とのかかわりについて理解すること。
(イ) 微生物とその利用  様々な微生物の存在と生態系での働き,微生物と人間生活とのかかわりについて理解すること。
エ 宇宙や地球の科学
(ア) 身近な天体と太陽系における地球  太陽や月などの身近に見られる天体と人間生活とのかかわり,太陽系における地球について理解すること。
(イ) 身近な自然景観と自然災害  身近な自然景観の成り立ちと自然災害について,太陽の放射エネルギーによる作用や地球内部のエネルギーによる変動と関連付けて理解すること。
(3) これからの科学と人間生活  自然と人間生活とのかかわり及び科学技術が人間生活に果たしてきた役割についての学習を踏まえて,これからの科学と人間生活とのかかわり方について考察させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校理科との関連を十分考慮するとともに,科学と人間生活とのかかわりについて理解させ,観察,実験などを中心に扱い,自然や科学技術に対する興味・関心を高めること。
イ 内容の(1)については,この科目の導入として位置付け,身近な事例を基に科学技術に対する興味・関心を高めるよう展開すること。
ウ 内容の(2)のアからエまでについては,生徒の実態等を考慮し,それぞれ(ア)又は(イ)のいずれかを選択して扱うこと。
エ 内容の(3)については,内容の(2)の学習を踏まえ,課題を適宜設けて考察させ,報告書を作成させたり発表を行う機会を設けたりすること。その際,コンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用を図ること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,身近な科学技術の例を取り上げ,その変遷と人間生活の変化とのかかわりを扱うこと。
イ 内容の(2)のアの(ア)については,光の波としての分類や性質,電磁波の利用に関して,観察,実験などを中心に扱うこと。その際,「電磁波の利用」については,電波やX線にも触れること。(イ)については,熱量保存,仕事や電流による熱の発生,エネルギーの変換に関して,観察,実験などを中心...
ウ 内容の(2)のイの(ア)については,代表的なプラスチックや金属の種類,性質に関して,観察,実験などを中心に扱うこと。その際,「プラスチック」については,その成分の違い,化学構造及び燃焼にかかわる安全性にも触れること。「金属」については,製錬や腐食とその防止にも触れること。「資源...
エ 内容の(2)のウの(ア)については,光合成と光,光に対する動物の行動,ヒトの視覚に関して,観察,実験などを中心に扱うこと。その際,「植物の生育」については,成長運動,開花にも触れること。「動物の行動」については,体内時計も取り上げ,ヒトの健康と光とのかかわりにも触れること。(イ...
オ 内容の(2)のエの(ア)については,太陽や月の運行と時や暦などとの関係,太陽が地球や人間生活に及ぼす影響,太陽系の天体及び太陽系の広がりや構造に関して,観察,実験などを中心に扱うこと。その際,天動説,地動説にも触れること。(イ)については,地域の自然景観,その変化と自然災害に関...
カ 内容の(3)については,(2)で学習した内容を踏まえ,生徒の興味・関心等に応じて,自然や科学技術に関連した事例を課題として設定し考察させること。
第2 物理基礎
1 目標  日常生活や社会との関連を図りながら物体の運動と様々なエネルギーへの関心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,物理学的に探究する能力と態度を育てるとともに,物理学の基本的な概念や原理・法則を理解させ,科学的な見方や考え方を養う。
2 内容
(1) 物体の運動とエネルギー  日常に起こる物体の運動を観察,実験などを通して探究し,その基本的な概念や法則を理解させ,運動とエネルギーについての基礎的な見方や考え方を身に付けさせる。
ア 運動の表し方
(ア) 物理量の測定と扱い方  身近な物理現象について,物理量の測定と表し方,分析の手法を理解すること。
(イ) 運動の表し方  物体の運動の表し方について,直線運動を中心に理解すること。
(ウ) 直線運動の加速度  物体が直線上を運動する場合の加速度を理解すること。
イ 様々な力とその働き
(ア) 様々な力  物体に様々な力が働くことを理解すること。
(イ) 力のつり合い  物体に働く力のつり合いを理解すること。
(ウ) 運動の法則  運動の三法則を理解すること。
(エ) 物体の落下運動  物体が落下する際の運動の特徴及び物体に働く力と運動の関係について理解すること。
ウ 力学的エネルギー
(ア) 運動エネルギーと位置エネルギー  運動エネルギーと位置エネルギーについて,仕事と関連付けて理解すること。
(イ) 力学的エネルギーの保存  力学的エネルギー保存の法則を仕事と関連付けて理解すること。
エ 物体の運動とエネルギーに関する探究活動  物体の運動とエネルギーに関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,物理学的に探究する能力を高めること。
(2) 様々な物理現象とエネルギーの利用  様々な物理現象を観察,実験などを通して探究し,それらの基本的な概念や法則を理解させ,物理現象とエネルギーについての基礎的な見方や考え方を身に付けさせる。
ア 熱
(ア) 熱と温度  熱と温度について,原子や分子の熱運動という視点から理解すること。
(イ) 熱の利用  熱の移動及び熱と仕事の変換について理解すること。
イ 波
(ア) 波の性質  波の性質について,直線状に伝わる場合を中心に理解すること。
(イ) 音と振動  気柱の共鳴,弦の振動及び音波の性質を理解すること。
ウ 電気
(ア) 物質と電気抵抗  物質によって抵抗率が異なることを理解すること。
(イ) 電気の利用 交流の発生,送電及び利用について,基本的な仕組みを理解すること。
エ エネルギーとその利用
(ア) エネルギーとその利用  人類が利用可能な水力,化石燃料,原子力,太陽光などを源とするエネルギーの特性や利用などについて,物理学的な視点から理解すること。
オ 物理学が拓《ひら》く世界
(ア) 物理学が拓《ひら》く世界  「物理基礎」で学んだ事柄が,日常生活やそれを支えている科学技術と結び付いていることを理解すること。
カ 様々な物理現象とエネルギーの利用に関する探究活動  様々な物理現象とエネルギーの利用に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,物理学的に探究する能力を高めること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校理科との関連を考慮しながら,物理学の基本的な概念の形成を図るとともに,物理学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 「探究活動」においては,各項目の学習活動と関連させながら観察,実験を行い,報告書を作成させたり発表を行う機会を設けたりすること。また,その特質に応じて,情報の収集,仮説の設定,実験の計画,実験による検証,実験データの分析・解釈,法則性の導出などの探究の方法を習得させるようにする...
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)については,「物理基礎」の学習全体に通じる手法などを扱うこと。  イの(ア)については,摩擦力,弾性力,圧力及び浮力を扱うこと。また,空間を隔てて働く力にも定性的に触れること。(イ)については,平面内で働く力のつり合いを中心に扱うこと。(ウ)については,...
イ 内容の(2)のアの(ア)については,熱現象を微視的な視点でとらえ,原子や分子の熱運動と温度の関係を定性的に扱うこと。また,内部エネルギーや物質の三態にも触れること。(イ)については,熱現象における不可逆性にも触れること。   イの(ア)については,作図を用いる方法を中心に扱うこ...
第3 物 理
1 目標  物理的な事物・現象に対する探究心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,物理学的に探究する能力と態度を育てるとともに,物理学の基本的な概念や原理・法則の理解を深め,科学的な自然観を育成する。
2 内容
(1) 様々な運動  運動とエネルギーについての基礎的な見方や考え方に基づき,物体の運動を観察,実験などを通して探究し,力と運動に関する概念や原理・法則を系統的に理解させ,それらを活用できるようにする。
ア 平面内の運動と剛体のつり合い
(ア) 曲線運動の速度と加速度  平面内を運動する物体の運動について理解すること。
(イ) 斜方投射  斜方投射された物体の運動を理解すること。
(ウ) 剛体のつり合い  大きさのある物体のつり合いを理解すること。
イ 運動量
(ア) 運動量と力積  運動量と力積の関係について理解すること。
(イ) 運動量の保存  物体の衝突や分裂における運動量の保存を理解すること。
(ウ) はね返り係数  衝突におけるはね返りについて理解すること。
ウ 円運動と単振動
(ア) 円運動  円運動をする物体の様子を表す方法やその物体に働く力などについて理解すること。
(イ) 単振動  単振動をする物体の様子を表す方法やその物体に働く力などについて理解すること。
エ 万有引力
(ア) 惑星の運動  惑星の運動に関する法則を理解すること。
(イ) 万有引力  万有引力の法則及び万有引力による物体の運動について理解すること。
オ 気体分子の運動
(ア) 気体分子の運動と圧力  気体分子の運動と圧力の関係について理解すること。
(イ) 気体の内部エネルギー  気体の内部エネルギーについて,気体の分子運動と関連付けて理解すること。
(ウ) 気体の状態変化  気体の状態変化における熱,仕事及び内部エネルギーの関係を理解すること。
カ 様々な運動に関する探究活動  様々な運動に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,物理学的に探究する能力を高めること。
(2) 波  水面波,音,光などの波動現象を観察,実験などを通して探究し,共通する基本的な概念や法則を系統的に理解させるとともに,それらを日常生活や社会と関連付けて考察できるようにする。
ア 波の伝わり方
(ア) 波の伝わり方とその表し方  波の伝わり方とその表し方について理解すること。
(イ) 波の干渉と回折  波の干渉と回折について理解すること。
イ 音
(ア) 音の干渉と回折  音の干渉と回折について理解すること。
(イ) 音のドップラー効果  音のドップラー効果について理解すること。
ウ 光
(ア) 光の伝わり方  光の伝わり方について理解すること。
(イ) 光の回折と干渉  光の回折と干渉について理解すること。
エ 波に関する探究活動  波に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,物理学的に探究する能力を高めること。
(3) 電気と磁気  電気や磁気に関する現象を観察,実験などを通して探究し,電気と磁気に関する基本的な概念や原理・法則を系統的に理解させるとともに,それらを日常生活や社会と関連付けて考察できるようにする。
ア 電気と電流
(ア) 電荷と電界  電荷が相互に及ぼし合う力や電界の表し方を理解すること。
(イ) 電界と電位  電界と電位の関係を理解すること。
(ウ) コンデンサー  コンデンサーの性質を理解すること。
(エ) 電気回路  電気回路について理解すること。
イ 電流と磁界
(ア) 電流による磁界  電流がつくる磁界の様子を理解すること。
(イ) 電流が磁界から受ける力  電流が磁界から受ける力について理解すること。
(ウ) 電磁誘導  電磁誘導と交流について,現象や法則を理解すること。
(エ) 電磁波の性質とその利用  電磁波について,性質とその利用を理解すること。
ウ 電気と磁気に関する探究活動  電気や磁気に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,物理学的に探究する能力を高めること。
(4) 原子  電子,原子及び原子核に関する現象を観察,実験などを通して探究し,原子についての基本的な概念や原理・法則を理解させる。
ア 電子と光
(ア) 電子  電子の電荷と質量について理解すること。
(イ) 粒子性と波動性  電子や光の粒子性と波動性について理解すること。
イ 原子と原子核
(ア) 原子とスペクトル  原子の構造及びスペクトルと電子のエネルギー準位の関係について理解すること。
(イ) 原子核  原子核の構成,原子核の崩壊及び核反応について理解すること。
(ウ) 素粒子  素粒子の存在について知ること。
ウ 物理学が築く未来
(ア) 物理学が築く未来  物理学の成果が様々な分野で利用され,未来を築く新しい科学技術の基盤となっていることを理解すること。
エ 原子に関する探究活動  原子に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,物理学的に探究する能力を高めること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 「物理基礎」との関連を考慮しながら,物理学の基本的な概念の形成を図るとともに,物理学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 「探究活動」においては,「物理基礎」の3の(1)のイと同様に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)については,物体の平面内の運動を表す変位,速度及び加速度はベクトルで表されることを扱うこと。(イ)については,物体の水平投射や斜方投射における速度,加速度,重力の働きなどを扱うこと。また,空気の抵抗がある場合の落下運動にも触れること。(ウ)については,力...
イ 内容の(2)のアの(ア)については,ホイヘンスの原理,水面波の反射・屈折及び波の式を扱うこと。(イ)については,水面波を扱うこと。  イの(イ)については,観測者と音源が同一直線上を動く場合を扱うこと。  ウの(ア)については,光の速さ,波長,反射,屈折,分散,偏光などを扱い,...
ウ 内容の(3)のアの(ア)については,静電誘導も扱うこと。(ウ)については,コンデンサーの接続にも触れること。(エ)については,抵抗率の温度変化,内部抵抗も扱うこと。また,半導体にも触れること。  イの(ア)については,直線電流と円電流がつくる磁界を中心に扱うこと。(イ)について...
エ 内容の(4)のアの(ア)については,電子に関する歴史的な実験にも触れること。(イ)については,光電効果,電子線回折などを扱い,X線にも触れること。  イの(ア)については,水素原子の構造を中心にスペクトルと関連させて扱うこと。(イ)については,質量とエネルギーの等価性にも触れる...
第4 化学基礎
1 目標  日常生活や社会との関連を図りながら物質とその変化への関心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,化学的に探究する能力と態度を育てるとともに,化学の基本的な概念や原理・法則を理解させ,科学的な見方や考え方を養う。
2 内容
(1) 化学と人間生活  化学と人間生活とのかかわりについて関心を高め,化学が物質を対象とする科学であることや化学が人間生活に果たしている役割を理解させるとともに,観察,実験などを通して物質を探究する方法の基礎を身に付けさせる。
ア 化学と人間生活とのかかわり
(ア) 人間生活の中の化学  日常生活や社会を支える物質の利用とその製造の例を通して,化学に対する興味・関心を高めること。
(イ) 化学とその役割  日常生活や社会において物質が適切に使用されている例を通して,化学が果たしている役割を理解すること。
イ 物質の探究
(ア) 単体・化合物・混合物  物質の分離・精製や元素の確認などの実験を通して,単体,化合物及び混合物について理解するとともに,実験における基本操作と物質を探究する方法を身に付けること。
(イ) 熱運動と物質の三態  粒子の熱運動と温度及び物質の三態変化との関係について理解すること。
ウ 化学と人間生活に関する探究活動  化学と人間生活に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,化学的に探究する能力を高めること。
(2) 物質の構成  原子の構造及び電子配置と周期律との関係を理解させる。また,物質の性質について観察,実験などを通して探究し,化学結合と物質の性質との関係を理解させ,物質について微視的な見方ができるようにする。
ア 物質の構成粒子
(ア) 原子の構造  原子の構造及び陽子,中性子,電子の性質を理解すること。
(イ) 電子配置と周期表  元素の周期律及び原子の電子配置と周期表の族や周期との関係について理解すること。
イ 物質と化学結合
(ア) イオンとイオン結合  イオンの生成を電子配置と関連付けて理解すること。また,イオン結合及びイオン結合でできた物質の性質を理解すること。
(イ) 金属と金属結合  金属結合及び金属の性質を理解すること。
(ウ) 分子と共有結合  共有結合を電子配置と関連付けて理解すること。また,分子からなる物質の性質を理解すること。
ウ 物質の構成に関する探究活動  物質の構成に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,化学的に探究する能力を高めること。
(3) 物質の変化  化学反応の量的関係,酸と塩基の反応及び酸化還元反応について観察,実験などを通して探究し,化学反応に関する基本的な概念や法則を理解させるとともに,それらを日常生活や社会と関連付けて考察できるようにする。
ア 物質量と化学反応式
(ア) 物質量  物質量と粒子数,質量,気体の体積との関係について理解すること。
(イ) 化学反応式  化学反応式は化学反応に関与する物質とその量的関係を表すことを理解すること。
イ 化学反応
(ア) 酸・塩基と中和  酸と塩基の性質及び中和反応に関与する物質の量的関係を理解すること。
(イ) 酸化と還元  酸化と還元が電子の授受によることを理解すること。また,酸化還元反応と日常生活や社会とのかかわりについて理解すること。
ウ 物質の変化に関する探究活動  物質の変化に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,化学的に探究する能力を高めること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校理科との関連を考慮しながら,化学の基本的な概念の形成を図るとともに,化学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 「探究活動」においては,各項目の学習活動と関連させながら観察,実験を行い,報告書を作成させたり発表を行う機会を設けたりすること。また,その特質に応じて,情報の収集,仮説の設定,実験の計画,実験による検証,実験データの分析・解釈などの探究の方法を習得させるようにすること。その際,...
ウ 内容の(1)のアについては,この科目の導入として位置付け,化学に対する興味・関心を高めるよう展開すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)については,代表的な金属やプラスチックを扱うこと。その際,再利用にも触れること。(イ)については,洗剤や食品添加物など身近な例を扱うこと。その際,物質の性質や使用する量が有効性と危険性に関連していることにも触れること。  イの(ア)の「物質の分離・精製」...
イ 内容の(2)のアの(ア)については,原子番号,質量数及び同位体を扱うこと。その際,放射性同位体とその利用にも触れること。(イ)の「電子配置」については,代表的な典型元素を扱うこと。「周期律」については,イオン化エネルギーの変化にも触れること。  イの(ア)については,多原子イオ...
ウ 内容の(3)のアの(ア)については,モル質量や溶液のモル濃度も扱うこと。  イの(ア)については,酸,塩基の強弱と電離度の大小との関係も扱うこと。「酸と塩基」については,水素イオン濃度とpHとの関係にも触れること。「中和反応」については,生成する塩の性質にも触れること。(イ)に...
第5 化 学
1 目標  化学的な事物・現象に対する探究心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,化学的に探究する能力と態度を育てるとともに,化学の基本的な概念や原理・法則の理解を深め,科学的な自然観を育成する。
2 内容
(1) 物質の状態と平衡  気体,液体,固体の性質を観察,実験などを通して探究し,物質の状態変化,状態間の平衡,溶解平衡及び溶液の性質について理解させるとともに,それらを日常生活や社会と関連付けて考察できるようにする。
ア 物質の状態とその変化
(ア) 状態変化  物質の沸点,融点を分子間力や化学結合と関連付けて理解すること。また,状態変化に伴うエネルギーの出入り及び状態間の平衡と温度や圧力との関係について理解すること。
(イ) 気体の性質  気体の体積と圧力や温度との関係を理解すること。
(ウ) 固体の構造  結晶格子の概念及び結晶の構造を理解すること。
イ 溶液と平衡
(ア) 溶解平衡  溶解の仕組みを理解すること。また,溶解度を溶解平衡と関連付けて理解すること。
(イ) 溶液とその性質  身近な現象を通して溶媒と溶液の性質の違いを理解すること。
ウ 物質の状態と平衡に関する探究活動  物質の状態と平衡に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,化学的に探究する能力を高めること。
(2) 物質の変化と平衡  化学反応に伴うエネルギーの出入り,反応速度及び化学平衡を観察,実験などを通して探究し,化学反応に関する概念や法則を理解させるとともに,それらを日常生活や社会と関連付けて考察できるようにする。
ア 化学反応とエネルギー
(ア) 化学反応と熱・光  化学反応における熱及び光の発生や吸収は,反応の前後における物質のもつ化学エネルギーの差から生じることを理解すること。
(イ) 電気分解  外部から加えた電気エネルギーによって,電極で酸化還元反応が起こることを理解すること。また,その反応に関与した物質の変化量と電気量との関係を理解すること。
(ウ) 電池  電池は,酸化還元反応によって電気エネルギーを取り出す仕組みであることを理解すること。
イ 化学反応と化学平衡
(ア) 反応速度  反応速度の表し方及び反応速度に影響を与える要因を理解すること。
(イ) 化学平衡とその移動  可逆反応,化学平衡及び化学平衡の移動を理解すること。
(ウ) 電離平衡  水のイオン積,pH及び弱酸や弱塩基の電離平衡について理解すること。
ウ 物質の変化と平衡に関する探究活動  物質の変化と平衡に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,化学的に探究する能力を高めること。
(3) 無機物質の性質と利用  無機物質の性質や反応を観察,実験などを通して探究し,元素の性質が周期表に基づいて整理できることを理解させるとともに,それらを日常生活や社会と関連付けて考察できるようにする。
ア 無機物質
(ア) 典型元素  典型元素の単体と化合物の性質や反応を周期表と関連付けて理解すること。
(イ) 遷移元素  遷移元素の単体と化合物の性質や反応について理解すること。
イ 無機物質と人間生活
(ア) 無機物質と人間生活  無機物質が,その特徴を生かして人間生活の中で利用されていることを理解すること。
ウ 無機物質の性質と利用に関する探究活動  無機物質の性質と利用に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,化学的に探究する能力を高めること。
(4) 有機化合物の性質と利用  有機化合物の性質や反応を観察,実験などを通して探究し,有機化合物の分類と特徴を理解させるとともに,それらを日常生活や社会と関連付けて考察できるようにする。
ア 有機化合物
(ア) 炭化水素  脂肪族炭化水素の性質や反応を構造と関連付けて理解すること。
(イ) 官能基をもつ化合物  官能基をもつ脂肪族化合物の性質や反応について理解すること。
(ウ) 芳香族化合物  芳香族化合物の構造,性質及び反応について理解すること。
イ 有機化合物と人間生活
(ア) 有機化合物と人間生活  有機化合物が,その特徴を生かして人間生活の中で利用されていることを理解すること。
ウ 有機化合物の性質と利用に関する探究活動  有機化合物の性質と利用に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,化学的に探究する能力を高めること。
(5) 高分子化合物の性質と利用  高分子化合物の性質や反応を観察,実験などを通して探究し,合成高分子化合物と天然高分子化合物の特徴を理解させるとともに,それらを日常生活や社会と関連付けて考察できるようにする。
ア 高分子化合物
(ア) 合成高分子化合物  合成高分子化合物の構造,性質及び合成について理解すること。
(イ) 天然高分子化合物  天然高分子化合物の構造や性質について理解すること。
イ 高分子化合物と人間生活
(ア) 高分子化合物と人間生活  高分子化合物が,その特徴を生かして人間生活の中で利用されていることを理解すること。
ウ 高分子化合物の性質と利用に関する探究活動  高分子化合物の性質と利用に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,化学的に探究する能力を高めること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 「化学基礎」との関連を考慮しながら,化学の基本的な概念の形成を図るとともに,化学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 「探究活動」においては,「化学基礎」の3の(1)のイと同様に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)については,融解熱や蒸発熱を扱うこと。「状態間の平衡」については,気液平衡や蒸気圧を扱うこと。(イ)については,ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を扱うこと。その際,分子量測定にも触れること。また,混合気体,分圧の法則及び実在気体も扱うこと。(...
イ 内容の(2)のアの(ア)については,熱化学方程式やヘスの法則を扱うこと。また,結合エネルギーにも触れること。(イ)については,水溶液の電気分解を中心に扱うこと。(ウ)については,水の電気分解の逆反応を用いた電池を扱うこと。また,ダニエル電池や代表的な実用電池の反応にも触れること...
ウ 内容の(3)のアの(ア)については,各族の代表的な元素の単体と化合物を扱うこと。(イ)については,クロム,マンガン,鉄,銅,銀及びそれらの化合物を扱うこと。  イの(ア)については,アで取り上げた物質のほか,人間生活に利用されている代表的な金属,セラミックスなどを扱うこと。
エ 内容の(4)のアの(イ)については,アルコール,エーテル,カルボニル化合物,カルボン酸,エステルなどを取り上げ,それらの性質は炭素骨格及び官能基により特徴付けられることを扱うこと。また,光学異性体にも触れること。(ウ)については,芳香族炭化水素,フェノール類,芳香族カルボン酸,...
オ 内容の(5)のアの(ア)については,代表的な合成繊維及びプラスチックを扱うこと。その際,合成高分子化合物の開発の歴史にも触れること。(イ)については,繊維や食物を構成している代表的な天然高分子化合物を扱うこと。また,核酸の構造にも触れること。  イの(ア)については,高分子化合...
第6 生物基礎
1 目標  日常生活や社会との関連を図りながら生物や生物現象への関心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,生物学的に探究する能力と態度を育てるとともに,生物学の基本的な概念や原理・法則を理解させ,科学的な見方や考え方を養う。
2 内容
(1) 生物と遺伝子  生物と遺伝子について観察,実験などを通して探究し,細胞の働き及びDNAの構造と機能の概要を理解させ,生物についての共通性と多様性の視点を身に付けさせる。
ア 生物の特徴
(ア) 生物の共通性と多様性  生物は多様でありながら共通性をもっていることを理解すること。
(イ) 細胞とエネルギー  生命活動に必要なエネルギーと代謝について理解すること。
イ 遺伝子とその働き
(ア) 遺伝情報とDNA  遺伝情報を担う物質としてのDNAの特徴について理解すること。
(イ) 遺伝情報の分配  DNAが複製され分配されることにより,遺伝情報が伝えられることを理解すること。
(ウ) 遺伝情報とタンパク質の合成  DNAの情報に基づいてタンパク質が合成されることを理解すること。
ウ 生物と遺伝子に関する探究活動  生物と遺伝子に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,生物学的に探究する能力を高めること。
(2) 生物の体内環境の維持  生物の体内環境の維持について観察,実験などを通して探究し,生物には体内環境を維持する仕組みがあることを理解させ,体内環境の維持と健康との関係について認識させる。
ア 生物の体内環境
(ア) 体内環境  体内環境が保たれていることを理解すること。
(イ) 体内環境の維持の仕組み  体内環境の維持に自律神経とホルモンがかかわっていることを理解すること。
(ウ) 免疫  免疫とそれにかかわる細胞の働きについて理解すること。
イ 生物の体内環境の維持に関する探究活動  生物の体内環境の維持に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,生物学的に探究する能力を高めること。
(3) 生物の多様性と生態系  生物の多様性と生態系について観察,実験などを通して探究し,生態系の成り立ちを理解させ,その保全の重要性について認識させる。
ア 植生の多様性と分布
(ア) 植生と遷移  陸上には様々な植生がみられ,植生は長期的に移り変わっていくことを理解すること。
(イ) 気候とバイオーム  気温と降水量の違いによって様々なバイオームが成立していることを理解すること。
イ 生態系とその保全
(ア) 生態系と物質循環  生態系では,物質が循環するとともにエネルギーが移動することを理解すること。
(イ) 生態系のバランスと保全  生態系のバランスについて理解し,生態系の保全の重要性を認識すること。
ウ 生物の多様性と生態系に関する探究活動  生物の多様性と生態系に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,生物学的に探究する能力を高めること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校理科との関連を考慮しながら,生物学の基本的な概念の形成を図るとともに,生物学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 「探究活動」においては,各項目の学習活動と関連させながら観察,実験を行い,報告書を作成させたり発表を行う機会を設けたりすること。また,その特質に応じて,問題を見いだすための観察,仮説の設定,実験の計画,実験による検証,調査,実験データの分析・解釈などの探究の方法を習得させること...
ウ 内容の(1)のアの(ア)については,この科目の導入として位置付け,以後の学習においても,生物についての共通性と多様性の視点を意識させるよう展開すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)については,生物が共通性を保ちながら進化し多様化してきたこと,その共通性は起源の共有に由来することを扱うこと。その際,原核生物と真核生物の観察を行うこと。(イ)については,呼吸と光合成の概要を扱うこと。その際,酵素の触媒作用やATPの役割,ミトコンドリア...
イ 内容の(2)のアの(ア)については,体液の成分とその濃度調節を扱うこと。また,血液凝固にも触れること。(イ)については,血糖濃度の調節機構を取り上げること。その際,身近な疾患の例にも触れること。(ウ)については,身近な疾患の例にも触れること。
ウ 内容の(3)のアの(ア)については,植生の成り立ちには光や土壌などが関係することを扱うこと。また,植物の環境形成作用にも触れること。(イ)については,気温と降水量に対する適応に関連付けて扱うこと。また,日本のバイオームも扱うこと。  イの(ア)の物質の「循環」については,窒素の...
第7 生 物
1 目標  生物や生物現象に対する探究心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,生物学的に探究する能力と態度を育てるとともに,生物学の基本的な概念や原理・法則の理解を深め,科学的な自然観を育成する。
2 内容
(1) 生命現象と物質  生命現象を支える物質の働きについて観察,実験などを通して探究し,タンパク質や核酸などの物質の働きを理解させ,生命現象を分子レベルでとらえさせる。
ア 細胞と分子
(ア) 生体物質と細胞  細胞の内部構造とそれを構成する物質の特徴を理解すること。
(イ) 生命現象とタンパク質  様々なタンパク質が様々な生命現象を支えていることを理解すること。
イ 代謝
(ア) 呼吸  呼吸によって有機物からエネルギーが取り出される仕組みを理解すること。
(イ) 光合成  光合成によって光エネルギーを用いて有機物がつくられる仕組みを理解すること。
(ウ) 窒素同化  窒素同化について理解すること。
ウ 遺伝情報の発現
(ア) 遺伝情報とその発現  DNAの複製の仕組み,遺伝子の発現の仕組み及び遺伝情報の変化を理解すること。
(イ) 遺伝子の発現調節  遺伝子の発現が調節されていること及びその仕組みの概要を理解すること。
(ウ) バイオテクノロジー  遺伝子を扱った技術について,その原理と有用性を理解すること。
エ 生命現象と物質に関する探究活動  生命現象と物質に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,生物学的に探究する能力を高めること。
(2) 生殖と発生  生物の生殖や発生について観察,実験などを通して探究し,動物と植物の配偶子形成から形態形成までの仕組みを理解させる。
ア 有性生殖
(ア) 減数分裂と受精  減数分裂による遺伝子の分配と受精により多様な遺伝的な組合せが生じることを理解すること。
(イ) 遺伝子と染色体  遺伝子の連鎖と組換えについて理解すること。
イ 動物の発生
(ア) 配偶子形成と受精  配偶子形成と受精の過程について理解すること。
(イ) 初期発生の過程  卵割から器官分化の始まりまでの過程について理解すること。
(ウ) 細胞の分化と形態形成  細胞の分化と形態形成の仕組みを理解すること。
ウ 植物の発生
(ア) 配偶子形成と受精,胚《はい》発生  配偶子形成と受精及び胚《はい》発生の過程について理解すること。
(イ) 植物の器官の分化  被子植物の器官の分化の過程について理解すること。
エ 生殖と発生に関する探究活動  生殖と発生に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,生物学的に探究する能力を高めること。
(3) 生物の環境応答  環境の変化に生物が反応していることについて観察,実験などを通して探究し,生物個体が外界の変化を感知し,それに反応する仕組みを理解させる。
ア 動物の反応と行動
(ア) 刺激の受容と反応  外界の刺激を受容し,神経系を介して,反応する仕組みを理解すること。
(イ) 動物の行動  刺激に対する反応としての動物個体の行動について理解すること。
イ 植物の環境応答
(ア) 植物の環境応答  植物が環境変化に反応する仕組みを理解すること。
ウ 生物の環境応答に関する探究活動  生物の環境応答に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,生物学的に探究する能力を高めること。
(4) 生態と環境  生物の個体群と群集及び生態系について観察,実験などを通して探究し,それらの構造や変化の仕組みを理解させ,生態系のバランスや生物多様性の重要性について認識させる。
ア 個体群と生物群集
(ア) 個体群  個体群とその変動について理解すること。
(イ) 生物群集  生物群集の成り立ちについて理解すること。
イ 生態系
(ア) 生態系の物質生産  生態系における物質生産とエネルギー効率について理解すること。
(イ) 生態系と生物多様性  生態系における生物多様性に影響を与える要因を理解し,生物多様性の重要性を認識すること。
ウ 生態と環境に関する探究活動  生態と環境に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,生物学的に探究する能力を高めること。
(5) 生物の進化と系統  生物の進化の過程とその仕組み及び生物の系統について,観察,実験などを通して探究し,生物界の多様性と系統を理解させ,進化についての考え方を身に付けさせる。
ア 生物の進化の仕組み
(ア) 生命の起源と生物の変遷  生命の起源と生物進化の道筋について理解すること。
(イ) 進化の仕組み  生物進化がどのようにして起こるのかを理解すること。
イ 生物の系統
(ア) 生物の系統  生物はその系統に基づいて分類できることを理解すること。
ウ 生物の進化と系統に関する探究活動  生物の進化と系統に関する探究活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,生物学的に探究する能力を高めること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 「生物基礎」との関連を考慮しながら,生物学の基本的な概念の形成を図るとともに,生物学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 「探究活動」においては,「生物基礎」の3の(1)のイと同様に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,生命現象を分子レベルでとらえるために必要な最小限の化学の知識にも触れること。
イ 内容の(1)のアの(ア)については,生体膜を扱い,細胞骨格にも触れること。(イ)については,物質輸送,情報伝達などにかかわるタンパク質を扱うこと。また,酵素については,その働きとタンパク質の立体構造との関係を扱うこと。  イの(ア)については,解糖系,クエン酸回路及び電子伝達系...
ウ 内容の(2)のアの(ア)については,性染色体の存在にも触れること。(イ)については,組換えによって遺伝子の新しい組合せが生じることを扱うこと。  イの(イ)については,胚《はい》の前後軸の決定に卵の細胞質における不均一性が関与していることを扱うこと。(ウ)については,形成体と誘...
エ 内容の(3)のアの(ア)については,受容器として眼《め》と耳を中心に,効果器として筋肉を中心に取り上げ,刺激の受容から反応までの流れを扱うこと。(イ)については,神経系の働きに関連付けられる動物の行動を扱うこと。  イの(ア)については,植物ホルモンと光受容体を扱うこと。
オ 内容の(4)のアの(ア)については,個体群内の相互作用として種内競争と社会性,個体群間の相互作用として捕食と被食,種間競争及び相利共生を扱うこと。(イ)については,多様な種が共存する仕組みを扱うこと。  イの(ア)の「物質生産」については,年間生産量を取り上げ,生産者の現存量と...
カ 内容の(5)のアの(ア)については,生物の変遷を地球環境の変化に関連付けて扱うこと。(イ)については,種分化の過程も扱うこと。  イの(ア)については,ドメインや界・門などの高次の分類群を中心に扱うこと。
第8 地学基礎
1 目標  日常生活や社会との関連を図りながら地球や地球を取り巻く環境への関心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,地学的に探究する能力と態度を育てるとともに,地学の基本的な概念や原理・法則を理解させ,科学的な見方や考え方を養う。
2 内容
(1) 宇宙における地球  宇宙の誕生と地球の形成について観察,実験などを通して探究し,宇宙と惑星としての地球の特徴を理解させる。
ア 宇宙の構成
(ア) 宇宙のすがた  宇宙の誕生と銀河の分布について理解すること。
(イ) 太陽と恒星  太陽の表面の現象と太陽のエネルギー源及び恒星としての太陽の進化を理解すること。
イ 惑星としての地球
(ア) 太陽系の中の地球  太陽系の誕生と生命を生み出す条件を備えた地球の特徴を理解すること。
(イ) 地球の形と大きさ  地球の形の特徴と大きさについて理解すること。
(ウ) 地球内部の層構造  地球内部の層構造とその状態を理解すること。
ウ 宇宙における地球に関する探究活動  宇宙における地球に関する探究活動を行い,その学習内容の理解を深めるとともに,地学的に探究する能力を高めること。
(2) 変動する地球  変動する地球について観察,実験などを通して探究し,地球がプレートの運動や太陽の放射エネルギーによって変動してきたことを理解させる。また,地球の環境と人間生活とのかかわりについて考察させる。
ア 活動する地球
(ア) プレートの運動  プレートの分布と運動及びプレート運動に伴う大地形の形成について理解すること。
(イ) 火山活動と地震  火山活動と地震の発生の仕組みについて理解すること。
イ 移り変わる地球
(ア) 地層の形成と地質構造  地層が形成される仕組みと地質構造について理解すること。
(イ) 古生物の変遷と地球環境  古生物の変遷と地球環境の変化について理解すること。
ウ 大気と海洋
(ア) 地球の熱収支  大気の構造と地球全体の熱収支について理解すること。
(イ) 大気と海水の運動  大気の大循環と海水の運動及びそれらによる地球規模の熱の輸送について理解すること。
エ 地球の環境
(ア) 地球環境の科学  地球環境の変化を科学的に考察すること。
(イ) 日本の自然環境  日本の自然環境を理解し,その恩恵や災害など自然環境と人間生活とのかかわりについて考察すること。
オ 変動する地球に関する探究活動  変動する地球に関する探究活動を行い,その学習内容の理解を深めるとともに,地学的に探究する能力を高めること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校理科との関連を考慮しながら,地学の基本的な概念の形成を図るとともに,地学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 「探究活動」においては,各項目の学習活動と関連させながら観察,実験などを行い,報告書を作成させたり発表を行う機会を設けたりすること。また,その特質に応じて,情報の収集,仮説の設定,実験の計画,野外観察,調査,データの分析・解釈,推論などの探究の方法を習得させるようにすること。そ...
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)の「宇宙の誕生」については,ビッグバンを扱い,水素やヘリウムがつくられたことにも触れること。「銀河の分布」については,大規模構造にも触れること。(イ)の「太陽の表面の現象」については,スペクトルも扱うこと。また,恒星の進化の過程で元素が生成されることにも...
イ 内容(2)のアの(ア)については,マントル内のプルームの存在にも触れること。(イ)の「火山活動」については,プレートの発散境界や収束境界における火山活動を扱い,ホットスポットにおける火山活動にも触れること。また,火成岩の観察を行うこと。「地震の発生の仕組み」については,プレート...
第9 地 学
1 目標  地学的な事物・現象に対する探究心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,地学的に探究する能力と態度を育てるとともに,地学の基本的な概念や原理・法則の理解を深め,科学的な自然観を育成する。
2 内容
(1) 地球の概観  地球の形状や内部構造を観察,実験などを通して探究し,地球の概観を理解させる。
ア 地球の形状
(ア) 地球の形と重力  地球の形状と重力とのかかわりを理解すること。
(イ) 地球の磁気  地磁気の特徴とその働きを理解すること。
イ 地球の内部
(ア) 地球の内部構造  地震波の伝わり方に基づいて地球内部の構造を理解すること。
(イ) 地球内部の状態と物質  地球内部の温度,密度,圧力及び構成物質の組成について理解すること。
ウ 地球の概観に関する探究活動  地球の概観に関する探究活動を行い,その学習内容の理解を深めるとともに,地学的に探究する能力を高めること。
(2) 地球の活動と歴史  地球に見られる様々な事物・現象を観察,実験などを通して探究し,地球の活動と歴史を理解させる。
ア 地球の活動
(ア) プレートテクトニクス  プレートテクトニクスとその成立過程を理解すること。
(イ) 地震と地殻変動  プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて理解すること。
(ウ) 火成活動  マグマの発生と分化及び火成岩の形成について理解すること。
(エ) 変成作用と変成岩  変成作用や変成岩の特徴及び造山帯について理解すること。
イ 地球の歴史
(ア) 地表の変化  風化,侵食,運搬及び堆《たい》積の諸作用による地形の形成について理解すること。
(イ) 地層の観察  地層に関する野外観察や実験などを通して,地質時代における地球環境や地殻変動について理解すること。
(ウ) 地球環境の変遷  大気,海洋,大陸及び古生物などの変遷を基に地球環境の移り変わりを総合的に理解すること。
(エ) 日本列島の成り立ち  島弧としての日本列島の地学的な特徴と形成史を理解すること。
ウ 地球の活動と歴史に関する探究活動  地球の活動と歴史に関する探究活動を行い,その学習内容の理解を深めるとともに,地学的に探究する能力を高めること。
(3) 地球の大気と海洋  地球の大気と海洋の事物・現象を観察,実験などを通して探究し,大気と海洋の構造や運動を理解させる。
ア 大気の構造と運動
(ア) 大気の構造  大気の組成と構造を理解すること。
(イ) 大気の運動と気象  大循環と対流による現象及び日本や世界の気象の特徴を理解すること。
イ 海洋と海水の運動
(ア) 海洋の構造  海水の組成と海洋の構造を理解すること。
(イ) 海水の運動  海水の運動や循環及び海洋と大気の相互作用について理解すること。
ウ 地球の大気と海洋に関する探究活動  地球の大気と海洋に関する探究活動を行い,その学習内容の理解を深めるとともに,地学的に探究する能力を高めること。
(4) 宇宙の構造  宇宙に関する事物・現象を観察,実験などを通して探究し,宇宙の構造について理解させる。
ア 太陽系
(ア) 地球の自転と公転  地球の自転と公転の証拠となる現象を理解すること。
(イ) 太陽系天体とその運動  太陽系天体の特徴と惑星の運動を理解すること。
(ウ) 太陽の活動  太陽の活動と内部構造を理解すること。
イ 恒星と銀河系
(ア) 恒星の性質と進化  恒星の性質と進化について理解すること。
(イ) 銀河系の構造  銀河系の構成天体とその分布について理解すること。
ウ 銀河と宇宙
(ア) 様々な銀河  様々な銀河の存在や銀河の後退運動を理解すること。
(イ) 膨張する宇宙  現代の宇宙像の概要を理解すること。
エ 宇宙の構造に関する探究活動  宇宙の構造に関する探究活動を行い,その学習内容の理解を深めるとともに,地学的に探究する能力を高めること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 「地学基礎」との関係を考慮しながら,地学の基本的な概念の形成を図るとともに,地学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 「探究活動」においては,「地学基礎」の3の(1)のイと同様に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)については,地球楕《だ》円体や地球表面における重力を扱い,ジオイドや重力異常にも触れること。(イ)については,地磁気の三要素及び磁気圏と太陽風との関連を扱うこと。また,地磁気の原因と古地磁気にも触れること。  イの(ア)については,走時曲線を扱い,地震波...
イ 内容の(2)のアの(ア)については,マントル内のプルームも扱うこと。(イ)については,世界の地震帯の特徴をプレート運動と関連付けて扱うこと。また,日本列島付近におけるプレート間地震やプレート内地震の特徴も扱うこと。地殻変動については,活断層と地形との関係にも触れること。(ウ)に...
ウ 内容の(3)のアの(ア)の大気の「組成」については,大気中の水分も扱うこと。大気の「構造」については,各圏の特徴と大気における熱収支を扱うこと。(イ)の「大循環」による現象については,偏西風波動と地上の高気圧・低気圧との関係も扱うこと。「対流」による現象については,大気の安定・...
エ 内容の(4)のアの(ア)の「自転」については,フーコーの振り子を扱うこと。「公転」については,年周視差と年周光行差を扱うこと。また,時刻と太陽暦にも触れること。(イ)の「太陽系天体の特徴」については,観測や探査機による研究成果を踏まえて特徴を扱うこと。「惑星の運動」については,...
第10 理科課題研究
1 目標  科学に関する課題を設定し,観察,実験などを通して研究を行い,科学的に探究する能力と態度を育てるとともに,創造性の基礎を培う。
2 内容
(1) 特定の自然の事物・現象に関する研究
(2) 先端科学や学際的領域に関する研究
(3) 自然環境の調査に基づく研究
(4) 科学を発展させた実験に関する研究
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成とその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,内容の(1)から(4)までの中から,個人又はグループで適切な課題を設定させること。なお,課題は内容の(1)から(4)までの2項目以上にまたがる課題を設定することができること。
イ 指導に効果的な場合には,大学や研究機関,博物館などと積極的に連携,協力を図ること。
ウ 研究の成果について,報告書を作成させ,発表を行う機会を設けること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,高等学校理科の内容と関連させて扱うこと。
イ 内容の(4)については,科学の歴史における著名な実験などを行い,原理・法則の確立の経緯とも関連付けて扱うこと。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 「物理」,「化学」,「生物」及び「地学」の各科目については,原則として,それぞれに対応する基礎を付した科目を履修した後に履修させること。
(2) 「理科課題研究」については,一つ以上の基礎を付した科目を履修した後に履修させること。また,課題の特性や学校の実態に応じて,授業を特定の期間に実施するなど,指導を効果的に行うこと。
(3) 各科目の指導に当たっては,大学や研究機関,博物館などと積極的に連携,協力を図るようにすること。
(4) 各科目を履修させるに当たっては,当該科目や他の科目の内容及び数学科や家庭科等の内容を踏まえ,相互の関連を図るとともに,学習の内容の系統性に留意すること。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各科目の指導に当たっては,観察,実験などの結果を分析し解釈して自らの考えを導き出し,それらを表現するなどの学習活動を充実すること。
(2) 生命を尊重し,自然環境の保全に寄与する態度の育成を図ること。また,環境問題や科学技術の進歩と人間生活にかかわる内容等については,持続可能な社会をつくることの重要性も踏まえながら,科学的な見地から取り扱うこと。
(3) 観察,実験,野外観察,調査などの指導に当たっては,関連する法規等に従い,事故防止について十分留意するとともに,使用薬品などの管理及び廃棄についても適切な措置を講ずること。
(4) 各科目の指導に当たっては,観察,実験の過程での情報の収集・検索,計測・制御,結果の集計・処理などにおいて,コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的かつ適切に活用すること。
第6節 保 健 体 育
第1款 目標  心と体を一体としてとらえ,健康・安全や運動についての理解と運動の合理的,計画的な実践を通して,生涯にわたって豊かなスポーツライフを継続する資質や能力を育てるとともに健康の保持増進のための実践力の育成と体力の向上を図り,明るく豊かで活力ある生活を営む態度を育てる。
第2款 各 科 目
第1 体 育
1 目標  運動の合理的,計画的な実践を通して,知識を深めるとともに技能を高め,運動の楽しさや喜びを深く味わうことができるようにし,自己の状況に応じて体力の向上を図る能力を育て,公正,協力,責任,参画などに対する意欲を高め,健康・安全を確保して,生涯にわたって豊かなスポーツライフを...
2 内容
A 体つくり運動
(1) 次の運動を通して,体を動かす楽しさや心地よさを味わい,健康の保持増進や体力の向上を図り,目的に適した運動の計画や自己の体力や生活に応じた運動の計画を立て,実生活に役立てることができるようにする。
ア 体ほぐしの運動では,心と体は互いに影響し変化することに気付き,体の状態に応じて体の調子を整え,仲間と積極的に交流するための手軽な運動や律動的な運動を行うこと。
イ 体力を高める運動では,自己のねらいに応じて,健康の保持増進や調和のとれた体力の向上を図るための継続的な運動の計画を立て取り組むこと。
(2) 体つくり運動に主体的に取り組むとともに,体力などの違いに配慮しようとすること,役割を積極的に引き受け自己の責任を果たそうとすること,合意形成に貢献しようとすることなどや,健康・安全を確保することができるようにする。
(3) 体つくり運動の行い方,体力の構成要素,実生活への取り入れ方などを理解し,自己や仲間の課題に応じた運動を継続するための取り組み方を工夫できるようにする。
B 器械運動
(1) 次の運動について,技がよりよくできる楽しさや喜びを味わい,自己に適した技を高めて,演技することができるようにする。
ア マット運動では,回転系や巧技系の基本的な技を滑らかに安定して行うこと,条件を変えた技,発展技を滑らかに行うこと,それらを構成し演技すること。
イ 鉄棒運動では,支持系や懸垂系の基本的な技を滑らかに安定して行うこと,条件を変えた技,発展技を滑らかに行うこと,それらを構成し演技すること。
ウ 平均台運動では,体操系やバランス系の基本的な技を滑らかに安定して行うこと,条件を変えた技,発展技を滑らかに行うこと,それらを構成し演技すること。
エ 跳び箱運動では,切り返し系や回転系の基本的な技を滑らかに安定して行うこと,条件を変えた技,発展技を滑らかに行うこと。
(2) 器械運動に主体的に取り組むとともに,役割を積極的に引き受け自己の責任を果たそうとすること,合意形成に貢献しようとすることなどや,健康・安全を確保することができるようにする。
(3) 技の名称や行い方,体力の高め方,課題解決の方法,発表の仕方などを理解し,自己や仲間の課題に応じた運動を継続するための取り組み方を工夫できるようにする。
C 陸上競技
(1) 次の運動について,記録の向上や競争の楽しさや喜びを味わい,各種目特有の技能を高めることができるようにする。
ア 競走  短距離走・リレーでは,中間走の高いスピードを維持して速く走ること,長距離走では,ペースの変化に対応するなどして走ること,ハードル走では,スピードを維持した走りからハードルを低くリズミカルに越すこと。
イ 跳躍  走り幅跳びでは,スピードに乗った助走と力強い踏み切りから着地までの動きを滑らかにして跳ぶこと,走り高跳びでは,スピードのあるリズミカルな助走から力強く踏み切り,滑らかな空間動作で跳ぶこと,三段跳びでは,短い助走からリズミカルに連続して跳ぶこと。
ウ 投てき  砲丸投げでは,立ち投げなどから砲丸を突き出して投げること,やり投げでは,短い助走からやりを前方にまっすぐ投げること。
(2) 陸上競技に主体的に取り組むとともに,勝敗などを冷静に受け止め,ルールやマナーを大切にしようとすること,役割を積極的に引き受け自己の責任を果たそうとすること,合意形成に貢献しようとすることなどや,健康・安全を確保することができるようにする。
(3) 技術の名称や行い方,体力の高め方,課題解決の方法,競技会の仕方などを理解し,自己や仲間の課題に応じた運動を継続するための取り組み方を工夫できるようにする。
D 水 泳
(1) 次の運動について,記録の向上や競争の楽しさや喜びを味わい,自己に適した泳法の効率を高めて,泳ぐことができるようにする。
ア クロールでは,手と足,呼吸のバランスを保ち,伸びのある動作と安定したペースで長く泳いだり速く泳いだりすること。
イ 平泳ぎでは,手と足,呼吸のバランスを保ち,伸びのある動作と安定したペースで長く泳いだり速く泳いだりすること。
ウ 背泳ぎでは,手と足,呼吸のバランスを保ち,安定したペースで長く泳いだり速く泳いだりすること。
エ バタフライでは,手と足,呼吸のバランスを保ち,安定したペースで長く泳いだり速く泳いだりすること。
オ 複数の泳法で長く泳ぐこと又はリレーをすること。
(2) 水泳に主体的に取り組むとともに,勝敗などを冷静に受け止め,ルールやマナーを大切にしようとすること,役割を積極的に引き受け自己の責任を果たそうとすること,合意形成に貢献しようとすることなどや,水泳の事故防止に関する心得など健康・安全を確保することができるようにする。
(3) 技術の名称や行い方,体力の高め方,課題解決の方法,競技会の仕方などを理解し,自己や仲間の課題に応じた運動を継続するための取り組み方を工夫できるようにする。
E 球 技
(1) 次の運動について,勝敗を競う楽しさや喜びを味わい,作戦や状況に応じた技能や仲間と連携した動きを高めてゲームが展開できるようにする。
ア ゴール型では,状況に応じたボール操作と空間を埋めるなどの動きによって空間への侵入などから攻防を展開すること。
イ ネット型では,状況に応じたボール操作や安定した用具の操作と連携した動きによって空間を作りだすなどの攻防を展開すること。
ウ ベースボール型では,状況に応じたバット操作と走塁での攻撃,安定したボール操作と状況に応じた守備などによって攻防を展開すること。
(2) 球技に主体的に取り組むとともに,フェアなプレイを大切にしようとすること,役割を積極的に引き受け自己の責任を果たそうとすること,合意形成に貢献しようとすることなどや,健康・安全を確保することができるようにする。
(3) 技術などの名称や行い方,体力の高め方,課題解決の方法,競技会の仕方などを理解し,チームや自己の課題に応じた運動を継続するための取り組み方を工夫できるようにする。
F 武 道
(1) 次の運動について,技を高め勝敗を競う楽しさや喜びを味わい,得意技を用いた攻防が展開できるようにする。
ア 柔道では,相手の多様な動きに応じた基本動作から,得意技や連絡技・変化技を用いて,素早く相手を崩して投げたり,抑えたり,返したりするなどの攻防を展開すること。
イ 剣道では,相手の多様な動きに応じた基本動作から,得意技を用いて,相手の構えを崩し,素早くしかけたり応じたりするなどの攻防を展開すること。
(2) 武道に主体的に取り組むとともに,相手を尊重し,礼法などの伝統的な行動の仕方を大切にしようとすること,役割を積極的に引き受け自己の責任を果たそうとすることなどや,健康・安全を確保することができるようにする。
(3) 伝統的な考え方,技の名称や見取り稽《けい》古,体力の高め方,課題解決の方法,試合の仕方などを理解し,自己や仲間の課題に応じた運動を継続するための取り組み方を工夫できるようにする。
G ダンス
(1) 次の運動について,感じを込めて踊ったり,仲間と自由に踊ったりする楽しさや喜びを味わい,それぞれ特有の表現や踊りを高めて交流や発表ができるようにする。
ア 創作ダンスでは,表したいテーマにふさわしいイメージをとらえ,個や群で,対極の動きや空間の使い方で変化を付けて即興的に表現したり,イメージを強調した作品にまとめたりして踊ること。
イ フォークダンスでは,踊り方の特徴を強調して,音楽に合わせて多様なステップや動きと組み方で仲間と対応して踊ること。
ウ 現代的なリズムのダンスでは,リズムの特徴を強調して全身で自由に踊ったり,変化とまとまりを付けて仲間と対応したりして踊ること。
(2) ダンスに主体的に取り組むとともに,互いに共感し高め合おうとすること,役割を積極的に引き受け自己の責任を果たそうとすること,合意形成に貢献しようとすることなどや,健康・安全を確保することができるようにする。
(3) ダンスの名称や用語,文化的背景と表現の仕方,体力の高め方,課題解決の方法,交流や発表の仕方などを理解し,グループや自己の課題に応じた運動を継続するための取り組み方を工夫できるようにする。
H 体育理論
(1) スポーツの歴史,文化的特性や現代のスポーツの特徴について理解できるようにする。
ア スポーツは,人類の歴史とともに始まり,その理念が時代に応じて変容してきていること。また,我が国から世界に普及し,発展しているスポーツがあること。
イ スポーツの技術や戦術,ルールは,用具の改良やメディアの発達に伴い変わり続けていること。
ウ 現代のスポーツは,国際親善や世界平和に大きな役割を果たしており,その代表的なものにオリンピックムーブメントがあること。また,ドーピングは,フェアプレイの精神に反するなど,能力の限界に挑戦するスポーツの文化的価値を失わせること。
エ 現代のスポーツは,経済的な波及効果があり,スポーツ産業が経済の中で大きな影響を及ぼしていること。
(2) 運動やスポーツの効果的な学習の仕方について理解できるようにする。
ア 運動やスポーツの技術は,学習を通して技能として発揮されるようになること。また,技術の種類に応じた学習の仕方があること。
イ 運動やスポーツの技能の上達過程にはいくつかの段階があり,その学習の段階に応じた練習方法や運動観察の方法,課題の設定方法などがあること。
ウ 運動やスポーツの技能と体力は,相互に関連していること。また,期待する成果に応じた技能や体力の高め方があること。
エ 運動やスポーツを行う際は,気象条件の変化など様々な危険を予見し,回避することが求められること。
(3) 豊かなスポーツライフの設計の仕方について理解できるようにする。
ア スポーツは,各ライフステージにおける身体的,心理的,社会的特徴に応じた楽しみ方があること。また,その楽しみ方は,個人のスポーツに対する欲求などによっても変化すること。
イ 生涯にわたってスポーツを継続するためには,自己に適した運動機会をもつこと,施設などを活用して活動の場をもつこと,ライフスタイルに応じたスポーツとのかかわり方を見付けることなどが必要であること。
ウ スポーツの振興は,様々な施策や組織,人々の支援や参画によって支えられていること。
エ スポーツを行う際は,スポーツが環境にもたらす影響を考慮し,持続可能な社会の実現に寄与する責任ある行動が求められること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A体つくり運動」から「H体育理論」までの領域については,次のとおり取り扱うものとする。
ア 「A体つくり運動」及び「H体育理論」については,各年次においてすべての生徒に履修させること。
イ 入学年次においては,「B器械運動」,「C陸上競技」,「D水泳」及び「Gダンス」についてはこれらの中から一つ以上を,「E球技」及び「F武道」についてはこれらの中から一つ以上をそれぞれ選択して履修できるようにすること。その次の年次以降においては,「B器械運動」から「Gダンス」までの...
(2) 内容の「A体つくり運動」から「H体育理論」までに示す事項については,各年次において次のとおり取り扱うものとする。
ア 「A体つくり運動」に示す事項については,すべての生徒に履修させること。なお,「A体つくり運動」の(1)のアの運動については,「B器械運動」から「Gダンス」までにおいても関連を図って指導することができるとともに,「保健」における精神の健康などの内容との関連を図ること。「A体つくり...
イ 「B器械運動」の(1)の運動については,アからエまでの中から選択して履修できるようにすること。
ウ 「C陸上競技」の(1)の運動については,アからウまでに示す運動の中から選択して履修できるようにすること。
エ 「D水泳」の(1)の運動については,アからオまでの中から選択して履修できるようにすること。また,スタートの指導については,段階的な指導を行うとともに安全を十分に確保すること。また,「保健」における応急手当の内容との関連を図ること。
オ 「E球技」の(1)の運動については,入学年次においては,アからウまでの中から二つを,その次の年次以降においては,アからウまでの中から一つを選択して履修できるようにすること。また,アについては,バスケットボール,ハンドボール,サッカー,ラグビーの中から,イについては,バレーボール...
カ 「F武道」の(1)の運動については,ア又はイのいずれかを選択して履修できるようにすること。なお,地域や学校の実態に応じて,相撲,なぎなた,弓道などのその他の武道についても履修させることができること。
キ 「Gダンス」の(1)の運動については,アからウまでの中から選択して履修できるようにすること。なお,地域や学校の実態に応じて,社交ダンスなどのその他のダンスについても履修させることができること。
ク 「H体育理論」については,(1)は入学年次,(2)はその次の年次,(3)はそれ以降の年次で取り上げること。
(3) 内容の「B器械運動」から「Gダンス」までの領域及び運動については,地域や学校の実態及び生徒の特性や選択履修の状況等を踏まえるとともに,安全を十分に確保した上で,生徒が自由に選択して履修することができるよう配慮するものとする。指導に当たっては,内容の「B器械運動」から「Gダン...
(4) 自然とのかかわりの深いスキー,スケートや水辺活動などの指導については,地域や学校の実態に応じて積極的に行うことに留意するものとする。また,レスリングについても履修させることができるものとする。
(5) 集合,整頓《とん》,列の増減,方向変換などの行動の仕方を身に付け,能率的で安全な集団としての行動ができるようにするための指導については,内容の「A体つくり運動」から「Gダンス」までの領域において適切に行うものとする。
(6) 筋道を立てて練習や作戦について話し合う活動などを通して,コミュニケーション能力や論理的な思考力の育成を促し,主体的な学習活動が充実するよう配慮するものとする。
第2 保 健
1 目標  個人及び社会生活における健康・安全について理解を深めるようにし,生涯を通じて自らの健康を適切に管理し,改善していく資質や能力を育てる。
2 内容
(1) 現代社会と健康  我が国の疾病構造や社会の変化に対応して,健康を保持増進するためには,個人の行動選択やそれを支える社会環境づくりなどが大切であるというヘルスプロモーションの考え方を生かし,人々が自らの健康を適切に管理すること及び環境を改善していくことが重要であることを理解で...
ア 健康の考え方  健康の考え方は,国民の健康水準の向上や疾病構造の変化に伴って変わってきていること。また,健康は,様々な要因の影響を受けながら,主体と環境の相互作用の下に成り立っていること。  健康の保持増進には,健康に関する個人の適切な意志決定や行動選択及び環境づくりがかかわる...
イ 健康の保持増進と疾病の予防  健康の保持増進と生活習慣病の予防には,食事,運動,休養及び睡眠の調和のとれた生活を実践する必要があること。  喫煙と飲酒は,生活習慣病の要因になること。また,薬物乱用は,心身の健康や社会に深刻な影響を与えることから行ってはならないこと。それらの対策...
ウ 精神の健康  人間の欲求と適応機制には,様々な種類があること。精神と身体には,密接な関連があること。また,精神の健康を保持増進するには,欲求やストレスに適切に対処するとともに,自己実現を図るよう努力していくことが重要であること。
エ 交通安全  交通事故を防止するには,車両の特性の理解,安全な運転や歩行など適切な行動,自他の生命を尊重する態度,交通環境の整備などがかかわること。また,交通事故には責任や補償問題が生じること。
オ 応急手当  適切な応急手当は,傷害や疾病の悪化を軽減できること。応急手当には,正しい手順や方法があること。また,心肺蘇《そ》生等の応急手当は,傷害や疾病によって身体が時間の経過とともに損なわれていく場合があることから,速やかに行う必要があること。
(2) 生涯を通じる健康  生涯の各段階において健康についての課題があり,自らこれに適切に対応する必要があること及び我が国の保健・医療制度や機関を適切に活用することが重要であることについて理解できるようにする。
ア 生涯の各段階における健康   生涯にわたって健康を保持増進するには,生涯の各段階の健康課題に応じた自己の健康管理及び環境づくりがかかわっていること。
イ 保健・医療制度及び地域の保健・医療機関  生涯を通じて健康の保持増進をするには,保健・医療制度や地域の保健所,保健センター,医療機関などを適切に活用することが重要であること。  また,医薬品は,有効性や安全性が審査されており,販売には制限があること。疾病からの回復や悪化の防止に...
ウ 様々な保健活動や対策  我が国や世界では,健康課題に対応して様々な保健活動や対策などが行われていること。
(3) 社会生活と健康  社会生活における健康の保持増進には,環境や食品,労働などが深くかかわっていることから,環境と健康,環境と食品の保健,労働と健康にかかわる活動や対策が重要であることについて理解できるようにする。
ア 環境と健康  人間の生活や産業活動は,自然環境を汚染し健康に影響を及ぼすこともあること。それらを防ぐには,汚染の防止及び改善の対策をとる必要があること。
イ 環境と食品の保健  環境衛生活動は,学校や地域の環境を健康に適したものとするよう基準が設定され,それに基づき行われていること。また,食品衛生活動は,食品の安全性を確保するよう基準が設定され,それに基づき行われていること。
ウ 労働と健康  労働災害の防止には,作業形態や作業環境の変化に起因する傷害や職業病などを踏まえた適切な健康管理及び安全管理をする必要があること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)のイ及び(3)のイについては,食育の観点を踏まえつつ,健康的な生活習慣の形成に結び付くよう配慮するものとする。
(2) 内容の(1)のイの喫煙と飲酒,薬物乱用については,疾病との関連,社会への影響などについて総合的に取り扱い,薬物については,麻薬,覚せい剤,大麻等を扱うものとする。
(3) 内容の(1)のウについては,大脳の機能,神経系及び内分泌系の機能について必要に応じ関連付けて扱う程度とする。また,「体育」における体ほぐしの運動との関連を図るよう配慮するものとする。
(4) 内容の(1)のエについては,二輪車及び自動車を中心に取り上げるものとする。また,自然災害などによる傷害の防止についても,必要に応じ関連付けて扱うよう配慮するものとする。
(5) 内容の(1)のオについては,実習を行うものとし,呼吸器系及び循環器系の機能については,必要に応じ関連付けて扱う程度とする。また,効果的な指導を行うため,「体育」の「D水泳」などとの関連を図るよう配慮するものとする。
(6) 内容の(2)のアについては,思春期と健康,結婚生活と健康及び加齢と健康を取り扱うものとする。また,生殖に関する機能については,必要に応じ関連付けて扱う程度とする。責任感を涵《かん》養することや異性を尊重する態度が必要であること,及び性に関する情報等への適切な対処についても扱...
(7) 内容の(3)のアについては,廃棄物の処理と健康についても触れるものとする。
(8) 指導に際しては,知識を活用する学習活動を取り入れるなどの指導方法の工夫を行うものとする。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第1章総則第1款の3に示す学校における体育・健康に関する指導の趣旨を生かし,特別活動,運動部の活動などとの関連を図り,日常生活における体育・健康に関する活動が適切かつ継続的に実践できるよう留意するものとする。なお,体力の測定については,計画的に実施し,運動の指導及び体力の向...
(2) 「体育」は,各年次継続して履修できるようにし,各年次の単位数はなるべく均分して配当するものとする。なお,内容の「A体つくり運動」に対する授業時数については,各年次で7~10単位時間程度を,内容の「H体育理論」に対する授業時数については,各年次で6単位時間以上を配当するととも...
(3) 「保健」は,原則として入学年次及びその次の年次の2か年にわたり履修させるものとする。
2 各科目の指導に当たっては,その特質を踏まえ,必要に応じて,コンピュータや情報通信ネットワークなどを適切に活用し,学習の効果を高めるよう配慮するものとする。
第7節 芸   術
第1款 目標  芸術の幅広い活動を通して,生涯にわたり芸術を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,芸術の諸能力を伸ばし,芸術文化についての理解を深め,豊かな情操を養う。
第2款 各 科 目
第1 音楽Ⅰ
1 目標  音楽の幅広い活動を通して,生涯にわたり音楽を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,創造的な表現と鑑賞の能力を伸ばし,音楽文化についての理解を深める。
2 内容
A 表現  表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 歌唱
ア 曲想を歌詞の内容や楽曲の背景とかかわらせて感じ取り,イメージをもって歌うこと。
イ 曲種に応じた発声の特徴を生かし,表現を工夫して歌うこと。
ウ 様々な表現形態による歌唱の特徴を生かし,表現を工夫して歌うこと。
エ 音楽を形づくっている要素を知覚し,それらの働きを感受して歌うこと。
(2) 器楽
ア 曲想を楽曲の背景とかかわらせて感じ取り,イメージをもって演奏すること。
イ 楽器の音色や奏法の特徴を生かし,表現を工夫して演奏すること。
ウ 様々な表現形態による器楽の特徴を生かし,表現を工夫して演奏すること。
エ 音楽を形づくっている要素を知覚し,それらの働きを感受して演奏すること。
(3) 創作
ア 音階を選んで旋律をつくり,その旋律に副次的な旋律や和音などを付けて,イメージをもって音楽をつくること。
イ 音素材の特徴を生かし,反復,変化,対照などの構成を工夫して,イメージをもって音楽をつくること。
ウ 音楽を形づくっている要素の働きを変化させ,イメージをもって変奏や編曲をすること。
エ 音楽を形づくっている要素を知覚し,それらの働きを感受して音楽をつくること。
B 鑑賞  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 声や楽器の音色の特徴と表現上の効果とのかかわりを感じ取って鑑賞すること。
イ 音楽を形づくっている要素を知覚し,それらの働きを感受して鑑賞すること。
ウ 楽曲の文化的・歴史的背景や,作曲者及び演奏者による表現の特徴を理解して鑑賞すること。
エ 我が国や郷土の伝統音楽の種類とそれぞれの特徴を理解して鑑賞すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容のA及びBの指導に当たっては,中学校音楽科との関連を十分に考慮し,それぞれ特定の活動のみに偏らないようにするとともに,A及びB相互の関連を図るものとする。
(2) 生徒の特性等を考慮し,内容のAの(3)のア,イ又はウのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
(3) 内容のAの指導に当たっては,生徒の特性等を考慮し,視唱と視奏及び読譜と記譜の指導を含めるものとする。
(4) 内容のAの指導に当たっては,我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱うようにする。また,内容のBのエとの関連を図るよう配慮するものとする。
(5) 内容のAの(3)の指導に当たっては,即興的に音を出しながら音のつながり方を試すなど,音を音楽へと構成することを重視するとともに,作品を記録する方法を工夫させるものとする。
(6) 内容のBの指導に当たっては,楽曲や演奏について根拠をもって批評する活動などを取り入れるようにする。
(7) 内容のA及びBの教材については,地域や学校の実態等を考慮し,我が国や郷土の伝統音楽を含む我が国及び諸外国の様々な音楽から幅広く扱うようにする。また,Bの教材については,アジア地域の諸民族の音楽を含めて扱うようにする。
(8) 音や音楽と生活や社会とのかかわりを考えさせ,音環境への関心を高めるよう配慮するものとする。また,音楽に関する知的財産権などについて配慮し,著作物等を尊重する態度の形成を図るようにする。
第2 音楽Ⅱ
1 目標  音楽の諸活動を通して,生涯にわたり音楽を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,個性豊かな表現の能力と主体的な鑑賞の能力を伸ばし,音楽文化についての理解を深める。
2 内容
A 表現  表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 歌唱
ア 曲想を歌詞の内容や楽曲の背景とかかわらせて理解し,イメージをもって歌うこと。
イ 曲種に応じた発声の特徴と表現上の効果とのかかわりを理解し,表現を工夫して歌うこと。
ウ 様々な表現形態による歌唱の特徴と表現上の効果とのかかわりを理解し,表現を工夫して歌うこと。
エ 音楽を形づくっている要素とそれらの働きを理解して歌うこと。
(2) 器楽
ア 曲想を楽曲の背景とかかわらせて理解し,イメージをもって演奏すること。
イ 楽器の音色や奏法の特徴と表現上の効果とのかかわりを理解し,表現を工夫して演奏すること。
ウ 様々な表現形態による器楽の特徴と表現上の効果とのかかわりを理解し,表現を工夫して演奏すること。
エ 音楽を形づくっている要素とそれらの働きを理解して演奏すること。
(3) 創作
ア 音階を選んで旋律をつくり,その旋律に副次的な旋律や和音などを付けて,イメージをもって創造的に音楽をつくること。
イ 音素材の特徴を生かし,反復,変化,対照などの構成を工夫して,イメージをもって創造的に音楽をつくること。
ウ 音楽を形づくっている要素の働きを変化させ,イメージをもって創造的に変奏や編曲をすること。
エ 音楽を形づくっている要素とそれらの働きを理解して音楽をつくること。
B 鑑賞  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 声や楽器の音色の特徴と表現上の効果とのかかわりを理解して鑑賞すること。
イ 音楽を形づくっている要素とそれらの働きを理解して鑑賞すること。
ウ 楽曲の文化的・歴史的背景や,作曲者及び演奏者による表現の特徴について理解を深めて鑑賞すること。
エ 我が国や郷土の伝統音楽の種類とそれぞれの特徴について理解を深めて鑑賞すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容のA及びBの指導に当たっては,相互の関連を図るものとする。また,生徒の特性,地域や学校の実態を考慮し,内容のAの(1),(2)又は(3)のうち一つ以上を選択して扱うことができる。
(2) 内容のBの指導に当たっては,我が国や郷土の伝統音楽を含む多様な音楽文化について理解を深める観点から,適切かつ十分な授業時数を配当するものとする。
(3) 内容の取扱いに当たっては,「音楽Ⅰ」の3の(2)から(8)までと同様に取り扱うものとする。
第3 音楽Ⅲ
1 目標  音楽の諸活動を通して,生涯にわたり音楽を愛好する心情と音楽文化を尊重する態度を育てるとともに,感性を磨き,個性豊かな音楽の能力を高める。
2 内容
A 表現  表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 歌唱
ア 楽曲の表現内容を総合的に理解し,表現意図をもって創造的に歌うこと。
イ 様々な表現形態による歌唱の特徴を理解し,表現上の効果を生かして歌うこと。
(2) 器楽
ア 楽曲の表現内容を総合的に理解し,表現意図をもって創造的に演奏すること。
イ 様々な表現形態による器楽の特徴を理解し,表現上の効果を生かして演奏すること。
(3) 創作
ア 様々な音素材の表現効果を生かした構成を工夫して,表現意図をもって個性豊かに音楽をつくること。
イ 様々な様式や演奏形態の特徴を理解し,表現意図をもって個性豊かに音楽をつくること。
B 鑑賞  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 音楽の構造上の特徴と美しさとのかかわりを理解して鑑賞すること。
イ 現代の我が国及び諸外国の音楽の特徴を理解して鑑賞すること。
ウ 音楽と他の芸術や文化とのかかわりを理解して鑑賞すること。
エ 生活及び社会における音楽や音楽にかかわる人々の役割を理解して鑑賞すること。
3 内容の取扱い
(1) 生徒の特性,地域や学校の実態を考慮し,内容のAの(1),(2),(3)又はBのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
(2) 内容のA及びBの教材については,地域や学校の実態等を考慮し,我が国や郷土の伝統音楽を含めて扱うようにする。
(3) 内容の取扱いに当たっては,「音楽Ⅰ」の3の(3),(5),(6)及び(8)と同様に取り扱うものとする。
第4 美術Ⅰ
1 目標  美術の幅広い創造活動を通して,美的体験を豊かにし,生涯にわたり美術を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,創造的な表現と鑑賞の能力を伸ばし,美術文化についての理解を深める。
2 内容
A 表現  表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 絵画・彫刻
ア 感じ取ったことや考えたこと,夢や想像などから主題を生成すること。
イ 表現形式の特性を生かし,形体,色彩,構成などを工夫して創造的な表現の構想を練ること。
ウ 意図に応じて材料や用具の特性を生かすこと。
エ 表現方法を工夫し,主題を追求して表現すること。
(2) デザイン
ア 目的,機能,美しさなどを考えて主題を生成すること。
イ 表現形式の特性,形や色彩などの造形要素の働きを考え,創造的な表現の構想を練ること。
ウ 意図に応じて材料や用具の特性を生かすこと。
エ 表現方法を工夫し,目的や計画を基に表現すること。
(3) 映像メディア表現
ア 感じ取ったことや考えたこと,目的や機能などを基に,映像メディアの特性を生かして主題を生成すること。
イ 色光,視点,動きなどの映像表現の視覚的要素を工夫して表現の構想を練ること。
ウ 意図に応じて映像メディア機器等の用具の特性を生かすこと。
エ 表現方法や編集を工夫して表現すること。
B 鑑賞  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 美術作品などのよさや美しさ,作者の心情や意図と表現の工夫などを感じ取り,理解を深めること。
イ 映像メディア表現の特質や表現の効果などを感じ取り,理解すること。
ウ 自然と美術とのかかわり,生活や社会を心豊かにする美術の働きについて考え,理解を深めること。
エ 日本の美術の歴史や表現の特質,日本及び諸外国の美術文化について理解を深めること。
3 内容の取扱い
(1) 内容のA及びBの指導に当たっては,中学校美術科との関連を十分に考慮し,A及びB相互の関連を図るとともに,Bの指導については,適切かつ十分な授業時数を配当するものとする。
(2) 内容のAの(1)については,生徒の特性,地域や学校の実態を考慮し,絵画と彫刻のいずれかを選択したり一体的に扱ったりすることができる。また,(2)及び(3)についてはいずれかを選択して扱うことができる。その際,感じ取ったことや考えたことなどを基にした表現と,目的や機能などを考...
(3) 内容のAの指導に当たっては,スケッチやデッサンなどにより観察力,思考力,描写力などが十分高まるよう配慮するものとする。
(4) 内容のBの指導に当たっては,作品について互いに批評し合う活動などを取り入れるようにする。
(5) 内容のBについては,日本の美術も重視して扱うとともに,アジアの美術などについても扱うようにする。
(6) 美術に関する知的財産権や肖像権などについて配慮し,自己や他者の著作物等を尊重する態度の形成を図るようにする。
(7) 事故防止のため,特に,刃物類,塗料,器具などの使い方の指導と保管,活動場所における安全指導などを徹底するものとする。
第5 美術Ⅱ
1 目標  美術の創造的な諸活動を通して,美的体験を豊かにし,生涯にわたり美術を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,個性豊かな表現と鑑賞の能力を伸ばし,美術文化についての理解を深める。
2 内容
A 表現  表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 絵画・彫刻
ア 自然,自己,社会などを深く見つめて主題を生成すること。
イ 表現形式を選択し,創造的で心豊かな表現の構想を練ること。
ウ 主題に合った表現方法を工夫し,創造的に表現すること。
(2) デザイン
ア 自然,自己,社会などを深く見つめ,生活を美しく豊かにするデザインの働きを考えて主題を生成すること。
イ 目的や条件などを基に,デザイン効果を考えて創造的で心豊かな表現の構想を練ること。
ウ 主題に合った表現方法を工夫し,創造的に表現すること。
(3) 映像メディア表現
ア 自然,自己,社会などを深く見つめ,映像メディアの特性を生かして主題を生成すること。
イ 映像表現の視覚的要素などの効果を生かして創造的で心豊かな表現の構想を練ること。
ウ 主題に合った表現方法を工夫し,創造的に表現すること。
B 鑑賞  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 作品や作者の個性などに関心をもち,発想や構想の独自性,表現の工夫などについて,多様な視点から分析し理解すること。
イ 心豊かな生き方の創造にかかわる美術の働きについて理解を深めること。
ウ 時代,民族,風土,宗教などによる表現の相違や共通性などを考察し,美術文化についての理解を一層深めること。
3 内容の取扱い
(1) 生徒の特性,地域や学校の実態を考慮し,内容のAの(1),(2)又は(3)のうち一つ以上を選択して扱うことができる。また,Aの(1)については,絵画と彫刻のいずれかを選択したり一体的に扱ったりすることができる。
(2) 内容の取扱いに当たっては,「美術Ⅰ」の3の(1)及び(3)から(7)までと同様に取り扱うものとする。
第6 美術Ⅲ
1 目標  美術の創造的な諸活動を通して,美的体験を豊かにし,生涯にわたり美術を愛好する心情と美術文化を尊重する態度を育てるとともに,感性と美意識を磨き,個性豊かな美術の能力を高める。
2 内容
A 表現  表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 絵画・彫刻
ア 独創的な主題を生成し,表現の構想を練ること。
イ 主題に合った表現方法を工夫し,個性を生かして創造的な表現を追求すること。
(2) デザイン
ア デザイン効果を考えて独創的な主題を生成し,表現の構想を練ること。
イ 主題に合った表現方法を工夫し,個性を生かして創造的なデザインを追求すること。
(3) 映像メディア表現
ア 映像メディアの特性を生かして独創的な主題を生成し,表現の構想を練ること。
イ 主題に合った表現方法を工夫し,個性を生かして創造的な映像メディア表現を追求すること。
B 鑑賞  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 作者の主張,作品と時代や社会とのかかわりなどを考察し,自己の価値観や美意識を働かせて作品を読み取り味わうこと。
イ 国際理解に果たす美術の役割について理解すること。
ウ 文化遺産としての美術の特色と文化遺産等を継承し保存することの意義を理解すること。
3 内容の取扱い
(1) 生徒の特性,地域や学校の実態を考慮し,内容のAの(1),(2),(3)又はBのうち一つ以上を選択して扱うことができる。また,Aの(1)については,絵画と彫刻のいずれかを選択したり一体的に扱ったりすることができる。
(2) 内容の取扱いに当たっては,「美術Ⅰ」の3の(3)から(7)までと同様に取り扱うものとする。
第7 工芸Ⅰ
1 目標  工芸の幅広い創造活動を通して,美的体験を豊かにし,生涯にわたり工芸を愛好する心情と生活を心豊かにするために工夫する態度を育てるとともに,感性を高め,創造的な表現と鑑賞の能力を伸ばし,工芸の伝統と文化についての理解を深める。
2 内容
A 表現  表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 身近な生活と工芸
ア 自然や素材,身近な生活や自己の思いなどから心豊かな発想をすること。
イ 用途と美しさの調和を考え,日本の伝統的な表現のよさなどを生かした制作の構想を練ること。
ウ 制作方法を理解し,意図に応じて材料や用具を活用すること。
エ 手順や技法などを吟味し,創意工夫して制作すること。
(2) 社会と工芸
ア 社会的な視点に立って,使う人の願いや心情,生活環境などを考え,心豊かな発想をすること。
イ 使用する人や場などに求められる機能と美しさを考え,制作の構想を練ること。
ウ 制作方法を理解し,意図に応じて材料や用具を活用すること。
エ 手順や技法などを吟味し,創意工夫して制作すること。
B 鑑賞  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 工芸作品などのよさや美しさ,作者の心情や意図と表現の工夫などを感じ取り,理解を深めること。
イ 制作過程における工夫や素材の生かし方,技法などを理解すること。
ウ 自然と工芸とのかかわり,生活や社会を心豊かにする工芸の働きについて考え,理解を深めること。
エ 日本の工芸の特質や美意識に気付き,工芸の伝統と文化について理解を深めること。
3 内容の取扱い
(1) 内容のA及びBの指導に当たっては,中学校美術科との関連を十分に考慮し,A及びB相互の関連を図るとともに,Bの指導については,適切かつ十分な授業時数を配当するものとする。
(2) 内容のAの指導に当たっては,地域の材料及び伝統的な工芸の表現などを取り入れることにも配慮するものとする。
(3) 内容のBの指導に当たっては,作品について互いに批評し合う活動などを取り入れるようにする。
(4) 内容のBについては,日本の工芸も重視して扱うとともに,アジアの工芸などについても扱うようにする。
(5) 工芸に関する知的財産権などについて配慮し,自己や他者の著作物等を尊重する態度の形成を図るようにする。
(6) 事故防止のため,特に,刃物類,塗料,器具などの使い方の指導と保管,活動場所における安全指導などを徹底するものとする。
第8 工芸Ⅱ
1 目標  工芸の創造的な諸活動を通して,美的体験を豊かにし,生涯にわたり工芸を愛好する心情と生活を心豊かにするために工夫する態度を育てるとともに,感性を高め,個性豊かな表現と鑑賞の能力を伸ばし,工芸の伝統と文化についての理解を深める。
2 内容
A 表現  表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 身近な生活と工芸
ア 生活の中の工芸をとらえ,自己の体験や夢などから,創造的で心豊かな発想をすること。
イ 用途と美しさの調和を求め,素材の特質,表現の多様性などを生かした制作の構想を練ること。
ウ 意図に応じて材料,用具,手順,技法などを検討し,創造的に制作すること。
(2) 社会と工芸
ア 社会的な視点に立って,生活環境を観察,検討し,創造的で心豊かな発想をすること。
イ 社会における有用性,機能と美しさとの調和を考え,制作の構想を練ること。
ウ 意図に応じて材料,用具,手順,技法などを検討し,創造的に制作すること。
B 鑑賞  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 作品や作者の個性などに関心をもち,発想や構想の独自性,表現の工夫などについて,多様な視点から分析し理解すること。
イ 生活環境の改善や心豊かな生き方にかかわる工芸の働きについて理解を深めること。
ウ 時代,民族,風土などによる表現の相違や共通性などを考察し,工芸の伝統と文化についての理解を一層深めること。
3 内容の取扱い
(1) 生徒の特性,地域や学校の実態を考慮し,内容のAの(1)又は(2)のうち一つ以上を選択して扱うことができる。
(2) 内容の取扱いに当たっては,「工芸Ⅰ」の3と同様に取り扱うものとする。
第9 工芸Ⅲ
1 目標  工芸の創造的な諸活動を通して,美的体験を豊かにし,生涯にわたり工芸を愛好する心情と工芸の伝統と文化を尊重する態度を育てるとともに,感性と美意識を磨き,個性豊かな工芸の能力を高める。
2 内容
A 表現  表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 身近な生活と工芸
ア 自己を取り巻く生活を多様な視点に立って考え,独創的に発想し,美的で心豊かな制作の構想を練ること。
イ 制作過程全体を見通して制作方法を工夫し,個性を生かして創造的な制作を追求すること。
(2) 社会と工芸
ア 社会的な視点に立って独創的に発想し,美的で心豊かな制作の構想を練ること。
イ 制作過程全体を見通して制作方法を工夫し,個性を生かして創造的な制作を追求すること。
B 鑑賞  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 生活文化と工芸とのかかわり,作品が生まれた背景などを考察し,自己の価値観や美意識を働かせて作品を読み取り味わうこと。
イ 国際理解に果たす工芸の役割について理解すること。
ウ 文化遺産としての工芸の特色と文化遺産等を継承し保存することの意義を理解すること。
3 内容の取扱い
(1) 生徒の特性,地域や学校の実態を考慮し,内容のAの(1),(2)又はBのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
(2) 内容の取扱いに当たっては,「工芸Ⅰ」の3の(2)から(6)までと同様に取り扱うものとする。
第10 書道Ⅰ
1 目標  書道の幅広い活動を通して,生涯にわたり書を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,書写能力の向上を図り,表現と鑑賞の基礎的な能力を伸ばし,書の伝統と文化についての理解を深める。
2 内容
A 表現  表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 漢字仮名交じりの書
ア 用具・用材の特徴を理解し,適切に扱うこと。
イ 漢字と仮名の調和した線質の表し方を習得すること。
ウ 字形,文字の大きさと全体の構成を工夫すること。
エ 名筆を生かした表現を理解し,工夫すること。
オ 目的や用途に即した形式,意図に基づく表現を工夫すること。
(2) 漢字の書
ア 用具・用材の特徴を理解し,適切に扱うこと。
イ 古典に基づく基本的な点画や線質の表し方を理解し,その用筆・運筆の技法を習得すること。
ウ 字形の構成を理解し,全体の構成を工夫すること。
エ 意図に基づく表現を構想し,工夫すること。
(3)仮名の書
ア 用具・用材の特徴を理解し,適切に扱うこと。
イ 古典に基づく基本的な線質の表し方を理解し,その用筆・運筆の技法を習得すること。
ウ 単体,連綿の技法を習得し,全体の構成を工夫すること。
エ 意図に基づく表現を構想し,工夫すること。
B 鑑賞  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 日常生活における書への関心を高め,その効用を理解すること。
イ 見ることを楽しみ,書の美しさと表現効果を味わい,感じ取ること。
ウ 日本及び中国等の文字と書の伝統と文化について理解すること。
エ 漢字の書体の変遷,仮名の成立等を理解すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容のA及びBの指導に当たっては,相互の関連を図るものとする。
(2) 内容のAの指導に当たっては,(1)の漢字は楷《かい》書及び行書,仮名は平仮名及び片仮名,(2)は楷《かい》書及び行書,(3)は平仮名,片仮名及び変体仮名を扱うものとし,(2)については,生徒の特性等を考慮し,草書,隷書及び篆《てん》書を加えることもできる。
(3) 内容のAの指導に当たっては,中学校国語科の書写との関連を十分に考慮し,日常生活における目的や用途に応じて,硬筆も取り上げるものとする。
(4) 内容のAの指導に当たっては,篆《てん》刻,刻字等を扱うよう配慮するものとする。また,(2)及び(3)については,臨書及び創作を通して指導するものとする。
(5) 内容のBの指導に当たっては,作品について互いに批評し合う活動などを取り入れるようにする。
(6) 書に関する知的財産権などについて配慮し,自己や他者の著作物等を尊重する態度の形成を図るようにする。
第11 書道Ⅱ
1 目標  書道の創造的な諸活動を通して,生涯にわたり書を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,個性豊かな表現と鑑賞の能力を伸ばし,書の伝統と文化についての理解を深める。
2 内容
A 表現  表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 漢字仮名交じりの書
ア 意図に即した表現と用具・用材の関係を工夫すること。
イ 名筆の鑑賞に基づき表現を工夫し,個性的に表現すること。
ウ 表現形式に応じて,全体の構成を工夫すること。
エ 感興や意図に応じた素材や表現を構想し,工夫すること。
(2) 漢字の書
ア 書体や書風に即した用筆・運筆を理解し,工夫すること。
イ 古典に基づく表現を工夫し,個性的に表現すること。
ウ 表現形式に応じて,全体の構成を工夫すること。
エ 感興や意図に応じた素材や表現を構想し,工夫すること。
(3) 仮名の書
ア 書風に即した用筆・運筆を理解し,工夫すること。
イ 古典に基づく表現を工夫し,個性的に表現すること。
ウ 表現形式に応じて,全体の構成を工夫すること。
エ 感興や意図に応じた素材や表現を構想し,工夫すること。
B 鑑賞 鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 書の美の諸要素を把握し,その表現効果について理解し,感受を深めること。
イ 書の美と時代,風土,筆者などとのかかわり,その表現方法や形式等について理解を深めること。
ウ 日本及び中国等の書の歴史・文化と書の現代的意義について理解を深めること。
3 内容の取扱い
(1) 生徒の特性,地域や学校の実態を考慮し,内容のAの(2)又は(3)のうち一つ以上を選択して扱うことができる。
(2) 内容のAの指導に当たっては,(1)の漢字は楷《かい》書,行書及び草書,仮名は平仮名及び片仮名,(2)は楷《かい》書,行書,草書,隷書及び篆《てん》書,(3)は平仮名,片仮名及び変体仮名を扱うものとする。
(3) 内容のAの指導に当たっては,篆《てん》刻を扱うものとし,生徒の特性等を考慮し,刻字等を加えることもできる。また,(2)及び(3)については,臨書及び創作を通して指導するものとする。
(4) 内容の取扱いに当たっては,「書道Ⅰ」の3の(1),(5)及び(6)と同様に取り扱うものとする。
第12 書道Ⅲ
1 目標  書道の創造的な諸活動を通して,生涯にわたり書を愛好する心情と書の伝統と文化を尊重する態度を育てるとともに,感性を磨き,個性豊かな書の能力を高める。
2 内容
A 表現  表現に関して,次の事項を指導する。
(1) 漢字仮名交じりの書
ア 書の伝統を理解し,現代社会に即した効果的な表現を工夫すること。
イ 主体的な構想に基づく個性的,創造的な表現を追求すること。
(2) 漢字の書
ア 書の伝統を理解し,書体の特色を生かして表現すること。
イ 主体的な構想に基づく個性的,創造的な表現を追求すること。
(3) 仮名の書
ア 書の伝統を理解し,古典の特色を生かして表現すること。
イ 主体的な構想に基づく個性的,創造的な表現を追求すること。
B 鑑賞  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
ア 書の美の多様性を理解し,作品の様式美を鑑賞すること。
イ 書論を講読し,書の理解と鑑賞の深化を図ること。
ウ 日本及び中国等の書の伝統とその背景となる諸文化との関連について理解を深めること。
3 内容の取扱い
(1) 生徒の特性,地域や学校の実態を考慮し,内容のAの(1),(2),(3)又はBのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
(2) 内容のAの(2)及び(3)については,目的に応じて臨書又は創作のいずれかを通して指導することができる。
(3) 内容の取扱いに当たっては,「書道Ⅰ」の3の(5)及び(6)と同様に取り扱うものとする。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) Ⅱを付した科目はそれぞれに対応するⅠを付した科目を履修した後に,Ⅲを付した科目はそれぞれに対応するⅡを付した科目を履修した後に履修させることを原則とすること。
(2) 主体的な学習態度を育てるため,生徒の特性等を考慮し,適切な課題を設定して学習することができる機会を設けるよう留意すること。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各科目の特質を踏まえ,学校の実態に応じて学校図書館を活用するとともに,コンピュータや情報通信ネットワークなどを指導に生かすこと。
(2) 各科目の特質を踏まえ,地域や学校の実態に応じて,文化施設,社会教育施設,地域の文化財等の活用を図ったり,地域の人材の協力を求めたりすること。
第8節 外 国 語
第1款 目標  外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりするコミュニケーション能力を養う。
第2款 各 科 目
第1 コミュニケーション英語基礎
1 目標  英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことなどの基礎的な能力を養う。
2 内容
(1) 1の目標に基づき,中学校学習指導要領第2章第9節の第2の2の(1)に示す言語活動を参照しつつ,適切な言語活動を英語で行う。
(2) (1)に示す言語活動を効果的に行うために,それぞれの生徒の中学校における学習内容の定着の程度等を踏まえた上で,中学校学習指導要領第2章第9節の第2の2の(2)のアに示す事項を参照しつつ,適切に指導するよう配慮するものとする。
3 内容の取扱い  中学校における学習との接続と「コミュニケーション英語Ⅰ」における学習への円滑な移行のため,主に身近な場面における言語活動を経験させながら,中学校における基礎的な学習内容を整理して指導し定着を図るものとする。
第2 コミュニケーション英語Ⅰ
1 目標  英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりする基礎的な能力を養う。
2 内容
(1) 生徒が情報や考えなどを理解したり伝えたりすることを実践するように具体的な言語の使用場面を設定して,次のような言語活動を英語で行う。
ア 事物に関する紹介や対話などを聞いて,情報や考えなどを理解したり,概要や要点をとらえたりする。
イ 説明や物語などを読んで,情報や考えなどを理解したり,概要や要点をとらえたりする。また,聞き手に伝わるように音読する。
ウ 聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどについて,話し合ったり意見の交換をしたりする。
エ 聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどについて,簡潔に書く。
(2) (1)に示す言語活動を効果的に行うために,次のような事項について指導するよう配慮するものとする。
ア リズムやイントネーションなどの英語の音声的な特徴,話す速度,声の大きさなどに注意しながら聞いたり話したりすること。
イ 内容の要点を示す語句や文,つながりを示す語句などに注意しながら読んだり書いたりすること。
ウ 事実と意見などを区別して,理解したり伝えたりすること。
3 内容の取扱い
(1) 中学校におけるコミュニケーション能力の基礎を養うための総合的な指導を踏まえ,聞いたことや読んだことを踏まえた上で話したり書いたりする言語活動を適切に取り入れながら,四つの領域の言語活動を有機的に関連付けつつ総合的に指導するものとする。
(2) 生徒の実態に応じて,多様な場面における言語活動を経験させながら,中学校や高等学校における学習内容を繰り返して指導し定着を図るよう配慮するものとする。
第3 コミュニケーション英語Ⅱ
1 目標  英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりする能力を伸ばす。
2 内容
(1) 生徒が情報や考えなどを理解したり伝えたりすることを実践するように具体的な言語の使用場面を設定して,次のような言語活動を英語で行う。
ア 事物に関する紹介や報告,対話や討論などを聞いて,情報や考えなどを理解したり,概要や要点をとらえたりする。
イ 説明,評論,物語,随筆などについて,速読したり精読したりするなど目的に応じた読み方をする。また,聞き手に伝わるように音読や暗唱を行う。
ウ 聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどについて,話し合うなどして結論をまとめる。
エ 聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどについて,まとまりのある文章を書く。
(2) (1)に示す言語活動を効果的に行うために,次のような事項について指導するよう配慮するものとする。
ア 英語の音声的な特徴や内容の展開などに注意しながら聞いたり話したりすること。
イ 論点や根拠などを明確にするとともに,文章の構成や図表との関連などを考えながら読んだり書いたりすること。
ウ 未知の語の意味を推測したり背景となる知識を活用したりしながら聞いたり読んだりすること。
エ 説明や描写の表現を工夫して相手に効果的に伝わるように話したり書いたりすること。
3 内容の取扱い  「コミュニケーション英語Ⅰ」の3と同様に取り扱うものとする。
第4 コミュニケーション英語Ⅲ
1 目標  英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりする能力を更に伸ばし,社会生活において活用できるようにする。
2 内容
(1) 1の目標に基づき,「コミュニケーション英語Ⅱ」の2の(1)に示す言語活動を更に発展させて行う。
(2) (1)に示す言語活動を行うに当たっては,「コミュニケーション英語Ⅱ」の2の(2)と同様に配慮するものとする。
3 内容の取扱い  「コミュニケーション英語Ⅰ」の3と同様に取り扱うものとする。
第5 英語表現Ⅰ
1 目標  英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,事実や意見などを多様な観点から考察し,論理の展開や表現の方法を工夫しながら伝える能力を養う。
2 内容
(1) 生徒が情報や考えなどを理解したり伝えたりすることを実践するように具体的な言語の使用場面を設定して,次のような言語活動を英語で行う。
ア 与えられた話題について,即興で話す。また,聞き手や目的に応じて簡潔に話す。
イ 読み手や目的に応じて,簡潔に書く。
ウ 聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどをまとめ,発表する。
(2) (1)に示す言語活動を効果的に行うために,次のような事項について指導するよう配慮するものとする。
ア リズムやイントネーションなどの英語の音声的な特徴,話す速度,声の大きさなどに注意しながら話すこと。
イ 内容の要点を示す語句や文,つながりを示す語句などに注意しながら書くこと。また,書いた内容を読み返すこと。
ウ 発表の仕方や発表のために必要な表現などを学習し,実際に活用すること。
エ 聞いたり読んだりした内容について,そこに示されている意見を他の意見と比較して共通点や相違点を整理したり,自分の考えをまとめたりすること。
3 内容の取扱い
(1) 中学校におけるコミュニケーション能力の基礎を養うための総合的な指導を踏まえ,話したり書いたりする言語活動を中心に,情報や考えなどを伝える能力の向上を図るよう指導するものとする。
(2) 聞くこと及び読むこととも有機的に関連付けた活動を行うことにより,話すこと及び書くことの指導の効果を高めるよう工夫するものとする。
(3) 生徒の実態に応じて,多様な場面における言語活動を経験させながら,中学校や高等学校における学習内容を繰り返して指導し定着を図るよう配慮するものとする。
第6 英語表現Ⅱ
1 目標  英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,事実や意見などを多様な観点から考察し,論理の展開や表現の方法を工夫しながら伝える能力を伸ばす。
2 内容
(1) 生徒が情報や考えなどを理解したり伝えたりすることを実践するように具体的な言語の使用場面を設定して,次のような言語活動を英語で行う。
ア 与えられた条件に合わせて,即興で話す。また,伝えたい内容を整理して論理的に話す。
イ 主題を決め,様々な種類の文章を書く。
ウ 聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどをまとめ,発表する。また,発表されたものを聞いて,質問したり意見を述べたりする。
エ 多様な考え方ができる話題について,立場を決めて意見をまとめ,相手を説得するために意見を述べ合う。
(2) (1)に示す言語活動を効果的に行うために,次のような事項について指導するよう配慮するものとする。
ア 英語の音声的な特徴や内容の展開などに注意しながら話すこと。
イ 論点や根拠などを明確にするとともに,文章の構成や図表との関連,表現の工夫などを考えながら書くこと。また,書いた内容を読み返して推敲《すいこう》すること。
ウ 発表の仕方や討論のルール,それらの活動に必要な表現などを学習し,実際に活用すること。
エ 相手の立場や考えを尊重し,互いの発言を検討して自分の考えを広げるとともに,課題の解決に向けて考えを生かし合うこと。
3 内容の取扱い  「英語表現Ⅰ」の3と同様に取り扱うものとする。
第7 英語会話
1 目標  英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,身近な話題について会話する能力を養う。
2 内容
(1) 生徒が情報や考えなどを理解したり伝えたりすることを実践するように具体的な言語の使用場面を設定して,次のような言語活動を英語で行う。
ア 相手の話を聞いて理解するとともに,場面や目的に応じて適切に応答する。
イ 関心のあることについて相手に質問したり,相手の質問に答えたりする。
ウ 聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどを場面や目的に応じて適切に伝える。
エ 海外での生活に必要な基本的な表現を使って,会話する。
(2) (1)に示す言語活動を効果的に行うために,次のような事項について指導するよう配慮するものとする。
ア リズムやイントネーションなどの英語の音声的な特徴,話す速度,声の大きさなどに注意しながら聞いたり話したりすること。
イ 繰り返しを求めたり,言い換えたりするときなどに必要となる表現を活用すること。
ウ ジェスチャーなどの非言語的なコミュニケーション手段の役割を理解し,場面や目的に応じて適切に用いること。
3 内容の取扱い
(1) 中学校におけるコミュニケーション能力の基礎を養うための総合的な指導を踏まえ,実際の会話に即した言語活動を多く取り入れながら,聞いたり話したりする能力の向上を図るよう指導するものとする。
(2) 読むこと及び書くこととも有機的に関連付けた活動を行うことにより,聞くこと及び話すことの指導の効果を高めるよう工夫するものとする。
(3) 生徒の実態に応じて,多様な場面における言語活動を経験させながら,中学校や高等学校における学習内容を繰り返して指導し定着を図るよう配慮するものとする。
第8 その他の外国語に関する科目  その他の外国語に関する科目については,第1から第7まで及び第3款に示す英語に関する各科目の目標及び内容等に準じて行うものとする。
第3款 英語に関する各科目に共通する内容等
1 英語に関する各科目の2の(1)に示す言語活動を行うに当たっては,例えば,次に示すような言語の使用場面や言語の働きの中から,各科目の目標を達成するのにふさわしいものを適宜取り上げ,有機的に組み合わせて活用する。
[言語の使用場面の例]
a 特有の表現がよく使われる場面:
・ 買物        
・ 旅行        
・ 食事
・ 電話での応答    
・ 手紙や電子メールのやりとり 
など
b 生徒の身近な暮らしや社会での暮らしにかかわる場面:
・ 家庭での生活    
・ 学校での学習や活動 
・ 地域での活動
・ 職場での活動 
など
c 多様な手段を通じて情報などを得る場面:
・ 本,新聞,雑誌などを読むこと  
・テレビや映画などを観《み》ること
・ 情報通信ネットワークを活用し情報を得ること 
など
[言語の働きの例]
a コミュニケーションを円滑にする:
・ 相づちを打つ    
・ 聞き直す      
・ 繰り返す
・ 言い換える     
・ 話題を発展させる  
・ 話題を変える
など
b 気持ちを伝える:
・ 褒める       
・ 謝る        
・ 感謝する
・ 望む        
・ 驚く        
・ 心配する
など
c 情報を伝える:
・ 説明する      
・ 報告する      
・ 描写する
・ 理由を述べる    
・ 要約する      
・ 訂正する 
など
d 考えや意図を伝える:
・ 申し出る      
・ 賛成する      
・ 反対する
・ 主張する      
・ 推論する      
・ 仮定する 
など
e 相手の行動を促す:
・ 依頼する      
・ 誘う        
・ 許可する
・ 助言する      
・ 命令する      
・ 注意を引く 
など
2 英語に関する各科目の2の(1)に示す言語活動を行うに当たっては,中学校学習指導要領第2章第9節第2の2の(3)及び次に示す言語材料の中から,それぞれの科目の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。その際,「コミュニケーション英語Ⅰ」においては,言語活動と効果的に関...
ア 語,連語及び慣用表現
(ア) 語
a 「コミュニケーション英語Ⅰ」にあっては,中学校で学習した語に400語程度の新語を加えた語
b 「コミュニケーション英語Ⅱ」にあっては,aに示す語に700語程度の新語を加えた語
c 「コミュニケーション英語Ⅲ」にあっては,bに示す語に700語程度の新語を加えた語
d 「コミュニケーション英語基礎」,「英語表現Ⅰ」,「英語表現Ⅱ」及び「英語会話」にあっては,生徒の学習負担を踏まえた適切な語
(イ) 連語及び慣用表現のうち,運用度の高いもの
イ 文構造のうち,運用度の高いもの
ウ 文法事項 
(ア) 不定詞の用法
(イ) 関係代名詞の用法
(ウ) 関係副詞の用法
(エ) 助動詞の用法
(オ) 代名詞のうち,itが名詞用法の句及び節を指すもの
(カ) 動詞の時制など
(キ) 仮定法
(ク) 分詞構文
3 2に示す言語材料を用いるに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 現代の標準的な英語によること。ただし,様々な英語が国際的に広くコミュニケーションの手段として使われている実態にも配慮すること。
イ 文法については,コミュニケーションを支えるものであることを踏まえ,言語活動と効果的に関連付けて指導すること。
ウ コミュニケーションを行うために必要となる語句や文構造,文法事項などの取扱いについては,用語や用法の区別などの指導が中心とならないよう配慮し,実際に活用できるよう指導すること。
4 英語に関する各科目については,その特質にかんがみ,生徒が英語に触れる機会を充実するとともに,授業を実際のコミュニケーションの場面とするため,授業は英語で行うことを基本とする。その際,生徒の理解の程度に応じた英語を用いるよう十分配慮するものとする。
第4款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 「コミュニケーション英語Ⅱ」は「コミュニケーション英語Ⅰ」を履修した後に,「コミュニケーション英語Ⅲ」 は「コミュニケーション英語Ⅱ」を履修した後に,「英語表現Ⅱ」は「英語表現Ⅰ」を履修した後に履修させることを原則とすること。
(2) 「コミュニケーション英語基礎」を履修させる場合,「コミュニケーション英語Ⅰ」は「コミュニケーション英語基礎」を履修した後に履修させることを原則とすること。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 教材については,外国語を通じてコミュニケーション能力を総合的に育成するため,各科目の目標に応じ,実際の言語の使用場面や言語の働きに十分配慮したものを取り上げるものとすること。その際,その外国語を日常使用している人々を中心とする世界の人々及び日本人の日常生活,風俗習慣,物語,...
ア 多様なものの見方や考え方を理解し,公正な判断力を養い豊かな心情を育てるのに役立つこと。
イ 外国や我が国の生活や文化についての理解を深めるとともに,言語や文化に対する関心を高め,これらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。
ウ 広い視野から国際理解を深め,国際社会に生きる日本人としての自覚を高めるとともに,国際協調の精神を養うのに役立つこと。
エ 人間,社会,自然などについての考えを深めるのに役立つこと。
(2) 音声指導の補助として,発音表記を用いて指導することができること。
(3) 辞書の活用の指導などを通じ,生涯にわたって,自ら外国語を学び,使おうとする積極的な態度を育てるようにすること。
(4) 各科目の指導に当たっては,指導方法や指導体制を工夫し,ペア・ワーク,グループ・ワークなどを適宜取り入れたり,視聴覚教材やコンピュータ,情報通信ネットワークなどを適宜指導に生かしたりすること。また,ネイティブ・スピーカーなどの協力を得て行うティーム・ティーチングなどの授業を積...
第9節 家   庭
第1款 目標  人間の生涯にわたる発達と生活の営みを総合的にとらえ,家族・家庭の意義,家族・家庭と社会とのかかわりについて理解させるとともに,生活に必要な知識と技術を習得させ,男女が協力して主体的に家庭や地域の生活を創造する能力と実践的な態度を育てる。
第2款 各 科 目
第1 家庭基礎
1 目標  人の一生と家族・家庭及び福祉,衣食住,消費生活などに関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,家庭や地域の生活課題を主体的に解決するとともに,生活の充実向上を図る能力と実践的な態度を育てる。
2 内容
(1) 人の一生と家族・家庭及び福祉  人の一生を生涯発達の視点でとらえ,各ライフステージの特徴と課題について理解させるとともに,家族や家庭生活の在り方,子どもと高齢者の生活と福祉について考えさせ,共に支え合って生活することの重要性について認識させる。
ア 青年期の自立と家族・家庭  生涯発達の視点で青年期の課題を理解させ,男女が協力して,家族の一員としての役割を果たし家庭を築くことの重要性について考えさせるとともに,家庭や地域の生活を創造するために自己の意思決定に基づき,責任をもって行動することが重要であることを認識させる。
イ 子どもの発達と保育  乳幼児の心身の発達と生活,親の役割と保育,子どもの育つ環境について理解させ,子どもを生み育てることの意義を考えさせるとともに,子どもの発達のために親や家族及び地域や社会の果たす役割について認識させる。
ウ 高齢期の生活  高齢期の特徴と生活及び高齢社会の現状と課題について理解させ,高齢者の自立生活を支えるために家族や地域及び社会の果たす役割について認識させる。
エ 共生社会と福祉  生涯を通して家族・家庭の生活を支える福祉や社会的支援について理解させ,家庭や地域及び社会の一員としての自覚をもって共に支え合って生活することの重要性について認識させる。
(2) 生活の自立及び消費と環境  自立した生活を営むために必要な衣食住,消費生活や生活における経済の計画に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,環境に配慮したライフスタイルについて考えさせるとともに,主体的に生活を設計することができるようにする。
ア 食事と健康  健康で安全な食生活を営むために必要な栄養,食品,調理及び食品衛生などの基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,生涯を見通した食生活を営むことができるようにする。
イ 被服管理と着装  被服管理に必要な被服材料,被服構成などの基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,目的に応じて着装を工夫し,健康で快適な衣生活を営むことができるようにする。
ウ 住居と住環境  住居の機能,住居と地域社会とのかかわりなどに必要な基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,安全で環境に配慮した住生活を営むことができるようにする。
エ 消費生活と生涯を見通した経済の計画  消費生活の現状と課題や消費者の権利と責任について理解させ,適切な意思決定に基づいて行動できるようにするとともに,生涯を見通した生活における経済の管理や計画について考えることができるようにする。
オ ライフスタイルと環境  生活と環境とのかかわりについて理解させ,持続可能な社会を目指してライフスタイルを工夫し,主体的に行動できるようにする。
カ 生涯の生活設計  生涯を見通した自己の生活について考えさせるとともに,主体的に生活を設計できるようにする。
(3) ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動  自己の家庭生活や地域の生活と関連付けて生活上の課題を設定し,解決方法を考え,計画を立てて実践することを通して生活を科学的に探究する方法や問題解決の能力を身に付けさせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイ及びウについては,学校や地域の実態等に応じて,学校家庭クラブ活動等との関連を図り,乳幼児や高齢者との触れ合いや交流などの実践的な活動を取り入れるよう努めること。
イ 内容の(2)については,実験・実習を中心とした指導を行うよう留意すること。アについては,栄養,食品,調理及び食品衛生との関連を図って扱うようにすること。  また,カについては,(1)及び(2)のアからオまでの内容との関連を図って,「家庭基礎」の学習のまとめとして扱うこと。
ウ 内容の(3)については,ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動の意義と実施方法について理解させること。また,指導に当たっては,内容の(1)及び(2)の学習の発展として扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,子どもの発達を支えるための親の役割や子育てを支援する環境に重点を置くこと。イからエについては,生涯にわたって家族・家庭の生活を支える福祉の基本的な理念に重点を置くこと。
イ 内容の(2)のエについては,契約,消費者信用及びそれらをめぐる問題などを取り上げて具体的に扱うこと。オについては,環境負荷の少ない衣食住の生活の工夫に重点を置くこと。
第2 家庭総合
1 目標  人の一生と家族・家庭,子どもや高齢者とのかかわりと福祉,消費生活,衣食住などに関する知識と技術を総合的に習得させ,家庭や地域の生活課題を主体的に解決するとともに,生活の充実向上を図る能力と実践的な態度を育てる。
2 内容
(1) 人の一生と家族・家庭  人の一生を生涯発達の視点でとらえ,青年期の生き方を考えさせるとともに,家族・家庭の意義や家族・家庭と社会とのかかわりについて理解させ,男女が協力して家庭を築くことの重要性について認識させる。
ア 人の一生と青年期の自立  生涯発達の視点で各ライフステージの特徴と課題について理解させ,青年期の課題である自立や男女の平等と協力などについて認識させるとともに,生涯を見通した青年期の生き方について考えさせる。
イ 家族・家庭と社会  家庭の機能と家族関係,家族・家庭と法律,家庭生活と福祉などについて理解させ,家族・家庭の意義,家族・家庭と社会とのかかわりについて考えさせるとともに,家族の一員としての役割を果たし男女が協力して家庭を築き生活を営むことの重要性について認識させる。
(2) 子どもや高齢者とのかかわりと福祉  子どもの発達と保育,高齢者の生活と福祉などについて理解させるとともに,様々な人々に対する理解を深め,生涯を通して共に支え合って生きることの重要性や家族及び地域や社会の果たす役割について認識させる。
ア 子どもの発達と保育・福祉  子どもの発達と生活,子どもの福祉などについて理解させ,親の役割と保育の重要性や地域及び社会の果たす役割について認識させるとともに,子どもを生み育てることの意義や子どもとかかわることの重要性について考えさせる。
イ 高齢者の生活と福祉  高齢者の心身の特徴や高齢社会の現状及び福祉などについて理解させ,高齢者の生活の課題や家族,地域及び社会の果たす役割について認識させるとともに,高齢者の自立生活を支えるための支援の方法や高齢者とかかわることの重要性について考えさせる。
ウ 共生社会における家庭や地域  家庭と地域とのかかわりについて理解させ,高齢者や障害のある人々など様々な人々が共に支え合って生きることの重要性を認識し,家庭や地域及び社会の一員として主体的に行動することの意義について考えさせる。
(3) 生活における経済の計画と消費  生活における経済の計画,消費者問題や消費者の権利と責任などについて理解させ,現代の消費生活の課題について認識させるとともに,消費者としての適切な意思決定に基づいて,責任をもって行動できるようにする。
ア 生活における経済の計画  生活と社会とのかかわりについて理解させ,生涯を見通した生活における経済の管理や計画の重要性について認識させる。
イ 消費行動と意思決定  消費行動における意思決定の過程とその重要性について理解させ,消費者として主体的に判断できるようにする。
ウ 消費者の権利と責任  消費生活の現状と課題,消費者問題や消費者の自立と支援などについて理解させ,消費者としての権利と責任を自覚して行動できるようにする。
(4) 生活の科学と環境  生涯を見通したライフステージごとの衣食住の生活を科学的に理解させ,先人の知恵や文化に関心をもたせるとともに,持続可能な社会を目指して資源や環境に配慮し,適切な意思決定に基づいた消費生活を主体的に営むことができるようにする。
ア 食生活の科学と文化  栄養,食品,調理及び食品衛生などについて科学的に理解させ,食生活の文化に関心をもたせるとともに,必要な知識と技術を習得して安全と環境に配慮し,主体的に食生活を営むことができるようにする。
イ 衣生活の科学と文化  着装,被服材料,被服の構成,被服製作,被服管理などについて科学的に理解させ,衣生活の文化に関心をもたせるとともに,必要な知識と技術を習得して安全と環境に配慮し,主体的に衣生活を営むことができるようにする。
ウ 住生活の科学と文化  住居の機能,住空間の計画,住環境などについて科学的に理解させ,住生活の文化に関心をもたせるとともに,必要な知識と技術を習得して,安全と環境に配慮し,主体的に住生活を営むことができるようにする。
エ 持続可能な社会を目指したライフスタイルの確立  安全で安心な生活と消費について考え,生活文化を伝承・創造し,資源や環境に配慮した生活が営めるようにライフスタイルを工夫し,主体的に行動できるようにする。
(5) 生涯の生活設計   生活設計の立案を通して,生涯を見通した自己の生活について主体的に考えることができるようにする。
ア 生活資源とその活用  生活の営みに必要な金銭,生活時間などの生活資源についての理解を深め,有効に活用することの重要性について認識させる。
イ ライフスタイルと生活設計  自己のライフスタイルや将来の家庭生活と職業生活の在り方について考えさせるとともに,生活資源を活用して生活を設計できるようにする。
(6) ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動  自己の家庭生活や地域の生活と関連付けて生活上の課題を設定し,解決方法を考え,計画を立てて実践することを通して生活を科学的に探究する方法や問題解決の能力を身に付けさせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)のアについては,学校や地域の実態等に応じて,学校家庭クラブ活動等との関連を図り,幼稚園や保育所等の乳幼児,近隣の小学校の低学年の児童等との触れ合いや交流の機会をもつよう努めること。イについては,学校や地域の実態等に応じて,学校家庭クラブ活動等との関連を図り,福祉施設...
イ 内容の(4)については,実験・実習を中心とした指導を行うよう留意すること。
ウ 内容の(5)については,(1)から(4)までの学習の中で段階的に扱ったり,「家庭総合」の学習のまとめとして扱ったりするなどの工夫をすること。
エ 内容の(6)については,ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動の意義と実施方法について理解させること。また,指導に当たっては,内容の(1)から(5)までの学習の発展として扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)のアについては,小学校の低学年までの子どもを中心に扱い,子どもの発達を支える親の役割や子育てを支援する環境に重点を置くこと。また,子どもの福祉については,児童福祉の基本的な理念や地域及び社会の果たす役割に重点を置くこと。イについては,日常生活の介助の基礎として,食事...
イ 内容の(3)のアについては,家庭の経済生活の諸課題について具体的に扱うようにすること。ウについては,契約,消費者信用及びそれらをめぐる問題などを取り上げて具体的に扱うこと。
ウ 内容の(4)のイの被服製作については,衣服を中心として扱い,生徒の技術や興味・関心に応じて縫製技術が学習できる題材を選択させること。エについては,生活と環境とのかかわりについて具体的に理解させることに重点を置くこと。
第3 生活デザイン
1 目標  人の一生と家族・家庭及び福祉,消費生活,衣食住などに関する知識と技術を体験的に習得させ,家庭や地域の生活課題を主体的に解決するとともに,生活の充実向上を図る能力と実践的な態度を育てる。
2 内容 
(1) 人の一生と家族・家庭及び福祉  人の一生を生涯発達の視点でとらえ,各ライフステージの特徴と課題について理解させるとともに,家族や家庭生活の在り方,子どもと高齢者の生活と福祉について考えさせ,共に支え合って生活することの重要性について認識させる。
ア 青年期の自立と家族・家庭  生涯発達の視点で青年期の課題を理解させ,男女が協力して,家族の一員としての役割を果たし家庭を築くことの重要性について考えさせるとともに,家庭や地域の生活を創造するために自己の意思決定に基づき,責任をもって行動することが重要であることを認識させる。
イ 子どもの発達と保育  乳幼児の心身の発達と生活,親の役割と保育,子どもの育つ環境について理解させ,子どもを生み育てることの意義を考えさせるとともに,子どもの発達のために親や家族及び地域や社会の果たす役割について認識させる。
ウ 高齢期の生活  高齢期の特徴と生活及び高齢社会の現状と課題について理解させ,高齢者の自立生活を支えるために家族や地域及び社会の果たす役割について認識させる。
エ 共生社会と福祉  生涯を通して家族・家庭の生活を支える福祉や社会的支援について理解させ,家庭や地域及び社会の一員としての自覚をもって共に支え合って生活することの重要性について認識させる。
オ 子どもとの触れ合い  子どもとの触れ合いを通して,子どもの生活と遊び,子どもの発達と環境とのかかわりなどについて理解させ,子どもと適切にかかわることができるようにする。
カ 高齢者とのコミュニケーション  高齢者との交流や日常生活の介助などを体験的に学ぶことを通して,高齢者の自立的な生活を支援することの意味やコミュニケーションの重要性を理解することができるようにする。
(2) 消費や環境に配慮したライフスタイルの確立  自立した生活を営むために必要な消費生活や生活における経済の計画に関する知識と技術を習得させ,環境に配慮したライフスタイルについて考えさせるとともに,主体的に生活を設計することができるようにする。
ア 消費生活と生涯を見通した経済の計画  消費生活の現状と課題や消費者の権利と責任について理解させ,適切な意思決定に基づいて行動できるようにするとともに,生涯を見通した生活における経済の管理や計画について考えることができるようにする。
イ ライフスタイルと環境  生活と環境とのかかわりについて理解させ,持続可能な社会を目指したライフスタイルを工夫し,主体的に行動できるようにする。
ウ 生涯の生活設計  生涯を見通した自己の生活について考えさせるとともに,主体的に生活を設計できるようにする。
(3) 食生活の設計と創造  食事と健康とのかかわりや栄養,食品,調理,食べ物のおいしさなどの食生活に関する知識と技術を習得させ,食文化に関心をもたせるとともに,生涯を通して安全と環境に配慮した食生活を主体的に営むことができるようにする。
ア 家族の健康と食事  食事の意義を理解させ,家族の健康と栄養や調理など食生活に関する知識と技術を習得させるとともに,生涯を通して健康に配慮した家族の食生活を管理できるようにする。
イ おいしさの科学と調理  食べ物のおいしさの要素や食品の栄養的特質と調理上の性質について科学的に理解させるとともに,栄養とおいしさを考えた食べ物や食事を作るために必要な知識と技術を習得させる。
ウ 食生活と環境  食生活の安全と衛生について理解させ,食料の生産や流通と食生活とのかかわりや環境に配慮した食生活の在り方を考えさせるとともに,主体的に家族の食生活を営むことができるようにする。
エ 食生活のデザインと実践  日常の食事や行事食における食の歴史や文化などについて理解させ,必要な知識と技術を習得させるとともに,食文化を継承し食生活を創造的に実践することができるようにする。
(4) 衣生活の設計と創造  被服の着装,製作,管理などの衣生活に関する知識と技術を習得させ,衣文化に関心をもたせるとともに,生涯を通して快適で創造的な衣生活を主体的に営むことができるようにする。
ア 装いの科学と表現  被服の機能を科学的に理解させ,目的に応じた被服の選択や自己を表現する着装を工夫できるようにする。
イ 被服の構成と製作  被服の構成と人体の形や動作及び被服材料とのかかわりを理解させ,製作に必要な知識と技術を習得させるとともに,発想を生かした被服製作ができるようにする。
ウ 衣生活の管理と環境  被服の管理方法や被服材料の性能,被服の構成などについて科学的に理解させ,健康や安全,資源・環境などに配慮した衣生活を主体的に営むことができるようにする。
エ 衣生活のデザインと実践  衣生活にかかわる歴史や文化などについて理解させ,衣生活を営むために必要な知識と技術を習得させるとともに,衣文化を継承し衣生活を創造的に実践することができるようにする。
(5) 住生活の設計と創造  健康で安全な住生活を営むための住居の機能,住居やインテリアの計画に関する知識と技術を習得させるとともに,生涯を見通して環境に配慮した住生活を主体的に営むことができるようにする。
ア 家族の生活と住居  住居の機能と管理,家族の生活とライフステージに応じた住空間について理解させ,安全で健康的な住生活について考えることができるようにする。
イ 快適さの科学と住空間の設計  快適な住居について科学的に理解させ,インテリア,園芸などに関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させるとともに,快適で機能的な住生活を営むために必要な平面計画やインテリア計画ができるようにする。
ウ 住居と住環境  住居とそれを取り巻く住環境について理解させ,資源・環境などに配慮した住生活を営むことができるようにする。
エ 住生活のデザインと実践  住生活にかかわる歴史や文化などについて理解させ,住生活を営むために必要な知識と技術を習得させるとともに,住文化を継承し住生活を創造的に実践することができるようにする。
(6) ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動  自己の家庭生活や地域の生活と関連付けて生活上の課題を設定し,解決方法を考え,計画を立てて実践することを通して生活を科学的に探究する方法や問題解決の能力を身に付けさせる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のオ,カ,(3)のエ,(4)のエ,(5)のエについては,生徒の興味・関心等に応じて,適宜項目を選択して履修させること。
イ 内容の(1)のイ及びウについては,学校や地域の実態等に応じて,学校家庭クラブ活動等との関連を図り,乳幼児や高齢者との触れ合いや交流などの実践的な活動を取り入れるよう努めること。
ウ 内容の(2)のウについては,(1)及び(2)のア,イの内容との関連を図るとともに,(1)から(5)までの学習の中で段階的に扱ったり,「生活デザイン」の学習のまとめとして扱ったりするなどの工夫をすること。
エ 内容の(3),(4),(5)については,実験・実習を中心とした指導を行うよう留意すること。
オ 内容の(6)については,ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動の意義と実施方法について理解させること。また,指導に当たっては,内容の(1)から(5)までの学習の発展として扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,子どもの発達を支えるための親の役割や子育てを支援する環境に重点を置くこと。イからエについては,生涯にわたって家族・家庭の生活を支える福祉の基本的な理念に重点を置くこと。
イ 内容の(2)のアについては,契約,消費者信用及びそれらをめぐる問題などを取り上げて具体的に扱うこと。イについては,環境負荷の少ない生活の工夫に重点を置くこと。
ウ 内容の(4)のイの被服製作については,衣服を中心として扱い,生徒の技術や興味・関心に応じて縫製技術が学習できる題材を選択させること。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 「家庭基礎」,「家庭総合」及び「生活デザイン」の各科目に配当する総授業時数のうち,原則として10分の5以上を実験・実習に配当すること。
(2) 「家庭基礎」は,原則として,同一年次で履修させること。
(3) 「家庭総合」及び「生活デザイン」を複数の年次にわたって分割して履修させる場合には,原則として連続する2か年において履修させること。
(4) 中学校技術・家庭科,公民科,数学科,理科及び保健体育科などとの関連を図るとともに,教科の目標に即した調和のとれた指導が行われるよう留意すること。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 生徒が自分の生活に結び付けて学習できるよう,問題解決的な学習を充実すること。
(2) 子どもや高齢者など様々な人々と触れ合い,他者とかかわる力を高める活動,衣食住などの生活における様々な事象を言葉や概念などを用いて考察する活動,判断が必要な場面を設けて理由や根拠を論述したり適切な解決方法を探究したりする活動などを充実すること。
(3) 食に関する指導については,家庭科の特質を生かして,食育の充実を図ること。
(4) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。
3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備の安全管理に配慮し,学習環境を整備するとともに,火気,用具,材料などの取扱いに注意して事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。
第10節 情   報
第1款 目標  情報及び情報技術を活用するための知識と技能を習得させ,情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに,社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ,社会の情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。
第2款 各 科 目
第1 社会と情報
1 目標  情報の特徴と情報化が社会に及ぼす影響を理解させ,情報機器や情報通信ネットワークなどを適切に活用して情報を収集,処理,表現するとともに効果的にコミュニケーションを行う能力を養い,情報社会に積極的に参画する態度を育てる。
2 内容
(1) 情報の活用と表現
ア 情報とメディアの特徴  情報機器や情報通信ネットワークなどを適切に活用するために,情報の特徴とメディアの意味を理解させる。
イ 情報のディジタル化  情報のディジタル化の基礎的な知識と技術及び情報機器の特徴と役割を理解させるとともに,ディジタル化された情報が統合的に扱えることを理解させる。
ウ 情報の表現と伝達  情報を分かりやすく表現し効率的に伝達するために,情報機器や素材を適切に選択し利用する方法を習得させる。
(2) 情報通信ネットワークとコミュニケーション
ア コミュニケーション手段の発達  コミュニケーション手段の発達をその変遷と関連付けて理解させるとともに,通信サービスの特徴をコミュニケーションの形態とのかかわりで理解させる。
イ 情報通信ネットワークの仕組み  情報通信ネットワークの仕組みと情報セキュリティを確保するための方法を理解させる。
ウ 情報通信ネットワークの活用とコミュニケーション  情報通信ネットワークの特性を踏まえ,効果的なコミュニケーションの方法を習得させるとともに,情報の受信及び発信時に配慮すべき事項を理解させる。
(3) 情報社会の課題と情報モラル
ア 情報化が社会に及ぼす影響と課題  情報化が社会に及ぼす影響を理解させるとともに,望ましい情報社会の在り方と情報技術を適切に活用することの必要性を理解させる。
イ 情報セキュリティの確保  個人認証と暗号化などの技術的対策や情報セキュリティポリシーの策定など,情報セキュリティを高めるための様々な方法を理解させる。
ウ 情報社会における法と個人の責任  多くの情報が公開され流通している現状を認識させるとともに,情報を保護することの必要性とそのための法規及び個人の責任を理解させる。
(4) 望ましい情報社会の構築
ア 社会における情報システム  情報システムの種類や特徴を理解させるとともに,それらが社会生活に果たす役割と及ぼす影響を理解させる。
イ 情報システムと人間  人間にとって利用しやすい情報システムの在り方,情報通信ネットワークを活用して様々な意見を提案し集約するための方法について考えさせる。
ウ 情報社会における問題の解決  情報機器や情報通信ネットワークなどを適切に活用して問題を解決する方法を習得させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)については,情報の信頼性,信憑《ぴょう》性及び著作権などに配慮したコンテンツの作成を通して扱うこと。イについては,標本化や量子化を取り上げ,コンピュータの内部では情報がディジタル化されていることについて扱うこと。ウについては,実習を中心に扱い,生徒同士で相互評価...
(2) 内容の(2)のイについては,電子メールやウェブサイトなどを取り上げ,これらの信頼性,利便性についても扱うこと。ウについては,実習を中心に扱い,情報の信憑《ぴょう》性や著作権などへの配慮について自己評価させる活動を取り入れること。
(3) 内容の(3)のアについては,望ましい情報社会の在り方と情報技術の適切な活用について生徒が主体的に考え,討議し,発表し合うなどの活動を取り入れること。イについては,情報セキュリティを確保するためには技術的対策と組織的対応とを適切に組み合わせることの重要性についても扱うこと。ウ...
(4) 内容の(4)については,望ましい情報社会を構築する上での人間の役割について生徒が主体的に考え,討議し,発表し合うなどの活動を取り入れること。イについては,生徒に情報システムの改善策などを提案させるなど,様々な意見を提案し集約する活動を取り入れること。
第2 情報の科学
1 目標  情報社会を支える情報技術の役割や影響を理解させるとともに,情報と情報技術を問題の発見と解決に効果的に活用するための科学的な考え方を習得させ,情報社会の発展に主体的に寄与する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) コンピュータと情報通信ネットワーク
ア コンピュータと情報の処理  コンピュータにおいて,情報が処理される仕組みや表現される方法を理解させる。
イ 情報通信ネットワークの仕組み  情報通信ネットワークの構成要素,プロトコルの役割,情報通信の仕組み及び情報セキュリティを確保するための方法を理解させる。
ウ 情報システムの働きと提供するサービス  情報システムとサービスについて,情報の流れや処理の仕組みと関連付けながら理解させ,それらの利用の在り方や社会生活に果たす役割と及ぼす影響を考えさせる。
(2) 問題解決とコンピュータの活用
ア 問題解決の基本的な考え方  問題の発見,明確化,分析及び解決の方法を習得させ,問題解決の目的や状況に応じてこれらの方法を適切に選択することの重要性を考えさせる。
イ 問題の解決と処理手順の自動化  問題の解法をアルゴリズムを用いて表現する方法を習得させ,コンピュータによる処理手順の自動実行の有用性を理解させる。
ウ モデル化とシミュレーション  モデル化とシミュレーションの考え方や方法を理解させ,実際の問題解決に活用できるようにする。
(3) 情報の管理と問題解決
ア 情報通信ネットワークと問題解決  問題解決における情報通信ネットワークの活用方法を習得させ,情報を共有することの有用性を理解させる。
イ 情報の蓄積・管理とデータベース 情報を蓄積し管理・検索するためのデータベースの概念を理解させ,問題解決にデータベースを活用できるようにする。
ウ 問題解決の評価と改善  問題解決の過程と結果について評価し,改善することの意義や重要性を理解させる。
(4) 情報技術の進展と情報モラル
ア 社会の情報化と人間  社会の情報化が人間に果たす役割と及ぼす影響について理解させ,情報社会を構築する上での人間の役割を考えさせる。
イ 情報社会の安全と情報技術  情報社会の安全とそれを支える情報技術の活用を理解させ,情報社会の安全性を高めるために個人が果たす役割と責任を考えさせる。
ウ 情報社会の発展と情報技術  情報技術の進展が社会に果たす役割と及ぼす影響を理解させ,情報技術を社会の発展に役立てようとする態度を育成する。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)のアについては,標本化や量子化などについて扱うこと。イについては,情報のやり取りを図を用いて説明するなどして,情報通信ネットワークやプロトコルの仕組みを理解させることを重視すること。ウについては,情報システムが提供するサービスが生活に与えている変化について扱うこ...
(2) 内容の(2)のアについては,生徒に複数の解決策を考えさせ,目的と状況に応じて解決策を選択させる活動を取り入れること。イ及びウについては,学校や生徒の実態に応じて,適切なアプリケーションソフトウェアやプログラム言語を選択すること。
(3) 内容の(3)については,実際に処理又は創出した情報について生徒に評価させる活動を取り入れること。アについては,学校や生徒の実態に応じて,適切なアプリケーションソフトウェアや情報通信ネットワークを選択すること。イについては,簡単なデータベースを作成する活動を取り入れ,情報が喪...
(4) 内容の(4)については,生徒が主体的に考え,討議し,発表し合うなどの活動を取り入れること。アについては,情報機器や情報通信ネットワークの様々な機能を簡単に操作できるようにする工夫及び高齢者や障害者による利用を容易にする工夫などについても扱うこと。イについては,情報通信ネット...
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 中学校における情報教育の成果を踏まえ,情報科での学習が他の各教科・科目等の学習に役立つよう,他の各教科・科目等との連携を図ること。
(2) 各科目の目標及び内容等に即して,コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用した実習を積極的に取り入れること。
(3) 各科目は,原則として,同一年次で履修させること。
(4) 情報機器を活用した学習を行うに当たっては,生徒の健康と望ましい習慣を身に付ける観点から,照明やコンピュータの使用時間などに留意すること。
(5) 公民科及び数学科などとの関連を図るとともに,教科の目標に即した調和のとれた指導が行われるよう留意すること。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各科目の指導においては,内容の全体を通じて知的財産や個人情報の保護などの情報モラルの育成を図ること。
(2) 各科目の指導においては,内容の全体を通じて体験的な学習を重視し,実践的な能力と態度の育成を図ること。
(3) 授業で扱う具体例などについては,情報技術の進展に対応して適宜見直しを図ること。
第3章 主として専門学科において開設される各教科
第1節 農   業
第1款 目標  農業の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,農業の社会的な意義や役割について理解させるとともに,農業に関する諸課題を主体的,合理的に,かつ倫理観をもって解決し,持続的かつ安定的な農業と社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を育てる。
第2款 各 科 目
第1 農業と環境
1 目標  農業生物の育成と環境の保全についての体験的,探究的な学習を通して,農業及び環境に関する学習について興味・関心を高めるとともに,科学的思考力と課題解決能力を育成し,農業及び環境に関する基礎的な知識と技術を習得させ,農業の各分野で活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 暮らしと農業
ア 食と農業
イ 生活と農業
ウ 環境と農業
エ 農業の動向と課題
(2) 農業生産の基礎
ア 農業生物の種類と特性
イ 農業生物の栽培・飼育
ウ 育成環境の要素
エ 農業生産物の利用
オ 農業生産の計画・管理・評価
(3) 環境の調査・保全・創造
ア 環境の調査
イ 環境の保全
ウ 環境の創造
(4) 農業学習と学校農業クラブ活動
ア 農業学習の特質
イ プロジェクト学習
ウ 学校農業クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,地域農業の見学や地域環境の観察及び統計資料を用いた具体的な学習を通して,農業の社会的な役割と環境・暮らしとのかかわりについて理解させ,農業の各分野に関する学習に関心をもたせること。
イ 内容の(2)については,農業生物の育成に関するプロジェクト学習を通して,農業生物の育成と栽培・飼育環境を関連付けて理解させるとともに,科学的な見方と実践力を育てること。なお,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な農業生物を選定すること。
ウ 内容の(3)については,地域環境などの調査や保全・創造に関する体験的な学習活動を通して,環境保全・創造の重要性などについて理解させるとともに,科学的な見方と実践力を育てること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,食料の生産と供給をはじめとした農業の多面的な役割,生態系における物質循環,地域環境や地球環境と人間生活との相互関係及び農業の動向と課題について基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,農業生物の生理・生態的な特性,気象など育成環境の要素及びそれらの相互関係を扱うこと。また,農業生物の栽培や飼育から加工,利用までの基礎的な内容と農業生産の計画・管理・評価の方法の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,地域環境などの調査の方法,森林による国土・環境の保全や都市緑地における景観創造の機能などについて基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(4)については,農業生物の育成や環境の保全などの農業学習の特質,プロジェクト学習の進め方並びに学校農業クラブ活動の目標,内容,組織及び実践方法を扱うこと。
第2 課題研究
1 目標  農業に関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習を通して,専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問題解決の能力や自発的,創造的な学習態度を育てる。
2 内容
(1) 調査,研究,実験
(2) 作品製作
(3) 産業現場等における実習
(4) 職業資格の取得
(5) 学校農業クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,内容の(1)から(5)までの中から,個人又はグループで適切な課題を設定させること。なお,課題は内容の(1)から(5)までの2項目以上にまたがる課題を設定することができること。
イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにすること。
第3 総合実習
1 目標  農業の各分野に関する体験的な学習を通して,総合的な知識と技術を習得させ,経営と管理についての理解を深めさせるとともに,企画力や管理能力などを身に付け,農業の各分野の改善を図る実践的な能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 農業の各分野に関する総合的な実習
ア 専門技術総合実習
イ 経営管理総合実習
(2) 農業の産業現場等における総合的な実習
ア 専門技術総合実習
イ 経営管理総合実習
(3) 学校農業クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,農業の各分野の総合的な実習を通して,経営や管理における技術の役割と各技術の相互関係を体験的に理解させ,経営や管理の改善を図る実践的な能力と態度を育てること。
イ 内容の(2)については,産業現場等における総合的な実習を通して,技術の実践的な役割と経営や管理の実際を体験的に理解させ,経営や管理の改善を図る実践的な能力と態度を育てること。なお,(2)については,地域の実態や学科の特色に応じて,扱わないことができること。
ウ 内容の(3)については,農業の各分野の学習を基に,学校農業クラブ活動における自主的な研究活動を通して,技術及び経営と管理を体験的に理解させ,農業の各分野の改善を図る実践的な能力と態度を育てること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,農業の各分野の技術及び経営と管理について基礎的な内容を総合的に扱うこと。
第4 農業情報処理
1 目標  社会における情報化の進展と情報の意義や役割を理解させ,情報に関する知識と技術を習得させるとともに,農業情報及び環境情報を主体的に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 産業社会と情報
ア 情報とその活用
イ 農林業における情報の役割
(2) 情報モラルとセキュリティ
ア 情報モラル
イ 情報のセキュリティ管理
(3) 情報技術
ア ハードウェアとソフトウェア
イ 情報通信ネットワーク
ウ 情報システム
(4) 農業情報及び環境情報の活用
ア 生産・加工・流通・経営のシステム
イ 農業情報の活用
ウ 森林情報の活用
エ 環境情報の活用
(5) 農業学習と情報活用
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,農業分野を中心に産業社会における情報の活用の具体的な事例を通して,情報の意義を理解させるとともに,農業の各分野における情報の役割について関心をもたせること。
イ 内容の(3)については,実習や産業現場の見学等を通して,情報,情報機器,情報通信ネットワーク,ソフトウェアなどを活用する能力を育てること。なお,生徒の実態や学科の特色に応じて,内容の一部に重点を置くなどの工夫を加えること。
ウ 内容の(4)については,実習及び産業現場での見学や体験等を通して,情報の流れや情報システムが活用されている実際の状況を理解し,実践的な情報活用ができるようにすること。
エ 内容の(5)については,農業の各科目の学習や学校農業クラブ活動のプロジェクト学習を進める各段階において,情報及び情報技術を効果的に活用できるようにすること。また,課題の発見・解決に必要な創造的思考力や科学的判断力,コミュニケーション能力などの育成に配慮するとともに,情報機器や情...
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,情報化の進展に伴う産業や生活の変化について扱うこと。イについては,農林業に関係する情報の収集,処理及び活用の基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,個人のプライバシーや著作権など知的財産の保護,収集した情報の管理,発信する情報に対する責任などの情報モラル及び情報通信ネットワークシステムにおけるセキュリティ管理の重要性について扱うこと。
ウ 内容の(3)については,目的に応じた情報機器やソフトウェアの選択,アプリケーションソフトウェアの使用法,情報通信ネットワークを活用した情報の収集,処理及び発信並びに情報システムの活用について,一般的な内容と農業に関連する内容を扱うこと。情報システムによる問題解決の方法については...
エ 内容の(4)については,農業技術や経営に関する情報,地理空間情報及び農業に関する情報システムなどの活用について基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)については,情報通信技術を活用したプロジェクト学習などを扱うこと。
第5 作 物
1 目標  作物の生産と経営に必要な知識と技術を習得させ,作物の特性や生産に適した環境を理解させるとともに,品質と生産性の向上及び経営の改善を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 作物生産の役割と動向
ア 作物生産と食料供給
イ 世界の食料需給の動向
(2) 作物の特性と栽培技術
ア 作物の種類と特徴
イ 作物の生育と生理
ウ 栽培環境と生育の調節
(3) 作物の生産
ア 作物の栽培的,経営的特性
イ 品種の特性と選び方
ウ 栽培計画
エ 育苗
オ 栽培管理
カ 商品化
キ 機械・施設の利用
ク 作物生産の評価
(4) 作物経営の改善
ア 作業体系の改善
イ 生産と流通の改善
(5) 作物生産の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,安全な作物の生産から消費までの食料供給の仕組みを理解させること。
イ 内容の(2)及び(3)については,観察や実験・実習を通して,作物の種類による特性と栽培環境の相互関係から作物の生育と環境の調節について理解させ,作物生産に関する科学的な見方と実践力を育てること。なお,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な作物を選定すること。
ウ 内容の(5)については,内容の(1)から(4)までと並行してあるいはそれらの内容を学習した後に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国と世界の作物生産,食料需給の動向及びそれらの相互関係について基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,いろいろな作物の特徴,作物の生育過程,生理作用,栽培環境と生育の調節や環境に配慮した作物栽培の技術の仕組みを扱うこと。
ウ 内容の(3)については,品種の選定をはじめとする栽培計画,各生育段階の特性に応じた栽培管理,各生育段階の診断方法に基づく評価など作物の生産と経営について体系的に扱うこと。また,残留農薬のポジティブリスト制度の概要についても触れること。
エ 内容の(4)については,作業の順序,組合せとその管理,生産費と流通の手段や経費,農業生産工程管理など作物の生産と経営の改善について基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)については,実際に選定した作物に関する一連の生産活動及び経営の改善に取り組む活動を行うこと。なお,経営の改善に取り組む活動として起業的な内容についても扱うことができること。
第6 野 菜
1 目標  野菜の生産と経営に必要な知識と技術を習得させ,野菜の特性や生産に適した環境を理解させるとともに,品質と生産性の向上及び経営の改善を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 野菜生産の役割と動向
ア 野菜の生産と利用
イ 野菜の需給の動向
(2) 野菜の特性と栽培技術
ア 野菜の種類と特徴
イ 野菜の生育と生理
ウ 栽培環境と生育の調節
エ 人工環境における栽培技術
(3) 野菜の生産
ア 野菜の栽培的,経営的特性
イ 品種の特性と選び方
ウ 作型と栽培計画
エ 育苗
オ 栽培管理
カ 商品化
キ 施設と土地の高度利用
ク 野菜生産の評価
(4) 野菜経営の改善
ア 作業体系の改善
イ 生産と流通の改善
(5) 野菜生産の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,安全な野菜の生産から消費までの仕組みを理解させること。
イ 内容の(2)及び(3)については,観察や実験・実習を通して,野菜の特性と栽培環境の相互関係から野菜の生育と環境の調節及び人工環境における栽培技術について理解させ,野菜生産に関する科学的な見方と実践力を育てること。なお,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な野菜を選...
ウ 内容の(5)については,内容の(1)から(4)までと並行してあるいはそれらの内容を学習した後に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国を中心に,食生活の変化を踏まえた野菜生産の役割,野菜の多様な利用形態及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,野菜の生育過程,生理作用,栽培環境と生育の調節や環境に配慮した野菜栽培の技術の仕組みを扱うこと。
ウ 内容の(3)については,野菜の作型の選定をはじめとする栽培計画,各生育段階の特性に応じた栽培管理,各生育段階の診断方法に基づく評価など野菜の生産と経営について体系的に扱うこと。また,残留農薬のポジティブリスト制度の概要についても触れること。
エ 内容の(4)については,作業の順序,組合せとその管理,加工と鮮度の保持,生産費と流通の手段や経費,農業生産工程管理など野菜の生産と経営の改善について基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)については,実際に選定した野菜に関する一連の生産活動及び経営の改善に取り組む活動を行うこと。なお,経営の改善に取り組む活動として起業的な内容についても扱うことができること。
第7 果 樹
1 目標  果樹生産と経営に必要な知識と技術を習得させ,果樹の特性や果実の生産に適した環境を理解させるとともに,品質と生産性の向上及び経営の改善を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 果実生産の役割と動向
ア 果実の生産と利用 
イ 果実の需給の動向
(2) 果樹の特性と栽培技術
ア 果樹の種類と特徴
イ 果樹の生育と生理
ウ 栽培環境と生育の調節
(3) 果樹の栽培と果実の生産
ア 果樹の栽培的,経営的特性
イ 品種の特性と選び方
ウ 苗木の養成と開園・更新
エ 作型と栽培計画
オ 栽培管理
カ 商品化
キ 施設の利用と栽培技術
ク 果樹生産の評価
(4) 果樹経営の改善
ア 作業体系の改善
イ 生産と流通の改善
(5) 果樹生産の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,安全な果実の生産から消費までの仕組みを理解させること。
イ 内容の(2)及び(3)については,観察や実験・実習を通して,果樹の特性と栽培環境の相互関係から果樹の生育と環境の調節について理解させ,果樹生産に関する科学的な見方と実践力を育てること。なお,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な果樹を選定すること。
ウ 内容の(5)については,内容の(1)から(4)までと並行してあるいはそれらの内容を学習した後に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国を中心に,食生活の変化を踏まえた果実生産の役割,果実の多様な利用形態及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,果樹の生育過程,生理作用,栽培環境と生育の調節や環境に配慮した果樹栽培の技術の仕組みを扱うこと。
ウ 内容の(3)については,果樹の作型の選定をはじめとする栽培計画,各生育段階の特性に応じた栽培管理,各生育段階の診断方法に基づく評価など果実の生産と果樹経営について体系的に扱うこと。また,残留農薬のポジティブリスト制度の概要についても触れること。
エ 内容の(4)については,品種の選定,作業の順序,組合せとその管理,生産費と流通の手段や経費,農業生産工程管理など果樹の生産と経営の改善について基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)については,実際に選定した果樹に関する一連の生産活動及び経営の改善に取り組む活動を行うこと。なお,経営の改善に取り組む活動として起業的な内容についても扱うことができること。
第8 草 花
1 目標  草花の生産と経営に必要な知識と技術を習得させ,草花の特性や生産に適した環境を理解させるとともに,品質と生産性の向上及び経営の改善を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 草花生産の役割と動向
ア 草花生産の特性
イ 生活と草花の利用
ウ 草花の流通と需給の動向
(2) 草花の特性と栽培技術
ア 草花の種類と特徴
イ 草花の生育と生理
ウ 栽培環境と生育の調節
エ 品種改良
(3) 草花の生産
ア 草花の栽培的,経営的特性
イ 品種の特性と選び方
ウ 作型と栽培計画
エ 栽培管理
オ 商品化
カ 施設の利用
キ 草花生産の評価
(4) 草花経営の改善
ア 作業体系の改善
イ 生産と流通の改善
(5) 草花生産の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,安全な草花の生産から消費までの仕組みと多様な草花の利用の形態を理解させること。
イ 内容の(2)及び(3)については,観察や実験・実習を通して,草花の特性と栽培環境の相互関係から草花の生育と環境の調節について理解させ,草花生産に関する科学的な見方と実践力を育てること。なお,地域農業の実態,学科の特色や消費動向に応じて,題材として適切な草花を選定すること。
ウ 内容の(5)については,内容の(1)から(4)までと並行してあるいはそれらの内容を学習した後に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国を中心に,生活の変化に伴う草花の利用の変化を踏まえた草花生産及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,草花の生育過程,生理作用,栽培環境と生育の調節や環境に配慮した草花栽培の技術の仕組みを扱うこと。
ウ 内容の(3)については,草花の品種の選定をはじめとする栽培計画,各生育段階の特性に応じた栽培管理,各生育段階の診断方法に基づく評価など草花の生産と経営について体系的に扱うこと。
エ 内容の(4)については,品種の選定,作業管理,施設利用,生産費と流通の手段や経費,農業生産工程管理など草花の生産と経営の改善について基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)については,実際に選定した草花に関する一連の生産活動及び経営の改善に取り組む活動を行うこと。なお,経営の改善に取り組む活動として起業的な内容についても扱うことができること。
第9 畜 産
1 目標  家畜の飼育と畜産経営に必要な知識と技術を習得させ,家畜の特性や飼育環境を理解させるとともに,合理的な家畜管理と品質や生産性の向上を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 畜産の役割と動向
ア 畜産の役割と特色
イ 畜産物の需給の動向
(2) 家畜の生理・生態と飼育環境
ア 家畜の生理・生態
イ 飼育環境の調節
(3) 家畜と飼料
ア 家畜の栄養と栄養素
イ 消化吸収と栄養素の代謝
ウ 飼料の特性と給与
エ 飼料作物の栽培
オ 草地の管理
(4) 家畜の飼育
ア 家畜の選択
イ 飼育計画と管理
ウ 繁殖と改良
エ 施設の利用
オ 家畜の病気と衛生
カ 飼育の評価
(5) 家畜廃棄物の処理と利用
ア 家畜廃棄物の処理
イ 家畜廃棄物の価値とその利用
(6) 畜産経営の改善
ア 作業体系の改善
イ 生産と流通の改善
(7) 畜産の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,地域環境と安全に配慮した畜産物の生産から消費までの食料供給の仕組みを理解させること。
イ 内容の(2)から(4)までについては,観察や実習を通して,家畜の特性と飼育環境の相互関係から飼育環境の調節と制御について理解させ,家畜飼育に関する科学的な見方と実践力を育てること。なお,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な家畜を選定すること。
ウ 内容の(3)のエ及びオについては,地域農業の実態や飼料の需給の動向に応じて,題材として適切な飼料作物を選定すること。
エ 内容の(7)については,内容の(1)から(6)までと並行してあるいはそれらの内容を学習した後に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国を中心に,国際的な畜産物の生産,利用及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,家畜の生理・生態と行動的な特性,環境要因が家畜に与える影響及び飼育環境の調節を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,栄養素の家畜体内における代謝,粗飼料や濃厚飼料の給与,飼料の安全性などを扱うこと。
エ 内容の(4)については,品種の選定をはじめとする飼育計画や目標,飼料給与など飼育管理や繁殖管理の成績などの総合的な判断に基づく飼育評価など家畜の飼育と経営について体系的に扱うこと。ウについては,バイオテクノロジーを利用した改良の基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)については,家畜廃棄物の適切な処理法や多様化する利用法について扱うこと。
カ 内容の(6)については,飼育形態,作業管理,生産費と流通の手段や経費など家畜生産の経営改善について基礎的な内容を扱うこと。また,安全な食品を供給するための食品トレーサビリティシステムなどについても扱うこと。
キ 内容の(7)については,実際に選定した家畜に関する一連の飼育及び経営の改善に取り組む活動を行うこと。なお,経営の改善に取り組む活動として起業的な内容についても扱うことができること。
第10 農業経営
1 目標  農業経営の設計と管理に必要な知識と技術を習得させ,コスト管理とマーケティングの必要性を理解させるとともに,経営管理の改善を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 農業の動向と農業経営
ア 我が国と世界の農業
イ 地域農業の動向
ウ 農業経営と社会経済環境
(2) 農業経営の管理
ア 農業経営の主体と目標
イ 農業生産の要素
ウ 経営組織の組立て
エ 経営と協同組織
オ 農業経営の管理
(3) 農業経営の情報
ア 農業経営情報の収集と活用
イ 農業経営とマーケティング
ウ 農業政策と関係法規
(4) 農業経営の会計
ア 取引・勘定・仕訳
イ 仕訳帳と元帳
ウ 試算表と決算
エ 農産物の原価計算
(5) 農業経営の診断と設計
ア 農業経営の診断
イ 農業経営の設計
(6) 農業経営の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)から(5)までについては,学校農場や地域の農業経営の身近な事例を通して,具体的に理解させること。
イ 内容の(3)については,演習や実習を通して,経営情報の活用技術を具体的に理解させること。
ウ 内容の(4)については,演習や実習を通して,簿記の記帳方法について理解させ,経営の改善を図る合理的な見方と実践力を育てること。
エ 内容の(6)については,生徒の実態や学科の特色に応じて選択して扱うことができること。その際,内容の(1)から(5)までと並行してあるいはそれらの内容を学習した後に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,国際的な市場拡大の中での我が国と世界の農業の動向とその相互関係,農業経営のあらましと経営者として兼ね備えるべき要件について基礎的な内容を扱うこと。また,産地形成など地域農業の動向と農業経営及びその相互関係について基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,農業経営の運営と管理の仕方について具体的な事例を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,農業経営をめぐる社会環境の変化を踏まえ,農業マーケティング及び農業政策とそれに関連する法規の概要を扱うこと。
エ 内容の(4)については,農業会計の原理,農業簿記の仕組み,複式簿記による取引から決算までの処理方法及び原価計算の意義と方法を扱うこと。
オ 内容の(5)については,農業経営の診断の指標とマネジメントサイクルを含めた診断方法及び農業経営の設計に必要な条件と方法を扱うこと。
カ 内容の(6)については,生産や飼育に関する活動と連動した経営の改善に取り組む活動を行うこと。また,起業的な活動についても扱うことができること。
第11 農業機械
1 目標  農業機械の取扱いと維持管理に必要な知識と技術を習得させ,機械の構造と作業上の特性を理解させるとともに,農業機械の効率的な利用を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 農業機械の役割
ア 農業機械化の意義
イ 農業機械の利用とその現状
(2) 農業機械の操作
ア トラクタとその操作
イ 作業機とその操作
ウ 農業機械と安全作業
(3) 農業機械の構造と整備
ア 原動機の原理・構造と整備
イ トラクタの構造と整備
ウ 作業機の構造と整備
エ 燃料と潤滑油の特質
(4) 農業生産と農業機械の利用
ア 農業機械の効率的利用
イ 経営形態と機械の導入・利用
ウ 農業機械化体系の作成
(5) 農業機械による自動化
ア 環境制御機器
イ 作業工程の自動化
ウ 農業用ロボット
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,実験・実習を通して,機械の構造と作業特性の相互関係から機械の点検方法について理解させ,機械の維持管理を図る実践力を育てること。また,機械の原理や構造などの理解を深めさせるため,教育用機器を活用すること。
イ 内容の(2)から(4)までについては,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な農業機械を選定すること。また,機械及び燃料の安全な取扱いについて指導し,事故の防止に努めること。
ウ 内容の(5)については,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な農業機械や農業用ロボットを選定し,活用の意義について理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国における農業機械の利用の現状及び農業の生産性の向上と農業機械化との相互関係を扱うこと。
イ 内容の(3)については,原動機とトラクタの各種装置の作動原理と作業機の作業原理にかかわる基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(4)については,学校農場や地域農業の身近な事例を取り上げて,機械の作業能率や利用経費など農業機械の効率的な利用と経営形態や目的に応じた機械の導入・利用を考慮した農業機械化体系の作成を扱うこと。
エ 内容の(5)については,技術の進展に対応した題材を取り上げ,基礎的な内容を扱うこと。
第12 食品製造
1 目標  食品製造に必要な知識と技術を習得させ,食品の特性と加工方法及び貯蔵の原理を理解させるとともに,品質と生産性の向上を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 食品製造の意義と動向
ア 食品製造の意義
イ 食品産業の現状と動向
(2) 食品加工の原理と方法
ア 物理的な方法による加工
イ 化学的な方法による加工
ウ 生物的な作用による加工
(3) 食品の特性と加工
ア 原材料の処理
イ 穀類,大豆,イモ類の加工
ウ 野菜,果実の加工
エ 畜産物の加工
オ 発酵食品の製造
(4) 食品加工と衛生管理
ア 食品による危害と安全の確保
イ 食品製造における衛生
ウ 環境汚染の防止
(5) 食品の変質と貯蔵
ア 食品の変質の要因
イ 食品の貯蔵法
ウ 食品の包装と品質表示
(6) 機械と装置の利用
ア 製造用の機械と装置の利用
イ ボイラと冷却装置の利用
(7) 生産管理の改善
ア 品質管理
イ 作業体系の改善
(8) 食品製造の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,農業生産,食品製造から食料消費までの安全な食料供給の仕組みを理解させること。
イ 内容の(2)及び(3)については,実験・実習を通して,食品の特性と加工原理を理解させ,食品加工の工夫を図る実践力を育てること。
ウ 実験・実習の指導に当たっては,食品や製造用機械・器具の安全な取扱いについて指導するとともに,食品衛生上の危害の発生の防止に努めること。
エ 内容の(3)のアからオまでについては,地域の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
オ 内容の(7)については,食品企業における従業員の教育や管理の手法について具体的な事例を取り上げ,安全な食品の提供と生産性を向上するための取組の重要性を理解させること。
カ 内容の(8)については,内容の(1)から(7)までと並行してあるいはそれらの内容を学習した後に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国の食生活における食品産業の役割及び食品製造に関する技術の進歩を中心に扱うこと。
イ 内容の(2)については,原材料の特性を利用した加熱,塩漬や発酵などの食品加工の方法とその基本的な原理を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,主な食品の製造工程における操作及び検査を扱うこと。
エ 内容の(4)については,食品による危害の要因や食品の安全に関する法規の概要について扱うとともに,食品を衛生的に製造するための危害分析重要管理点手法や食品安全マネジメントシステムなどについて扱うこと。また,環境汚染を防止するために必要な排水や廃棄物の処理の方法などについても扱うこ...
オ 内容の(5)については,温度,酸素や微生物による食品の変質とそれに伴う価値の変化及びその防止のための代表的な貯蔵法を扱うこと。また,包装と表示及び製造用機械・器具の使用方法について扱うこと。
カ 内容の(6)については,内容の(3)及び(5)で扱う食品製造用の機械や装置の操作と整備を扱うこと。
キ 内容の(7)については,品質管理を図るための工程と生産環境の管理,衛生検査及び作業体系の基礎的な内容を扱うこと。
ク 内容の(8)については,実際に選定した食品の加工に関する活動や商品を開発する活動を食品企業の経営と関連付けて行うこと。
第13 食品化学
1 目標  食品の成分分析と検査に必要な知識と技術を習得させ,食品の成分と栄養的価値を理解させるとともに,食品製造及び農業の各分野で応用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 食品化学の役割
ア 食品化学の領域
イ 食品化学と食品製造
(2) 食品の成分
ア 食品成分の分類と機能
イ 食品成分の変化
(3) 食品の栄養
ア 食品成分の代謝と栄養
イ 食品の栄養的価値の評価
(4) 食品の成分分析
ア 成分分析の基本操作
イ 食品成分の定量分析
ウ 食品成分の物理・化学分析
(5) 食品の衛生検査
ア 食品衛生検査の意義
イ 異物の検査
ウ 細菌の検査
エ 水質の検査
オ 食品添加物の検査
カ 農薬と食品
(6) 食品分析の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)から(5)までについては,地域の食生活の現状や学科の特色に応じて,題材として適切な食品と原材料を選定すること。
イ 内容の(4)及び(5)については,実験・実習を通して,成分分析や衛生検査の意義と原理について理解させ,食品製造に応用する実践力を育てること。
ウ 内容の(5)のカについては,残留農薬のポジティブリスト制度などにも触れ,食品の安全に応用する実践力を育てること。
エ 内容の(6)については,内容の(1)から(5)までと並行してあるいはそれらの内容を学習した後に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,食品の成分分析や衛生検査が,食品製造や食生活の改善に果たしている役割を中心に扱うこと。
イ 内容の(2)については,食品中のタンパク質,ビタミンなどの性質,加工や貯蔵時における変化を中心に扱うこと。
ウ 内容の(2)から(5)までについては,化学式,構造式及び化学反応式を扱う場合は基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(3)については,食品成分の体内での変化と働きを中心に扱い,機能性食品などについても触れること。
オ 内容の(4)については,食品成分の分析方法とその原理及び分析機器の操作を扱うこと。
カ 内容の(5)のアからオについては,食品の安全性確保のために必要な衛生検査の概要及び各種検査の原理と方法を扱うこと。カについては残留農薬の問題など具体的な事例を扱うこと。
キ 内容の(6)については,実際に選定した食品の成分分析や衛生検査を行うこと。
第14 微生物利用
1 目標  食品に関連する微生物の利用と培養に必要な知識と技術を習得させ,微生物の特性を理解させるとともに,農業の各分野で微生物を利用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 微生物利用の意義と分野
ア 微生物利用の意義
イ 食品と微生物利用
(2) 微生物の種類と特徴
ア 微生物の種類と増殖
イ 微生物の生育環境
ウ 微生物の遺伝
(3) 微生物の代謝とその利用
ア 酵素の一般的性質
イ 酵素の分類と種類
ウ 酵素の利用
エ 微生物の代謝
オ アルコール発酵
カ 有機酸発酵
キ アミノ酸発酵
(4) 微生物の分離と培養
ア 微生物実験の基本操作
イ 細菌の分離と培養
ウ 酵母の分離と培養
エ かびの分離と培養
オ きのこの培養
(5) 微生物利用の発展
ア 新たな微生物利用
イ 微生物の改良
ウ 微生物によるエネルギー生産
エ 固定化生体触媒の利用
オ 微生物による環境保全
(6) 微生物利用の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,各種の事例を通して,微生物利用の意義を具体的に理解させること。
イ 内容の(2)については,観察・実験を通して,微生物の形態的特徴と生理的特性を具体的に理解させること。
ウ 内容の(2)から(5)までについては,微生物の特性を理解させ,微生物の活動を制御し,利用する実践力を育てること。また,地域の食品産業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な菌種を選定すること。なお,遺伝子組換えや有害微生物を扱う際には,適切な拡散防止の措置を講じるなど安全に...
エ 内容の(3)のオからキまでについては,地域の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
オ 内容の(4)については,実験・実習を通して,微生物の特徴を理解させること。
カ 内容の(5)については,遺伝子操作に関する技術の進展やそれに伴う倫理的な問題についても触れること。
キ 内容の(6)については,内容の(1)から(5)までと並行してあるいはそれらの内容を学習した後に取り扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,微生物利用の状況,微生物の役割及び食品と微生物の関係について基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)のウについては,微生物の遺伝の仕組み及び突然変異について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(2)から(6)までについては,微生物の学名や英名及び化学式や構造式を扱う場合は基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(4)については,微生物の純粋分離と純粋培養の基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)については,遺伝子組換えの基礎的な内容を扱うこと。また,エネルギー生産については,再資源化や環境浄化とも関連付けて発酵機構と代謝産物及び生体触媒の固定化などの基礎的な内容を扱うこと。
カ 内容の(6)については,実際に選定した微生物の培養や発酵食品の製造,微生物を応用した技術に関する活動を行うこと。
第15 植物バイオテクノロジー
1 目標  植物に関するバイオテクノロジーの知識と技術を習得させ,植物体の特性とバイオテクノロジーの特質を理解させるとともに,農業の各分野で活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) バイオテクノロジーの意義と役割
ア バイオテクノロジーの意義
イ 産業社会とバイオテクノロジー
(2) 植物バイオテクノロジーの特質と基本操作
ア 植物の構造と機能
イ 無菌操作の基本
(3) 植物の増殖能力の利用
ア 組織培養の目的と技術体系
イ 培地の組成と調整
ウ 培養植物体の生育と環境
エ 野菜や草花への活用
オ 果樹や作物などへの活用
カ バイオテクノロジーの活用実態
(4) 植物の遺伝情報の利用
ア 遺伝子組換えの仕組み
イ 細胞融合の仕組み
(5) バイオマス・エネルギーの利用
ア 栽培植物の利用
イ 有機廃棄物の利用
(6) 植物バイオテクノロジーの展望
(7) 植物バイオテクノロジーの実践
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,観察や実験・実習を通して,植物の分化全能性とその利用について理解させ,組織培養技術を活用する実践力を育てること。
イ 内容の(2)から(4)までについては,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な植物を選定すること。また,遺伝子組換えを扱う際には,適切な拡散防止の措置を講じるなど安全に十分留意して指導し,雑菌による機器や施設などの汚染防止を図ること。
ウ 内容の(7)については,内容の(1)から(6)までと並行してあるいはそれらの内容を学習した後に取り扱うこと
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,植物の繁殖などの機能を利用するバイオテクノロジーの技術体系及び農業などの産業各分野における利用の概要を扱うこと。 
イ 内容の(2)については,茎頂など植物の組織・器官の構造と機能,植物ホルモンの作用及び無菌的条件の設定も扱うこと。
ウ 内容の(3)については,植物細胞の分化全能性,培地の調整,組織培養及び培養植物体の順化,育成を中心に扱うこと。カについては,地域の野菜や草花など身近な植物や絶滅危惧《ぐ》植物などの具体的な事項を扱うこと。
エ 内容の(4)については,遺伝子の構造及び植物のもつ遺伝情報の伝達機能について基礎的な内容を扱い,遺伝子組換えに関連する法規の概要についても扱うこと。
オ 内容の(5)については,バイオテクノロジーを活用して,セルロースなどの植物成分やもみがらなどの有機廃棄物を変換利用する技術を扱うこと。
カ 内容の(6)については,遺伝子組換え植物の利用などバイオテクノロジーに関する今後の動向,課題及び可能性について基礎的な内容を扱うこと。
キ 内容の(7)については,植物バイオテクノロジーの技術を活用した活動や絶滅危惧《ぐ》植物などを対象とした活動を行うこと。
第16 動物バイオテクノロジー
1 目標  動物バイオテクノロジーや実験動物の飼育・管理に関する知識と技術を習得させ,動物の生理特性とバイオテクノロジーの特質を理解させるとともに,農業の各分野で応用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) バイオテクノロジーの意義と役割
ア バイオテクノロジーの意義
イ 産業社会とバイオテクノロジー
ウ 動物実験の意義
(2) 実験動物
ア 動物の体の構造
イ 飼育と管理
ウ 動物実験の基本
(3) 動物バイオテクノロジーの基礎
ア 生殖細胞と人工授精
イ 受精卵の操作
ウ 雌雄の判別
エ 核移植とクローニング  
(4) 動物バイオテクノロジーの展望
(5) 動物バイオテクノロジーの実践
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,実験・実習を通して,動物の組織や機能を理解させ,バイオテクノロジーの応用を図る実践力を育てること。
イ 内容の(2)及び(3)については,地域農業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な動物を選定すること。
ウ 内容の(3)については,地域の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。また,遺伝子組換えを扱う際には,適切な拡散防止の措置を講じるなど安全に十分留意して指導し,雑菌による機器や施設などの汚染防止を図ること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,動物の繁殖機能を利用するバイオテクノロジーの技術体系及び農業などの産業各分野における利用の概要を扱うこと。
イ 内容の(1)のウ及び(2)については,生命尊重の視点から実験で使用する動物について倫理面にも配慮して扱うこと。 
ウ 内容の(3)については,受精卵移植や雌雄の判別など動物のバイオテクノロジーの基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(4)については,人工多能性幹細胞など動物のバイオテクノロジーに関する今後の動向,課題及び可能性について基礎的な内容を扱い,遺伝子組換えに関連する法規の概要についても扱うこと。
オ 内容の(5)については,動物バイオテクノロジーの技術を活用した活動や応用的な技術を活用した活動を行うこと。
第17 農業経済
1 目標  農業及び食品産業の経済活動に関する知識と技術を習得させ,流通及び市場の原理を理解させるとともに,流通の改善を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 我が国の農業と世界の食料需給
ア 農業と国民経済
イ 世界の食料需給
ウ 農業と国際経済事情
(2) 食料供給と農業及び食品産業
ア 農業生産の役割と特徴
イ 食品産業の役割と特徴
(3) 農産物の需給と価格形成
ア 農産物の需要と供給
イ 市場の原理と価格の形成
(4) 農産物の流通と経済
ア 流通の構造と機能
イ 農産物・加工食品と農業生産資材の流通
ウ 金融と保険
(5) 農業生産の組織と食品産業
ア 農業協同組合
イ 農業生産組織と農業生産法人
ウ 食品企業
(6) 農業と情報
ア 農業情報システム
イ 情報の管理と活用
(7) 農業・食料政策と関係法規
ア 農業・食料政策
イ 農業経済と関係法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)から(5)までについては,地域の具体的な事例を通して,農業及び食品産業の経済活動について理解させること。
イ 内容の(5)から(7)までについては,地域の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,農業と食品産業が我が国の経済活動において果たしている役割,国際的な食料需給の動向が我が国の農業と食品産業に与える影響などについて基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,食料消費の形態と動向並びに食料供給における農業,食品製造業,食品流通業及び外食産業の役割と動向について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,価格形成の原理として需要と供給の変動の要因及び市場の役割を具体的に扱うこと。
エ 内容の(4)については,主な農産物・加工食品と農業生産資材の流通構造及び流通に必要な金融と保険について基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)については,販売事業や信用事業など農業協同組合の事業,共同出荷など生産組合の事業,集落営農などの農業生産組織や農業生産法人,食品企業の運営及び経営について基礎的な内容を扱うこと。
カ 内容の(7)については,農業政策及び食料政策とその関係法規の概要を扱うこと。
第18 食品流通
1 目標  農産物や農産物を原料とする食品の流通に必要な知識と技術を習得させ,食品の特性と流通構造を理解させるとともに,食品の流通と管理の合理化を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 食品流通と食品産業
ア 食品産業と国民経済
イ 食品流通とフードシステム
(2) 食品流通の構造と機能
ア 食品流通の社会的機能
イ 食品流通の構造
ウ 流通経費と価格形成
(3) 主な食品の流通
ア 米と麦類の流通
イ 青果物の流通
ウ 畜産物の流通
エ 加工食品の流通
オ 農産物の輸出入
(4) 食品の品質と規格
ア 食品の機能と安全性
イ 品質と品質保証
ウ 規格・表示・検査
エ 食品流通と包装
オ 食品の変質
(5) 食品の輸送と保管
ア 食品の輸送
イ 食品の保管
ウ 物流のシステム化
エ 物流と情報管理
(6) マーケティング
ア 食品市場の調査
イ 販売計画と仕入計画
ウ 流通と販売
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,食品流通の具体的な事例を通して,安全な食品の流通の仕組みについて理解させること。
イ 内容の(2)及び(3)については,調査や実習を通して,食品の特性と流通構造を理解させ,流通の改善を図る実践力を育てること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,国民の食生活の動向及び食品産業や食品流通の役割を中心に扱うこと。
イ 内容の(3)については,我が国の主な食品の特性及び流通の手段,経路と機能を扱うこと。なお,地域の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な食品を選定すること。
ウ 内容の(4)については,食品の栄養や安全性などの品質の保持と保証及びそのための検査と包装を扱うこと。なお,食品の規格や表示については,農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律に基づく食品表示と規格など基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(5)については,食品の品質の維持や環境とのかかわり,食品トレーサビリティシステムについても扱うこと。
オ 内容の(6)については,食品の販売や店舗の経営に必要なマーケティングの原理,食品市場の調査と情報分析,消費動向,品揃《ぞろ》えと数量などの仕入計画及び商品陳列,広告,販売方法などの販売計画について基礎的な内容を扱うこと。
第19 森林科学
1 目標  森林の育成,保全と木材の生産に必要な知識と技術を習得させ,森林の役割や生態について理解させるとともに,森林の保全と利用を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 森林の役割
ア 森林の多面的機能
イ 森林管理の意義
(2) 森林の生態
ア 森林の生態と分布
イ 林木の生育と環境
(3) 森林の育成
ア 育苗と造林
イ 森林の保育と保護
(4) 山地の保全
ア 治山治水
イ 林道と作業道
(5) 木材の生産
ア 林木の伐採
イ 造材と集材
ウ 木材の運搬
(6) 人間社会と森林
ア 森林利用の変遷
イ 流域社会と人の暮らし
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,学校林や地域の森林における実習を通して,森林の役割及び生態について具体的に理解をさせること。
イ 内容の(2)及び(3)については,観察や実験・実習を通して,林木の生育特性と環境要因を理解させ,計画的な森林造成を図る実践力を育てること。
ウ 内容の(2)のイについては,地域の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な林木を選定すること。
エ 内容の(4)のイについては,山地の保全にとって作業道の果たす役割を理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,我が国の森林を中心に扱うこととし,水資源の涵《かん》養や生物多様性の保全をはじめとする多面的な森林の機能を維持するための森林管理の意義を扱うこと。
イ 内容の(2)については,森林生態系での物質循環と遷移及び森林植生の分布と気候の関係について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,実生苗や挿し木苗の養成及び造林の基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(4)については,治山治水,林道,作業道の意義や役割などについて基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(6)については,森林利用の歴史,流域社会と人間,森林観形成の過程における思想の変遷などを扱うこと。
第20 森林経営
1 目標  森林経営における測定,計画と管理に必要な知識と技術を習得させ,森林の機能と評価の意義を理解させるとともに,森林を持続的に経営する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 森林と森林経営
ア 我が国と世界の森林
イ 森林経営の意義と役割
(2) 森林の機能
ア 林産物生産機能
イ 環境保全機能
ウ 保健休養機能
(3) 森林の測定と評価
ア 森林の測定
イ リモートセンシングの利用
ウ 森林の機能の評価
(4) 森林経営の計画と管理 
ア 森林経営の目標と組織
イ 森林施業
ウ 森林の利用
エ 森林経営情報の活用
(5) 木材の流通
ア 国民経済と木材商業
イ 木材の流通と市場
ウ 木材貿易
(6) 森林経営と森林政策
ア 我が国の森林政策
イ 林業金融と森林保険
ウ 森林関係法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,学校林や地域の森林における実習を通して,森林の機能とその測定を理解させること。
イ 内容の(3)及び(4)については,地域の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な森林を選定すること。また,指導に当たっては,各種メディア教材や地球観測衛星などの情報を適切に活用すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,我が国と世界の森林資源,木材の需給の動向及びそれらの相互関係について基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,木材等の林産物の生産や供給,国土の保全や水資源の涵《かん》養,保健休養や教育的利用の場の提供など森林がもつ機能について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,森林の測定とその機能の評価の方法について基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(4)については,我が国の森林の持続的経営に関して,植林,間伐,伐採,再造林などの具体的な内容を扱うこと。
オ 内容の(6)のアについては,森林計画制度など我が国の森林政策の概要を扱うこと。イについては森林の機能を持続させるための金融と保険制度を扱うこと。ウについては森林経営に関する法規の概要を扱うこと。
第21 林産物利用
1 目標  林産物の加工,利用に必要な知識と技術を習得させ,林産物の特性を理解させるとともに,林産物の多様な利用を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 森林資源の循環利用と林業・林産業
ア 循環資源としての木材
イ 木造建築物と循環
ウ 林産業の現状と動向
(2) 木材の性質と用途
ア 木材の構造
イ 木材の性質
ウ 木材の用途
(3) 製材と木材の工作
ア 製材
イ 木材の乾燥
ウ 木材の工作
(4) 木材の加工と利用
ア 改良木材の製造
イ 木材パルプと和紙
ウ 木炭
エ バイオマスの変換技術と利用
(5) 特用林産物の生産と加工
ア きのこの生産と加工
イ 山菜の加工
ウ 薬用植物の生産と加工
エ つるなどの加工
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,光合成産物である木材が循環利用可能な資源であり,人間の生活に欠かせない素材として重要な役割を果たしていることを理解させること。
イ 内容の(2)から(4)までについては,実験・実習を通して,木材の構造と性質を理解させ,木材の多様な利用を図る実践力を育てること。
ウ 内容の(3)から(5)までについては,地域林業の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な林産物を選定すること。また,加工,製造機械類の操作及び各種薬剤などによる事故の防止など安全の指導の充実に努めること。
エ 内容の(4)のイからエまで及び内容の(5)のアからエまでについては,地域の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のウについては,木造建築業,木材加工業及び林産製造業を扱うこと。
イ 内容の(4)については,木材の材質の改良,木材の物理的処理と化学的処理及びバイオマス・エネルギーの利用について基礎的な内容を扱うこと。
第22 農業土木設計
1 目標  農業土木事業の計画と設計に必要な知識と技術を習得させ,事業計画の重要性と土木構造物の特質を理解させるとともに,自然環境との調和に配慮した事業を計画し,構造物を設計する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 農業土木計画と設計の意義
ア 農業土木計画の意義と役割
イ 環境保全と農業土木計画
ウ 農業土木構造物の種類と特質
エ 農業土木構造物の計画・設計・製図
(2) 設計と力学
ア 力と釣合い
イ 平面図形の性質
ウ 材料の性質と強さ
(3) 構造及び部材の計算と設計
ア 静定ばりの計算と設計
イ 不静定ばりの基礎
ウ 柱
エ トラス
オ ラーメン
(4) 鉄筋コンクリート構造と鋼構造の設計
ア 鉄筋コンクリート構造
イ 鋼構造
(5) 農業土木構造物の設計
ア 基礎工
イ 擁壁
ウ 水利構造物
エ 道路
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(5)については,地域の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な農業土木構造物を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,地域計画と農業土木事業を関連付けて扱うこと。
イ 内容の(2)については,力の合成と分解,断面二次モーメントなどの断面の性質及び構造材料の強さと特性を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,はり,柱とトラスに作用する外力と応力及びその計算方法を扱うこと。また,ラーメン構造については概要を扱うこと。
エ 内容の(4)については,鉄筋コンクリート構造と鋼構造の性質,許容応力度法及び限界状態設計法について基礎的な内容を扱うこと。
第23 農業土木施工
1 目標  農業土木事業における施工と管理に必要な知識と技術を習得させ,農業土木工事の特質を理解させるとともに,各種の工事を自然環境や安全に配慮し,合理的に施工・管理する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 農業土木事業の役割
ア 農業土木工事の意義と特質
イ 自然環境と農業土木工事
(2) 施工計画の基本
ア 施工計画の立案
イ 仮設計画
ウ 仕様と積算
(3) 工事の管理
ア 工事の運営組織
イ 工程管理
ウ 品質管理
エ 安全管理
(4) 農業土木関係法規
(5) 農業土木工事の施工
ア 土工
イ コンクリート工
ウ 基礎工
エ 道路工
オ 植栽工
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(5)については,地域の実態や学科の特色に応じて,題材として適切な農業土木工事を選定すること。
イ 内容の(5)については,土木構造物の見学,調査や実習を通して,農業土木工事の特質を理解させ,工事の改善を図る実践力を育てること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,農地の整備と保全,かんがい,排水などの各種農業土木工事の概要を自然環境と関連付けて扱うこと。
第24 水循環
1 目標  水を有効かつ継続的に利用するための知識と技術を習得させ,地球上の水循環と環境や生物とのかかわり,人間活動が水循環の中で営まれることを理解させるとともに,環境保全に配慮し,農業の持続的な発展に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 水と地球環境
ア 水と大気
イ 水文循環
ウ 水と森林・河川・農地
エ 水と生態系
(2) 水と人間
ア 水と人間の歴史
イ 資源としての水
(3) 水と農林業
ア 水と農地の土壌
イ 水と農業生物の栽培
ウ 水と森林の土壌
(4) 水と土の基本的性質
ア 水の基本的性質
イ 土の基本的性質
ウ 土中の水
(5) 農業水利
ア 利水と治水
イ かんがいと排水
ウ 水利施設
(6) 水と生活環境
ア 水の有効利用と水質保全
イ 農業用水の多面的機能
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)及び(2)については,地域環境の観察,地球的な視点や歴史的な視点に立った資料などを用いた学習を通して,水と環境及び人間の相互関係並びに水循環について関心をもたせること。
イ 内容の(3)については,水の動きに伴う肥料や農薬の動きと環境とのかかわり,農地・森林の水資源の涵《かん》養機能及びこれにかかわる環境保全への寄与についても扱うこと。
ウ 内容の(4)から(6)までについては,地域の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)のイについては,地球的規模に立った新しい考え方も取り入れて扱うこと。
イ 内容の(5)のウについては,用排水機場や水門など主な水利施設の基礎的な内容を扱うこと。なお,生態系や環境保全へ配慮した水利構造物も扱うこと。
第25 造園計画
1 目標  造園の計画・設計に必要な知識と技術を習得させ,造園空間のもつ機能を理解させるとともに,目的や環境に応じた造園空間を創造する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 造園計画の意義と緑地環境の役割
ア 生活と緑地環境
イ 造園計画と造園空間
(2) 環境と造園の様式
ア 我が国の環境と造園様式
イ 外国の環境と造園様式
(3) 造園製図と造園デザインの基礎
ア 造園製図の基礎
イ 造園デザインの基礎
(4) 庭園の計画・設計
ア 住宅庭園
イ 学校庭園
ウ 屋上緑化
(5) 公園,緑地の計画・設計
ア 都市緑地
イ 農村緑地
ウ 自然公園
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)については,我が国と外国の造園様式を,それぞれの国や地域の自然環境,文化的環境及び社会的環境と関連付けて理解させること。
イ 内容の(5)のアからウまでについては,地域の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,造園の目的と計画及びそれに基づく造園空間の創造と利用の概要を扱うこと。
イ 内容の(2)については,我が国と外国の主な造園様式とその変遷並びにそれを取り巻く自然環境,文化的環境及び社会的環境を総合的に扱うこと。
ウ 内容の(4)については,住宅庭園と学校庭園及び屋上緑化などの特殊基盤緑化の構成・機能・環境条件など庭園の計画・設計に必要な内容を扱うこと。
エ 内容の(5)については,種類,機能,役割,環境条件など公園や緑地の計画・設計に関する基礎的な内容を扱うこと。また,バリアフリーやユニバーサルデザインに関する基礎的な内容も扱うこと。なお,イ及びウについては,設計を扱わないことができること。
第26 造園技術
1 目標  造園の施工と管理に必要な知識と技術を習得させ,造園の特質を理解させるとともに,合理的に施工し,維持管理する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 造園技術の特色と役割
ア 造園技術の特色
イ 造園施工と管理の役割
(2) 造園植栽施工
ア 植栽とデザイン
イ 芝生,花壇などの造成
(3) 造園土木施工
ア 敷地の造成と土壌の改良
イ コンクリート工
ウ 給排水工
エ 造園施設工
(4) 植物及び工作物の管理
ア 植物の管理
イ 工作物の管理
ウ 景観の管理
(5) 合理的な施工管理
ア 工程管理
イ 品質管理
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)から(4)までについては,地域の実態や学科の特色に応じて,造園の施工と管理を行う上で適切な題材を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)から(4)までについては,病気,害虫,機械及び器具について基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(3)については,屋上緑化をはじめとする特殊基盤緑化についてもバリアフリーやユニバーサルデザインを考慮して扱うこと。
ウ 内容の(3)から(5)までについては,関係する法規と関連付けて扱うこと。
エ 内容の(4)については,造園樹木のせん定と整姿,工作物の補修などの維持管理及び造園の目的に沿った景観の維持管理を扱うこと。
第27 環境緑化材料
1 目標  環境緑化のための植物の育成や造園空間の構成に使用する材料について必要な知識と技術を習得させ,環境緑化材料の特性を理解させるとともに,材料を適切に取り扱い,活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 環境緑化材料の特色と役割
ア 環境緑化材料の特色
イ 環境緑化材料の役割
(2) 植物材料
ア 造園樹木
イ 地被植物
ウ 花壇用草花
(3) 岩石材料
ア 岩石
イ 自然石材
ウ 加工石材
(4) 各種材料
ア 木材
イ 竹材
ウ 金属材料
エ セメント
オ コンクリート製品
カ 窯製品
キ 新しい環境緑化材料
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)から(4)までについては,観察や実習を通して,造園空間を構成するために必要な材料の特性とその取扱いを具体的に理解させること。
イ 内容の(2)から(4)までについては,地域の造園施工の実態に応じて,題材として適切な緑化材料を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)については,植物材料の種類,特性及び育成を扱うこと。
イ 内容の(3)については,岩石材料の種類及び特性を扱うこと。
第28 測 量
1 目標  測量に必要な知識と技術を習得させ,測定機器の特質と地理空間情報の処理と利用について理解させるとともに,環境保全や農林業に応用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 測量の役割
ア 地理空間情報と測量の役割
イ 座標系と基準点
ウ 測定値の処理と表現
(2) 位置や高さの測量
ア 平板測量
イ 角測量
ウ トラバース測量
エ 水準測量
オ 衛星測位
(3) 写真測量
ア 写真測量の原理と実体視
イ 写真情報の判読と処理
ウ 写真測量の利用
エ リモートセンシングの原理と種類
オ リモートセンシングの利用
(4) 地理空間情報
ア 地理情報システムの原理と役割
イ 地理情報システムの利用
ウ 地理空間情報の利用
(5) 応用測量
ア 地形測量
イ 路線測量
ウ 工事測量
エ 河川測量
オ 森林測量
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,見学や実習を通して,測量の原理と測定機器の操作について理解させること。
イ 内容の(4)については,実習を通して,地理情報システムの基本的な原理及びデータの種類と処理について理解させ,空間情報を利用できるようにすること。
ウ 内容の(5)のアからオまでについては,地域の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(3)のアからウまでについては,写真測量の基本的な測定原理及び写真測量データの処理と利用を中心に扱うこと。オについては,環境保全や農林業などへの利用について扱うこと。
イ 内容の(4)のウについては,国土空間データ基盤についても扱うこと。
ウ 内容の(5)については,既存の地図情報の利用,各種事業の目的に応じた測量の選択,データの精度と表現方法など,基礎的な内容を扱うこと。
第29 生物活用
1 目標  園芸作物や社会動物の活用に必要な知識と技術を習得させ,それらの生物の特性を活用した活動や療法の特質を理解させるとともに,生活の質の向上を図る能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 生物活用の意義と役割
ア 園芸作物,社会動物と人間生活
イ 生物活用と対人サービス
(2) 園芸作物の栽培と活用
ア 草花・野菜・ハーブの栽培と活用
イ 園芸デザインとその活用
(3) 社会動物の飼育と活用
ア 社会動物の飼育としつけ
イ 社会動物の活用
(4) 生物を活用した療法
ア 園芸療法
イ 動物介在療法
(5) 生物活用の実際
ア 対象者の理解と交流の技法
イ 交流活動
ウ 療法的な活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,交流対象者の安全や健康などについて十分配慮するとともに,必要に応じて地域の専門機関や専門家との連携を図ること。
イ 内容の(1)については,専門家が療法として行う行為と一般の人々がレクリエーションや教育,健康増進などを目的として行う活動の違いについて理解させること。
ウ 内容の(2)及び(3)については,地域の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。また,題材として適切な園芸作物や社会動物を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)については,教育や健康などに関する効果に着目した園芸作物の栽培や園芸デザインの活動を中心に扱い,それを活用した交流活動の準備や活動の支援も扱うこと。
イ 内容の(3)については,教育や健康などに関する効果に着目した社会動物との交流とそのための飼育やしつけを中心に扱い,社会動物を活用した交流活動の準備や活動の支援も扱うこと。
ウ 内容の(4)については,園芸療法,動物介在療法の基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(5)については,安全な活動を行うために必要な交流対象者の心身の特徴や生活状況の理解及び交流に必要な技術について扱うこと。
第30 グリーンライフ
1 目標  農林業・農山村の特色を生かした生活体験を提供する活動に必要な知識と技術を習得させ,地域資源の有用性を理解させるとともに,地域に根ざした事業の振興に寄与できる能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 農山村社会の変化と地域社会の再編
ア 農山村と都市の現状と変化
イ 地域社会の変化と起業活動
ウ 農山村活性化のための政策
(2) グリーンライフの概要
ア 人間生活とグリーンライフ
イ 農林業・農山村の魅力
ウ グリーン・ツーリズムの取組
(3) 地域資源の発見・保全・活用
ア 身近な地域の資源
イ 農山村の資源
(4) グリーンライフ活動の実践
ア 地域コーディネータの役割 
イ 対人サービスのマナー
ウ 環境インタープリターの技法
エ グリーンライフプログラムの作成・企画
オ 安全管理
(5) グリーンライフ活動
ア エコツアー
イ 直売所・農家レストラン
ウ 商品開発
エ 産地直送・通信販売
オ 市民農園・観光農園
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)については,農林業・農山村の多面的機能や地域資源の有用性を発揮するために他産業・異業種と連携する取組の重要性について理解させるようにすること。
イ 内容の(3)については,見学や実習を通して,地域資源の発見・保全・活用を図る実践力を育てること。
ウ 内容の(3)のア及びイ並びに(5)のアからオまでについては,地域の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
エ 内容の(5)については,グリーンライフ活動における食の安全や事故の防止など安全の指導の充実に努めること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,都市部におけるグリーンライフのニーズと関連付けて扱うこと。
イ 内容の(4)については,グリーンライフ活動の実践に必要な基礎的な技術を扱うこと。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 農業に関する各学科においては,「農業と環境」及び「課題研究」を原則としてすべての生徒に履修させること。
(2) 農業に関する各学科においては,原則として農業に関する科目に配当する総授業時数の10分の5以上を実験・実習に配当すること。また,実験・実習に当たっては,ホームプロジェクトを取り入れることもできること。
(3) 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。
2 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を図り,学習の効果を高めるよう配慮するものとする。
3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。
第2節 工   業
第1款 目標  工業の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,現代社会における工業の意義や役割を理解させるとともに,環境及びエネルギーに配慮しつつ,工業技術の諸問題を主体的,合理的に,かつ倫理観をもって解決し,工業と社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を育てる。
第2款 各 科 目
第1 工業技術基礎
1 目標  工業に関する基礎的技術を実験・実習によって体験させ,各専門分野における技術への興味・関心を高め,工業の意義や役割を理解させるとともに,工業に関する広い視野と倫理観をもって工業の発展を図る意欲的な態度を育てる。
2 内容
(1) 人と技術と環境
ア 人と技術
イ 技術者の使命と責任
ウ 環境と技術
(2) 基礎的な加工技術
ア 形態を変化させる加工
イ 質を変化させる加工
(3) 基礎的な生産技術
ア 生産の流れと技術
イ 基礎的な分析及び測定技術
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,産業社会,職業生活,産業技術に関する調査や見学を通して,工業技術と人間とのかかわり及び工業技術が日本の発展に果たした役割について理解させること。イについては,安全な製品の製作や構造物の設計・施工,法令遵守など工業における技術者に求められる使命と責任に...
イ 内容の(2)及び(3)については,相互に関連する実験や実習内容を取り上げるよう留意し,工業の各専門分野に関連する要素を総合的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,工業の各専門分野に関連する職業資格及び知的財産権についても扱うこと。ウについては,環境に配慮した工業技術について,身近な事例を通して,その意義や必要性を扱うこと。
イ 内容の(2)については,日常生活にかかわる身近な製品の製作例を取り上げ,工業技術への興味・関心を高めさせるとともに,工具や器具を用いた加工及び機械や装置類を活用した加工を体験させること。アについては,塑性加工など,形態を変化させる加工の基礎的な内容を扱うこと。イについては,化学...
ウ 内容の(3)のアについては,簡単な工業製品の製作を通して,生産に関する技術の基礎的な内容を扱うこと。イについては,具体的な事例を通して,生産にかかわる基礎的な分析及び測定技術の重要性を扱うこと。
第2 課題研究
1 目標  工業に関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習を通して,専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問題解決の能力や自発的,創造的な学習態度を育てる。
2 内容
(1) 作品製作
(2) 調査,研究,実験
(3) 産業現場等における実習
(4) 職業資格の取得
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,内容の(1)から(4)までの中から個人又はグループで適切な課題を設定させること。なお,課題は内容の(1)から(4)までの2項目以上にまたがる課題を設定することができること。
イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにすること。
第3 実 習
1 目標 工業の各専門分野に関する技術を実際の作業を通して総合的に習得させ,技術革新に主体的に対応できる能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 要素実習
(2) 総合実習
(3) 先端的技術に対応した実習
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,安全に配慮するとともに,生徒の興味・関心,進路希望等に応じて実習内容を重点化することや生徒に実習内容を選択させるなど弾力的に扱うこと。
イ 指導に当たっては,工業の各専門分野に関する日本の伝統的な技術・技能に触れるとともに,安全衛生や技術者としての倫理,環境及びエネルギーへの配慮などについて,総合的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,工業の各専門分野に関連する要素的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,内容の(1)の個々の要素技術を総合化した内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,工業の各専門分野に関連する先端的技術の中から,基礎的な内容を選択して扱うこと。
第4 製 図
1 目標  製図に関する日本工業規格及び工業の各専門分野の製図に関する知識と技術を習得させ,製作図,設計図などを正しく読み,図面を構想し作成する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 製図の基礎
ア 製図と規格
イ 図面の表し方
(2) 各専門分野の製図・設計製図
ア 各専門分野に関する製図
イ 各専門分野に関する設計製図
(3) CADの基礎
ア CADの機能
イ CADを活用した設計製図
ウ 三次元CAD
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,必要に応じて内容と関連する国際規格を取り上げ,基礎的な内容を理解させること。
イ 内容の(2)及び(3)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,関連する内容を選択するとともに,適切な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のウについては,生徒の実態や学科の特色に応じて,扱わないことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,日本工業規格の製図に関する基礎的な内容を扱うこと。イについては,基礎的な図法及び製図用具の使い方を扱うこと。
イ 内容の(3)のイについては,具体的な事例を通して活用の方法を扱うとともに,基礎的な図面を作成させること。
第5 工業数理基礎
1 目標  工業の各分野における事象の数理処理に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 工業の事象と数式
ア 工業の事象の計算
イ 面積・体積・質量の積算
ウ 単位と単位換算
(2) 基礎的な数理処理
ア 力とエネルギー
イ 力と釣合い
ウ 流れの基礎
エ 計測と誤差
オ 工業の事象とグラフ
(3) 応用的な数理処理
(4) コンピュータによる数理処理
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,演習を重視し,数学,物理及び化学の理論を工業の基礎的事象を処理する道具として活用させること。
イ 内容の(3)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,適切な工業の事象を題材として扱うこと。
ウ 内容の(4)については,内容の(1)から(3)までの数理処理と関連付けて扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のア及びイについては,中学校までに学んだ数学を基礎として数理処理できる工業の事象を扱うこと。ウについては,国際単位系を扱い,具体的な単位換算については内容の(2)及び(3)の中で扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,力とエネルギーに関する工業の事象を取り上げ,具体的な数理処理を扱うこと。イについては,力と釣合いに関する工業の事象を取り上げ,具体的な数理処理を扱うこと。ウについては,電気,水,熱の流れの基礎的な内容を扱うこと。エについては,測定した値の精度及び位取...
ウ 内容の(3)については,構造物の安全性,流れとエネルギー,時間とともに変化する事象などの基本的な数理処理を扱うこと。微積分を用いる場合は基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(4)については,工業に関する事象を迅速かつ合理的に処理する具体的な事例を扱うこと。
第6 情報技術基礎
1 目標  社会における情報化の進展と情報の意義や役割を理解させるとともに,情報技術に関する知識と技術を習得させ,工業の各分野において情報及び情報手段を主体的に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 産業社会と情報技術
ア 情報化の進展と産業社会
イ 情報モラル
ウ 情報のセキュリティ管理
(2) コンピュータの基礎
ア 数の表現と演算
イ 論理回路
ウ コンピュータの動作原理
(3) コンピュータシステム
ア ハードウェアとソフトウェア
イ オペレーティングシステムの基礎
ウ アプリケーションソフトウェアの利用
エ ネットワーク
(4) プログラミングの基礎
ア 流れ図
イ データの演算と入出力
ウ 基本的なプログラミング
(5) コンピュータ制御の基礎
(6) 情報技術の活用
ア 情報の収集と活用
イ マルチメディアの活用
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,コンピュータの操作を通して具体的に理解させること。また,生徒の実態や学科の特色に応じて,適切なオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを選択し,実習や演習を中心として扱うこと。
イ 内容の(3)については,コンピュータシステムの概要について理解させるとともに,利用に必要な基本的な操作を習得させること。
ウ 内容の(5)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,扱わないことができること。
エ 内容の(6)については,情報機器や情報通信ネットワークを活用して,適切な情報の収集,整理,分析,表現及び発表をさせること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,情報化の進展が産業社会に及ぼす影響について,身近な事例を扱うこと。また,個人のプライバシーや著作権など知的財産の保護,収集した情報の管理,発信する情報に対する責任などの情報モラルと情報のセキュリティ管理の方法を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,数値表現,基数変換及び算術演算を扱うこと。イについては,基本的な論理回路の動作を扱うこと。ウについては,コンピュータの基本的な構成と機能を扱うこと。
ウ 内容の(4)については,基本的なプログラムの作成方法を扱うこと。
エ 内容の(5)については,身近な事例を通してコンピュータ制御と組込み技術の概要を扱うこと。
第7 材料技術基礎
1 目標  工業の各分野に用いられる材料の製造,組織,性質及び用途に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 工業材料と社会生活
(2) 工業材料の性質と構造
ア 物質の状態と材料の構造
イ 変形と流動
ウ 構造と性質
(3) 工業材料の検査
ア 機械的性質の検査
イ 顕微鏡による組織検査
ウ 計器による検査
(4) 工業材料の製造
ア 金属材料の製造
イ セラミック材料の製造
ウ 高分子材料の製造
(5) 工業材料の加工
ア 工業材料の加工性
イ 主な加工法
(6) 工業材料と環境
ア 工業材料と環境保全
イ 工業材料のリサイクル
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,材料の性質,検査方法,製造方法などについて理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,工業材料が社会生活及び産業に果たしている役割を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,工業材料の化学結合の原理及び結晶構造を扱うこと。イについては,工業材料の変形及び流動と組織との関係を扱うこと。ウについては,工業材料の結晶構造と機械的,物理的,化学的性質との関係を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,検査の原理,検査方法及び検査結果と工業材料の性質との関係を扱うこと。
エ 内容の(4)については,主な工業材料を取り上げ,製造法の原理と材料の性質との関連性を扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,金属,セラミックス及び高分子材料の加工性の違いを扱うこと。イについては,鋳造,成形,機械加工,焼結などの主な加工方法の原理と方法を扱うこと。
カ 内容の(6)のアについては,環境に配慮した工業材料の製造及び利用を扱うこと。イについては,工業材料のリサイクル技術の基礎的な内容及び関連する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
第8 生産システム技術
1 目標  工業の生産システムに関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 生産システム技術と社会
ア 生産システム技術の発達
イ 工業と社会
(2) 電気技術
ア 直流回路
イ 交流回路
ウ 電気設備
(3) 電子技術
ア 電子回路
イ 電子部品と情報機器
(4) 計測・制御
ア 計測の基礎と計測用機器
イ 制御の基礎
ウ コンピュータ制御
(5) 生産技術
ア 機械設備
イ 材料の加工技術
(6) 生産管理とシステム技術
ア 生産管理
イ 生産の合理化とシステム技術
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(4)及び(6)については,コンピュータを活用するなど,指導上の工夫を図ること。
イ 内容の(4)から(6)までについては,生徒の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,生産システム技術の発達の概要を扱うこと。イについては,工業技術の発展と社会との関係を扱うこと。
イ 内容の(2)のア及びイについては,基本的な電気回路を扱うこと。ウについては,生産システムに必要な電気設備の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,基本的な電子回路の原理及び構成を扱うこと。イについては,基本的な電子部品の特徴と活用例及び生産システムにおける情報機器の基本的な構成と動作原理を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,計測の方法及び計測用機器の原理と構成を扱うこと。イについては,シーケンス制御とフィードバック制御の原理と構成及び電気的制御機器と機械的制御機器の原理と構成を扱うこと。ウについては,コンピュータ制御の原理及び制御機器とのインタフェースを扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,基本的な機械設備及びコンピュータ制御による自動化設備の原理と構成を扱うこと。イについては,基本的な加工技術の原理と方法を扱うこと。
カ 内容の(6)のアについては,工程管理を中心に扱うこと。イについては,コンピュータを利用した生産のシステム技術に関する基礎的な内容を扱うこと。
第9 工業技術英語
1 目標  工業の各分野における生産,営業及び管理の業務に必要な技術英語に関する知識と表現技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 工業に関連した簡単な会話
(2) 会議における会話
(3) プレゼンテーション
(4) 情報通信ネットワークを利用したコミュニケーション
(5) 工業技術に関連したリーディングとライティング
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,英語科教員やネイティブ・スピーカーとの連携に留意し,工業の各分野における実践的な事例について基礎的な用語を使用し,専門的な用語は各分野の必要に応じて扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,技術者としての自己紹介及び工場や実験室での会話を扱うこと。
イ 内容の(2)については,会議での質問の方法及び自分の意見を述べる方法を扱うこと。また,司会者として会議を進める際に必要な基本的な表現を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,各種の資料を用いて発表する際の基本的な表現を扱うこと。
エ 内容の(4)については,情報通信ネットワークを活用した英文による部品の注文や説明などを扱うこと。
オ 内容の(5)については,工業の各分野における工業製品仕様書及び技術書の読解,報告書や図面の作成など具体的な題材を扱うこと。
第10 工業管理技術
1 目標  工業生産の運営と管理に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 工業管理技術の概要
(2) 生産の計画と管理
ア 生産計画
イ 生産管理
ウ 生産と流通
(3) 工程管理と品質管理
ア 工程管理
イ 品質管理
(4) 安全管理と環境管理
ア 保守と保全
イ 生産現場の災害とその防止
ウ 環境の保全
(5) 工場の経営
ア 人事管理
イ 工業会計
ウ 工場経営に関する法規
エ 工業と起業
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,産業現場の見学や企業での事例を通して,具体的に理解させること。
イ 内容の(5)については,工業の各分野における経営事例を通して,具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,工業生産の管理技術の意義と工業生産に関する組織の概要を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,需要予測と生産数量及び生産方式の選定の概要を扱うこと。イについては,生産にかかわる全般的な管理の概要を扱うこと。ウについては,生産と流通手段や経費などについて基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,生産工程の計画や作業日程などを扱うこと。イについては,基本的な品質管理方法の原理及び活用方法を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,機械の保守と保全を扱うこと。イについては,安全管理の意義,目的及びその手法に重点を置いて,災害防止の概要を扱うこと。ウについては,生産活動における環境汚染の防止,省エネルギー及びリサイクルの概要を扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,人事管理の進め方,賃金,福利厚生,労使関係などの概要を扱うこと。イについては,工業会計の基礎的な内容を扱うこと。また,原価計算についても触れること。ウについては,工場経営に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。エについては,起業の重要性を扱うこと...
第11 環境工学基礎
1 目標  工業の各分野における環境工学に関する知識と技術を習得させ,環境に関する調査,評価,管理などに活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 人間と環境
(2) 産業と環境
ア 環境問題の推移
イ 環境リスクと安全
ウ 産業界の対応
(3) 生活環境の保全
ア 都市環境
イ 住環境と健康
(4) 環境に関する法規
ア 環境保全に関する法規
イ 環境評価の基礎
(5) 環境対策技術の基礎
ア 大気
イ 水質
ウ 土壌
エ 音・振動・臭気
オ 廃棄物
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,工業生産において環境への配慮が重要であることを理解させるとともに,自然科学的及び工学的な見地から扱い,環境の改善について考えさせること。
イ 指導に当たっては,地域の身近な環境問題を取り上げ,調査,報告書の作成,発表などをさせること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,地球の成り立ち,資源やエネルギーの有限性,地球環境の現状などを扱うこと。また,持続可能な社会の構築に向け技術者が果たす役割についても扱うこと。
イ 内容の(2)のイについては,環境へのリスクの概要を扱うこと。ウについては,産業界における環境保全やリサイクルなどの対策を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,都市環境の保全技術の概要を扱うこと。イについては,住環境による健康への影響の概要を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,環境保全に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。イについては,基本的な環境評価の手法を扱うこと。
オ 内容の(5)については,環境対策に関する各技術の概要を扱うこと。
第12 機械工作
1 目標  機械工作に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 機械工作法の発達
(2) 機械材料
ア 材料の加工性と活用
イ 金属材料
ウ 新素材
(3) 各種の工作法
ア 主な工作法
イ 特殊な工作法
(4) 工業量の測定と計測機器
ア 測定の基礎
イ 計測機器
(5) 生産の管理
ア 生産計画と管理
イ 情報技術によるシステム化
(6) 機械加工と生産の自動化の基礎
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,技術の進展に対応した機械材料,工作機械及び計測機器について扱うとともに,実習と関連付けて理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,機械材料,工作機械及び工作法の発達を扱うとともに,それらが相互に関連して発達してきたことを扱うこと。また,機械の発達と産業社会との関係についても扱うこと。
イ 内容の(2)のイについては,主な金属材料の機械的性質と利用方法を扱うこと。ウについては,新素材の機械的性質について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,主な工作法の原理と方法及びその発展の動向を扱うこと。また,具体的な事例を通して,ジグや取付具の構成と用途を扱うこと。イについては,レーザー加工法,放電加工法などの原理と方法を扱うこと。
エ 内容の(4)については,機械に関する基本的な工業量の測定及び計測機器の原理を扱うこと。
オ 内容の(5)については,生産の管理手法について総合的に扱うこと。また,災害の予防や安全対策及び情報技術の利用による管理のシステム化について基礎的な内容を扱うこと。
カ 内容の(6)については,数値制御工作機械とコンピュータ制御により自動化された生産方式について基礎的な内容を扱うこと。
第13 機械設計
1 目標  機械設計に関する知識と技術を習得させ,器具,機械などを創造的,合理的に設計する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 機械と設計
(2) 機械に働く力
ア 機械に働く力と運動
イ エネルギーと仕事及び動力の関係
(3) 材料の強さ
ア 機械部分に生ずる応力とひずみの関係
イ 機械部分の形状
(4) 機械要素と装置
ア 締結要素
イ 軸要素
ウ 伝達装置
エ 緩衝装置
オ 管路・構造物・圧力容器
(5) 器具と機械の設計
ア 器具の設計
イ 機械の設計
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,機械に働く力や機構について工学的に理解させること。
イ 内容の(4)のイ,エ及びオについては,生徒の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
ウ 内容の(5)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,ア又はイのいずれかを選択して設計の手順について理解させ,設計させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,機械が機構と機械要素から成り立っていること及び生産における設計の役割を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,機械に働く力と運動に関する基本的な法則及び具体的な事例を通して基本的な計算方法を扱うこと。イについては,基本的な計算方法を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,機械部分に生ずる応力とひずみの基礎的な内容を扱うとともに,機械部分の形状と大きさを決める方法と基本的な計算方法を扱うこと。また,座屈については計算式の活用を中心に扱うこと。イについては,はりの断面の形状と寸法の計算を扱うこと。
エ 内容の(4)のアからオまでについては,要素と装置の種類,特性及び用途を扱うこと。
オ 内容の(5)については,コンピュータを用いた設計の方法についても基礎的な内容を扱うこと。
第14 原動機
1 目標  原動機の構造と機能に関する知識と技術を習得させ,原動機を有効に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) エネルギー変換と環境
ア 動力とエネルギー
イ エネルギーと原動機
ウ エネルギーと環境
エ 新エネルギーと原動機
(2) 流体機械
ア 流体の性質と力学
イ 水車とポンプ
ウ 送風機と圧縮機
エ 油空圧機器
(3) 内燃機関の基礎
ア 熱力学の基礎
イ 内燃機関の原理
(4) 自動車
ア 自動車と社会生活
イ ガソリン機関
ウ ディーゼル機関
エ 自動車の安全技術と環境対策
(5) タービンエンジン
ア 蒸気タービン
イ ガスタービン
(6) 冷凍装置
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,原動機の理論と実際の機器とを関連させて,具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のウについては,エネルギー消費と環境問題との関連にも触れること。エについては,技術の進展に対応した新エネルギーの内容を扱うとともに,自然エネルギーの活用についても触れること。
イ 内容の(2)のアについては,液体及び気体の性質と基本的な力学計算を扱うこと。イからエまでについては,流体機械の構造,機能及び利用例を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,熱と仕事の関係を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,自動車が社会生活や産業において果たしている役割を扱うこと。イ及びウについては,エネルギー変換の原理と機関の構造を扱うこと。機関の性能については,各種のサイクル及び日本工業規格に基づく性能試験の基礎的な内容を扱うこと。エについては,自動車に関する基本的...
オ 内容の(5)のアについては,火力発電及び原子力発電における動力発生について,原理,構成,利用及び環境への配慮を扱うこと。イについては,ジェットエンジンも扱うこと。
カ 内容の(6)については,冷凍装置の原理と仕組みについて基礎的な内容を扱うこと。
第15 電子機械
1 目標  電子機械に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 電子機械と産業社会
ア 身近な電子機械
イ 電子機械と生産ライン
(2) 機械の機構と運動の伝達
ア 基本的な機械要素
イ 基本的なメカニズム
(3) センサとアクチュエータの基礎
ア センサ
イ アクチュエータ
(4) シーケンス制御の基礎
ア リレーシーケンス
イ プログラマブルコントローラ
(5) コンピュータ制御の基礎
ア コンピュータとインタフェース
イ 外部機器の制御
(6) メカトロニクスの活用
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,身近なメカトロニクスに関する事例を通して,総合的に理解させること。
イ 内容の(1)のアについては,身近な事例を通して,電子機械が社会生活や産業において果たしている役割について理解させるとともに,省エネルギーや環境保全などの分野における重要な技術であることについて理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)のアについては,電子機械に必要な締結要素,軸要素及び伝達要素の概要を扱うこと。イについては,電子機械の基本的なメカニズムの特徴を扱うこと。
イ 内容の(3)のアについては,主なセンサの原理,特徴及び利用例を扱うこと。イについては,主なアクチュエータの原理,特徴及び利用例を扱うこと。
ウ 内容の(4)については,具体的な事例を通して,シーケンス制御の仕組みを扱うこと。
エ 内容の(5)のアについては,インタフェース回路の原理と方法及び制御プログラムを扱うこと。イについては,外部機器からのフィードバック信号を利用した制御の原理と方法及び外部機器の基本的な制御技術を扱うこと。
オ 内容の(6)については,簡単なメカトロニクス製品を例に,マイクロコンピュータの組込み技術,制御機構及びソフトウェア技術を扱うこと。また,簡単なメカトロニクスを活用した機械を設計させること。
第16 電子機械応用
1 目標  電子機械に関する応用的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 動力用アクチュエータ
ア 電力を利用したアクチュエータ
イ 流体を利用したアクチュエータ
(2) 産業用ロボット
ア ロボットの基礎
イ ロボットの制御システム
ウ ロボットの操作と安全管理
(3) ファクトリーオートメーション
ア CAD/CAMの基礎
イ 数値制御工作機械
ウ 生産システムの基礎
エ ネットワーク技術
(4) 電子機械応用設計
ア 自動化機器の調査と研究
イ メカトロニクスシステムの設計
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(4)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,ア又はイのいずれかを選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,出力の大きなアクチュエータの基本的な技術を扱うこと。イについては,空気圧及び油圧を利用したアクチュエータを扱うこと。
イ 内容の(2)については,産業用ロボットについて基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,ファクトリーオートメーションを構成する基本的な技術及びそれらを統合する基本的なネットワーク技術を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,身近な自動化機器を対象として,システム化の技術や最適なシステムの在り方について調査や研究をさせること。イについては,簡単なメカトロニクスシステムの構想,設計及び製作手順までの一貫した内容を扱うこと。
第17 自動車工学
1 目標  自動車の構造と機能に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 人と自動車
(2) 自動車の原理
ア 自動車の概要と力学
イ 自動車用機関の働きと動力伝達に関する装置
ウ 自動車の操作と制動
(3) 自動車の構造
ア 自動車用機関と性能
イ 自動車用機関の付属装置
ウ 車体と付属装置
エ 走行と性能
(4) 自動車と電気・電子技術
ア 自動車の電気装置
イ 自動車の電子制御技術
(5) 自動車と安全
(6) 自動車と環境
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,現代社会における自動車の役割及び技術について総合的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,自動車の発明と進歩,自動車産業と社会とのかかわり及び自動車と人間生活とのかかわりを扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,動力の発生,自動車の操作装置,材料の性質などを扱うこと。イについては,自動車用機関の働きと動力伝達に関連する装置の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のウについては,技術の進展に対応した題材を取り上げ,基礎的な内容を扱うこと。エについては,走行性能と走行試験を関連付けて扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,自動車の電気装置の原理と構造及び機能について扱うこと。イについては,自動車の電子制御技術の基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)については,自動車の安全確保に関する技術の基礎的な内容を扱うこと。
カ 内容の(6)については,排出ガスの対策など自動車の環境保全に関する技術の基礎的な内容を扱うこと。
第18 自動車整備
1 目標  自動車整備に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 自動車整備と関係法規
ア 自動車整備の目的と内容
イ 自動車の整備に関する法規
ウ 自動車整備事業と自動車整備士
(2) 自動車用材料
ア 自動車用材料の加工
イ 自動車用材料のリサイクル
ウ 自動車整備に伴う工作法と機器
(3) 自動車の整備と試験
ア 自動車用機関と関連装置の整備
イ 自動車シャシと関連装置の整備
ウ 環境保全と安全確保に関する装置の整備
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)及び(3)については,実験・実習を通して具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,自動車整備に関する基本的な法規の目的と概要を,整備の体系と関連させて扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,自動車用材料の加工法を扱うこと。イについては,リサイクルを考慮した自動車用材料を通して省資源と環境保全の重要性を扱うこと。ウについては,自動車整備に関連する工作機器の原理と基礎的な工作法を扱うこと。
ウ 内容の(3)のア及びイについては,関連する装置も含めて総合的に扱い,点検,測定,調整,検査及び試験に関しては,基礎的な内容を扱うこと。ウについては,技術の進展に対応した題材を取り上げ,基礎的な内容を扱うこと。
第19 電気基礎
1 目標  電気に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 直流回路
ア 電気回路の電流・電圧・抵抗
イ 消費電力と発生熱量
ウ 電気抵抗
エ 電気の各種作用
(2) 磁気と静電気
ア 電流と磁気
イ 静電気の基礎
(3) 交流回路
ア 交流回路の基礎
イ 交流回路の電流・電圧・電力
ウ 記号法
エ 三相交流
(4) 電気計測
ア 電気計測の基礎
イ 基礎量の測定
ウ 測定量の取扱い
(5) 各種の波形
ア 非正弦波交流
イ 過渡現象
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 計算方法の取扱いに当たっては,演習を重視し,実際に活用させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,電流,電圧及び抵抗の意味と関係する基本的な量と計算方法を扱うこと。イについては,電流による発熱,電力及び電力量を扱うこと。エについては,電気による各種作用の原理と利用を扱うこと。
イ 内容の(2)については,電流と磁気に関する基本的な計算方法を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,交流の状態を表す諸量を扱うこと。イについては,交流回路における抵抗,インダクタンス及び静電容量についての基本的な計算方法を扱うこと。ウについては,交流回路における電流及び電圧の基本的な計算方法を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,主な電気計器の基本原理,構造,特性及び取扱い方法を扱うこと。イについては,基礎量の基本的な測定法を扱うこと。ウについては,測定に伴う誤差や測定値の取扱いなどを扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,代表的な波形を扱うこと。イについては,電気回路における過渡現象の発生とその回路の時定数を扱うこと。
第20 電気機器
1 目標  電気機器及び電気材料に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 直流機器
ア 直流発電機
イ 直流電動機
ウ 特殊電動機
(2) 交流機器
ア 変圧器
イ 誘導機
ウ 同期機
(3) 電気材料
ア 導電材料
イ 磁性材料
ウ 絶縁材料
(4) パワーエレクトロニクス
ア パワーエレクトロニクス素子
イ 基本回路
ウ 応用回路
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 計算方法の取扱いに当たっては,演習を重視し,実際に活用させること。
イ 指導に当たっては,電気機器に関する法規及び日本工業規格などの各種規格について,内容と関連させて扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,直流機器の原理,構造及び特性を扱うこと。
イ 内容の(2)については,交流機器の原理,構造及び特性を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,電気材料の特性及び取扱い方法を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,パワーエレクトロニクス素子の原理,構造及び特性を扱うこと。イ及びウについては,パワーエレクトロニクス素子を使用した基本的な電子回路を扱うこと。
第21 電力技術
1 目標  電力技術に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 発電
ア 発電方式
イ 水力発電
ウ 火力発電
エ 原子力発電
オ 新しい発電方式 
(2) 送電と配電
ア 送電
イ 配電
ウ 自家用変電所と屋内配線
(3) 自動制御
ア シーケンス制御
イ フィードバック制御
ウ コンピュータ制御
(4) 省エネルギー技術
ア 発電・送電の省エネルギー技術
イ 電力利用の省エネルギー技術
(5) 各種の電力応用
ア 照明
イ 電熱
ウ 電気化学
エ 電気鉄道
オ 家庭用電気機器
(6) 電気に関する法規
ア 電気事業に関する法規
イ 電気工事に関する法規
ウ 電気用品に関する法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(5)のアからオまでについては,生徒の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,主な発電方式の概要と特徴を扱うこと。イからエまでについては,発電の基本原理,方法,構成及び特性を扱うこと。オについては,太陽光発電,風力発電などを扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,送電の方式と特性を扱うこと。変電所については,構成及び運用の基礎的な内容を扱うこと。イについては,配電の方式,構成,特性及び保守の基礎的な内容を扱うこと。ウについては,自家用変電所の構成と関連する基本的な法規の目的と概要及び屋内配線の設計・施工を扱う...
ウ 内容の(3)については,電気エネルギーに関する制御の基本原理,制御系の構成及び動作を扱うこと。
エ 内容の(4)については,発電・送電及び電力利用時の省エネルギー技術の原理と方法を扱うこと。
オ 内容の(5)については,電力応用の基本原理,機器と装置の構成及び利用例を扱うこと。
カ 内容の(6)については,電気に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
第22 電子技術
1 目標  電子技術に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 電子技術の概要
(2) 半導体と電子回路
ア 半導体
イ 電子回路の基礎
(3) AD変換とDA変換の基礎
ア AD変換
イ DA変換
(4) 通信システムの基礎
ア 有線通信
イ 無線通信
ウ 画像通信
エ データ通信
オ 通信に関する法規
(5) 音響・映像機器の基礎
ア 音響機器
イ 映像機器
(6) 電子計測の基礎
ア 高周波計測
イ 応用計測
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 計算方法の取扱いに当たっては,演習を重視し,実際に活用させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,電子技術の発達や現代社会における役割などを扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,半導体の原理並びに半導体素子の種類,特性及び具体的な働きを扱うこと。イについては,代表的なアナログ及びディジタル回路の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,AD変換及びDA変換の原理と利用例を扱うこと。
エ 内容の(4)のアからエまでについては,通信に必要な電子機器の特性と利用例及び主な通信機器と通信システムの基礎的な内容を扱うこと。オについては,通信に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
オ 内容の(5)については,アナログ及びディジタル技術を利用した音響機器及び映像機器の原理と構造を扱うこと。
カ 内容の(6)のアについては,高周波測定に用いる基本的な測定器の原理と測定方法を扱うこと。イについては,電子計測に用いられる基本的なセンサの原理と応用例を扱うこと。
第23 電子回路
1 目標  電子回路に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 電子回路用素子
ア ダイオード
イ トランジスタ
ウ 集積回路
(2) 電子回路の基礎
ア 低周波増幅回路
イ 高周波増幅回路
(3) 各種の電子回路
ア 電源回路
イ 発振回路
ウ パルス回路
エ 変調・復調回路
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,回路素子の機能や特性,基本的な電子回路について定量的に扱うこと。
イ 指導に当たっては,簡単な電子回路の設計や製作を通して具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のア及びイについては,電子回路で用いる代表的な素子の構造,性質及び基本的な用途を扱うこと。ウについては,アナログ及びディジタル回路に用いられる基本的な集積回路の種類,特徴,機能及び利用例を扱うこと。
イ 内容の(2)については,増幅回路の原理,利得,帯域幅等の基本的な特性及び電力増幅を扱うこと。また,簡単な増幅回路を設計させること。
ウ 内容の(3)については,代表的な電子回路の構成,動作原理及び取扱い方法を扱うこと。ウについては,パルス波の有用性,発生及び整形の方法を扱うこと。
第24 電子計測制御
1 目標  電子計測制御に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 電子計測制御の概要
ア 電子計測制御の基礎
イ 計測制御機器とデータ処理
(2) シーケンス制御
ア シーケンス制御の基礎
イ シーケンス制御の機器
ウ 基本的な回路
エ プログラマブルコントローラの利用
(3) フィードバック制御
ア フィードバック制御の基礎
イ 制御特性
ウ フィードバック制御の利用
(4) コンピュータによる制御の基礎
ア 制御装置とインタフェース
イ 制御プログラム
ウ コンピュータによる計測制御システム
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,計測技術,自動制御技術及びコンピュータ技術を総合的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,身近な事例を通して,電子計測制御の基本的な仕組みを扱うこと。また,情報通信ネットワークを利用した計測制御システムについても触れること。イについては,計測制御機器によるデータの簡単な測定方法及び処理方法を扱うこと。
イ 内容の(2)については,シーケンス制御の基本的な原理と特徴及び使用される電子機器の構成と取扱い方法を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,フィードバック制御の基本的な原理,特性及び利用例を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,コンピュータと外部機器との基本的な接続方法を扱うこと。イについては,外部機器を制御する基本的なプログラミングの方法を扱うこと。ウについては,コンピュータによる計測制御システムの概要とファクトリーオートメーションにおける計測技術の基礎的な内容を扱うこと...
第25 通信技術
1 目標  情報通信に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 有線通信
ア 有線通信システム
イ データ通信とネットワーク
ウ 光通信
(2) 無線通信
ア 電波とアンテナ
イ 無線通信システム
ウ 無線機器
エ 衛星を利用した通信システム
(3) 画像通信
ア 静止画像の通信
イ テレビジョン技術
ウ マルチメディアの通信技術
エ 圧縮
オ 暗号化
(4) 通信装置の入出力機器
ア 情報のディジタル化技術
イ 入出力機器
(5) 通信に関する法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(5)については,内容の(1)から(4)までと関連させて扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,有線通信回線を用いたアナログ及びディジタル通信の具体的な事例を通して,通信システムの構成及び概要を扱うこと。イについては,データ通信システム及びネットワークの概要を扱うこと。また,通信プロトコルと交換機についても触れること。ウについては,光通信の原理...
イ 内容の(2)のアについては,電波の性質,各種アンテナの電気的特性及び電波の放射と受信を扱うこと。イについては,無線通信の方法と通信システムについて,アナログ及びディジタル通信の具体的な事例を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,ファクシミリの送受信の原理を扱うこと。イについては,テレビジョンの電波と送受信機の概要及びディジタル放送の特徴を扱うこと。ウについては,画像通信システム及びマルチメディアのディジタルデータを扱うネットワーク技術の基礎的な内容を扱うこと。エについては,...
エ 内容の(4)については,情報通信に必要な入出力機器について,ディジタル化技術を中心に扱うこと。また,技術の進展に対応した機器を扱うこと。
オ 内容の(5)については,通信に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
第26 電子情報技術
1 目標  電子情報技術に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) コンピュータの電子回路
ア 電子回路の基礎
イ 論理回路と論理代数
ウ フリップフロップと応用回路
エ レジスタと演算回路
(2) コンピュータの構成と機能
ア マイクロプロセッサと処理装置
イ 記憶装置と周辺機器
ウ データの流れと命令語の構成
(3) コンピュータ制御
ア ハードウェアに適した言語
イ センサとアクチュエータ
ウ 入出力と周辺回路
エ 制御プログラム
(4) コンピュータの利用と電子情報技術
ア オペレーティングシステム
イ ネットワークと情報処理形態
ウ マルチメディアと電子情報技術
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,生徒の実態や学科の特色に応じて,扱わないことができること。
イ 内容の(1)及び(2)については,マイクロコンピュータに関する情報技術を扱うこと。
ウ 内容の(3)及び(4)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,適切なプログラム言語を選択し,実習や演習を通して具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,コンピュータで用いられる基本的な素子の構造,性質及び基本的な用途を扱うこと。イについては,基本的な論理回路の特徴,組み合わせた論理回路の機能及び簡単な論理代数を用いた回路設計を扱うこと。ウについては,フリップフロップ回路の原理及びその応用回路の特徴と...
イ 内容の(2)のア及びイについては,装置や機器の動作原理,機能及び役割を扱うこと。ウについては,命令語の構成やデータの処理手順を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,機械語及びアセンブリ言語の特徴と用途を扱うこと。イについては,コンピュータ制御に用いられるセンサの原理,構造及び特性を扱うこと。ウについては,周辺回路の用途と機能を扱うこと。エについては,計測及び制御における基礎的なプログラミングの方法を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,コンピュータ制御に適したオペレーティングシステムの概要を扱うこと。イについては,ネットワークシステムの概要と情報処理形態に適したシステム構築の方法を扱うこと。ウについては,マルチメディアに関連した電子情報技術の基礎的な内容を扱うこと。
第27 プログラミング技術
1 目標  コンピュータのプログラミングに関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) プログラミング技法
ア 順次型のプログラム
イ 選択型のプログラム
ウ 繰り返し型のプログラム
エ プログラムの標準化
(2) 応用的プログラム
ア データ構造
イ ファイル処理
ウ 入出力設計
エ プログラムの構造化設計
(3) プログラム開発
ア プログラム開発の手順
イ プログラム開発環境
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,生徒の実態や学科の特色に応じて,適切なプログラム言語を選択し,実習や演習を通して具体的に理解させること。
イ 内容の(1)については,プログラム言語の規則の習得に偏ることのないよう論理的思考の学習を重視すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)及び(2)については,適切な例題を使った演習を取り入れ,基本的なプログラミング技法を扱うこと。また,基本的なアルゴリズムを扱い,プログラムの計画,作成,実施及び評価の実習を通して,効果的に情報を処理する方法を扱うこと。
イ 内容の(3)については,プログラム開発における要求分析や設計,ドキュメンテーション,テストなどの実習や演習を通して,効果的なプログラム開発の技法を扱うこと。
第28 ハードウェア技術
1 目標  コンピュータのハードウェアに関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) ハードウェアの基礎
ア 電子回路と素子
イ 論理回路と各種レジスタ
ウ コンピュータによる論理回路設計
(2) ハードウェアの構成
ア コンピュータの機能
イ 中央処理装置と主記憶装置
ウ 周辺装置とインタフェース
エ コンピュータの構成
(3) 制御技術
ア 命令とプログラム
イ 制御プログラムと入出力
ウ 割込み制御
(4) マイクロコンピュータの組込み技術
ア マイクロプロセッサ
イ 周辺装置
ウ 組込みシステムの構成
(5) 組込みソフトウェア
ア 高水準言語によるプログラム開発
イ リアルタイムオペレーティングシステム
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,生徒の実態や学科の特色に応じて,適切なマイクロコンピュータ及びプログラム言語を選択し,実習や演習を通して具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,コンピュータのハードウェアを構成する各種回路の基本的な動作原理と簡単な論理回路の設計を扱うこと。
イ 内容の(2)のイについては,中央処理装置と主記憶装置の基本構成を取り上げ,基本動作を扱うこと。ウについては,周辺装置の構造と基本動作を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,機械語及びアセンブリ言語の仕組みと機能及び基本的なプログラム作成を扱うこと。
エ 内容の(4)については,マイクロプロセッサを組み込むための基本的な実装技術を扱うこと。
オ 内容の(5)については,マイクロプロセッサを組み込むための効果的なプログラムの開発技法を扱うこと。
第29 ソフトウェア技術
1 目標  コンピュータのソフトウェアに関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) ソフトウェア
ア ソフトウェアの体系
イ ソフトウェアパッケージ
ウ ソフトウェアの管理システム
(2) オペレーティングシステム
ア オペレーティングシステムの概要
イ オペレーティングシステムの機能
ウ オペレーティングシステムの操作
エ オペレーティングシステムの管理
(3) セキュリティ技術
ア 暗号化とアクセス管理
イ ネットワークセキュリティとリスク管理
ウ 情報に関する法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,生徒の実態や学科の特色に応じて,適切なオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを選択し,実習や演習を通して具体的に理解させること。
イ 指導に当たっては,情報化の進展が及ぼす影響について技術者倫理の観点から扱い,情報モラルについて理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,ソフトウェアの分類と基本的な役割を扱うこと。イについては,ソフトウェアパッケージの特徴と活用方法を扱うこと。ウについては,ソフトウェアの保護と管理及び信頼性と安全対策の管理システムの基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)のイについては,オペレーティングシステムの機能と役割を扱うこと。エについては,オペレーティングシステムのインストール及び基礎的な運用と管理を扱うこと。
ウ 内容の(3)のア及びイについては,技術の進展に対応した基本的な事例を扱うこと。ウについては,情報に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
第30 コンピュータシステム技術
1 目標  コンピュータシステムに関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) コンピュータシステム技術
ア コンピュータシステムの概要
イ コンピュータシステムの分析と設計
ウ コンピュータシステムの評価
(2) ネットワーク技術
ア データ通信の方式と機器
イ ネットワークの階層とプロトコル
ウ ネットワークの設計と施工
エ ネットワークサービス
オ ネットワークシステムの運用と保守
(3) データベース技術
ア データベースの概要
イ データベースの設計と運用
(4) マルチメディア技術
ア マルチメディア技術の概要
イ ディジタル化技術
ウ 圧縮と送受信
エ マルチメディアの表現技法
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,生徒の実態や学科の特色に応じて,適切なオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを選択し,実習や演習を通して具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,ディレクトリ構成,環境設定及びユーザ管理を扱うこと。イについては,具体的なコンピュータシステムの事例を通して,システムの分析,設計及び開発の基本的な手法を扱うこと。ウについては,コンピュータシステムの基本的な運用及び保守を扱うこと。
イ 内容の(2)のイについては,プロトコルと伝送制御を扱うこと。ウについては,ローカルエリアネットワークを扱うこと。エについては,ネットワークの代表的なサービスを扱うこと。オについては,利用者及びリソースの管理を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,データとファイルの構造,データベースの概要を扱うこと。イについては,簡単なデータベースの設計と運用を扱うこと。
エ 内容の(4)のイについては,文字,画像,音声をディジタル化する基本的な技術を扱うこと。ウについては,マルチメディア情報の圧縮,復元の原理と方法及びディジタルデータの送受信に関する基礎的な内容を扱うこと。エについては,マルチメディアを活用した具体的な事例を通して,情報表現の特性を...
第31 建築構造
1 目標  建築物の構造及び建築材料に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 建築構造の概要
(2) 建築材料
ア 建築材料の種類と特徴
イ 建築材料の規格と性能
(3) 木構造
ア 各部の名称
イ 各部の構成と機能
(4) 鉄筋コンクリート構造
ア 各部の名称
イ 各部の構成と機能
(5) 鋼構造
ア 各部の名称
イ 各部の構成と機能
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,建築現場の見学や各種メディア教材の活用により,具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,建築構造の種類と歴史的発達,主な建築構造の特徴,耐震技術及び関連する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
イ 内容の(2)については,建築材料の基礎的な内容を扱い,身近な住宅などの事例を通して,材料と構造の関連を扱うこと。また,建築材料の種類と特徴について建築構造と関連させて扱うこと。
ウ 内容の(3)から(5)までについては,それぞれの構造に関する各部の名称,構成及び機能の基礎的な内容を扱うこと。
第32 建築計画
1 目標  建築計画に関する知識と技術を習得させ,建築物を安全で合理的に計画する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 建築の歴史
ア 日本の建築
イ 西洋の建築
ウ 近代の建築
(2) 建築と環境
ア 気候
イ 光
ウ 音
エ 熱
オ 色彩
(3) 建築の設備
ア 給排水・衛生設備
イ 空気調和設備
ウ 電気・通信設備
エ 防災設備
(4) 建築物の計画
ア 独立住宅
イ 集合住宅
ウ 各種建築物
(5) 都市計画
ア 都市計画の概要
イ 都市計画と地域計画
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,建築物の見学や各種メディア教材の活用により,具体的に理解させること。
イ 内容の(2)については,快適な住環境を計画する上で,自然条件が基本的な要因であることを理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,建築の歴史的変遷,建築様式と建築物の形態の概要及び建築計画の意義を扱うこと。
イ 内容の(2)のアからオまでについては,それぞれの事項と建築物との関係及び自然条件が建築物に与える影響を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアからウまでについては,主な設備の種類,構成と特徴などの基礎的な内容を扱うこと。また,省エネルギーに関する設備にも触れること。エについては,災害の予防や人命保護に関する設備を扱うこと。
エ 内容の(4)のア及びイにつては,身近な住宅を中心として,建築計画の基本的な手法を扱うこと。ウについては,不特定多数の利用者を対象とした公共建築物などの空間構成と災害に対する配慮の必要性を扱うこと。
オ 内容の(5)については,都市景観及び都市防災についても扱うこと。
第33 建築構造設計
1 目標  建築構造設計に関する知識と技術を習得させ,構造物を安全で合理的に設計する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 構造物に働く力
ア 構造物と荷重
イ 力の釣合い
ウ 支点と反力
エ 構造物の安定・不安定及び静定・不静定
(2) 静定構造物
ア 応力
イ 静定ばり
ウ 静定ラーメン
エ 静定トラス
(3) 部材に関する力学
ア 構造材料の力学的特性
イ 断面の性質
ウ はりや部材の変形
(4) 不静定構造物
ア 不静定構造物の基礎
イ 不静定ばりと不静定ラーメン
(5) 各種構造物の設計
ア 鉄筋コンクリート構造
イ 鋼構造
(6) 建築物の耐震設計
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,建築構造に関連した模型を用いた実験や各種メディア教材の活用により,力学的な現象を視覚的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,構造物に働く荷重の原理や構造物の力学的な特性を扱うこと。
イ 内容の(2)については,力の釣合い条件から応力が求められることを扱うとともに,具体的な題材を通して基本的な計算方法を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,応力度とひずみ度の関係及び許容応力度と部材設計の関係を扱うこと。イについては,簡単な断面の形状の力学的な特性を扱うこと。ウについては,はりや部材の変形と安全性及び簡単な部材の設計に関する基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(4)については,不静定構造物の基礎的な内容及び簡単な構造物の計算を扱うこと。
オ 内容の(5)については,主な構造物の断面設計及び構造設計について基礎的な内容を扱うこと。
カ 内容の(6)については,建築物の耐震設計について基礎的な内容を扱うこと。
第34 建築施工
1 目標  建築施工に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 建築施工の概要
(2) 建築業務
ア 施工方式
イ 工事契約
ウ 施工計画と施工監理
(3) 各種工事
ア 仮設工事
イ 基礎工事と地業工事
ウ く体工事
エ 仕上工事
オ 解体工事と環境保全
カ 建築物の保守
(4) 工事用機械・器具
(5) 建築積算
ア 積算の概要
イ 概算見積と明細見積
ウ 入札
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,建築現場の見学や各種メディア教材の活用により,具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,建築施工の意義やその過程,建築工事に関する技術者の資格,安全管理などの概要を扱うこと。
イ 内容の(2)については,施工業務に関する内容の概要を扱うこと。また,施工に関する法規及び性能保証について触れること。
ウ 内容の(3)のアからエまでについては,各種工事の施工法の基礎的な内容及び建築測量の概要を扱うこと。また,技術の進展に対応した工法や施工技術についても触れること。オについては,解体工事の概要,廃材の処理,リサイクル,環境保全及び関連法規を扱うこと。カについては,建築物の保守の概要...
エ 内容の(4)については,主な工事用機械・器具の種類,特徴及び用途を扱うこと。
オ 内容の(5)については,積算の意義と概要を扱うこと。また,具体的な事例を通して,簡単な建築積算を扱うこと。ウについては,電子入札にも触れること。
第35 建築法規
1 目標  建築関係法規に関する知識を習得させ,建築物の計画,設計,施工,管理などに活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 建築に関する法規の概要
ア 建築に関する法規の意義
イ 建築に関する法規の構成
(2) 建築基準法
ア 構造と設備に関する規定
イ 用途と敷地に関する規定
(3) 建築業務等に関する法規
ア 建築の業務に関する法規
イ 都市計画に関する法規
ウ 労働安全衛生に関する法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,具体的な事例を通して,建築物が多くの法規によって規制されていること及び法令遵守について理解させ,倫理観を養うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,建築に関する法規の沿革に触れること。イについては,建築関係法規の体系と構成の概要を扱うこと。
イ 内容の(2)のア及びイについては,具体的な事例を取り上げ,相互に関連付けて扱うこと。
ウ 内容の(3)については,内容の(2)以外の建築に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
第36 設備計画
1 目標  設備工業の計画に関する知識と技術を習得させ,実際に計画できる能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 設備の基礎
ア 自然環境
イ 室内環境
ウ 流れの基礎
(2) 設備に関係した建築構造
ア 建築物の計画
イ 建築構造の基礎
ウ 構造物の力学
(3) 建築物の設備計画
ア 設備計画の概要
イ 建築物内の設備の配管
ウ 機器・配管の所要スペース
(4) 設備の施工
ア 施工管理
イ 設備工事の積算
(5) 建築設備に関する法規
ア 設備に関する法規
イ 建築に関する法規
ウ 衛生・防災に関する法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,環境に配慮した計画が重要であることを理解させること。
イ 内容の(5)のウについては,生徒の実態や学科の特色に応じて,扱わないことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のア及びイについては,設備工業と自然環境及び室内環境とのかかわりを扱うこと。ウについては,水,空気及び熱の流れに関する基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)のア及びイについては,設備を計画する際に必要な建築構造に関する基礎的な内容を中心に扱うこと。ウについては,静定構造物の力の釣合い,曲げモーメントとせん断力図,応力度とひずみ度の関係,断面二次モーメントと断面係数の関係及び基本的な計算方法を扱うこと。
ウ 内容の(5)については,建築設備に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
第37 空気調和設備
1 目標  空気調和設備に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 空気調和の基礎
ア 空気調和の方式
イ 冷房・暖房負荷
ウ 湿り空気の状態
(2) 空気調和装置
ア 空気調和装置の構成
イ 中央式・個別式空気調和機
ウ 空気調和装置の制御
エ 空気調和装置の設計
(3) 換気・排煙装置
ア 換気・排煙設備の構成
イ 換気・排煙設備の設計
(4) 直接暖房装置
ア 直接暖房装置の構成
イ 直接暖房装置と配管の設計
(5) 空気調和設備の施工
ア 機器の据付けと配管工事
イ 空気調和設備の試験・検査・保守
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,空気調和設備を設計する上で,省エネルギーに配慮することが重要であることを理解させること。
イ 内容の(3)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,扱わないことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,代表的な空気調和方式の構成,特徴及び利用例を扱うこと。イについては,冷房及び暖房の簡単な負荷計算を扱うこと。ウについては,湿り空気の組成及び空気線図の仕組みを扱うこと。
イ 内容の(2)のア及びイについては,空気調和装置を構成している主な機器の構造,性能及び用途を扱うこと。ウについては,空気調和装置の制御に関する基礎的な内容を扱うこと。エについては,空気調和装置の設計に関する基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,換気法の種類と排気量や排煙の方式について,換気・排煙設備に関する法規と関連付けて扱うこと。イについては,換気設備及び排煙設備の設計手順を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,直接暖房装置を構成する主な機器の構造,用途及び関連する配管を扱うこと。イについては,簡単な暖房装置の設計について基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,機器の据付け,配管工事及び保温・保冷工事の基礎的な内容を扱うこと。イについては,空気調和設備に関する法規に基づく試験,検査及び保守について基礎的な内容を扱うこと。
第38 衛生・防災設備
1 目標  衛生・防災設備に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 給水・給湯設備
ア 水資源と上水道
イ 給水・給湯機器と構成
ウ 給水・給湯設備と配管機器の設計
(2) 排水通気設備
ア 排水と下水道
イ 排水通気設備と配管機器の設計
ウ 住宅の給排水設備
(3) 排水処理設備
ア 排水浄化の原理と方法
イ し尿浄化設備と排水再利用
(4) 防災設備
ア 防火対象物と消防用設備
イ 消火設備と配管機器の設計
(5) ガス設備と通信設備
(6) 衛生・防災設備の施工
ア 機器の据付けと配管工事
イ 衛生・防災設備の試験・検査・保守
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(3)及び(5)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
イ 内容の(3)については,環境保全の観点から排水処理の必要性を理解させること。
ウ 内容の(4)については,防災設備の必要性を具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,水質基準と水道施設の概要を扱うこと。また,雨水の活用についても触れること。イについては,給水・給湯の機器構成及び給水方式を扱うこと。ウについては,給水・給湯量の計算,配管機器の簡単な設計及び給水・給湯管径の基本的な計算方法を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,排水の種類と下水道施設の概要を扱うこと。イについては,排水・通気系統の機器と構成,衛生器具の排水量及び排水・通気管径の基本的な計算方法を扱うこと。ウについては,具体的な住宅の事例を通して,給排水設備を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,し尿浄化設備の構成と排水の再利用を扱うこと。
エ 内容の(4)については,主な消火設備の機器の構成と配管を中心に扱うこと。
オ 内容の(5)については,ガス設備及び通信設備の概要を扱うこと。
カ 内容の(6)のアについては,施工法を中心に扱うこと。イについては,衛生・防災設備に関する法規に基づく基本的な機器の試験,検査及び保守を扱うこと。
第39 測 量
1 目標  測量に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 測量の基礎
ア 測量の概要
イ 距離の測量
ウ 角の測量
(2) 平面の測量
ア 骨組測量
イ 細部測量
ウ 面積の計算
(3) 高低の測量
ア レベルによる高低の測量
イ 縦横断測量
ウ 体積や土量の計算
(4) 地形図
ア 地形測量の目的と順序
イ 等高線と測定法
ウ 地形図の作成と利用
(5) 写真測量
ア 写真測量の基礎
イ 空中写真の性質と利用
(6) 測量技術の応用
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,地形測量,路線測量などの測量実習を通して,具体的に理解させること。
イ 内容の(5)及び(6)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする
ア 内容の(2)のア及びイについては,セオドライトによる骨組測量や平板による細部測量など,測量の基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(4)については,土木工事を計画し施工するための地形図の作成手順とその利用方法を扱うこと。
ウ 内容の(5)については,写真測量技術の利用方法について概要を扱うこと。
エ 内容の(6)については,地殻変動や気候変動などの自然災害における測量技術の応用を扱うこと。また,人工衛星の利用など技術の進展に対応した測量技術も扱うこと。
第40 土木基礎力学
1 目標  土木構造物及び土と水の基礎力学に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 土木構造力学の基礎
ア 土木構造物と力
イ 静定構造物の計算
ウ 材料の強さと部材の設計
(2) 土質力学の基礎
ア 土の基本的性質と調査及び試験
イ 土中の水の流れ
ウ 地中応力と土の圧密
エ 土の強さ
オ 土圧
(3) 水理学の基礎
ア 静水の性質
イ 水の流れの性質と測定
ウ 水路の計算
エ 流れと波の力
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,模型を用いた実験や各種メディア教材の活用により,力学的な現象を視覚的に理解させること。
イ 内容の(2)及び(3)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,土木構造物の種類,土木構造物に作用する力及び鋼とコンクリートの材料の基本的な性質を扱うこと。イについては,単純ばり,片持ばり,短柱及び長柱について,軸方向力,せん断力及び曲げモーメントの基本的な計算方法を扱うこと。また,静定トラス,ゲルバーばり,間接...
イ 内容の(2)については,土木構造物の安定や土木構造物を支える地盤に関連して,土の基本的な性質や土質力学の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,静水圧を中心に扱うこと。イについては,ベルヌーイの定理を中心に扱うこと。ウについては,管水路と開水路の基礎的な内容を扱うこと。エについては,水の流れにより物体の受ける力及び波の作用の基礎的な内容を扱うこと。
第41 土木構造設計
1 目標  土木構造物の設計に関する知識と技術を習得させ,構造物を安全で合理的に設計する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 鋼構造の設計
ア 鋼構造の設計の基礎
イ Hビームの設計
ウ プレートガーダーの設計
(2) 鉄筋コンクリート構造物の設計
ア 鉄筋コンクリート構造物の設計の基礎
イ はり構造の設計
ウ 柱構造の設計
エ プレストレストコンクリート構造物の設計
(3) 基礎・土留め構造物の設計
ア 杭《くい》基礎の設計
イ 直接基礎の設計
ウ 土留め構造物の設計
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,示方書などを用いて,土木構造物の部材の具体的な設計をさせること。
イ 指導に当たっては,工事現場の見学,土木構造物の模型を用いた実験及び各種メディア教材の活用により,具体的に理解させること。
ウ 内容の(3)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,設計の目的,順序,設計方法などの基礎的な内容を扱うこと。イについては,H形鋼を用いたけたの応力計算や断面の設計方法を扱うこと。ウについては,プレートガーダーを用いたけたの応力計算や断面の設計方法を扱うこと。また,イ及びウについては,曲げモーメントによ...
イ 内容の(2)については,単鉄筋長方形ばりの設計計算を中心に扱い,複鉄筋長方形ばり,スラブなどの設計計算に関する計算式についても触れること。
ウ 内容の(3)については,具体的な事例を通して計算式の意味と使用方法を扱うこと。
第42 土木施工
1 目標  土木施工と管理に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 土木材料
ア 土木材料の基礎
イ 土木材料の性質と利用
ウ 土木材料としての土の利用
(2) 施工技術
ア 土工
イ コンクリート工
ウ 基礎工
エ 舗装工
オ トンネル工
(3) 土木工事管理
ア 工事管理の計画
イ 工程管理と品質管理
ウ 入札
エ 建設マネジメント
(4) 工事用機械と電気設備
ア 工事用機械
イ 工事用電気設備
(5) 土木施工に関する法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,工事現場の見学や各種メディア教材の活用により,具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のア及びイについては,土木工事に用いられる基本的な材料を扱うこと。ウについては,土木材料としての土の利用や土の改良などを扱うこと。
イ 内容の(2)については,土木工事の基本的な技術を扱うこと。ウについては,土木構造物の基礎,杭《くい》基礎などの基礎工及び基礎掘削における土留め工法を扱うこと。オについては,トンネル工の基礎的な内容及び下水道管などの地下埋設物工事における圧入工法を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,施工計画,工事の管理と組織,原価管理,安全管理などを扱うこと。ウについては,電子入札にも触れること。エについては,具体的な事例を通して,建設マネジメントを扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,各種工事に必要な基本的な土工用機械を扱うこと。
オ 内容の(5)については,土木施工に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
第43 社会基盤工学
1 目標  社会基盤整備に関する知識を習得させ,自然環境との調和を図り実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 社会基盤整備
ア 土木の歴史
イ 社会資本と社会基盤の整備
ウ 災害と国土の整備
エ エネルギーの整備
オ 環境の保全
(2) 交通と運輸
ア 道路
イ 鉄道
ウ 港湾
エ 空港
(3) 水資源
ア 利水
イ 治水
(4) 社会基盤システム
ア 都市計画
イ 環境と景観
ウ 防災
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)から(4)までについては,生徒の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,土木事業に関する技術史について,土木構造物と人間の生活とのかかわり及び土木事業が産業や経済の発展に果たした役割の概要を扱うこと。イについては,経済や産業の基盤整備と土木工事とのかかわりの概要を扱うこと。ウについては,防災のための国土の整備を扱うこと。...
イ 内容の(2)のアについては,道路の構造,施工及び維持管理の基礎的な内容を扱うこと。イについては,鉄道建設及び線路の規格と構造の基礎的な内容を扱うこと。ウについては,港湾の計画と管理及び港湾施設の基礎的な内容を扱うこと。エについては,空港の計画や施設の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,水資源の開発及び上下水道の基礎的な内容を扱うこと。イについては,河川の改修,海岸の防護,治山・砂防及び土木構造物の機能と簡単な計画を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,都市計画の基礎的な内容並びに国土計画及び地域計画の概要を扱うこと。イについては,内容の(2)及び(3)に関連する環境保全及び社会基盤施設と景観とのかかわりを扱うこと。ウについては,地震災害,風水害,火山災害などと防災対策の基礎的な内容を扱うこと。
第44 工業化学
1 目標  工業化学に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 物質と化学
ア 地球の資源
イ 物質と元素
ウ 物質の変化と量
(2) 気体と水の化学
ア 気体の性質
イ 空気の利用
ウ 水と溶液
(3) 元素の性質と化学結合
ア 元素と周期性
イ 化学結合
ウ 元素の性質
(4) 物質の変化とエネルギー
ア 酸と塩基
イ 酸化と還元
ウ 化学反応と熱
エ 反応速度と化学平衡
オ 原子核エネルギー
(5) 石油と化学
ア 有機化合物の基礎
イ 石油の精製
ウ 石油と化学工業
(6) 材料と化学
ア 工業材料
イ 新素材
(7) 生活と化学工業製品
ア 食品と化学
イ 油脂とせっけん
ウ バイオテクノロジーの化学
エ 有害物質と危険物
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,化学工業が資源やエネルギーを有効に利用して様々な材料を製造していることを理解させること。また,化学技術の発展や歴史についても理解させること。
イ 指導に当たっては,化学技術が環境保全に関して重要な役割を果たしていることについて理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,化学工業で利用される資源を中心に扱うこと。イについては,物質を構成している基本的な元素や化合物の概要を扱うこと。ウについては,化学変化と化学反応式及び化学変化と物質の量との関係について基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,気体の法則を中心に扱うこと。イについては,空気の組成と化学工業での利用を扱うこと。ウについては,溶解度や濃度を中心に扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,原子の構造と周期性を扱うこと。イについては,化学結合と物質の構造を扱うこと。ウについては,族ごとの基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,酸及び塩基の基礎的な内容を扱うこと。イについては,酸化と還元及び電気分解と電池を扱うこと。ウについては,熱化学方程式を中心に扱うこと。エについては,反応速度と化学平衡の基礎的な内容を扱うこと。オについては,放射性物質の性質と利用を扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,有機化合物の基礎的な内容を扱うこと。イについては,石油製品の製造に関する基礎的な内容を扱うこと。ウについては,化学工業の原料としての石油の役割を扱うこと。また,天然ガスや石炭を原料とする化学工業についても触れること。
カ 内容の(6)のアについては,セラミック材料,金属材料及び高分子材料の性質及び用途を扱うこと。イについては,機能性材料の性質と用途を扱うこと。
キ 内容の(7)のア及びイについては,身近な生活用品を具体的な事例として取り上げ,生活と化学工業製品の関係を扱うこと。ウについては,酵素や微生物を利用した化学工業の概要を扱うこと。エについては,有害物質と危険物の取扱い方法及び取扱者の管理責任の概要を扱うこと。
第45 化学工学
1 目標  化学製品の製造に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 化学工場と化学プラント
ア 化学工場の特徴
イ 反応装置
ウ 周辺の装置と設備
エ 化学プラント
(2) 物質とエネルギーの収支
ア 物質収支
イ エネルギー収支
ウ 単位換算
(3) 単位操作
ア 流体の輸送
イ 熱の利用と管理
ウ 物質変換の単位操作
(4) 計測と制御
ア プロセス変量の計測
イ 制御技術
(5) 化学プラントの安全
ア 化学工業と災害
イ 災害の予防と安全管理
(6) 化学工場の管理と法規
ア 生産の計画と工程管理
イ 品質管理
ウ 化学工場に関する法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,エネルギーや資源の有効利用について理解させること。
イ 指導に当たっては,災害の防止,安全管理の重要性及び法令遵守について理解させること。
ウ 内容の(3)のウについては,地域産業の実態や学科の特色に応じて,単位操作の題材を選定して扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイ及びウについては,化学工場の概要を扱うこと。
イ 内容の(2)については,資源及びエネルギーの有効活用の具体的な事例を扱うこと。イについては,熱収支の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,基本的な流体の力学計算,物質収支,エネルギー収支を扱うこと。イについては,伝熱及び熱交換を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,主な検出器の種類と原理及び用途を扱うこと。また,センサ,電子技術及びコンピュータの活用方法について扱うこと。
オ 内容の(5)については,化学災害の防止やプラントの安全管理などの基礎的な内容を扱うこと。
カ 内容の(6)のア及びイについては,化学工場における基本的な工程管理及び品質管理を扱うこと。ウについては,化学物質及び化学工場に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
第46 地球環境化学
1 目標  環境保全に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 地球環境と人間
ア 生活と環境
イ 自然環境の保全
(2) 資源とエネルギー
ア 地球と資源
イ 資源の有効利用
ウ 資源の使用と地球環境
(3) 自然環境の調査
ア 環境汚染の種類と原因
イ 環境の分析と調査
ウ 環境評価
(4) 環境の保全と化学技術
ア 環境保全と製造プロセスの改善
イ 環境汚染の処理技術
ウ 廃棄物のリサイクル
(5) 環境保全に関する法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,地球の環境保全のために,化学技術が重要な役割を果たしていることについて理解させるとともに,自然科学的見地から扱うこと。
イ 内容の(3)のアからウまで及び(4)のアからウまでについては,地域産業の実態や学科の特色に応じて適切な題材を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,自然環境の保全と人間生活や生態系とのかかわりを扱うこと。
イ 内容の(2)については,資源の有限性,資源やエネルギーの有効利用の必要性,化石燃料の使用による地球環境への影響などを扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,大気汚染と水質汚濁の具体的な事例を通して,汚染の種類と原因を扱うこと。イについては,関係法規に基づいた測定法による基本的な環境分析技術及び調査方法を扱うこと。ウについては,環境に関する基本的な評価方法を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,環境保全のための製造プロセスの改善に関する基礎的な内容を扱うこと。イについては,環境汚染物質の基本的な処理技術を扱うこと。ウについては,廃棄物の再資源化の基本的な処理技術を扱うこと。
オ 内容の(5)については,環境保全に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
第47 材料製造技術
1 目標  材料製造技術に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 材料製造の基礎
ア 材料製造法の発達
イ 物質の性質と化学反応
ウ 高分子化合物の合成
(2) 鉱石と原料の予備処理
ア 高温炉の種類
イ 原料の予備処理
(3) 鉄鋼製錬
ア 鉄鋼の製造と製錬反応
イ 鋼の造塊と連続鋳造
(4) 非鉄金属製錬
ア 溶融製錬法
イ 湿式製錬法
ウ 電解製錬法
エ 特殊材料の製錬法
(5) セラミック材料の製造
ア セラミック材料の概要
イ セラミック材料の製造法
ウ 複合材料の製造
(6) 高分子材料の製造
ア 高分子材料の概要
イ 高分子材料の製造法
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,工場の見学や実験・実習などの活用により,具体的に理解させること。
イ 内容の(5)については,地域産業の実態や学科の特色に応じて,セラミック材料として,ファインセラミックス,ガラス,セメントから適切な題材を選定して扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,工業材料の製造方法と工業が相互に関連して発達してきたことを扱うこと。イについては,物質の種類と性質及び材料製造の原理と化学反応の基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(3)のアについては,主な炉による精錬の原理と方法を扱うこと。イについては,連続鋳造法の原理と鉄鋼製造工程の概要を扱うこと。
ウ 内容の(4)のアからウまでについては,代表的な材料を取り上げ,精錬法の原理と方法を扱うこと。エについては,半導体などの特殊な材料の精錬法を扱うこと。
第48 工業材料
1 目標  工業材料に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 工業材料の開発の歴史
(2) 工業材料の性質
ア 化学結合と結晶構造
イ 機械的性質
ウ 物理的・化学的性質
エ 状態図と結晶組織
(3) 材料の試験と検査
ア 機械的性質の試験
イ 組織観察
(4) 構造用材料
ア 鋼と鋳鉄
イ 軽金属材料
ウ 構造用セラミックス
エ エンジニアリングプラスチック
オ 構造用複合材料
(5) 機能性材料
ア 電磁気材料
イ 音響・光学材料
ウ エネルギー変換材料
エ センサ材料
(6) 環境と材料
ア 工業材料と安全
イ リサイクル技術
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,工業材料の発達が生活文化及び工業の発展に大きな影響を与えてきたことについて理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)については,物質の結合方法及び材料の組織が,材料の性質と相互に関連していることを扱うこと。
イ 内容の(3)については,材料の試験及び検査の原理と方法を扱うこと。
ウ 内容の(4)のアについては,鋼,鋳鉄及び基本的な鉄合金の性質を扱うこと。イからオまでについては,代表的な材料の種類,性質及び利用例を扱うこと。
エ 内容の(5)のアからエまでについては,各材料の性質及び利用例を扱うこと。
オ 内容の(6)のアについては,環境に対して安全な工業材料の製造及び活用方法を扱うこと。イについては,工業材料のリサイクル技術に関する基礎的な内容を扱うこと。
第49 材料加工
1 目標  材料加工に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 材料加工技術の発達
(2) 材料の加工方法
ア 鋳造
イ 成形
ウ 焼結
エ 機械加工
オ 接合
カ 特殊な加工方法
(3) 生産の自動化とプロセス制御
ア 計測方法
イ 制御方法
ウ 生産工程の自動化システム
(4) 工業材料の製造管理
ア 生産方式と工程管理
イ 設備と資材の管理
ウ 作業の標準化
エ 環境管理
(5) 工業材料の品質管理と検査
ア 品質管理の目的
イ 品質のばらつきと統計
ウ 品質保証と検査
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,地域産業の実態や学科の特色に応じて,適切な題材を選定して扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,工業材料の加工技術と生産方法が相互に関連して発達してきたことを扱うこと。
イ 内容の(2)については,金属,セラミックス及び高分子材料に関する基本的な加工方法を扱うこと。
ウ 内容の(3)のア及びイについては,材料の計測及び生産における制御の原理と方法を扱うこと。ウについては,生産工程の自動化システムの基本的な構成を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,工業材料の製造における基本的な生産方式と工程管理を扱うこと。ウについては,作業の標準化及び原価管理の基礎的な内容を扱うこと。エについては,生産工場における大気及び水質の汚染対策の基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)については,具体的な事例を通して,工業材料の品質管理及び検査の基礎的な内容を扱うこと。
第50 セラミック化学
1 目標  セラミック化学に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 原子と原子構造
ア 原子の構造
イ 電子配置とイオン
(2) 化学結合と物性
ア 化学結合の種類
イ イオン半径と配位数
ウ 結晶構造と物性
エ ガラス構造と物性
(3) 平衡状態図
ア 相と成分
イ 平衡状態図
(4) 高温反応
ア 高温における物質移動と反応
イ 溶融と結晶化
(5) 結晶質材料
ア シリカとアルミナ
イ ケイ酸アルミニウムと粘土鉱物
ウ 酸化物材料
エ 非酸化物材料
(6) 非晶質材料
ア 酸化物ガラス
イ 結晶化ガラス
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(5)及び(6)については,地域産業の実態や学科の特色に応じて,適切なセラミック材料を選定して扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,周期表の第3周期までの元素を扱うこと。
イ 内容の(2)については,化学結合及び物性の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,2成分系を扱うこと。
エ 内容の(4)については,焼結の機構を中心に扱うこと。
第51 セラミック技術
1 目標  セラミックスの製造技術に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 原料処理
ア 原料
イ 処理工程
ウ 調合計算と原料処理
(2) セラミックスの成形と乾燥
ア 各種の成形法
イ 乾燥
(3) 加熱処理と溶融
ア 燃料と燃焼
イ 加熱炉
ウ 溶融
(4) セラミックスの加工
ア 研磨剤と工具
イ セラミック加工
(5) 品質の管理と評価
ア 品質管理
イ 品質の評価
(6) セラミック技術と安全
ア 環境保全と安全
イ 廃棄物の処理とリサイクル技術
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,工場の見学や実験・実習などの活用により,具体的に理解させること。
イ 内容の(1)のウについては,地域産業の実態や学科の特色に応じて,適切な題材を選定して扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のウについては,調合計算及び原料処理の基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)については,セラミックスの成形,乾燥の方法及びそれらの装置の構造の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,燃料の特性と簡単な燃焼計算を扱うこと。イについては,加熱炉の構造及び炉材の特性を扱うこと。
エ 内容の(4)のイについては,機械的加工,化学的加工及び電気的加工を扱うこと。
オ 内容の(5)については,具体的な事例を通して,品質管理及び評価方法の基礎的な内容を扱うこと。
カ 内容の(6)については,セラミックスの製造における環境保全及び資源のリサイクル技術の基礎的な内容を扱うこと。
第52 セラミック工業
1 目標  セラミック工業に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) セラミック工業の概要
(2) 機能性セラミックス
ア 材料と科学技術
イ 機械的機能
ウ 電気的機能
エ 光学的機能
(3) 陶磁器
ア 陶磁器の歴史
イ 原料と製造工程
ウ 陶器と磁器
(4) ガラスとほうろう
ア ガラス工業の歴史
イ 原料と製造工程
ウ ガラス
エ ほうろう
(5) 耐火物
ア 産業と耐火物
イ 原料と製造工程
ウ 各種の耐火物
(6) セメント
ア 原料と製造工程
イ セメントの性質と用途
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,セラミック工業の発達と産業社会の発展が相互に関連していることを理解させること。
イ 内容の(2)から(6)までについては,地域産業の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)のアについては,機能性セラミックスの開発を支えた技術の概要を扱うこと。イからエまでについては,セラミックスの多様な機能及び利用例を扱うこと。また,機能性の原理に関する基礎的な内容を扱うこと。   
イ 内容の(3)については,地場産業の発達の歴史と製造方法を関連付けて扱うこと。
ウ 内容の(4)のイについては,代表的なガラスの製造工程を扱うこと。
エ 内容の(5)については,耐火物を利用する製造業についても触れること。
オ 内容の(6)のイについては,セメントに関する基礎的な内容を扱うこと。
第53 繊維製品
1 目標  繊維及び繊維製品に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 繊維製品の基礎
ア 繊維製品の役割
イ 繊維の種類と性質
ウ 新繊維
(2) 糸
ア 糸の種類・構造・製造
イ 糸の性質と用途
(3) 布類
ア 織物の組織・構造・製造
イ ニットの組織・構造・製造
ウ 組物とレース類
エ 布の性質と用途
(4) 繊維の二次製品
ア 二次製品の種類
イ アパレル製造
ウ 二次製品の加工
エ 品質試験・品質管理
オ 日本の伝統織物
(5) 繊維製品の企画
ア 繊維製品の消費動向と市場調査
イ 製品の企画と開発
ウ 繊維製品の流通
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(5)については,地域産業の実態や学科の特色に応じて,扱わないことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,代表的な天然繊維及び化学繊維を扱うこと。ウについては,繊維の生活用新素材及び産業用新素材について,特徴と用途を扱うこと。
イ 内容の(2)のイについては,基本的な糸の性質と用途及び糸の性質を調べるための試験方法の原理を扱うこと。
ウ 内容の(3)のウについては,不織布にも触れること。エについては,布の性質を調べるための簡単な試験方法を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,衣料及び産業用資材としての二次製品の種類及び用途を扱うこと。エについては,品質試験及び品質管理の基礎的な内容を扱うこと。オについては,代表的な日本の伝統織物を扱うこと。
第54 繊維・染色技術
1 目標  繊維製品の製造技術及び染色技術に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 繊維製造・染色技術の基礎
ア 繊維・染色の歴史
イ 繊維産業
ウ 繊維・染色と生活環境
(2) 繊維と染色の基礎化学
ア 繊維の化学
イ 染色の化学
ウ 繊維と染色の薬剤
(3) 素材
ア 繊維の製造と性質
イ 色素材料
ウ 繊維製造の自動化
(4) 染色加工
ア 精練・漂白
イ 浸染
ウ なせん
エ 工芸染色
(5) 仕上げ加工
ア 一般仕上げ加工
イ 処理加工
ウ 特殊処理加工
エ 染色と仕上げ加工の自動化
オ 染色用水と廃水処理
(6) 表面加工・処理
ア 印刷
イ 表面処理
ウ 非繊維素材への着色
(7) 品質管理
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,繊維製造技術及び染色技術の役割と発達について総合的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,繊維製造及び染色技術の歴史を扱うこと。
イ 内容の(2)については,繊維と染色に関する化学の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,繊維製造の方法,繊維の性質及び製造機械を扱うこと。イについては,色素材料の基本的な性質と代表的な用途及び管理を扱うこと。ウについては,繊維製造における自動化の原理及び基本的な機械設備の構成を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,繊維材料の代表的な精練工程及び漂白工程を扱うこと。イについては,基本染法及び主な繊維の染色方法の基礎的な内容を扱うこと。ウについては,なせんの基礎的な内容を扱うこと。エについては,代表的な日本の伝統的染法を扱うこと。
オ 内容の(5)のイについては,機能性をもたせるための基本的な処理加工を扱うこと。エについては,染色,色彩管理及び仕上げ加工の自動化の基本的な原理及び方法を扱うこと。
カ 内容の(6)のアについては,印刷の工程及び製版の基礎的な内容を扱うこと。イについては,金属及びプラスチックの表面処理を扱うこと。ウについては,非繊維素材への着色の基礎的な内容を扱うこと。
キ 内容の(7)については,繊維製品及び染色加工製品の品質管理の基礎的な内容を扱うこと。
第55 染織デザイン
1 目標  繊維製品の染と織のデザインに関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) テキスタイルと造形
ア テキスタイルと人とのかかわり
イ テキスタイルとデザイン
ウ 基礎造形
エ 色彩の基礎と色彩計画
(2) デザインの基礎技法
ア テキスタイルデザイン
イ 基礎描法
ウ パターンデザイン
(3) デザインの具体化
ア 織物デザイン
イ ニットデザイン
ウ 染色デザイン
エ コンピュータデザイン
(4) 装飾様式と室内装飾
ア 装飾様式と文様
イ 服飾様式
ウ 室内装飾
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,美術館,博物館等の見学や各種メディア教材の活用により,具体的に理解させること。また,地域産業の実態や学科の特色に応じて,適切な題材を選定し,実習及び制作を通して具体的に理解させること。
イ 内容の(3)のアからエまでについては,地域産業の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,簡単な作品制作を通して,具体的なテキスタイルとデザインの関係を扱うこと。ウについては,造形の原理について扱い,簡単な作品を制作させること。エについては,色彩の基礎及び色彩計画の基礎的な内容を扱うこと。
イ 内容の(2)のイについては,テキスタイルデザインの基本的な描法を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアからウまでについては,具体的な事例を通して,デザインの具体化の方法を扱うこと。エについては,コンピュータを活用した簡単なテキスタイルデザインの作品を制作させること。
エ 内容の(4)のアについては,日本の伝統的な服飾様式と文様を扱うこと。イについては,服飾デザイン画を制作させること。ウについては,室内装飾としてのテキスタイルを扱うこと。
第56 インテリア計画
1 目標  インテリア計画に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) インテリア計画の概要
(2) インテリアの環境条件
ア 屋外環境
イ 屋内環境
ウ 色彩と形態
(3) インテリアと人間工学
ア 人体と人体寸法
イ 姿勢と動作
ウ インテリアと住空間
(4) 寸法計画と規模計画
ア 空間の目的と規模
イ モデュラーコーディネーション
ウ 寸法設計
(5) インテリアエレメントの計画
ア インテリアエレメントの分類
イ インテリアエレメントの計画上の取扱い
(6) 各種空間の計画
ア 住宅
イ 事務所
ウ 各種施設
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)については,アからウまでを関連付けた適切な題材を選定し,インテリア空間の計画をさせること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,インテリア計画の意義と概要を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,気温や日照等の屋外の気象変化とインテリアの関係の基礎的な内容を扱うこと。イについては,照明や音響等の屋内の環境とインテリアの関係の基礎的な内容を扱うこと。ウについては,インテリアの色彩と形態及びそれらが人間の感覚に与える影響の基礎的な内容を扱うこと。...
ウ 内容の(4)のアについては,空間規模,施設規模及び規模決定の方法を扱うこと。イについては,モデュラーコーディネーションの基礎的な内容を扱うこと。ウについては,グリッドプランニングを扱うこと。
エ 内容の(5)のアについては,インテリアエレメントの種類及び分類を扱うこと。イについては,家具,カーテン,カーペット,照明器具などを扱うこと。
オ 内容の(6)のア及びイについては,空間の計画及び簡単な設計例を扱うこと。ウについては,商業施設,教育・文化施設などの計画を扱うこと。
第57 インテリア装備
1 目標  インテリア装備に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 建築構造と力学
ア 建築構造の概要
イ 構造物に働く力
ウ 部材の断面
(2) 設備
ア 給排水・衛生設備
イ 空気調和設備
ウ 電気・ガス・通信設備
(3) インテリアの構造と施工
ア 床・壁・天井の下地と仕上げ
イ 開口部
ウ 階段
エ 造作
(4) インテリア材料の種類と性質
ア 構造材料
イ 機能材料
ウ 仕上材料
(5) インテリアの工業化
(6) インテリアの維持保全
(7) インテリア装備に関する法規
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,インテリア装備の見学や各種メディア教材の活用により,具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,インテリア装備を計画し,施工するための建築構造の基礎的な内容を扱うこと。イについては,構造物に加わる力の基本的な力学計算を扱うこと。
イ 内容の(2)については,インテリア装備を計画し,施工するための設備の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 内容の(4)については,インテリア材料の種類と性質及び材料の審美的特性と心理的効果の基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(5)については,インテリアのユニット化及びシステム化の基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(6)については,インテリアの維持保全の方法及びリフォームの方法について基礎的な内容を扱うこと。
カ 内容の(7)については,インテリア装備の施工と管理及び安全性などに関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
第58 インテリアエレメント生産
1 目標  インテリアエレメントの生産に関する知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 材料と加工
ア 木材と木質材料
イ 無機材料
ウ 有機材料
(2) 各種のエレメント
ア 家具
イ 建具
ウ 照明器具
エ 窓回り部品
オ テキスタイル製品
カ 壁装材料
キ 工芸品
(3) 生産技術
ア 家具
イ 建具
(4) 生産管理
ア 生産管理の基礎
イ 生産の工程
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアからウまで及び(2)のアからキまでについては,地域産業の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
イ 内容の(4)のイについては,地域産業の実態や学科の特色に応じて,家具,建具及び住宅部品から適切な事例を選定して具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,材料の特性及び加工の原理と方法を扱うこと。イについては,金属材料,セラミック材料及び石材を中心に扱うこと。ウについては,プラスチック材料を中心に扱うこと。
イ 内容の(3)については,実際の生産工程に沿って機械設備と生産技術を総合的に扱うこと。また,関連する法規についても触れること。
ウ 内容の(4)のイについては,生産工程及び基本的な管理方法を扱うこと。
第59 デザイン技術
1 目標  デザイン技術に関する知識と技術を習得させ,実際に創造し応用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) デザインの基礎
ア デザインの概要と創造活動
イ デザイン用具と用法
ウ 形態観察と表示
エ 色彩
オ 人間要素
(2) ビジュアルデザイン
ア ビジュアルデザインの概要
イ グラフィックデザイン
ウ パッケージデザイン
エ 写真と印刷技術
オ ビジュアルデザインの活用
(3) プロダクトデザイン
ア プロダクトデザインの概要
イ 生活器具のデザイン
ウ 産業機器のデザイン
エ 繊維・服飾デザイン
オ 工芸品のデザイン
(4) 環境構成デザイン
ア 住空間と業務空間
イ 家具
ウ ディスプレイ及び店舗
エ 都市空間
(5) デザイン企画
ア デザインの企画と計画
イ マーケティング
ウ デザインの組織と進行
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,美術館,博物館等の見学や各種メディア教材の活用により,具体的に理解させること。また,地域産業の実態や学科の特色に応じて,適切な題材を選定し,実習を通して具体的に理解させること。
イ 内容の(2)のアからオまで及び(3)のアからオまでについては,地域産業の実態や学科の特色に応じて,選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,デザインの意味と要素,創造の意味と手法などを扱うこと。ウについては,物の見え方,とらえ方,表示及び表現の種類とその技法を扱うこと。エについては,色彩の基礎的な内容を扱うこと。オについては,造形の心理,人間工学,デザインと人間要素などの基礎的な内容を扱...
イ 内容の(2)については,視覚伝達デザインの分野にかかわる基礎的な内容を扱うこと。オについては,デザインに関する機器の活用を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,プロダクトデザインの意義,要素,用途などの基礎的な内容を扱うこと。
エ 内容の(4)のアからウまでについては,室内,家具及び店舗のデザインについて基礎的な内容を扱うこと。エについては,都市景観について基礎的な内容を扱うこと。
オ 内容の(5)のア及びイについては,企業における製品デザインの企画,宣伝の企画,市場調査など具体的な事例を通して扱うこと。
第60 デザイン材料
1 目標  デザイン材料及び加工に関する知識と技術を習得させ,使用目的に応じて適切な材料を選択する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 無機材料の特性と加工技術
ア 金属材料
イ セラミック材料
ウ ガラス
(2) 有機材料の特性と加工技術
ア 木・竹材料
イ プラスチック
ウ 繊維と皮革類
エ 紙類
オ 塗料と色材
カ 接着剤
(3) デザインと材料
ア 材料の工学的特性
イ 材料の感覚的特性
ウ デザインと加工・施工技術
エ 使用条件と材料の選択
オ 製品実例の研究
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,産業現場の見学や各種メディア教材の活用により,具体的に理解させること。
イ 内容の(3)については,地域産業の実態や学科の特色に応じて,適切な題材を選定し,具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)については,各材料の種類,基本的な特性及び用途を扱うこと。
第61 デザイン史
1 目標  造形とデザインの歴史を理解させ,実際に創造し鑑賞する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 日本のデザイン
ア 古代の生活と造形
イ 中世の生活と造形
ウ 近世の生活と造形
エ 近代の生活とデザイン
(2) 西洋のデザイン
ア 古代の生活と造形
イ 中世の生活と造形
ウ 近世の生活と造形
エ 近代のデザインの成立と展開
(3) 現代のデザイン
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,美術館,博物館等の見学や各種メディア教材の活用により,具体的に理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については,東洋のデザインについても扱うこと。
イ 内容の(3)については,日本のデザイン活動の国際的な広がり及び日本のデザインに影響を与えた諸外国のデザインなどを扱うとともに,現代デザインの国際的な動向にも触れること。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 工業に関する各学科においては,「工業技術基礎」及び「課題研究」を原則としてすべての生徒に履修させること。
(2) 工業に関する各学科においては,原則として工業に関する科目に配当する総授業時数の10分の5以上を実験・実習に配当すること。
(3) 「実習」及び「製図」については,それぞれ科目名に各学科の名称を冠し,例えば「機械実習」,「機械製図」などとして取り扱うことができること。
(4) 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。
2 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を図り,学習の効果を高めるよう配慮するものとする。
3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。また,化学工業,材料技術,セラミックス,繊維などに関する「実習」においては,排気,廃液などの処理につい...
第3節 商   業
第1款 目標  商業の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,ビジネスの意義や役割について理解させるとともに,ビジネスの諸活動を主体的,合理的に,かつ倫理観をもって行い,経済社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を育てる。
第2款 各 科 目
第1 ビジネス基礎
1 目標  ビジネスに関する基礎的な知識と技術を習得させ,経済社会の一員としての望ましい心構えを身に付けさせるとともに,ビジネスの諸活動に適切に対応する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 商業の学習ガイダンス
ア 商業を学ぶ目的と学び方
イ 商業の学習分野と職業
(2) ビジネスとコミュニケーション
ア ビジネスに対する心構え
イ コミュニケーションの基礎
ウ 情報の入手と活用
(3) ビジネスと売買取引
ア 売買取引とビジネス計算の基礎
イ 代金決済
(4) 経済と流通の基礎
ア 経済の基礎
イ ビジネスの役割と発展
ウ 経済活動と流通
エ ビジネスの担い手
(5) 企業活動の基礎
ア 企業の形態と経営組織
イ 資金調達
ウ 企業活動と税
エ 雇用
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,商業教育全般の導入として基礎的な内容を取り扱うこと。また,各種メディア教材などを活用し,経済社会の動向に着目させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,商業を学ぶ目的,マーケティング,ビジネス経済,会計及びビジネス情報の4分野とその学び方並びに継続学習の中で専門的能力を身に付けることの重要性についてガイダンスを行い,生徒の学習の動機付けを図ること。イについては,商業の学習と関連する職業の概要を扱い,...
イ 内容の(2)のアについては,ビジネスにおける基本的なマナー,良好な人間関係を構築することの意義や必要性及びビジネスに対する望ましい心構えや考え方を扱うこと。イについては,ビジネスの場面に応じた言葉の使い方などコミュニケーションの基礎的な方法を扱うこと。ウについては,ビジネスの諸...
ウ 内容の(3)のアについては,流通活動における売買取引及び仕入原価,売価,利息,外国貨幣の換算などビジネス計算の基礎的な内容を扱うこと。イについては,代金決済の手段と仕組みを扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,土地,資本,労働力といった生産要素の希少性,経済主体,経済活動の循環など経済活動の基礎的な内容を扱うこと。ウについては,経済活動における流通の意義や役割について,生産から消費に至る役割分担の変化や小売業の業種,業態の変化とかかわらせて扱うこと。エにつ...
オ 内容の(5)のイについては,資金調達の方法とその特徴を扱うこと。エについては,雇用の形態及び雇用に伴う企業の責任を扱うこと。
第2 課題研究
1 目標  商業に関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習を通して,専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問題解決の能力や自発的,創造的な学習態度を育てる。
2 内容
(1) 調査,研究,実験
(2) 作品制作
(3) 産業現場等における実習
(4) 職業資格の取得
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,内容の(1)から(4)までの中から個人又はグループで適切な課題を設定させること。なお,課題は内容の(1)から(4)までの2項目以上にまたがる課題を設定することができること。
イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにすること。
第3 総合実践
1 目標  商業の各分野に関する知識と技術を実践的活動を通して総合的に習得させ,ビジネスの諸活動を主体的,合理的に行う能力と態度を育てる。
2 内容
(1) マーケティングに関する実践
(2) ビジネス経済に関する実践
(3) 会計に関する実践
(4) ビジネス情報に関する実践
(5) 分野横断的・総合的な実践
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,各分野の特色に応じた実践を通して,各分野の学習内容を総合的に応用できるようにすること。
イ 内容の(1)から(5)までについては,学科の特色に応じて選択して扱うことができること。また,内容の(5)については,内容の(1)から(4)までの2項目以上にまたがる総合的な内容を扱うこと。
第4 ビジネス実務
1 目標  ビジネス実務に関する知識と技術を習得させ,ビジネスにおけるコミュニケーションの意義や業務の合理化の重要性について理解させるとともに,ビジネスの諸活動を円滑に行う能力と態度を育てる。
2 内容
(1) オフィス実務
ア 企業の組織と仕事
イ ビジネスマナーとコミュニケーション
ウ オフィス実務と情報化
エ 税の申告と納付
(2) ビジネスと珠算
ア 計算の基礎
イ 珠算
ウ 暗算
(3) ビジネス英語
ア 国際化とコミュニケーション
イ ビジネスの会話
ウ ビジネスの文書
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,オフィス実務,珠算・暗算及びビジネス英語に関する知識や技術をビジネスの諸活動に活用できるようにすること。
イ 内容の(1)から(3)までの中から,生徒の実態や学科の特色に応じて,2項目以上を選択して扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,企業の組織と意思決定の流れ,職業人としての心構えと良好な人間関係の構築の必要性,仕事の進め方や改善方法などを扱うこと。イについては,訪問,受付案内などの際のマナー及びディスカッションや交渉などのコミュニケーションの技法を扱うとともに,ディベートなどを...
イ 内容の(2)のアについては,珠算の歴史,数の表現,記数法,概数及び概算を扱うこと。イについては,四則計算を扱い,計算力の向上を図ること。ウについては,珠算式の暗算を扱い,簡単な計算ができるようにすること。
ウ 内容の(3)のアについては,ビジネスにおける国際化の進展及び英語によるコミュニケーションの意義や役割を扱うこと。イについては,ビジネスの諸活動における外国人との応対,商談及び会議でよく用いられる基本的な英会話を扱うこと。ウについては,海外との取引に用いられる文書の基本的構成要素...
第5 マーケティング
1 目標  マーケティングに関する知識と技術を習得させ,マーケティングの意義や役割について理解させるとともに,マーケティング活動を計画的,合理的に行う能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 現代市場とマーケティング
ア 現代市場の特徴とマーケティングの発展
イ マーケティングの手順
(2) 市場調査
ア 市場調査の手順と方法
イ 情報の収集と分析
(3) 消費者の購買行動
ア 消費者の行動
イ 消費者の意思決定の過程
(4) 商品計画
ア 販売計画と販売予測
イ 仕入計画と在庫管理
(5) 価格の決定
ア 価格決定の要因
イ 価格戦略
(6) 販売経路と販売促進
ア 販売経路
イ 販売促進
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,マーケティングに関する具体的な事例を取り上げ,顧客満足の実現を目指すマーケティングの在り方について考えさせ,マーケティング活動に主体的,創造的に取り組むことができるようにすること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,市場環境の変化に対応してマーケティングの考え方や内容が変化してきたこと及び消費者保護や法令遵守など現代市場における企業の社会的責任を扱うこと。
イ 内容の(2)のイについては,市場調査を行う課題を設定し,情報の収集・分析,報告書の作成及びプレゼンテーションを行う実習をさせること。
ウ 内容の(3)のアについては,消費財市場における消費者行動の特徴及び消費者行動に影響を与える要因を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,販売計画の必要性,販売計画の立案及び売上高の予測方法を扱うこと。
オ 内容の(5)のイについては,生産者,卸売業者及び小売業者の価格戦略の概要を扱うこと。
カ 内容の(6)のアについては,販売経路の設定と強化を扱うこと。イについては,販売促進の重要性及び販売促進の方法の概要を扱うこと。
第6 商品開発
1 目標  商品開発に関する知識と技術を習得させ,顧客満足を実現することの重要性について理解させるとともに,商品を企画・開発し,流通活動を行う能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 商品と商品開発
ア 商品の多様化
イ 商品開発の意義と手順
(2) 商品の企画
ア 環境分析
イ 商品開発の方針とテーマの決定
ウ 市場調査
エ 商品コンセプトの立案
(3) 商品の開発
ア 商品仕様の詳細設計
イ 試作品の作成と評価
ウ 消費者テスト
エ 事業計画の立案
(4) 商品開発とデザイン
ア デザインの基礎
イ グラフィックデザイン
ウ パッケージデザイン
(5) 商品開発と知的財産権
ア 知的財産権の概要
イ 知的財産権の取得
(6) 商品流通と流通を支える活動
ア 流通の仕組みと市場
イ 小売業と卸売業
ウ 流通手段の多様化
エ 流通を支える活動
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,具体的な事例を通して,消費者の視点に立った商品開発に主体的,創造的に取り組むことができるようにすること。
イ 内容の(4)及び(5)については,内容の(1)から(3)までと関連付けて指導すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,商品開発の手順,商品開発や流通における法令遵守などの社会的責任,販売後の商品の評価とそれに基づく改良の重要性を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,商品を取り巻く環境の分析を商品開発担当者の視点で扱うこと。ウについては,商品開発のための市場調査の方法を扱うこと。エについては,商品コンセプトの考案,企画書の作成及びプレゼンテーションを行う実習をさせること。
ウ 内容の(3)のエについては,価格,流通経路,販売促進などに関する事業計画の立案,企画書の作成及びプレゼンテーションを行う実習をさせること。
エ 内容の(4)のアについては,商業デザインがマーケティングの中で果たしている役割及び配色や構成などデザインの基礎を扱うこと。イについては,グラフィックデザインの技法及びコンピュータを活用したデザインの技法を扱うこと。ウについては,パッケージの機能及びパッケージデザインの技法を扱う...
オ 内容の(5)のアについては,商標権,意匠権及び著作権の意義と概要を扱うこと。イについては,知的財産権を取得する方法を扱うこと。
カ 内容の(6)のアについては,商品が生産者から消費者にわたる仕組み及び商品流通における市場の役割や課題を扱うこと。イについては,小売業と卸売業の主要な形態や特性及び今後の方向を扱うこと。エについては,流通を支える物流活動,金融・保険活動及び情報通信システムの概要を扱うこと。
第7 広告と販売促進
1 目標  広告や販売促進などに関する知識と技術を習得させ,企業と消費者間のコミュニケーション活動の意義や役割について理解させるとともに,販売に関連する活動を主体的,創造的に行う能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 販売促進
ア 販売促進の目的
イ 販売促進の方法
(2) 広告と広報活動
ア 広告の目的
イ 広告計画の立案と実施
ウ 広告効果の測定
エ 広報活動の意義と手法
(3) 店舗の立地と設計
ア 店舗立地の重要性と立地条件
イ 店舗設計
ウ 商品陳列
(4) 販売活動
ア 人的販売と販売組織
イ 接客の方法
(5) 販売促進の発展と顧客満足の実現
ア 時代に応じた販売促進
イ 販売後の消費者対応
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,具体的な事例を取り上げ,適切な販売促進などの在り方について考えさせること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,消費者及び企業に対する販売促進の方法を扱うこと。
イ 内容の(2)のイについては,広告予算の考え方も扱うこと。
ウ 内容の(3)のウについては,商品陳列の方法,ディスプレイの機能及びディスプレイデザインの技法を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,販売の形態,販売員の役割,販売員に必要な資質及び効果的な販売の手順を扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,消費者への直接販売など時代に応じた販売促進について,具体的な事例を扱うこと。イについては,品質保証や苦情への対応など販売後の責任やサービスを扱うこと。
第8 ビジネス経済
1 目標  ビジネスに必要な経済に関する基礎的な知識を習得させ,経済の仕組みや概念について理解させるとともに,経済事象を主体的に考える能力と態度を育てる。
2 内容
(1) ビジネスと経済
ア 市場とビジネスの成立
イ 市場経済と計画経済
(2) 需要と供給
ア 需要の概念と需要の変化
イ 供給の概念と供給の変化
(3) 価格決定と市場の役割
ア 価格決定の仕組み
イ 市場の役割と課題
(4) 経済成長と景気循環
ア 国内総生産と物価
イ 経済成長とその要因
ウ 景気循環とその指標
エ 国際化と景気変動
(5) 経済政策
ア 財政政策
イ 金融政策
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,各種メディア教材などを活用し,経済社会の動向に着目させるとともに,具体的な経済事象について経済理論と関連付けて考えさせること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,自給自足から市場やビジネスが成立するまでの過程を扱うこと。イについては,市場経済と計画経済の違いを扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,価格やその他の要因による需要の変化,限界効用の逓減及び需要の弾力性を扱うこと。イについては,価格やその他の要因による供給の変化,供給の弾力性,固定費と変動費の概念及び限界分析を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,市場経済における価格決定の仕組みを扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,国内総生産の概念,物価水準の変動による国内総生産への影響及びインフレーションとデフレーションが経済に与える影響を扱うこと。イについては,我が国の経済成長とその要因を扱うこと。ウについては,景気循環の局面と景気循環を表す指標を扱うこと。エについては,経...
オ 内容の(5)のアについては,財政政策の概要及び国家財政と地方財政が果たす役割と課題を扱うこと。イについては,金融政策の概要,金融の仕組み及び中央銀行の役割を扱うこと。
第9 ビジネス経済応用
1 目標  ビジネスに必要な経済に関する知識を習得させ,経済社会の動向について理解させるとともに,サービス経済社会に適切に対応する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) サービス経済化とサービス産業
ア 産業構造の変化
イ サービス産業の現状
(2) 経済の国際化
ア 国際化の進展と国際収支
イ 貿易の利益と課題
ウ 国際資本移動
エ 外国為替
(3) 金融市場と資本市場
ア 金融市場と資本市場の役割
イ 金融取引の発達
ウ 貯蓄と投資の動向
エ 金融市場と資本市場の課題
(4) 企業経営
ア 企業経営の特徴
イ 企業経営と外部環境
ウ 企業の海外進出と経営
エ 企業の社会的責任
(5) ビジネスの創造と地域産業の振興
ア 起業の手続
イ 新たなビジネスの展開
ウ 地域ビジネス事情
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,我が国の経済を通して世界経済の動向を理解させるとともに,地域産業の振興への寄与について考えさせること。
イ 各種メディア教材などを活用し,我が国の経済の動向に着目させるとともに,適切な企業活動の在り方について考えさせること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,我が国における産業構造の変化とサービス経済化が進展した要因を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,国際化の進展を国際収支の変化と関連付けて扱うこと。ウについては,民間及び公的な資本移動の現状を扱うこと。エについては,外国為替の仕組み及び外国為替相場の現状と対応策を扱うこと。
ウ 内容の(3)のエについては,経済の国際化と関連付けて扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,組織や経営管理にかかわる我が国の企業経営の特徴を扱うこと。イについては,企業経営と市場や消費者などの外部環境とのかかわりを扱うこと。ウについては,経済の国際化の中での企業経営の現状を扱うこと。エについては,環境問題への対応,社会貢献,法令遵守などを扱...
オ 内容の(5)のアについては,起業の意義及び起業の手続の概要を扱うこと。イについては,新しいビジネスの展開の具体的な事例を研究させるとともに,新しいビジネスを考案させること。ウについては,身近な地域のビジネスを研究させ,地域産業の振興方策を考案させること。
第10 経済活動と法
1 目標  ビジネスに必要な法規に関する基礎的な知識を習得させ,経済社会における法の意義や役割について理解させるとともに,経済事象を法律的に考え,適切に判断して行動する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 経済社会と法
ア 法の意義と役割
イ 経済環境の変化と法
(2) 権利・義務と財産権
ア 権利と義務
イ 物権と債権
ウ 知的財産権
(3) 取引に関する法
ア 契約と意思表示
イ 売買契約と貸借契約
ウ 債権の管理と回収
エ 手形と小切手の利用
オ 金融取引
(4) 会社に関する法
ア 会社の種類
イ 株式会社の特徴
ウ 株式会社の機関とその責任
エ 資金調達
オ 企業再編
(5) 企業の責任と法
ア 法令遵守
イ 紛争の予防と解決
ウ 消費者保護
エ 雇用
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,企業の経済活動について具体的な事例を取り上げ,課題を発見させるとともに,法的に思考し判断して行動できるようにすること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,経済社会における法の意義や役割を扱うこと。イについては,国際化や情報化などの経済環境の変化と法規とのかかわりを扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,権利行使の限界及び法人の権利と義務を扱うこと。イについては,物権と債権の保護を扱うこと。ウについては,知的財産権の保護と活用を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,契約の種類及び意思表示の効果を扱うこと。ウについては,債務不履行への対応及び債権の担保を扱うこと。オについては,金融商品の取引に関する法規の概要を扱うこと。
エ 内容の(4)のイについては,株式会社の意義,株主の責任,資本と経営の分離を扱うこと。ウについては,企業の内部統制の仕組みや不正行為を防止する機能も扱うこと。エについては,株式や社債の発行など資金調達の方法を扱うこと。オについては,企業の合併や買収などを扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,法令を遵守して企業活動を行うことの重要性を扱うこと。イについては,国内における紛争の予防と解決に関する法制度の概要及び国際的な紛争が国による法制度の違いが一因となっていることを扱うこと。ウ及びエについては,関係法規の概要を扱うこと。
第11 簿記
1 目標  簿記に関する知識と技術を習得させ,その基本的な仕組みについて理解させるとともに,適正な会計処理を行う能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 簿記の基礎
ア 簿記の概要
イ 資産・負債・純資産と貸借対照表
ウ 収益・費用と損益計算書
エ 簿記一巡の手続
(2) 取引の処理
ア 現金・預金
イ 商品売買
ウ 債権・債務
エ 固定資産
オ 個人企業の純資産と税
カ 販売費及び一般管理費
(3) 決算
ア 決算整理
イ 財務諸表の作成
(4) 本支店会計
ア 本店・支店間の取引
イ 財務諸表の合併
(5) 会計帳簿と帳簿組織
ア 会計帳簿
イ 伝票
ウ 仕訳帳の分割
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,企業会計に関する法規や基準の変更に留意し,企業における取引を合理的,能率的に記帳する知識と技術を習得させるとともに,簿記の基本的な仕組みについて理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,簿記の意味,目的,歴史及び必要性,企業における会計情報の流れ,会計にかかわる職業並びに会計担当者の役割や責任を扱うこと。イについては,貸借対照表の役割及び構成要素の意味を扱うこと。ウについては,損益計算書の役割及び構成要素の意味を扱うこと。
イ 内容の(2)については,企業における日常の取引の記帳法及び各種会計帳簿の役割を扱うこと。なお,ウについては,手形に関する債権・債務,未収金・未払金及び株式などの有価証券を扱うこと。
ウ 内容の(3)については,決算の意味や目的及び基本的な決算整理を含む決算手続を扱うこと。なお,イについては,勘定式の財務諸表を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,支店会計が独立している場合の取引の記帳法を扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,会計帳簿の種類と帳簿全体の仕組みを扱うこと。
第12 財務会計Ⅰ
1 目標  財務諸表の作成に関する知識と技術を習得させ,財務会計の意義や制度について理解させるとともに,会計情報を提供し,活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 財務会計の基礎
ア 企業会計の意義と役割
イ 財務会計の機能
ウ 会計法規と会計基準
(2) 貸借対照表
ア 資産
イ 負債
ウ 純資産
エ 貸借対照表の作成
(3) 損益計算書
ア 損益計算の意味と損益の区分
イ 収益・費用の認識と測定
ウ 損益計算書の作成
(4) 連結財務諸表
ア 連結財務諸表の目的と連結の範囲
イ 連結財務諸表作成の基礎
(5) 財務諸表活用の基礎
ア 財務諸表分析の意義
イ 財務諸表の見方
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,企業会計に関する法規や基準の変更に留意し,企業の経営成績や財政状態を把握し,ビジネスの諸活動に活用する知識と技術を習得させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,株式会社制度の特徴と関連付けて扱うこと。イについては,財務会計と管理会計の違い及び財務会計の主な機能を扱うこと。ウについては,会計法規の概要,会計基準の必要性と動向及び企業会計制度の特徴を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,資産の意味と分類,評価基準及び資産の処理方法を扱うこと。イについては,負債の意味,分類及び負債の処理方法を扱うこと。ウについては,純資産の意味,表示及び純資産の処理方法を扱うこと。エについては,基本的な資料により報告式の貸借対照表を作成する方法を扱う...
ウ 内容の(3)のアについては,経常損益計算と特別損益計算の概念及び各種利益の意味を扱うこと。ウについては,各損益項目の処理方法及び基本的な資料により報告式の損益計算書を作成する方法を扱うこと。
エ 内容の(4)のイについては,基本的な資料により連結財務諸表を作成する方法を扱うこと。
オ 内容の(5)のイについては,財務比率などの財務指標を利用した期間比較や同業他社比較を扱うこと。
第13 財務会計Ⅱ
1 目標  財務会計に関する知識と技術を習得させ,会計責任を果たすことの重要性について理解させるとともに,会計情報を提供し,活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 財務会計の基本概念と会計基準
ア 財務諸表の作成・表示の考え方
イ 資産負債アプローチと収益費用アプローチ
ウ 会計基準の国際的統合
(2) 貸借対照表に関する会計
ア 資産会計
イ 負債・純資産会計
ウ 外貨換算会計
エ リース会計
オ 税効果会計
(3) キャッシュ・フロー計算書
ア 資金繰りとキャッシュ・フロー計算書
イ キャッシュ・フロー計算書の作成
(4) 企業集団の会計
ア 企業結合会計の意義と合併会計
イ 連結財務諸表の作成
(5) 財務諸表の活用
ア 企業価値と財務諸表分析
イ 連結財務諸表分析
ウ 財務諸表分析と株価
(6) 監査と職業会計人
ア 会計責任と監査
イ 職業会計人の職務
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,企業会計に関する法規や基準の変更に留意し,企業会計に関する法規や基準に従った会計処理と監査の重要性を理解させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,財務報告の目的,財務諸表の構成要素及び財務諸表の構成要素の認識と測定を扱うこと。イについては,純利益と包括利益の意義も扱うこと。ウについては,財務会計に関する国際的な基準の特徴及び会計基準の国際的統合の動向を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,資産の評価基準と評価方法及び減損会計を扱うこと。イについては,償却原価法を用いた利息法による普通社債の会計処理,新株予約権の会計処理及び株主資本等変動計算書の作成を扱うこと。ウについては,外貨建取引及び外貨建有価証券の決算時の会計処理を扱うこと。エに...
ウ 内容の(3)のアについては,資金繰りの重要性及びキャッシュ・フロー計算書の意義を扱うこと。イについては,基本的な資料によりキャッシュ・フロー計算書を作成する方法を扱うこと。
エ 内容の(4)のイについては,子会社株式の追加取得を含む連結財務諸表の作成方法及び持分法の会計処理を扱うこと。
オ 内容の(5)のイについては,連結財務諸表による財務諸表分析の方法,四半期財務情報の意義及び連結キャッシュ・フロー計算書の概要と分析の方法を扱うこと。ウについては,株主関連指標を利用した財務諸表分析を扱うこと。
カ 内容の(6)のアについては,会計責任を果たすことの重要性,監査の意義及び基本的な監査手続を扱うこと。
第14 原価計算
1 目標  製造業における原価計算及び会計処理に関する知識と技術を習得させ,原価の概念について理解させるとともに,原価計算から得られる情報を活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 原価と原価計算
ア 原価の概念と原価計算
イ 製造業における簿記の特色と仕組み
(2) 原価の費目別計算
ア 材料費の計算と記帳
イ 労務費の計算と記帳
ウ 経費の計算と記帳
(3) 原価の部門別計算と製品別計算
ア 個別原価計算と製造間接費の計算
イ 部門別個別原価計算
ウ 総合原価計算
(4) 製品の完成・販売と決算
ア 製品の完成と販売
イ 工場会計の独立
ウ 製造業の決算
(5) 標準原価計算
ア 標準原価計算の目的と手続
イ 原価差異の原因別分析
ウ 損益計算書の作成
(6) 直接原価計算の基礎
ア 直接原価計算の目的と損益計算書の作成
イ 短期利益計画
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,企業会計に関する法規や基準の変更に留意し,原価計算の基本的な考え方と計算方法を理解させ,適切に原価を管理できるようにするとともに,工業簿記の基本的な記帳方法を習得させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,原価の意味と分類及び原価計算の目的と種類を扱うこと。
イ 内容の(2)については,材料費,労務費,経費の分類,計算,記帳法及び予定価格を用いた合理的な計算を扱うこと。
ウ 内容の(3)のアについては,原価計算表の作成,原価計算表と製造勘定との関係,製造間接費の配賦及び製造間接費差異の原因別分析を扱うこと。イについては,部門別個別原価計算の基本的な手続の流れを扱うこと。ウについては,総合原価計算の特色及び月末仕掛品原価の計算と記帳法を扱うこと。
エ 内容の(4)のイについては,工場会計が本社会計から独立している場合の本社と工場間の取引の記帳法を扱うこと。ウについては,製造業における決算の特徴と製造原価報告書の作成を扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,パーシャルプランによる記帳法を扱うこと。
カ 内容の(6)のアについては,直接原価計算の方法及び直接原価計算による損益計算書の作成を扱うこと。イについては,売上高,原価,利益の関係を扱うこと。
第15 管理会計
1 目標  管理会計に関する知識と技術を習得させ,経営戦略の重要性について理解させるとともに,経営管理に必要な情報を活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 管理会計の基礎
ア 管理会計の目的
イ 管理会計と原価計算
(2) 直接原価計算
ア 直接原価計算と全部原価計算
イ 直接標準原価計算
(3) 短期利益計画
ア 原価予測の方法
イ 損益分岐分析と感度分析
ウ 利益の最大化
(4) 予算編成と予算統制
ア 企業予算の編成
イ 予算統制
(5) 経営意思決定と戦略的原価計算
ア 経営意思決定の概要
イ 特殊原価調査
ウ 戦略的原価計算
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,企業を取り巻く社会的・経済的環境が変化する中での経営戦略の重要性について,具体的な事例を取り上げて考えさせること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のイについては,管理会計と原価計算の関係を扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,直接原価計算と全部原価計算の違い,月初・月末に仕掛品や製品がある場合の直接原価計算による損益計算書の作成及び固定費調整の意義と計算方法を扱うこと。イについては,標準原価計算による直接原価計算と実際原価計算による直接原価計算の違い及び標準原価計算による...
ウ 内容の(3)のウについては,利益を最大化する最適な販売数量の組合せを求める方法を扱うこと。
エ 内容の(4)のイについては,予算実績差異分析の意義と方法を扱うこと。
オ 内容の(5)のイについては,差額原価収益分析の方法及び機会原価の意味を扱うこと。ウについては,活動基準原価計算,品質原価計算及びライフサイクル・コスティングの目的と方法を扱うこと。
第16 情報処理
1 目標  ビジネスに関する情報を収集・処理・分析し,表現する知識と技術を習得させ,情報の意義や役割について理解させるとともに,ビジネスの諸活動において情報を主体的に活用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 情報の活用と情報モラル
ア ビジネスと情報
イ ハードウェアとソフトウェア
ウ 情報モラル
(2) 情報通信ネットワークとセキュリティ管理
ア 情報通信ネットワークの概要
イ ビジネス情報の検索と収集
ウ ビジネス情報の受信と発信
エ セキュリティ管理の基礎
(3) ビジネス情報の処理と分析
ア 表の作成
イ グラフの作成
ウ 情報の整列・検索・抽出
エ ビジネスと統計
(4) ビジネス文書の作成
ア 文章の表現
イ 図形と画像の活用
ウ 文書の作成
(5) プレゼンテーション
ア プレゼンテーションの技法
イ ビジネスとプレゼンテーション
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,具体的な事例を通して,個人のプライバシーや著作権など知的財産の保護,収集した情報の管理,発信する情報に対する責任などの情報モラルについて理解させること。また,ビジネスの諸活動において,情報を扱う者の役割や責任について考えさせること。
イ ビジネスの諸活動に応じた具体的なデータを用いた実習をさせること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,ビジネスの諸活動における情報の意義や役割及び情報通信技術の進歩がビジネスの諸活動に与える影響などを扱うこと。イについては,パーソナルコンピュータを中心に扱うこと。
イ 内容の(2)のイについては,ウェブページを活用して,ビジネスに関する情報を検索・収集する方法を扱うこと。ウについては,電子メールを活用して,ビジネスに関する情報を受信・発信する方法を扱うこと。エについては,セキュリティ管理の必要性,コンピュータウイルスへの感染などを予防するソフ...
ウ 内容の(3)については,表計算ソフトウェアの各種関数や機能を活用して,ビジネスに関する情報を処理・分析する方法,分析した結果を表現する方法及び統計処理の基礎的な方法を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,ビジネス文書を作成するために必要な適切な文章の表現方法を扱うこと。ウについては,コンピュータを活用して,社外文書や報告書などビジネス文書を作成する方法を扱うこと。
オ 内容の(5)のアについては,プレゼンテーションを行う際の話し方や進め方を扱うこと。イについては,ソフトウェアを活用して目的に応じた効果的なプレゼンテーションを行う方法を扱うとともに,内容の(1)から(4)までで学習した内容と関連させて,ビジネスに関する情報の収集・処理・分析,報...
第17 ビジネス情報
1 目標  情報通信ネットワークの導入やソフトウェアの活用に関する知識と技術を習得させ,情報を効率的に処理することの重要性について理解させるとともに,ビジネスの諸活動においてコンピュータを適切に運用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) オフィス業務と情報通信ネットワーク
ア 業務の情報化
イ 情報通信ネットワークの導入と運用
ウ データの保護
(2) 表計算ソフトウェアの活用
ア ビジネス計算とデータの集計・分析
イ オペレーションズリサーチの基礎
ウ 手続の自動化
(3) データベースソフトウェアの活用
ア ビジネスとデータベース
イ データベースの設計と作成
ウ データの入力とデータベースの操作
エ 報告書の作成
オ 手続の自動化
(4) ソフトウェアを活用したシステム開発
ア アルゴリズム
イ 表計算ソフトウェアの活用
ウ データベースソフトウェアの活用
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,ビジネスの諸活動に応じた課題を設定した実習をさせること。
イ 内容の(4)のイ及びウについては,生徒の実態や学科の特色に応じて,いずれか1項目を選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,業務の情報化の意義や必要性及びエンドユーザの役割などを扱うこと。ウについては,アクセス権の設定,暗号化,ファイアウォールの利用などを扱うこと。
イ 内容の(2)のアについては,金融や証券投資などのビジネスに関する計算,グループ別集計とクロス集計及びシミュレーションを行う方法を扱うこと。イについては,在庫管理や線形計画法などオペレーションズリサーチの基礎的な内容を扱うこと。ウについては,操作の自動化及び一連の手続を起動するメ...
ウ 内容の(3)のアについては,ビジネスに関する情報をデータベース化することの意義や必要性及びデータベースの機能や役割を扱うこと。オについては,操作の自動化及び一連の手続を起動するメニューの作成を扱うこと。
エ 内容の(4)のアについては,制御構造の種類,条件判定,繰り返し処理,配列の利用など基礎的なアルゴリズムを扱うこと。イ及びウについては,ビジネスに関する情報を処理する簡易なビジネス情報システムの開発を行う実習をさせること。
第18 電子商取引
1 目標  情報通信ネットワークを活用した商取引や広告・広報に関する知識と技術を習得させ,情報通信ネットワークを活用することの意義や課題について理解させるとともに,情報通信技術を電子商取引に応用する能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 情報通信技術の進歩とビジネス
ア ビジネスの変化
イ 情報通信ネットワークの活用と課題
(2) コンテンツの制作
ア ファイルの形式
イ 図形と画像
ウ 音声
エ 情報の統合
(3) ウェブデザインと広告・広報
ア ウェブページ制作の手順
イ デザインの基礎
ウ ウェブページ制作の基礎
エ ウェブページ制作の応用
(4) ウェブページの公開
ア ネットワーク機器の種類と機能
イ ハードウェアとソフトウェアの導入
(5) 電子商取引とビジネス
ア 電子商取引の仕組み
イ 企業間取引と企業・消費者間取引
ウ 電子決済の仕組みと方法
エ 電子商取引システムの作成
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては,情報通信ネットワークを活用した商取引や広告・広報に伴う課題について,具体的な事例を取り上げ,関係法規や情報モラルと関連付けて考えさせるとともに,利用者の立場に立ったウェブページを制作できるようにすること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアについては,情報通信技術の進歩に伴うビジネスの形態や広告・広報活動の変化を扱うこと。イについては,通信回線やインターネット接続サービスを提供する企業の役割及び電子商取引に伴う個人情報や知的財産の保護を扱うこと。
イ 内容の(2)のエについては,図形,画像及び音声を統合する方法を扱うこと。
ウ 内容の(3)のイについては,ウェブページの制作に必要な配色や構成などデザインの基礎を扱うこと。ウについては,広告や広報に関するウェブページを制作する方法を扱うこと。エについては,双方向で情報を送受信するウェブページを制作する方法及びデータベースと連携したウェブページを制作する